ドーパミン中毒ではなく、情報が多すぎて待てないのが問題だ

ドーパミン中毒、ドパガキなどの言葉が流行りだしている。ある同僚がドーパミン中毒の何が悪いのか、みたいな議論をしていた。そこは問いの立て方が間違っていると思っていて、ドーパミン中毒という字面それ自体は現象を正しく説明してない。そうではなくて、たとえばSlackのfavicon(ブラウザのアイコン)が光ったらすぐにタブを見に行くとか、通知が来たらすぐにXを開いてしまうとか、エスカレーターでついタイムラインをみるとか、そういうシーン。通知が来たとき、時間が少しだけあるときにグッとこらえて今やってるその作業・間を保持できるか、が問題になっている。昔、私は待てない人に対して「鷲田清一 待つということ」と言って諌めることがあった。待つことができない。これがドーパミン中毒と呼ばれる人たちの問題だ。
(家にいてタイムラインをスクロールし続けるケースもあるが、これは孤独との付き合いの文脈になる。孤独の問題は一概に論じると人が傷つくので触れないでおく)

ただ、そもそもこれは現代社会の側にも大きな問題があって、それは情報が多すぎるということ。だからSNSをやめるとかスマホを持たずに旅行してみるとかそういう話が出てくる。スマホは情報端末だから。たしかに「SNSやめる!スマホやめる!」は有効だが極端すぎる。ないとないで困る。今やポイントカードもスマホだ。

MP(待つパワー)がいっぱいあって、通知が来ても待てる人はいいが、そうでないこともある。疲れているとどうしても待てなくなる。情報が多い環境がそもそも私たちを疲れさせているのだが、街中のあちこちに情報が提示されていて、強制的に脳に流しこんでくるのだから環境を批判しても勝ち目がない。問題は、どうやって情報から身を守るか。防御。こうしてみると、歩きながらイヤホンをしている人たちを一概に非難できなくなる。彼らは聴覚情報(他人の発話も情報である)のノイズをキャンセルして自分の脳を守っている、と言えないだろうか。

聴覚は技術で解決できるが、視覚がむずかしい。通知もメールも電車内の広告も、道ゆく人のたくさんの顔も、目に入ってくるのを止められない。サングラスという手もあるかもしれない。今流行りつつあるスマートグラスも外の視覚情報を遮断しつつ自分で自由に情報を足して、私的な空間を作る一つの手立てだろう*1。また、スマホのなかの話であれば通知は設定で、ある程度は減らせる。通知設定をOSから切れば良い、邪魔な通知しかしないアプリもたくさんあるし、メールであればいらんDMを購読解除しまくるという手がある。問題は疲れていると、こういったちまちました設定作業が億劫になるということ。その気持ちはよくわかるし、どうしようもないとは思うのだが、そのままでは営利企業たちの思う壺だ。彼らはただ儲けるため、顧客にリーチするために情報をばら撒き続ける。そこは自分で防御線を引かないといけないのだ。せめて元気な日、連休の最後の労働が嫌になってる時とかにサブスクサービスを解約しまくるのと同じノリで、情報を減らす活動をしてもいいのかもしれない。

いや、もしかしたら情報をいい感じにフィルタする、設定するサービスでも作ったら儲かるのかしら。消費者への情報伝達の攻防をまた資本主義の文脈に回収できておもろいかもしれない(冗談です)。

*1:視野を覆わない製品も多い

アイロンがけ

実家を出てから初めてシャツにアイロンをかけた。

ふだんの服装は柄が入っていたり入っていなかったりする長袖襟付きのシャツにしている。ソフトウェアエンジニア業界の正装はTシャツなところがあるが、私は紳士を目指しているので(?)シャツにしている。

しかしシャツの手入れは怠ってきた。歩いているときにトラックに袖をひっかけて破いたり、何も考えずに同じものを着て袖がボロボロになったり。そしてその最たるものがアイロンがけ。せっかくシャツを着ているのによれよれのしわしわだと価値が半減ではないか。

最初はスチーマーとかいうやつを買えば楽ちんでしょ?と思ったが、妻がナショナルのアイロンを持っていると言うのでまずはそれを使ってみることにした。重いステンレスの板から蒸気が吹き出すタイプの伝統的なアイロン。最後に使ったのは家庭科の授業だったか。

ナショナル

日曜日の洗濯物を取り込んだあと、ドラム式洗濯機の上にアイロン台を敷いておっかなびっくりアイロンがけをしてみた。焦げて穴があくと怖いから端っこから少しずつ。靴磨きと同じだな。少しずつ試していく。

ここがいちばんやりやすい

クローゼットにかかっているシャツも出してきてすべての服の皺を伸ばしきった。やっぱりこういう作業は向いているみたい。手仕事というか、自分にスキルが入っていく作業がなんでも好きなんだな。毎日毎週コツコツやるのも性に合っている。

何種類かの服を扱っているうちに皺が伸びやすい服とそうでない服があるのに気づいた。材質によるのかな。よくわからない。脇に大穴が空いている服もあった。ぜんぜん知らなかった。これはもう無理やな。ただ袖を通すだけでなくアイロンがけをして観察すると服のことがよくわかるような感じがした。今後、どんな布を買うかの判断につながる体験だった。今後も続けてゆく。パリッとした服を着ていたい。

朝の電車内に蛾がいた。近くのお婆さんが騒いでいると思っていたら、蛾は私の袖に止まった。嫌じゃないからそのままにしておいてもいいが、目線が集まるのは心地よくない。ぶんぶん腕を振ってたら蛾はひらひら飛び始めた。次のターゲットを目指して。近くにいる金髪のお兄さんはスマホで蛾を打ち、蛾は床に叩きつけられる。テニスでもやってらっしゃるの?やはり金髪は運動が得意だ。陰キャの敵だわ。蛾は復活して飛び、気づいている乗客たちは避ける。ちょっとした騒ぎになる。最終的に、蛾はおじさんの背中に止まったようだった。次の駅でそのおじさんは蛾とともに降りていき、車内は安堵に包まれた。そんな嫌わんでもええのに。蛾と蝶の生物学的区別は無いんだぞ。

AI効率化と意思決定のしんどさ

手を動かす仕事が減っている

いまソフトウェアエンジニア業界ではAI(主にClaude Code)のおかげで仕事が効率化されていっている。簡単なコードを書く業務はかなり減っていて、誰が書いても同じになるよね?というコードはAIにプロンプトを投げるだけで思っていたとおりのものが出てくる。とても便利だ。もちろん何も考えずにすべてをAIに任せられるということはなくて、良い結果を得るためにはプロンプトをよく練る必要がある。また、何度もダメ出しをして細かいフィードバックを重ねるのも大事だ。便利ではあるが、良くも悪くもAIを操縦する人の腕前で成果が大きく変わる。

意思決定の連続

なにがしんどいのか。頭をフル回転させなければならない時間が増えてしまったところ。これまでのソフトウェア開発では、最初の設計や方針検討のタイミングで深く考え、そのあとは手を動かしながらゆる〜く頭を使うことが多かった。設計ミスやバグがあればまた深く考える必要はあったが、総じて「やればできる」タイプの仕事が多かった。ところが、今は設計や検討をしてプロンプトをAIに伝え、Slackを少し眺めたらすぐに結果が返ってきて、また検討や軌道修正、結果の確認をするような業務に変わっている。手を動かすところが少なくなり、頭をしっかり使う時間が増えてしまった。以前と比べると、意思決定を伴う頭脳労働の密度がかなり高くなっている。

意思決定はたいへんだ。どこぞのCEOが意思決定に使える体力(MPと言ってよいだろう)を維持するために着る服を固定にしておくという話があるくらいだ。脳に大きな負荷がかかる労働なのである。

AI体調不良

労働の質が変わった結果、体調に異常をきたす人が増えてきた。以前にid:uiureo氏が書いたブログ記事もそうだし、私の同僚や私もそうである。労働してると前頭葉のあたりがじわじわしてきて、ひどいときには瞼が勝手にピクピクする。ひどいストレスだ。こんなに密度の高い労働はしたくない。

少し休めばいいのでは?サボればいいのでは?まったくその通りである。だが、ソフトウェアエンジニアは効率化が大好きなのだ。いかに少ないリソース(=コスト)でシステムを安定的に動かすかを生業にしているプロ集団であるから、自分の業務それ自体も最適化の対象なのである。AIによって業務が効率化されるならば、労働時間の許す限り出力を高めようとする。ときに自分の体力(MP)リソースがどれだけ残っているのかも認識していないから、身体症状が出るまで過集中してしまうのだ。

今後どうなるか

このままAIを活用した開発手法が一般化していくと、以前の3倍くらい(数字はてきとう)のスピードで機能を作りリリースしていくのが当たり前になるかもしれない。みんな3倍速が当たり前になるので、手を抜くと置いていかれるかも、という恐怖心が出てきてみんなで消耗する未来が見える。そしてもっとAI技術が進歩すると、さらに効率が上がって意思決定の密度が増えるかもしれない。ちょっとそれは耐えられないのではないか。だってソフトウェアエンジニアは日がな10時間椅子に座っているような人種である。いきなり体力を増やせと言われても無理だ。運動習慣とかで脳の過集中連続稼働時間て増えるの?それならするけども。

みんなでサボって雑談でもしましょうよ

マッチョな組織ならば経営者から末端まで、みんなで3倍速労働になったらいいと思うけど私は嫌だ。せめて2倍くらいで許してもらって、余った時間はチームビルディングとか組織文化の醸成に使いたい。どうせ偉い人は余った工数で新規サービスをやらせたがるのだから、そのためのネタを発生させるためにも雑談はどんどんやったほうが良い。できれば対面の会話で。

フレーム問題と責任を取る仕事

このポストがおもしろかった。何を言っているかというと、知性とか賢さは人間の中身ではなく言語の使用および、言語を成り立たせている規則や作法のほうにあるんじゃないの?という話。ウィトゲンシュタインの言語ゲーム的な話題であり、彼が生きてたらほくそ笑むんじゃないかな。

LLMおよびChatGPTたちがなぜ賢く見えるかの答えがここにある。人間はそれ自体で賢いのではなく、言語やルールの束を杖にして賢さが光る。そして、そのルールの束を扱う主体が肉体を持った人間である必要はなかろう、という見通しが立ちつつある(記号接地問題はあるにせよ)。LLMは厳密な意味で論理的な推論をしているわけではないが、巨大なデータを集めて統計処理をしたらよく使われる推論の型や明示的・暗黙的な規範のパターンは取り込めてしまう。とりあえずたくさんのデータをぶっ込んで、賢い人たちが設計した学習を回すと、ルールの束を再現するデータがモデルの内部に構築されてしまった、という状況。

昔から、本を読み書きする学者や、法を操る法曹、官僚は賢いという権威主義があったが、あの直観は正しかったのだろう。言語、記号、ルールをよく知り、うまく使えるものが賢いのである。

 

しかし、ChatGPTたち AIにはどこか抜けてるところもある。そんな細かいところ気にせんでもええがな、という塩梅の調整が下手くそだ。空気読めない、と言ってもいいだろう。これはフレーム問題に似たことが起きているのだと思う。

フレーム問題とは、ざっくり言えば「無限に関係しうる情報の中から、今この場で関係あるものだけを選び、関係ないものを捨てるのが難しい」という話だ。身体を持ったロボットがいたとして彼が「背中に💣があるかも」という可能性をいちいち全部検討してしまい、まともに動けなくなるのでは、という古典的な思考実験。実際、人間が日常で平然と何も気にしないで済ませている根拠は特にあるわけではない。バイアスかもしれない。平和だと思われた国にミサイルが降ってくる昨今。

そんなこと気にせんでもええやん、本質的な話しよ?という判断ができないのは、判断に使うルールたちの取捨選択が苦手だからだ。いま問題になっている文脈において、その話は関係ない、そのルールは持ち出さなくて良いという切り捨て。たしかに一部の賢いモデルにこと細かく状況を説明したら正しくルールセットを選んでくれるが、人間ならそこはもうちょっとうまくやる。

……いや、本当にそうだろうか。人間でも、そんなこと今言わなくてええやん、をやってしまう人はいるじゃないか。人間でも難しい問題なのかもしれない。空気が読めない、コミュ障だ、という非難は社会にありふれている。

 

逆に、こここそが人間の仕事として残ってくるところなのだろう。いわゆる責任を取る仕事。私はソフトウェアエンジニアだが、さいきんはプログラミングもコードレビューもAIに任せてチェックするだけの場面が増えている。人間はAIのやることを軌道修正し、そして最終的にトラブルが起きたら責任を取る。この方向づけはまさに、どのルール、価値観を優先してどれをどうでもいいとするか、という取捨選択になってくる。これが人間に残っている仕事である。

 

一方で、言語のルール運用の定番からずらしていくのが芸術、文学のやり方である。新しい読み方、言葉の使い方を提示していく。ここに身体性が必要で、リズムが絡むだろうというのが千葉雅也のセンスの哲学で言われていたことだと思う。身体があって「うーんどうしてもこの緑色でリズムを刻みたいな」というマティスみたいなロボットおよびAIが出てこない限りは、この領域については人間の自由が残るだろう。

ロンドン・ローマ旅行の準備

2月初旬に新婚旅行としてロンドン、ローマに行ってきた。どんな準備をして、役に立ったこと、役に立たなかったことなどを記録しておく。

航空券手配

いろいろ事情があり、直前まで欧州旅行を決行するかは不明だったのだが、1月の韓国旅行のあと決心ができて行くことになった。

双方の職場環境を鑑みると休みが取れる日付は固定で、動かしようがなかった。旅行まで約3週間前に航空券を予約したが、結果的にこれは遅かった。特に今回はミラノ・コルティナオリンピックに被ってるのが痛かった。欧州観光は、冬季はオフシーズンではあるが、できれば3ヶ月前に予約するのが良い。もし夏のハイシーズンであれば半年前の予約が良い。

non117.com

今回、私と妻はロンドンとローマへ行くことにした。私の関心が高くて妻の個人旅行で経験のあるロンドンは前提として、ロンドンだけでは時間がもったいないから、という理由でローマを追加した。

理想的には、ロンドンで欧州入りし、南へ下ってゆくルートがよろしい。2週間以上の旅程があればフランスを経由しつつ鉄道で移動するのも良いだろう。しかし時間的(1週間)には2都市が精一杯。素直に飛行機で移動することになった。

予約が直前なのもあって、今回はローマから直接関空へ帰るルートが取れなかった。安くて時間に余裕があって、自由度の高いルートはもう残っていない。2回トランジットする、高価なチケットを買う、という選択肢もあったが、関空 - ロンドン、ロンドン - ローマの往復チケットをそれぞれ取り、いったんロンドンに戻ってから関空へ帰るルートを選んだ。

検索例

今回私は取れなかったが、Expediaで複数都市周遊の航空券を予約するには、このような検索をする。行きと帰りは空港が違っていても同じ航空会社で予約し、ロンドンとローマの間の移動はまた別の検索をして手配する。OpenJawというルールがあり、厳密に往復でなくても往復に相当する扱い、割引をしてもらえる。航空券は往復で使うことで安くなる仕組みがある。

宿

航空券は予定と体力に合うものを選ぶしかないが、宿はいろいろ選択肢がある。星の数ほどもあるホテルから選ぶにはまず立地。どこを拠点にしてどこへ行きたいかを考えた。

例えばロンドンの場合は大英博物館の近く。だいたいこの辺にしておけば、あちこち便利に出かけられるようだ。私のとったリージェンシーハウスというホテルは地下鉄3路線への接続があり、遊びに行くのに便利だった。それでも候補が多くて選びきれない場合は、レビューを参考にする。今回は「もう20年この宿を使ってるわ」というコメントを決め手にした。結果的に、割り当てられた部屋がどこにあるかわからない、というトラブルはあったものの、概ね満足いく宿だった。ホテルスタッフは親切だし、おいしいイングリッシュブレックファストもついてきた。電子レンジがあり、部屋のカトラリーも便利だったし、チェックインは不要でメールで部屋の暗証番号が教えてもらえる方法だった。

私はMarthaを信じた

またローマの宿は駅の近くにした。これは治安が理由。空港から特急に乗り、駅に着いたら早足で、まっすぐホテルの部屋に荷物を置くためだ。ローマテルミニ駅も治安は悪く、少し目を離した隙にキャリーケースが持っていかれることもあるという。私の泊まったホテルはそうではなかったが、宿によってはフロントでチェックインをしている隙に荷物を盗られるケースもあるそうだ。油断をしてはならないし隙を見せてはならない。それがローマの治安である。

泊まったのはベットーヤホテルレメディオというところ。旅の真ん中で、ローマというメインコンテンツだったので少しだけ奮発した。結果、とても良い宿泊体験ができた。駅から近いのは言わずもがな、ベッドはシモンズだしカーテンの遮光性が高くて部屋を真っ暗にできる。何も見えないほどの暗闇が作れる宿は初めてだった。家で再現したくなったほど。そして極めつけはバスタブがあること。やはり日本人なので湯船に浸かれると回復できるものがある。日本から持ってきたちょっといい入浴剤はここで役に立った。お察しのとおり、この宿は日本人利用者が多く、フロントスタッフも簡単な日本語が通じるようだった。このように、バスタブの有無で絞り込むのも一つの手だと思う。

胸像のパチモンが多いが宿は良かった

各種イベントの予約

ハリーポッターと呪いの子

妻がハリポタファンなのもあって、ロンドンのパレスシアターでロンドン版の呪いの子を観に行くことになっていた。チケットは公式サイトで予約するだけ。Part1が昼過ぎから夕方まで、幕間を挟んで夜にPart2が上演される。それぞれチケットが必要なので、席を選んで押さえる。演劇お馴染みの良い席ほど高くなるシステムだった。簡単な英語が読めてクレジットカード決済ができれば予約できる。

コロッセオ、パンテオン、サンタンジェロ城

これら遺跡や教会、城は入場チケットが必要になる。入り口でQRコードとパスポートを見せるシステムで、どの入場料も10〜30ユーロくらい。公式サイトで予約を取る方法もあると思うのだが、私はGetYourGuideという仲介サービスを使った。代理店が指定された時間の入場枠を確保してくれる仕組みなのだが、おそらく公式サイトを代わりにぽちぽちしてくれているだけだと思う。店に行ってもQRの印刷された紙を受け取るだけだった。英語が読めるなら自分で予約したほうがいい。

レストラン

トリップアドバイザーで出てきたイタリアンレストランを予約した。これも時間を指定しておくだけ。店に行ってみたらアジア人だからかややぞんざいに扱われたが、妻が勇気を出してくれて予約あるんやが、と訴えたら急に店員の態度が変わってよく扱われた。

SIM・保険・たびレジ

eSIM

klookというサービスでSIMを注文した。7日間使い放題で2513円。ヨーロッパどこでも使えるSIMだった。日本でセットアップしておくと、着陸直後から通信ができて便利。klookは他にもアクティビティの予約ができるサービスらしい。使ってないからよくわからないけど。

海外旅行保険

カード付帯のものでも良いと思うが、今回は私がまとめて決済してしまったし、盗難保証を手厚くしたかったので三井住友海上の旅行保険を契約した。盗難保険は注意点があって、高額なカメラやスマホでも10万円程度しか保証されないことが多い。約款に書いてあるのでよく読むこと。

たびレジ

外務省からのいろいろなお知らせを受け取れるサービス。緊急時に利用する大使館の住所、電話番号が乗ったメールが来て便利。大使館・領事館へ用があるときは緊急旅券を発行してもらうときなので、戸籍謄本の原本、コピーを持っておきましょう。

予習

英語の演劇を観るとは言ったが、聴きとれる自信はない。コンテキスト把握が大事なので、事前に映画8本と原作(脚本)を読んでおいた。実は脚本履修がギリギリになってしまい、幕間で焦りながら読むということがあった。早めに、できれば2回くらい読んでおくとよい。

旅行本

地球の歩き方とかそういうの。ロンドンとローマのものを買った。一応買っておいた。移動の計画、宿、ごはんを決めるのに参考になった。

語学本

外国語全般は主に妻に担当していただいた🙏。イタリア語の入門書、指差し単語帳など。指差し単語帳が特に便利だそうな。

街歩き装備

イタリアの治安が悪いのでかなり力を入れて対策した。結果、盗られたのはダミー財布の5ユーロだけだった。スーパーに行ったときに妻のポケットから盗られたらしい。

原則は「貴重品は首から下げて上着の内部に隠す」ということ。これだけで大丈夫だった。あとは「人が多いところで警戒し続ける」という心構えもあると思う。

 

貴重品はパスポートとカード、現金が入る首掛けのバッグ、紐をつけたスマホ、カメラ、があった。

カメラは持っていくべきではないのだが、どうしても写真撮影をしたくて持っていくことにした。富士フイルムのX-E5で、そこそこコンパクトで重宝している。ストラップはPeak Designの首掛けタイプ。撮影しないときは上着の下に隠しておいて、写真を撮るときだけファスナーを下ろして出し、妻に声をかけた上で構えていた。それでもサンタンジェロ城の橋の上で「hey broいいもん持ってるじゃん韓国人の兄貴」的なことを言われ絡まれた。カメラを持っているアジア人=富裕層のカモと見られるので注意すべし。

これら貴重品をすべて首から下げると肩が凝る。せめてもの負荷分散に、たすき掛けになるよう腕を通して斜めになるように下げるとよい。私の場合はスマホは右手側、パスポートは左手側、カメラは中央に下げるようになった。

この方法は夏場が課題だと思う。通気性の良いジャンパーか何かを使って、暑いのは我慢しながら隠すしかないかも。むしろそれがカモであることのシグナルになる可能性も否めないが、どうしたらいいのかは私にはよくわからない。

機内装備

服: スウェットとサンダル

妻の発案によりスウェットとサンダルで過ごすことに。18時間ほど機内にいるので、動きやすくて楽な格好が良いそうな。実際良かった。スウェットの下はふつうの下着だが、足にはフライトソックスを履いている。エコノミー症候群対策。さらにレッグウォーマーもあったら良かった。寒くて眠れないときのために。機内はたまに冷えることがある。

睡眠: クッション、アイマスク、NCイヤホン

クッションは空気を入れて膨らませるタイプのものを。首用と腰用を持っていったが、キャセイパシフィック航空が枕みたいなクッションを貸してくれたので腰用はいらなかったかも。

アイマスクも買ったが、つけてると眠れないので結局外していた。

NCイヤホンはふだん使っているものを持っていった。BOSE QC Ultra Earbuds 2。けっこう静かになるので重宝した。

充電

コンセント変換は無印のものを持っていった。そこに240V対応延長タップを繋いで、海外対応のAnkerのType-Cアダプタを挿していろいろ充電した。Anker製品でも国内専用のものがあるので、対応してるかよく確認すること。

現金

関空でユーロ、ポンドを両替したが、どちらの国もタッチ決済に対応してるところばかりだった。イタリアの公衆トイレではユーロ硬貨が必要だった。

衣類圧縮バッグ

この製品が良かった。たくさん詰め込んでも小さくできる。二つくらいあると良さそう。

布団乾燥機

海外電圧にも対応している。ダニ退治モードで使うことでトコジラミ対策(気休め)ができる。宿に着くたびに布団をめくってフンがないかチェックし、布団乾燥機を突っ込んで熱風を送り込んでいた。

持っていけば良かったもの

ラップ

特に英国で必要だった。英国のごはんはしょぼいため、スーパーで何かと買うことになる。パンとハム、チーズで自作したサンドイッチがおいしかった。これを持ち運ぶのに使う。他にも旅先での用途はありそう。

ジップロック

お土産の割れ物を持って帰るのに使う。ガラスが飛散したり、液体が漏れたときの保険にする。今回は現地のIKEAで調達した。

お茶パック

水と炭酸水ばかり飲んでいるとだんだんお茶が恋しくなる。トイレが少ないのもあるのだが、旅行中の私はあまり水を飲んでなかった。お茶があればゴクゴク飲めるのになあ、と思ったことが何度かある。

ブリタ浄水器ボトル

水が1本2ポンド3ポンドするのが当たり前だった。毎日2000円近く水を買ってたので、浄水器があるとよい。中身を空にしたら保安検査も通過できないかな。

青汁

野菜にありつけないので、腸の健康のために粉末の青汁を持っていくといいかもしれない。

持っていったけど使わなかったもの

腰バッグ

貴重品を入れるためにスポーツタイプのウエストポーチを持っていった。服の下に隠して使うつもりだったが、必ず腰が痛くなるので早いうちに使わなくなった。重要な貴重品のパスポートとカードは首から下げるポーチに入れていた。

余計なレンズ

レンズは換算35mmと24mmのを持っていったが後者しか使わなかった。広角さえあればいい。

参考文献

note.com

note.com

ロンドン・ローマ旅行記

ロンドン

ごはん

バラ・マーケット

ヒースローに着いた日、荷物を置いたらバラ・マーケットへ。昔からある市場で英国から集められたさまざまな農作物が買えるそうだ。変なきのこも売られていた。ここは京都の錦市場ほどは観光地化されておらず、いまだに地元民も買いにくるみたい。犬を連れた人もいたし。英国には犬が多かった。サイズは中型から大型犬。電車にも乗れるようで、この国では犬の権利が強いのだなあと思った覚えがある。

どっご

エコノミークラスで14時間缶詰にされ、朝7時に入国したので疲れて腹が減っていた。観光地価格ではあるが、この市場ならまともなものが食べられるだろう、と踏んでフィッシュアンドチップスを注文した。20ポンドくらい。4000円である。妻はフルイングリッシュブレックファースト。これもまた20ポンドだった。

フィッシュアンドチップスとイングリッシュブレックファースト

結論から言うと、おいしくはなかった。一口目は「噂と違っておいしいじゃないか」と一瞬だけ思ったのだが、食べすすめて満腹中枢が満たされ、白身魚のフライが冷めていくうちに英国料理の本領が発揮されだした。何がまずいのか。

  • 白身魚が小さいわりに衣が多すぎる
  • 衣に味がついてない
  • 魚にも味がついてない
  • 油そのものがおいしくない
  • 卓上のケチャップ、塩、マヨネーズが少なすぎる
  • つけ合わせの豆、ポテトも味がなくて単調

という感じ。まずくはない。ぜんぜん食べられる。だけど不思議なおいしくなさがあった。旨味や食事の喜びに対する見解の相違がありそうである。

テラスハウス

英国式長屋

ロンドンの中心部を歩いていると、長屋みたいな家がたくさんあるのに気づく。ドアがたくさんあって、別個の家なのに壁は共有していて建物としては一個になっている。これは長屋だ。調べてみると、ヴィクトリア朝時代にたくさん家を供給するために作られたものらしい。テラスハウスと呼ばれる。

今回泊まった宿もテラスハウスの一画を改装した家だった。壁を隔てた隣はまた別のホテルになっている。一つのホテルには10部屋もあるかどうかで、地下(-1)から3階(+2)くらいまでしかない小規模なホテルだった。

ちょっと凝った内装

合理主義

このホテル、チェックインもチェックアウトもなかった。事前にメールで玄関と部屋の暗証番号が送られてくるだけ。チェックアウトも部屋を空っぽにするだけ。そこそこおいしいイングリッシュブレックファースト(2, 3回なら食べてもいい)の朝食もついていたのだが、アジア人向けにウェブアプリオーダーシステムも整備されていた。人を使わない形ではあるが、快適に過ごせるよう気は使われていて、無駄なく合理的である。

どこで食べてもまったく同じものが出てくる

その精神がよく発揮されてるのが地下鉄。undergroundが正式名称でtubeとも呼ばれる。なぜtubeなのかというと、丸い穴が空いているだけだからだ。トンネルマシンで丸く掘ったあと、壁をつけただけのチューブに電車や通路を通す。電車はトンネルに合わせて丸い断面をしており実に合理的だ。地下鉄は深いところでは地下5階くらいのところを走っている。そのため移動に時間がかかることを懸念してエスカレーターが爆速設定になっている。ふつうの日本のエスカレーターの1.5倍、遅めのに比べると2倍はあると思う。でもちゃんと安全装置があり、エスカレーターの中央分離帯にあるボタンを押したら止まるらしい。

チューブに合わせて作られる地下鉄

爆速エスカレーター

どんより

どんよりビッグベン

噂どおりロンドンはどんより曇り空が多かった。雨に降られたことも何度か。そのためなのかわからないが、緑地の整備に力が入れられている印象があった。マルクスの墓を見学しに行ったさい、隣のWaterlow Parkに行くと広々とした芝生が維持されていて、緑が多かった。冬なのに。散歩をするには良さそうな公園。大きめの犬が集まっていて、時にはリードが外されて野放しになっていた。

どんよりパーク

あと芯から冷えるような寒さもあった。京都に似た寒さで性能の良いダウンがないと耐えられなさそう。屋内は暖房がしっかりしてるからいいけど、停電したら耐えられないだろうな。

くそでかマルクスのお墓(入場は有料)

英語

何度かPoor Englishで困った。いちばん困ったのは入国するとき。どっから来たの、何しに来たの、を正確に聴き取れなくて何度か聞き返すことになった。そのくらいのリスニング能力です。

それなのに2日目にハリーポッターと呪いの子の演劇を観に行っている。妻がハリーポッターシリーズのファンで、ぜひ観たいとのことだったので。幸い、演出の魅力が半分くらいある演劇だったのでよく楽しめたが、うまく聴き取れなくてまわりが笑っているのに自分だけ???になることもあった。特に感情のこもった英語はむずかしい。

いちばん聞き取りやすかったのは、シャーロックホームズ博物館(ベーカー街 221B)のガイドさんによる英語。これが英国で聞いたなかでいちばん聞きやすい発音だった。

ほか、空港の保安検査やお買い物レジで英語を使ったが、こういうときは文脈がはっきりしているので何を言われているのかだいたい理解できていた。話者の人種やクラス、置かれた状況にもよるが、やはりリスニングはPoorであるなあ、と反省した。が、ふだんまったく使わない技術なのできっとこのままだと思う。

呪いの子が上演されるパレスシアター

シャーロックのお部屋

大英博物館・ナショナルギャラリー

大英帝国が世界中から持ってきたさまざまなものが集められていた。ロゼッタストーンやパルテノン神殿の像を返せと言われているのは有名な話。なんで返さないのかというと、収蔵物を放出してはならないという法律ができたかららしい。そんなめちゃくちゃな。

ナショナルギャラリーではリュックサックを前に持つように何度も注意された。英国は治安が良いほうだけれども、観光地ではそうでもないらしい。リュックにはTSAロックをつけてたからか特に被害はなかった。

有名簒奪物たち

歴史の古さ

ローマほどではないがロンドンも全体的に古い建物が多く、歴史がある。上述のテラスハウスは150年ほど前のものだ。地震がないし日本ほど空襲で焼けてないので残りやすいのだと思われる。景観規制もしっかりしてそう。

ロンドン大学

国防省付近のお馬さん

じゃあ新しい建物はどこにあるのか。ロンドン橋の近くには高層ビルがあるのを見かけた。人が住むでっかいマンションとかはロンドンシティ空港へ行く途中のDLR沿線にありそうだった。DLRとはDocklands Light Railwayの略で、Docklandsが地区の名前である。Dockとは船のドックのこと。港湾機能が衰退して空いた広い土地に景観規制を緩めた再開発地域ができたらしい。ロンドンの東側、海に近いあたりにある。

Stratford駅

最終日にはHamleysというおもちゃ屋さんに行った。友人の子らにぬいぐるみでも買っておきたいな〜と思って入ったら1760年創業の世界最古の玩具店とな。思わず、かわいいぬいぐるみを大量に買ってしまった。

Hamleysはときめくおもちゃ屋さんだった

これらのぬいぐるみを買った

ローマ

治安

対策は準備記事のほうに書いた。ローマは治安が悪く、軽犯罪が多い。スリに注意せよとあちこちで言われている。貴重品をできるだけ持たないようにして、すべて首から下げ、上着のなかに隠すようにした(それでも5ユーロ入ったダミー財布が盗られた)。

実際に行ってみると治安云々だけでなく人が多すぎるのが問題だった。街全体が世界遺産みたいなもので、どこに行っても人がたくさん集まっているので人との距離が近くなる。気を抜いた隙にポケットのものを盗られても気づきようのない条件が揃っていた。

コロッセオ、パンテオンの前

ごはん

アマトリチャーナとリゾットのカルボナーラ(ちゃんとグアンチャーレが使われている)

おいしかった。おいしかった、けど、脂がきつかった。オリーブオイルが大量に使われているだけでなくチーズが多い。初日に予約したレストランで食べたパスタはオイルとチーズと塩漬け肉がふんだんに使われていて、それだけで満腹になってしまった。メインの肉を頼んでしまったのに妻に食べてもらうことになった。

メインのお肉

2日めにふらっと入った店ではパスタとピザだけにした。これで十分だったしおいしかったが、妻の頼んだカチョエペペはチーズがきつかったらしい。羊乳系のチーズで香りと味が重く、しばらくこれ系の料理は無理だ、とまで言っていた。

奥のかちょえぺが厳しかったらしい

ローマといえばアーティーチョーク料理である。花の蕾を食べる変わった食文化があるのだが、食べてみるとうまい。きのことたけのこに似た食感、味があった。アーティーチョークはパニーニにも挟んで食べるようだった。

アーティーチョークの焼いたやつ、スーパーで売られているもの(左)

マリトッツォも食べた。こちらの生クリームは日本のものとは違って砂糖が少ないらしい。ただの生クリームを挟んだだけなのが印象的。日本の料理は全体的に甘味が強い傾向がありそう。

見た目はふつう

エスプレッソを立ち飲みできるのが良かった。街のあちこちのバーと呼ばれるカフェバー屋さんがあり、コーヒーが飲める。エスプレッソ1杯1ユーロくらいで、注文したらすぐに淹れてくれる。カップで飲むこともあるし、テイクアウトもできる。日本にも欲しいな、と思った。切実に。

エスプレッソが1分くらいで提供される

アモーレたち

いちゃこらしているカップルが多かった。ロンドンでは見られなかった光景。ローマに遊びにきた各国の人がいちゃこらしてるのか、イタリア人がいちゃこらしてるのかは区別できなかった。噴水とかサンタンジェロ城の屋上でアモーレカップルたちが目立つ。特にバックハグをしている人たちが多く、我々はタカアシガニと呼んでいた。タカアシガニはオスが長い脚を檻にしてメスを閉じこめ、手籠にする習性がある。バックハグはタカアシガニ的な所有である。サンタンジェロ城の屋上には夕暮れ時に行ったのだが、プロポーズをしたカップルもいた。ぼーっとしてたら拍手と歓声が聞こえた。タカアシガニがつがいになった瞬間である。

https://aquarium.co.jp/diary/2014/09/12149 より引用

アモーレたちの様子

遺跡・教会・建築物

古代のコンクリートで作られたパンテオン

ローマ時代から建っているものが多くて技術力の高さに感心した。特にパンテオン。ローマ式のコンクリートで作られていて、2000年くらい建っているらしい。天井に穴が空いているのが特徴。どのローマ時代建築もそうだが、本来はローマの神々や皇帝のための建物がキリスト教的な用途に流用されている。教会もこれらの建築物も外側は地味なのに内部は派手。カトリック的なやり方で、天国の実在を示す意図があるのだろう。フレスコ画はどれも綺麗だった。これは行ってみないとわからない、写真では伝わらない存在感である。

コロッセオ、サン・ピエトロ広場、教会の天井、サンタンジェロ城のミカエル像

賄賂

サンタ・マリア・マッジョーレ教会

サンタ・マリア・マッジョーレ教会の売店でメダイ(お守り)と聖水瓶を買ったときのこと。売店のお姉さんが「あっちに行くと聖水を入れてもらえるよ」と言うが、どこで誰が入れてくれるのかわからなかった。しばらくうろうろしてみて社務所的なところに入りこんでみたものの無視された。そして、妻ががんばって通りがかった神父さんに頼んだらようやく聖水(祈りが捧げられた水道水)が入れてもらえた。このときお礼にキットカット抹茶味をあげた。カトリックでは上納物が大事だと聞いていたので。

メダイとエスプレッソのカップと聖水

まとめ

新婚旅行でロンドン・ローマに行ってみた。なんでも英語で書かれているロンドンは過ごしやすいが物価が高く、気軽にお会計が1万円を超えて生活が大変そうだった。景観や街作りは好きだし文化的にも親しみがあるのでまた行ってみたい。ローマは歴史があって荘厳な建築物、おいしいご飯が魅力だった。反面、治安の悪さで休まらないところがある。人が多いのもちょっと大変。

次に行けるのは何年後になるかはわからないが、おもしろい体験だった。機会があればまたどこか別の国にも行ってみたい。今後、欧州産コンテンツ(映像も人文学も)を消費するさいに背景への想像がしやすくなりそうでお金をかけてでも移動して良かったな、と思っている。

その他の写真コーナー

異国のお墓

UKオタクショップ

ハリポタデザイナーショップ

イタリアには小さくてかわいい車が多かった

サンタンジェロ橋の天使像

パニーニ

ローマのスーパー