しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報 2023/12/31 コーヒー依存、新年で生まれ変わる、有能さとおもしろさは関係がない

12/23(土)コーヒー依存、『哲学の三つの伝統』を読んだ、ザワークラウトは薬

朝食後コーヒー。コーヒーうまいよう。あまりにうまいので豆2杯で500ml抽出し、ぜんぶ飲んでしまった。アナエロビックはすごいなあ。

これまではケチって一杯だけ飲み、あとは冷蔵庫にしまっていた。平日の朝に飲むようにとっておいたのだ。

だがそれももうやめだ。その場で飲む。

🛵🛵🛵

『哲学の三つの伝統』を読んだ。

古代中国、インド、ギリシアの三つの哲学の共通項を論じた本。どの哲学にも共通するのは「世界はどうなっているのか」「人間はどう生きるべきか」という問い。中国とインドの哲学は論証を重視しなかったが、ギリシアの哲学は論理的な厳密性を重視した。その結果として欧州に科学が発生し、世界を席巻するに至った。科学は「世界」に対する問いであり、どの文明圏でも再現するから。

ただ、そんなにおもしろい本ではなかった。半分くらい読んでない。

🛵🛵🛵

どよ〜んと元気なく過ごしていたところ、サラダとザワークラウトを食べたら復活した。

前から再現する現象なのだが、家で飼ってる発酵食品を食べるとすぐに元気になることがある。乳酸菌や酵母が作った栄養素が原因かとも思ったのだが、彼らの作るビタミン類をサプリで飲んでもこれほど効くことはない。おそらく生きた菌に含まれる何らかの物質がすみやかに血中に取り込まれているのだろう。

これは突拍子もない発想でもなくて、老化を抑制する物質(NMN)が経口摂取で血中に展開されることがわかっている。NMNはNADの前駆体で、NADは細胞呼吸や酵素反応などあらゆる場で使われる重要物質である。重要なので生体が速やかに取り込む、という仕組みがさまざまな物質に対して備わっていてもおかしくはない。

というわけで、妙に元気になるので今後もザワークラウトを食べ続けようと思うのであった。

12/24(日)靴磨き沼の入り口、読んだ本まとめた

週報を仕上げ、ポトフを作り靴磨きをした。

靴磨きがわりと好きなことに気づきつつある。靴職人曰く「革は人間のお肌と同じで保湿が大事。生きてるようなもの」とのこと。実際に靴クリームを塗っていくとツヤツヤきれいなお肌になる。テカらせていくのがとても楽しい。

東急ハンズに行くとブラシだのクロスだのいっぱいメンテ用品が売られている。油断するといろいろと揃えたくなるもので、これは沼だなと思った。

🚍🚍🚍

スーパーに行くと人だらけ。みんなクリスマスイブで浮かれているのだろうか。
骨付きもも肉が売られていたが買わなかった。同じもも肉なら、いつも味噌汁弁当に入れていて食べ飽きているので……。こういうときのために地鶏を調達したら楽しいのかもしれない。

いつもの肉、魚、野菜を買って帰った。年の瀬でだんだんやる気がなくなる予定なので食材もてきとう控えめにした。

🚍🚍🚍

今年読んだ本のリストアップをしてみる。そのうち記事として出す予定。

結局、四半期まとめは書けていないし年末まとめも書く気がないのだが、読んだ本くらいはまとめてもよかろう、と思ったのだ。

まめなもので、読書メモは大量にある。いつ読んだか、どのページで何を思ったか、何が書かれていたかがWorkflowyに溜まっている。もう2年ぶんくらい。これを2023年1月1日からさらっていって、雑感を書いたら完成だ。1時間くらいでできた。

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12/25(月)通勤で運動するしかない、『三流シェフ』を読んだ

「健康のためには運動しかない」という真理に屈して自転車通勤を再開した。

これまでは電車やバスと徒歩で移動することが多かったのだが、どう考えても自転車通勤ほどの負荷にはならない。会社までの数kmを自力で移動するのだ。日常に組み込める運動で、これほど便利なものはほかにない。

一時期はいわゆる電動キックボードや電動自転車に目移りしたものだが、それも諦めた。自分の足だけで移動する。

 

自転車も買い換えることにした。今乗っているのは学生時代にバイト代(二回払い)で買ったロードバイクだが、じつは体型に合っていない。どうポジションを変えてもハンドルが遠いので胴体か腕が短いのだと思う。買った店もしょぼいところだったし、フィッティングがうまくされなかったのだろう。学生時代の買い物なんてそんなものだ。もう十数年乗っていることだし、頃合いではあるだろう。

というわけで2024年は自転車通勤し続けるのがテーマです。

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『三流シェフ』を読んだ。

三國清三の自伝。世界的に有名なシェフだが、私にとってはYouTuberである。読んでみたら偉大なシェフだった。怒鳴ったり蹴ったりするけど。

生まれは北海道の貧しい家。漁師の父に連れられて手網漁をしていたらしい。児童労働!

中学を卒業したら調理師の学校へ行き、札幌のホテル、帝国ホテル、ジュネーブ大使の料理人と出世していく。帝国ホテルでは鍋洗いしかしてなくて料理はさせてもらえなかったのに、当時の総料理長が塩ふりの様子だけで腕前を見抜いて海外派遣させたらしい。総料理長の目がやばい。

スイスで経験を積んだ三國は、大使との契約満了後も欧州に残り修行を積んだ。一時期はフランスの三つ星レストランを渡り歩いていたというので、やはり技術とか才能の類があったのだろう。

 

日本に帰ってきたのは「自分は日本人でありフランス人の真似事はできない」と痛感したから。天才シェフに「セパラフィネ(洗練されてない)」と言われたり、まかないを作ったら同僚から「味が薄い」と言われたりして「日本人はクリームドバドバ、バターびちょびちょの料理は作れない」と理解したそうな。こうして日本人としてのフランス料理をつくるようになり、今の地位がある。

結局のところ育った文化からは逃れられない、という話である。

非常に読みやすいのに密度があってよい本だった。

12/26(火)カフェインのやばさに気づく、野菜の質がわからない

在宅勤務で会議地獄。蟻地獄。字が似てるね。

午後はコーディングをしまくっていた。コーヒーを飲み、玉露を飲み、とカフェインを注入しまくっていたら退勤後に頭が変になる。精神ではなく物理の話。頭の血管がじわーっとして後頭部がぞわぞわするのだ。

調べてみたら「カフェインは頭の血流を妨げる」という情報が見つかった。カフェインの効果が切れたら頭の血流が増えてぞわぞわするわけである。

ついでにカフェインの作用機序について調べていたら「脳の疲労物質が溜まっても集中力が切れないようにする(ドーパミン抑制神経の活性化を阻害する)」ということがわかった。あれ?立派な薬物なのでは?合法なだけでやばいやつ。

でもやめない。やめられない……。さすがに控えめにしようとは思ったけれども、コーヒーはうますぎるので離脱不可能だと思う。

🪘🪘🪘

料理人は極まっていくと「素材の質がすべて」みたいなことを言いだす。魚だとわかりやすくて、魚の締め方や処理で身の味が変わる。肉も同様で、いい育て方をしていても処理が悪いと血が残りまずくなる。

じゃあ野菜はどうなのだろうか。萎びている、ツヤツヤしているというのはわかるのだけれども、どういう野菜が良いのか、基準をよく知らない。

一つ気づいたのは、夕方に八百屋に行くから微妙な野菜ばかり掴んでいる説。もしかすると朝に買い物をすると、良い野菜が手に入るのかも。そういえば過去の週報で「午前のスーパーは野菜が輝いていた」と書いたことがあるような……。

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12/27(水)腰の爆発を診る、英国人は紅茶で不眠症にならないのか?

年内の最終出社。明日は在宅。カフェインの影響で睡眠が終わっており、フラフラな状態で仕事をした。

お昼に「腰が痛い」という同僚の姿勢をチェックする。私は猫背を治した姿勢のオタクなので見たらわかるのだ。

席に行ってみて猫背の具合、腰の反りなどを確認してみたが、そう悪い感じはしない。机の高さはおかしかったがそれくらい。

「じゃあ何で腰が爆発したんだろうね」と話すうちにマットレスが悪い可能性に行きあたる。同僚はいいマットレスを買ったのに、妻子に取られてしまったらしい。それなのでは〜?

 

家に帰ったらおりゃーっと最後の仕事をしにかかる。年内にキリのいいところまで終わらせたくて20時すぎまで働いてしまった。結局、バグがとれずに撤退する。

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カフェインといえばコーヒー、紅茶。紅茶といえば英国。英国人は一日に何杯も紅茶を飲むそうだが不眠症にならないのだろうか?

調べてみると「たしかに紅茶を飲みまくる」「紅茶には必ずミルクを入れる」ということしかわからなかった。不眠である、という情報は出てこない。

一説によるとお茶のテアニンがカフェインと拮抗する作用を持っているのだとか。たしかに紅茶はホッとするような気持ちになる。コーヒーみたいなウオオオという薬みたいな作用とはちょっと違うのかもしれない。

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12/28(木)新年で生まれ変わる、今年の収穫は「猿真似」

仕事納めの日。遅めに起きて在宅勤務。昨日残しておいたバグをとって仕事が納まったことにした。コードレビューはされてないが、機能は完成した。完成したのだ。その後は定時までだらだらして終わり。

 

退勤するときに同僚たちが「締めの挨拶」みたいなものをチャットに書き残していく。そうせざるを得ない妙な雰囲気が仕事納めにはある。

日本だけでなく中国や韓国も同じだと思うのだが、我々にとって年末と元旦は特別である。今でも元旦の休みだけは死守されるお店が多いし。

我々にとっての新年は「生まれ変わり」みたいなものなのだ。古くは数え年の考え方がそれ。西欧の考え方だと年は誕生日を基準とするものだが、我々にとっては誕生日よりも元旦のほうが重要らしい。実際には何も変わらないのに、大きな区切りがここにある。

数え年というのは、中国に由来する古典的な東洋の年齢観である。人は生まれたときすでに「一」であり、また歳をとるというのは、年末にやってくる歳徳神のなせるわざ。新しい歳を運んでくるのは、先祖が浄化されて神格化した神さまの仕業だと考えられた。年末の大掃除も門松を飾るのも、すべてこの歳徳神を迎えるためだ。

「満」と数え年 | 玄侑宗久公式サイト

ぺかー てってれーん

🏅🏅🏅

今年はストレスも高めだし忙しかった。来年はもっと忙しくなるだろう。

 

7月に大きな変化があった。

同僚に「あなたは思うような出力をしてくれない」と言って怒られる。最初はこちらも怒ったのだが、上司に協力してもらいつつ話を聞いてみたら、私に要求されている仕事は妥当な内容だった。明に言われてなかったけども。「じゃあなんでちゃんと要求し説明しないの?」とは思ったが、そういう説明が苦手な人なのはわかっていたのでそこは呑んだ。

「説明しないほうが悪い」とすることもできるが、世の中は言語化が得意な人ばかりではないのだから仕方がない。それにさまざまな合理的事情があり、私はまだまだその人と仕事をやっていく必要があった。要求の仕方に文句はあったが、能力のある人なので尊敬もしていた。

という複雑な状況があり、自分を変えて対処することにした。向こうからの説明がなくてもこちらから察して相手のやってほしそうなことをやる。具体的にどうやって?「とりあえず真似すれば当たるでしょ」という結論に至った。これが正解だったのだろう。そのうち、うまく仕事の連携ができるようになった。

 

猿真似は効率的な学習法である。今は何でも「わかりやすく説明しろ」と言われる世の中だが、かといって人々の説明能力はさほど上がっているわけではない。皆が相互に説明を要求して窮屈になっているのが実情だ。だからああしろこうしろ言われる前に察して真似しておけばお得なのである。その点の価値観を転換することで、得られるものがあった。

それに、察してもらって悪い気になる人とかいないのである。できるなら察しておけばよい。

11/29(金)フランス料理は肉を食べさせる技術、有能さとおもしろさは関係がない

休暇に突入。しかし忙しい。明日は東京だし明後日はコミケコミケから帰ってきたら正月でスーパーはみんな閉まっている。野菜や肉を備蓄しておかないと食っていかれない。朝食を食べ、体調が整ったら八百屋とスーパーをはしごして食材調達に奔走した。

週報原稿を書いて料理動画をみたあとフランス料理に挑戦する。三國シェフのレシピ。

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この二つを作って

どちらもおいしくて癒やされた

こうなった。

どちらもたいへんおいしくできた。満足である。レシピ通りにやったらスーパーの材料でもおいしいフレンチができることがわかった。

🛷🛷🛷

妻氏が飲み会の反省会を二日遅れでしていた。話を聞いてみると「仕事ができる人だと思っていたのに喋ってみるとおもしろくない」という悩みだった。期待外れというやつ。

しかしよく考えてみると有能さとおもしろさは関係がない。効率を優先し視野が広くて真面目であれば有能になれるかもしれないが、我々の求めるおもしろさは真面目さとは真逆の特性である。不真面目であるとよいところがある。

しかし不真面目だと仕事が雑になる。実際私や妻氏は雑な仕事をしがちなタイプなので困っているところもある。真面目さと不真面目さの間でいいバランスを求めて揺れている。だから真面目さ一辺倒の人も不真面目さ一辺倒の人も趣味が合わない。それはもうそういうものだから仕方ないな、となった。

 

ちなみにこのブログの記事も真面目に書かれていない。真面目なように見えるのは私が「問いを立てて論理的に考える」のが好きなだけであって、取り扱う題材については「なんでもいいし明日には考えが変わっているかも」と思っている。そういうふうに、真面目にやらないことをモットーに書いているので、くれぐれも読者の皆さんは真面目に受けとらないようにしていただきたい。

2023年に読んだ本

今年は週に一冊本を紹介することを目標に読書をしていた。だいたい金曜日までに一冊読み終わっていればよくて、早めに読み終わった本が溜まることもあれば、ギリギリまで読み終わらないこともあった。一種の締切があったので安定して本を読み続けられた。リズムは大事。

一年は52週。読んだ本も52冊だった。これ以外は読んでないと思う。漫画も最近は読まない。当たりはこのなかで5冊くらいで、もうちょっと基準を緩くしたら20冊くらいだと思う。下のリストで⭐️をつけてある。

三割くらいはダメな本だった。途中で投げればいいものを、サンクコストにやられていつも最後までめくってしまう。最初の数ページで捨てる判断もできていない。いつまでたっても読書は上手にならない。

 

ドゥルーズ - 檜垣立哉
ドゥルーズ入門書。ベルクソンを引き継ぐ「生」の哲学者である、という整理がコア。ちょっとむずい本。

 

忘れられた日本人を読む - 網野善彦
読書ログがないが読んだような気がする。宮本常一と網野の思い出話とか、網野歴史学からの解釈。

 

⭐️⭐️民俗学の旅 - 宮本常一
宮本常一の自伝。おもしろかった。「維新以前の人のことばには抑揚、リズムがあった」という記述がよい。『忘れられた日本人』を先に読むべし。

 

⭐️戦後日記 - 三島由紀夫
三島事件へ向けてだんだん不穏になっていく三島の日記。文章が上手い。その時代らしい言葉遣いが残っていてよい。余暇は劇場、映画、キャバレー、ナイトクラブ、酒。

 

⭐️⭐️⭐️徒然草 - 兼好
説明不要。おもしろい段がたくさんあった。陰キャ文学なので合う人にはとても合う。

 

⭐️⭐️人間の生き方、ものの考え方 - 福田恆存
the 人文学という感じの教養書。説教かも。「言葉の意味をちゃんと理解して使ってますか?」「人間は本質的に孤独」がメッセージ。

 

ベルクソンの哲学 - 檜垣立哉
檜垣立哉に言わせると「生」の哲学の人。むずくて要約できない。

 

医学の歴史 - 梶田昭
胆汁質とかの呪術っぽい医学から近代医学までを語る本。「できることは悩みに対応する慰めなのに、たまにしかできない癒しを看板に掲げたところに、医学の宿命的な辛さがある」p42

 

自律神経の科学 - 鈴木郁子
内臓を支配する神経と内臓から情報を吸いあげる神経がある。皮膚刺激で自律神経が影響を受け、胃腸の動きを活発化させたりする。鍼灸の原理の一つ。ちょっと冗長な本。

 

カラスと京都 - 松原始
90年代の京大学生生活を描くエッセイ。カラス研究者になるまでの半生。

 

日本語の起源 - 大野晋
日本語はタミル語から派生したという仮説の本。語彙だけでなく文化の類似性も指摘しており、説得力はある。

 

⭐️⭐️⭐️福翁自伝 - 福澤諭吉
とてもおもしろい(読みやすい)。適塾時代のハチャメチャが楽しそう。

 

君が戦争を欲しないならば - 高畑勲
空襲体験の壮絶な描写、などなどの講演集。おそらく火垂るの墓の原体験。

 

⭐️東と西の語る日本の歴史 - 網野善彦
日本は東西で文化的に別物だよ、という主張の本。

 

⭐️⭐️日本人の身体観の歴史 - 養老孟司
死体を人扱いしない日本文化・社会への恨み節なのだが、よく考えられていておもしろい。「実在感」がキーワード。日本には身体をないかのように扱う文化がある(身体の実在感がない)。

 

語学の天才まで1億光年 - 高野秀行
冒険のためなら現地で言語を覚えればいいのだ本。どの言語にもノリのようなものがあるらしい。自虐的なのにドヤ顔をする書き方が苦手だった。

 

⭐️⭐️言語はこうして生まれる - モーテン・H・クリスチャンセン, ニック・チェイター
言語は即興的なものであり、ジェスチャーゲームのようなものである。きっちりした意味がある盤石な体系ではない、と主張する本。すべては言語ゲームである。

 

言語の本質 - 今井むつみ, 秋田喜美
オノマトペによって言語は身体とつながっているんだぞ本。アブダクションも大事。アブダクションは論理的には正しくないが、新しい知識を作りうる。おもしろいがちょっと読みにくい。

 

⭐️パスタでたどるイタリア史 - 池上俊一
古代ローマから現代までパスタでイタリアの歴史を語る本。おもしろい読みやすい。中世ではごちそうだったのに、今や母親の味となっている。

 

短歌をよむ - 俵万智
短歌とは「あっ」と思った心の動きを詠む文学である。私は短歌とは相性が悪いことがわかった。

 

⭐️⭐️人はみな妄想する - 松本卓也
ラカンの哲学の変遷をたどる本。むずいがおもしろかった。

 

躁鬱大学 - 坂口恭平
躁鬱人の生態を描くエッセイ。「どんな人間も悩みは同じである。人は、人からどう見られているかだけを悩んでいる」p.154

 

⭐️⭐️⭐️唯脳論 - 養老孟司
社会にあるもの全部脳の産物だよ本。養老孟司は雑な議論をしがちだが、アイデアは天才だと思う。「意識とは脳の二階である」「哲学には運動系と感覚系の対立構造がある」という指摘がよかった。

 

大阪的 - 井上章一
大阪にまつわる誤解を解消していく本だが、文章が下手でつまんなかった。後半読んでない。

 

「問い」から始まる哲学入門 - 景山洋平
問いが大事なのは間違いないので、よいタイトルだと思ったらおもしろくなかった。冗長。

 

さわれば分かる腹診入門 - 平地治美
腹診とは中医学、漢方での診断方法。お腹を触ってお灸する場所を決める。体質ごとの診断方法が書かれていた。

 

⭐️⭐️⭐️考える練習 - 保坂和志
保坂和志が若手編集部員を説教する口述筆記の本。めちゃくちゃおもしろい。創作論のような内容。

 

からだ・こころ・生命 - 木村敏
養老孟司が「死は二人称でしかない。なぜなら自分の死は体験できないし、意味のある死は二人称的な関係だけだから」と引いていたので読んだ本。論文集だが、他はまじめに読んでない。むずい。

 

継続するコツ - 坂口恭平
「ふつうの人は否定してばかりで、そうやっていると食えなくなるぞと言ってくる。無視してよい」「おもしろくないことを続けてはいけない」あたりがメッセージ。あくまで坂口恭平のコツが書かれている。

 

これならできるオリーブ栽培 - 山田典章
小豆島脱サラ有機オリーブ農家の本。オリーブの苗を買ったので読んだ。

 

「野口体操」ふたたび - 羽鳥操
脱力をするための体操の方法、および野口三千三の思い出話。動画でみたほうがよさそう。

 

自閉症とマインド・ブラインドネス - サイモン・バロン=コーエン
自閉症者が他人の心や意図を読めないのはなぜか、という問いを解くために心のモデルが提案される。心理学界隈向けの専門書。読みにくい。

 

⭐️⭐️⭐️芸術のパトロンたち - 高階秀爾
パトロンの権威を示すための芸術が社会に広まるにつれて、芸術家の地位も向上していった。現代では大衆および公的機関がパトロンである。めちゃくちゃ文章が上手。

 

⭐️⭐️ビジュアル・シンカーの脳 - テンプル・グランディン
視覚、映像で考える人たちもいるんだよ本。視覚思考者には物体視覚思考者と空間視覚思考者がいる。あと言語思考者もいる。社会が言語偏重でよくない、という政治的主張もある本。コアの主張はおもしろい。

 

おしゃべりな脳の研究 - チャールズ・ファニーハフ
頭の中で声が聞こえる人たちについて研究した本。読みにくい。

 

植物の体の中では何が起こっているのか - 嶋田幸久, 萱原正嗣
光合成の仕組みについて理解できる本。植物の生長や紅葉などについても語られる。

 

⭐️日記 - 五木寛之
直木賞作家の日記。だんだん文章が上手になっていっておもしろい。

 

⭐️陰翳礼讃 - 谷崎潤一郎
暗いのがいい!という主張で有名なエッセイ。しかしよく考えると欧州のほうが暗いはず。目の暗さ耐性が違うので。陰翳礼讃以外のエッセイがおもしろかった。

 

⭐️⭐️お言葉ですが4 - 高島俊夫
敬愛する高島先生のエッセイ集。

 

絶望名人カフカの人生論 - カフカ
カフカの書簡から抜粋した「名言」を並べた本。「名言」に添えられたコメントが説教臭くてダメ。つまらん。

 

⭐️⭐️中世を旅する人びと - 阿部謹也
欧州の中世社会がどのような仕組み、文化だったかを概観する本。読みやすくておもしろい。非常に治安が悪く、他人を信用しない疑心暗鬼の世界だった。

 

⭐️⭐️お言葉ですが1 - 高島俊夫
敬愛する高島先生のエッセイ集。

 

生きづらい明治社会 - 松澤裕作
明治時代、戦前の貧困層問題についての本。現代の問題に無理やりつなげて批判しようとする魂胆がみえるダメな本。

 

⭐️⭐️お言葉ですが2 - 高島俊夫
敬愛する高島先生のエッセイ集。

 

味つけはせんでええんです - 土井善晴
土井先生の哲学?が語られたエッセイ集。ちょっと散らかっていて読みにくい。内容も背伸びをしていて、抽象的に語ろうとして失敗している感じがする。

 

すばらしい暗闇世界 - 椎名誠
ナショジオ原稿集めた本。世界中を探検してる人のエッセイで、文章が上手なのでおもしろい。内容もサービスもよい。

 

⭐️観光客の哲学 - 東浩紀
ポストモダン哲学は結局社会を変えられてないよね、という問題意識から、現代社会の問題を捉え直そうとする試み。解決するためのキーワードが「観光客」らしいが説得的ではなかった。続きの「訂正可能性の哲学」につづく。

 

中国共産党 世界最強の組織 - 西村晋
日本人の中共理解はなっとらん、とお叱りをしてくる本。共産党の中央じゃなくて末端組織に焦点を当てて解説している。

 

⭐️⭐️食事のせいで、死なないために - マイケル・グレガー, ジーン・ストーン
栄養学の本。豆食え野菜食え果物食え。豆は実践してみたら著効した。食べろと言われているものの半分は抗酸化物質である。

 

野ネズミとドングリ - 島田卓哉
ネズミがドングリ食べたら死ぬのはなんで?という問いを調べる本。タンニンへの馴化が答え。ネズミが好きなので買ったが、あまりおもしろくはなかった。

 

哲学の三つの伝統 - 野田又夫
ギリシア、インド、中国に共通する哲学は何か、を問う。「世界はどうなっているのか」「善く生きるにはどうしたらいいか」がコア。この問いを語る形式が文化圏によって違って、欧州は世界の謎について厳密に問うたから科学を生みだせた。ちょいむず本。

 

⭐️⭐️三流シェフ - 三國清三
三國シェフの自伝。貧しい漁師の生まれなのに持ち前のセンスと突破力で世界的な料理人になっていく物語だった。フランス人になれない、と悟って日本に帰るくだりがおもしろい。

 

ベストは『徒然草』、『福翁自伝』、『唯脳論』、『芸術のパトロンたち』、『考える練習』。どの本も文章が上手で中身が詰まっていた。

前に「いい本はサービス(文章の上手さ)と内容の両方が備わったものだ」と書いたことがある。今でもそう思う。しかしそういう本を発掘するのが大変なのである。そこは当時、わかっていなかった。

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週報 2023/12/24 読書で何も得られなくてもいい、わやのわや感、頭の中の机に信楽焼が生える

12/16(土)京都の菜の花は冬に咲く、意外と近い植物と動物

インド料理屋のタルカに行こうとして敗北。開店時間のちょっとあとに訪問したらすでに長蛇の列ができていた。1時間近く並んでまで食べようとは思わない。諦めた。

 

代わりにどうするか。京都市民よろしくパンを買って済ませる手もあったが、なんとなく近くのホテルのレストランに入ってみた。

高いレストランではなく、サラダと飲みものがビュッフェ形式で、メインだけ調理されて出てくるやつ。ホテル朝食とレストランの間の子みたいなもので、なかなか合理的な仕組みだと思った。

味はそれなり。サラダを食べまくれるのは便利である。

野菜食べ放題ランド

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なぜかスーパーに菜の花が売っていた。旬なのかどうかわからないが安いので買っておく。なんで冬に売ってるの?

調べてみると京野菜だった。やっぱり菜の花は春だよね。京野菜に冬の菜の花があるらしい。不思議だなあ。

スープやパスタにしておいしく食べている。

カレースープをよく作る

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学位としては情報系なのだが、なぜか生化学への興味が強い。趣味で代謝回路の勉強をしていたりする。

この日は「カロテノイドはなぜ赤いのか?それに抗酸化作用も持つのか?」という疑問を調べていた。つまり、色の濃い野菜が抗酸化作用に富むのはなぜなのか、という問いでもある。

 

答えは共役二重結合の存在だった。

ja.wikipedia.org

二重結合と単結合がぐねぐね連なったもので、たくさん繋がっているからちょっとくらいエネルギーをもらってもうまく発散できるようだ。カロテノイドが光を一部吸収すると色素になり、一重項酸素(酸化物質)からエネルギーをもらうと抗酸化能力になる。もともと植物が光合成をするときに発生する物質が一重項酸素で、動物の体内でも発生するからカロテノイドが有効なのである。

http://www.noden.or.jp/asset/00032/Plant_Biotechnology_Laboratory/bio2016_07.pdf

12/17(日)豚肉は短冊状に切るとうまい、終電という記号

また鳩に襲われた。

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豚肉は塊で買ってきて短冊状に切るのがいちばんおいしいと思う。こんな形。

細め分厚く箸でつまめるように

青椒肉絲に入っている豚肉に似ているかもしれない。肉はある程度厚く切ったほうがうまいのは自明っぽい。料理にもよるが1cm角で長さ5cmくらいがベストだと思う。

面倒だが自分で切らないといけない。売られているのは見たことがない。肉屋にあるのは塊か薄切りだけ。薄切りはスライサーで自動化されているのだろう。

ベーコンなら短冊状のものもあるのだけども、生肉だと無理なようだ。がんばって自分で切るしかない。

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『野ネズミとドングリ』を読んだ。

とある生態学者が「アカネズミにドングリを与えると死んでしまう」という現象を見つけたところから始まる研究の物語。ネズミはドングリをよく食べて冬を越すのになぜ死んでしまうのか?謎を解決する研究者半生の話であった。

原因を究明するところまではおもしろかったが、後半はつまらなかった。

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サークルのSlackで「どうやってお付き合いの状態から同棲の状態に持っていくのか」という問いを見かけた。

最初のハードルは家に行くことなのだと思う。下宿の学生だったら簡単。家が近いので自然と家に上がりこむ機会はできる。

難しいのが電車とかバスを使う人たち。互いに離れた場所に住んでいると、なかなか家を訪問するとっかかりがなさそうである。だから「終電」という記号ができるわけだ。

12/18(月)e-honを使ってみた、読書で何も得られなくてもいい

e-honで注文した本を受けとった。e-honは自宅配送ではなく最寄りの書店に配送するサービス。そのためなのか、発送されるまで2週間くらいかかった。裏側に取次ネットワークがあるのだろう。在庫を前提にしたインターネット本屋さんなのではなく、出版社からの取り寄せ窓口が集約されているだけなのだと思う。

厳選積ん読

発送されたらメールが届くので近所の大垣書店に行き受けとってきた。代金は店頭で支払う。ついでにいらん本を買ったりもする。

書店には私の注文した本が入った箱が届くようで、書店員が店舗の在庫を集めたりはしないようだった。『訂正可能性の哲学』なんかは売り場に並んでいるのに注文してしまったので、無駄なことをした……。

いろいろとアナログな仕組みを感じる本通販だが、手に入れば何でもいいので今後も使うことにした。本は積みまくってるのですぐ届かなくていい。

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読書メーターに感想を投げると、同じ本を読んだ人からいいねがつくことがある。私は半分くらいの本に対しては酷評をしているのに、それでもいいねがつく。いいねをつける人はだいたいその本を褒めている。なんで褒めている人が酷評にいいねしてくるのかよくわからない。

というか読書メーターの感想には酷評があまりない。皆さん「この本はクソだ!」とか思わないのだろうか。読書は時間がかかるから「何か得たことにしたい」という気持ちもわからないでもないが。

でも、時間をかけても失敗することはある。ダメな本はダメである。ダメだったときは自分の審美眼を呪って反省するのがよい。買う前に鋭い嗅覚でダメ本を見つけられるようにするのだ。

12/19(火)問題を理解させるハードル、わやのわや感

「バカなふりをして質問をすると他人の頭を使える」というテクニックがある。古くから2chでも使われていた方法で、お仕事でも有効だ。

このテクニックの派生として「めちゃくちゃわかりやすい資料を作ると他人の頭を使える」という方法があるのに気づいた。単に「バカなふり」をしているだけだと簡単なことしか聞けないが、資料を作ったうえでバカになると難しいことも聞けるようになる。難しいことを質問するには、がんばって問題を理解させないといけない。このハードルがいちばん高い。

人生相談、お悩み相談とかでも似たようなことがあって、悩んでいる人のことを外からみると「そもそも何に悩んでいるのかよくわからない」ということが多い。とにかく喋ってくれないとわからないのだ。どんな問題も人に理解させるまでが勝負である。

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月一社交ダンスレッスンの場所が変わって謎の古いビルにあるダンス用の部屋を使うようになった。オーナーが元ボディビルダーのおじいちゃんで、余った部屋をダンスとかバレエをする人に貸している。

オーナームキムキおじいちゃんはビルの中をフラフラ徘徊していて、帰り際に挨拶をしたら「寒いから酒を飲んでわやになっている」と恥ずかしそうに言われた。

 

後日このことを会社で話したら「わや」という言葉の意味がわからない人が続出した。どうやら西でしか通じない言葉らしい。「めちゃくちゃ」という意味である。

「わや」にはわや感がちゃんとあるので日常に取りいれていただきたい。

12/20(水)せかせかしても無駄、頭の中の机に信楽焼が生える

自転車で移動していると、たまにものすごい飛ばしている人がいる。おっさん、主婦、老人、あまり属性は関係なくせっかちかそうでないかがあるようだ。

しかし飛ばしている人がびゅーんと過ぎ去っていってもだいたい信号で追いつく。私は20km/hも出してないはずなのだが、信号で待つ時間のほうが長いのである。

よっぽど運がよければすべての信号が青のタイミングで交差点に差し掛かり、停車することなく目的地に行けるのかもしれないけれども、たいてい体力の無駄である。ちんたら走ったらよろしい。

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デイリーポータルZが独立するとの報。

実はRSSの誤配信をキャッチしており、午前11時半くらいに知ってた。は〜そうか〜となってまわりに噂話をしていたら午後になって発表される。そうか〜屋根がなくなるのか〜。

編集部員たちの生活が持続可能なのか気になるところだが、それよりもDPZが終わるリスクがある、というところが心配になった。いや、もともと赤字で運営会社の偉い人から白い目で見られていたとは思うのだが、ついに行くところまで行ったな、という感想。

前からはげます会に入っているので引き続き支援をしていくのだが、さすがに一万円はご勘弁願いたい。インターネット黎明期世代には社長や大学教授になった人がそこそこいるので、そこからぶんどっていただこう。くそまじめな世の中にいらんもんを増やすために必要なのだ。できる範囲で助けていきたい。

dailyportalz.jp

🗿🗿🗿

頭の中が混沌としていたので日記にびゃーっと書いたら、スッキリして書きものができるようになる。

毎日の日記は頭のなかの「机」を片づける作業である。放置すると「机」に信楽焼の狸とか巨大鏡餅などが置かれて作業ができなくなるので、そうなる前に「モヤモヤ」を文字にしないといけない。

「机」のお片付けを一人ではできない人は多いらしい。衆人環視のSNSとかに頭の中身をぶちまけているのはそういう事情なのだろうか。なんでもいいから片づけたらいいよ、とは思う。

厄介なのは「机」が狭くなる体調。健康管理をミスるとたまに「机」が極小になって、本当に何も考えられなくなる。そうなったら寝るしかない。『うつ病九段』を読むに、うつもそういう病気であるようだ。「机」が狭くなると簡単な計算もできなくなる。たしかに脳の病気っぽい。

チョットカリルデ

12/21(木)ザワークラウトクオリア、目的なく散歩をしたい

紫色のザワークラウトができた。

柴漬けみたいだがザワークラウトである

この頃我が家には紫色のキャベツ、紫色の玉ねぎばかりある。健康趣味の一貫として色の濃いものを食べるのだ。

ちょうど前のロットのザワークラウトがなくなりそうになったので、こちらも紫色で仕込むことにした。

紫キャベツは脳みたい

すりおろし、揉み、瓶に詰める。溶液は綺麗な紫色になった。どこかアメリカの食べものみたいな趣。

この紫色はアントシアニンである。アジサイの色。pHによって色が変わるのが特徴で、アジサイだと土壌のpHを反映するという雑学がよく語られる。ザワークラウトだと発酵が進むにつれて色が変わるはず。食べ頃が可視化されるのではないか。

ちょっと淡くなっている

漬けて一週間くらい経ったらこんな色になった。若干淡いかな?という感じ。もしかすると乳酸菌がアントシアニンを分解しちゃっていて指示薬になってないのかもしれない。

 

味はよい。黄色いキャベツよりも臭みがないような気がする。今後も紫色でやっていきたい。どうでもいいが、古いラノベ世代は紫色と聞くと『紫色のクオリア』が連想される。よいSFだった。

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鍼にいったら初めて「腎(体力の指標)が下がっていない」と言われた。豆のおかげだ。実感としても体力は増えていて、疲れにくくなってきている。

代わりに「心(ストレスの指標)の低下」を指摘された。体力が増えたら調子にのって仕事に投じてしまうのである。

「(ストレスを減らすには)ぼーっとしたらいいですか」「運動がいちばんです」と言われた。う、運動苦手……。

目的地なく散歩できる性格だったらよかったのだけども。

12/22(金)態度が読めない人もいる、「コミュニティ」の利害関係の変化

人間関係の問題は「態度が悪い」で九割説明できるのだが、説明できたところで対処できるわけではない。態度とは非言語的なシグナル、表情とか声のトーンなど、よっぽど訓練しないと制御できないものである。

意識高い記事でよく言われるようにコミュニケーションで伝わる情報の大部分は態度である。悪い態度は一瞬で伝わるし、逆に態度を読みとってもらえないといって怒る人もいる。態度としてこれ見よがしに出してるのに無視されるケース。喧嘩のバチバチしたあの感じですね。「わたしの機嫌をとれ」というシグナル。

困ったことに態度をまったく読めない、読むセンサーが備わってなさそうな人もいる。ふつうは態度で伝わることに甘えて「はっきり言うのはよしておこう」となるものだが、センサーがない人にははっきり言わないと、逆に問題が起きることがある。慣れるとセンサーあり人種かどうか見分けがつくので、覚悟して言っていくしかないのだと思う。

🛰️🛰️🛰️

インターネットでよく言われる「コミュニティ」という言葉に違和感がある。コミュニティとは共同体のことで、近くの土地に住んでいて利害関係をともにする人たちである。「仲間内」とか「身内」みたいな要素は「共同体」の本質ではないと思うのだが、インターネットで使われる場合は「利害関係」ではなく単なる「身内」の意味になる。

ということは社会学でも認識されているようで「人が集まっている」くらいの意味しかないことがわかった。

 

オンラインコミュニティでも何らかの利害関係はあると思う。それが「共同体」の利害関係とは異なっているのが違和感の正体だ。

サロン的なシステムであれば金銭とメンバー限定情報の交換だし、それ以外はたいてい承認を通貨とした関係である。単に人が集まっているということはあり得なくて、誰もが何か目的をもって集まっているのだ。その形が情報や承認というこれまでになかった形をしているから、コミュニティと言われてもピンとこなかったのである。

週報 2023/12/19 『食事のせいで、死なないために』を読んだ、酒で副交感神経を殴る、語るのは難しい

12/9(土)親知らずを抜きたくない、古いレシピは完成されている

歯医者で三ヶ月に一度のメンテナンスをした。歯は大事にしている。スナネズミが歯で弱ったのをみてきたから。

今回も虫歯はなくて連続n年間虫歯なしで過ごせている。歯磨きも上達してきたらしい。

歯磨きは意外と難しくて、歯の生え方、利き手の影響で磨きにくい場所が出てくる。漫然と磨くのではなく、自分の歯列の癖を把握する必要があるそうだ。

 

毎回気になるのは親知らずの処遇。数年前に左下を抜いたときに「右も抜こうよ〜」と提案されていた。歯科医はすぐに親知らずを抜きたがる。まっとうな理由があるのは知っているが、私の右親知らずは上下ともに綺麗に生えているので抜きたくない。かみ合わせもしっかりできている。

この歯に虫歯を生やしたら即座に抜かれると思うので、特に大事にしている。歯科衛生士が作業しにくそうにしているが、それでも維持してやるのだ。

⚱️⚱️⚱️

パテカン(パテドカンパーニュの通ぶった略称)のレシピを改造し始めた。

  • 豚ひき肉 600g
  • 全卵 1個
  • 玉ねぎ 1/2(オリーブオイルで焼く)
  • ブランデー 40cc
  • 牛乳 80cc
  • 塩 7g
  • 胡椒 2g
  • クローブ、シナモン、ナツメグ、白胡椒で2g
  • ピスタチオ てきとう

こんな感じ。本来はレバーが入るのだが、苦手なので全卵に換えてみた。
これをよく練ってから焼き、数日間冷蔵庫で寝かせる。

実にそれらしい見た目

型から出して切ったらこうなっていた。それっぽくなってきたと思う。味もよくてナツメグなどの香辛料がよい味を演出してくれている。

ただ、レシピの改造は失敗だった。おいしいのだが何かが物足りない。たとえ苦手であってもレバーは入れないとダメなようだ。次は少しだけ入れてみる。

パテはフランスの伝統的な料理。古いレシピは完成されているのである。

12/10(日)『食事のせいで、死なないために』を読んだ、みんなビタミンB1摂れてないはず

『食事のせいで、死なないために 食材別編』を読んだ。

やたらと煽ってくるタイトルだが、内容はまとも。
死なない方法とは「野菜、果物、豆などをなるべく未加工で、丸ごと食べること」である。つまり加工度の高いものを食べると死にやすくなる。原料が何か想像もつかぬものほど危険だ、という主張だ。著者が上手いのは「あれを食べるな!」じゃなくて「これを食べましょう!なぜなら...」という議論をしていること。「赤信号」の食べものを否定してもしょうがない。ポジティブに「青信号はこれです」と説明し続ける本なので、安心して読める。

「青信号」でもっとも大事にされているのは抗酸化物質だった。本書の半分くらいは抗酸化物質について書かれている。抗酸化物質とはポリフェノールとかそういうの。果物、色の濃い野菜によく入っている。

 

本書のおかげで豆類の重要性を知った。第一章に「とにかく豆を食べるのだ」と書かれていて素直に従ったところ、ビタミンB1不足に気づいたし、お腹の調子もかなり改善した*1。体感できるレベルでの変化があったので、豆が大事なのは間違いないと思う。

ほかにも「ベリー類をたくさん食べろ」などと言われるのだが、この辺になってくると従うのが難しいと思う。北米の本なので、そのまま採用することはできない。日本の文化に合わせて変形させる工夫がいるだろう。

🔮🔮🔮

ビタミンB1の摂取量を計算したのもこの本の影響。大豆の重要性と大豆の栄養の豊富さを知り「ビタミンB1足りてるのかな?」と思って調べたらぜんぜん足りてないことに気づいたのだ。クエン酸回路はビタミンB1ボトルネックになるため*2、摂ってないと糖質、脂質ともに燃えず元気が出なくなるはず。

厚生労働省の調査*3でも日本人の摂取量の中央値は0.8mg/dayくらいで、一般的に足りてないことがわかる。男女ともに1.1mg/day以上は必要なのに足りないまま過ごしているので、みんな疲れまくってるのはこのあたりに原因がありそうだ。

 

でも、摂るのが大変なのだ。いろいろ調べた結果、豚肉と大豆、玄米くらいしか選択肢がなかった。しかもビタミンB1は調理で失われやすい。半分くらい失われるという話なので、とにかくたくさん食べないといけない。たいへんだ。

アリナミンやキューピーコーワーゴールドで補助するくらいしか思いつかない。どうせインスタント麺とかにも添加されてるし今更サプリが悪だとか言ってられない。

12/11(月)長く考えるのは無駄、しいたけ.の魅力

大きなお仕事を終わらせた。「少しはのんびりできるかな〜」とぼやぼやしていたらすぐに次の問題が飛び込んできた。トンネル工事してたら水が湧いてきましたねえ、みたいな問題で、既存の設計をちゃぶ台返しするか悩み始めてしまう。

退勤したあとも悩み続け、結局寝るまで頭から離れなかった。

 

長時間考えるのはまちがいで、30分考えて答えが出ない問題は情報(知識)が足りないか、問いが間違っているかのどちらかである。それでも主観は問題に食らいついて離れてくれないので困ったものである。ぐるぐる。

💣💣💣

月曜日はしいたけ占いの日。今週の山羊座はこんな感じ。

「やっと終わった! 私、成し遂げました! 万歳! 」のオレンジが出ていました。おめでとうございます。

ばんざーい。えっなに。

 今週のあなたは「解放」に向かって爆走していきます。そういう時期であるからこそ、「私、やっと解放されました! 」と絶叫する前に、「今の自分にとって何が一番大切か。そして、何を一番したいか」の、静かなる作戦会議は開いてみてくださいね。これは何回も言っていますが、山羊座は「自分が忙しい箇所を乗り越え、解放されたと宣言した瞬間に、数千もの“困り事”」がやってきやすいのです。待ってました! と、押し寄せてきちゃう性質の星座なのです。

押し寄せて来たんだよなあ。

当たる当たらぬ以前に、しいたけ氏は日本語のセンスが独特だと思う。これが人気の秘訣ではないか。

12/12(火)道具の理解、豆の調理が難しい

会議をしまくったあと、昨日の問題について同僚と議論して頭が燃え尽きた。なんとか道筋はついて、既存の設計を壊すことなく成立させられた、と思う。

さいきん業務で扱っているのはDynamoDBは設計が難しい。伝統的なRDBMSと違って無限にスケールする性質があるのだが、その代わりにうまく設計しないと所望の機能をまったく作れない、ということが起きる。特に集計は苦手でDynamoDBの構造的トレードオフがある。

うまく設計するためにはDynamoDBの中身の理解が重要。裏側にどんなデータ構造があって、物理ノードにどう配置されているかを想像できるとよい。つまり、道具としての性質を十全に把握していなければならない。

とはいえこの性質はなんでも同じだ。MySQLでもストレージエンジンの性質を知らなければ使いこなせないし、包丁にだってそういうところはある。

言語はどうか。言語にもある。

🧯🧯🧯

ビタミン不足を自覚したので豆を味噌汁に入れている。

乾物の豆を一晩冷蔵庫で戻し、翌日味噌汁に入れて煮こむ。なかなか柔らかくならないもので、20分程度ではダメなようだ。ちょっと芯が残った感じになる。レシピによっては1時間と言われている。30分で済むという説もある。よくわからない。

水煮豆のパックや缶詰を買ってきたらよいのはそうだが、あれは一パックの量が規定されていて使い切らないといけないのが不自由だ。この手の便利な食材はどれもそう。量の不自由さがあるのが気に入らない。それよりも1kgとかの乾燥豆をドーンと台所に置いておくほうがよい。

対策はレンチンだろうか。豆を煮ずに電子レンジでいじめたらうまくいくかもしれない。

水をいれて一晩放置

12/13(水)頭の中をクリアに保つ方法、酒で副交感神経を殴る

メモ帳を使わずに仕事をしていると、だんだん頭の中が混乱してくる。あれをしなきゃこれをしなきゃ、あっそういえばモルモットの餌が足りない、とか連想は止めどなく続く。もしかしたらこれらの思いつきをすべて覚えたまま活動できる人もあるのかもしれないが、少なくとも私には無理だ。

思いついたら適宜メモ帳に追いだして、頭の中はクリアに保っておくこと。これがワーキングメモリ足りない族のやり方である。でも「適宜」書き出すのが難しい。気がつくと机の上はゴミだらけになっているものなのだ。

また、メモ帳に書いてもまた別の問題が起きる。思いつきが多かったり、仕事の割り込みが多いときはメモ帳もぐちゃぐちゃになる。文字で埋め尽くされていき、画面が黒くなると一つの仕事に集中しづらくなる。あとでみたときにウッとなって困ることもしばしば。

こういうときにこそ、アウトライナーの折りたたみ機能が火を噴くのかもしれない。フォルダを作りまくって、関係ないときには畳んでおくこと。これもまた「適宜」畳むのが難しいが、この方法しかないのでやるほかないだろう。

💬💬💬

食事と風呂は人格を切り替える作用がある。午前には集中してたのに、お昼ごはんを食べた途端にすべてが霧散することはよくあるものだ。かといって、食べないまま活動するとアウトプットは劣化していく。

食後の切り替わりは自律神経の切り替わりだと思う。わーっと作業しているときは交感神経つよつよの戦闘モードである。食べると胃腸に血を送りこみ、胃腸をよく動かさないといけないので副交感神経のモードになる。ここで無理に頭を使うと、消化不良になる。逆らうのはよくない。ただ、20代前半の頃は逆らえていたような気がする。これも老化なのだろうか?

もう副交感神経には逆らえないものとは思っているが、どうしても交感神経モードを使いたいことがある。そういうときに便利なのが酒で、酒は不思議なことに適量ならば副交感神経モードになり、量が増えると交感神経モードになる。心拍数もあがるので脳の血流は増えていそう。もちろん酒で思考力は鈍るのだが、それでも食後のぐったりよりはマシなのだ。こうやって過去の物書きたちは酒で原稿をしていたのかもしれない。
(私は週に一度くらいしか飲んでません)
(コーヒーでもよいが夜に飲めるものは酒しかない)

12/14(木)いつも飲んでるわけじゃないんだからね、ユーモアという栄養素

からしんどいが、会議が予定されていて早く帰れない日だった。

オフィスをうろつき、人目につかない自販機でリポビタンDを発見。しめしめこれで元気の前借りができるぞ、と思って購入した。

ふと人の気配を感じて振りかえったら、知り合いがいた。同僚じゃなくて知り合い。サークルの後輩で、別の部署の人である。やあお久しぶり、これはたまたま飲んでいるリポビタンDである。ウワーミラレター

いつも飲んでるわけじゃないぞ!たまたまだぞ!ほんとだからな!という会話をした。

たまたまなのよ!!!

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note.com

senmanben.com

国試を受ける熊野寮生の記事がよかった。ユーモアがある人をみると元気になる。

12/15(金)語るのは難しい、食事ネタは鉄板、チアミン神社

「興味がない話を聞いていられない」という癖がある。大学の講義とか、大きなチームの定例会議とか。耳には入るのだけども、自分の仕事から遠いと理解が難しいし、そんなに興味が持てるわけでもない。同僚がどう思っているのかはわからないが、彼らはじっと話を聞き理解しているようにみえる。退屈じゃないのか?本当に理解できているのか?等々疑問はつきない。

思いだしてみると、大学や高校でも教壇へ意識を向け続けられる人たちはいた。長いと一日6時間くらい話を聞き続けるのだから相当な集中力が要求される。なんで彼らは聞き続けられるのだろうか。

おもしろかったり、興味が持てるなら聞ける。おもしろいのが何より大事で、話し手の技量や頭の良さが出てくる。どんなしょうもない内容でも、おもしろく語れる人もいる。

と、なると大学の先生や同僚のトークはどこか下手さがあり、それゆえおもしろく感じられないのかもしれない。ふつうの人は喋るのが上手ではない。当たり前の結論が出てきた。

しかしそれも無理からぬことではある。お仕事も大学の講義も内容が難しい。それを流暢に語るには、かなりの工夫が必要なのだ。

たぶん双方向のやりとりが大事。聞きっぱなしだからダメなのであって、対話をしながら難しい話を理解する必要がある。その意味では、大勢に報告をするだけの会議は形式が良くないのだろう。

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チームの忘年会があり焼肉を食べた。

今回は席がよくて、穏やかでコミュニケーションが上手な人で固められた。互いに相手を尊重しつつ会話を回せて満足である。

 

おもしろかったのは食事の話。今や自炊は義務ではないので、各人の食事のあり方、こだわりがバラバラなのだ。ある人は自分のための食事に興味がなくてベースブレッドと冷凍野菜で済ませるし、またある人は面倒さを理由に惣菜とかUberEatsで食を満たしている。子がいる人は違うのかもしれないが、一人暮らしの食事は人それぞれである。

食事をしない人間はいないので「ふだんどんなものを食べているか?」というテーマは、誰でも参加できるよいネタなのかもしれない、と思った。

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妻氏にチアミンビタミンB1)の構造式を描いてもらい、壁に貼った。ここにチアミン神社を建てて大事に崇める。

チアミンを崇めよ

週報 2023/12/10 ベストバイは鳩のぬいぐるみ、ミャクミャク様現前す、カメムシホテル破壊、ビタミンB1が足りない!

12/2(土)風紀は乱れるがお金は儲かる、ポトフはラーメン

美容院で髪を切る。懇意にしている美容師Oさんが手袋をつけて髪を洗うようになっていた。冬だからか、歳なのか。一日に何度も皮脂を流していたら手は荒れるものね。

 

職場の人間観察の話をしたらOさんは「美容院の店長で苦労した話」をしてくれた。美容師業界には個性的でハチャメチャな人がいて、彼らはルールは守らず店内の風紀を乱すそうだ。「どうかこのラインは超えないでくれ」といって管理するのが精一杯だという。

おもしろいのは「ハチャメチャ美容師には客がよくつき、人それぞれに客の傾向がある」こと。新規の客が来たら「この雰囲気はあの人かな〜」というのがわかるものらしい。

ある種キャバクラ・ホストクラブみたいだな、と思った。接客業を突きつめると夜職になる、という話ではある。

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週末じゃーいわっしょい、ということでポトフを作ることにした。手羽元とスペアリブを入れたので旨味が出るはずだ。煮込みに使う肉は骨付きがよい。

毎回そうなのだが、私が大鍋系の料理をすると量がめちゃくちゃになる。「塩が決まればどうにでもなる」と思ってるフシがある。肉の量もよく考えずに買うし、野菜を切るのも好きなのでフンフーンとやっていたら鍋から溢れるのである。こうして妻氏に怒られる。

なんでこうなるのか?

後日、余ったポトフにニンニクとそうめんを入れたらラーメンになった。そういえばラーメンの出汁も骨と肉と野菜の煮込みである。同じなのだろう。

カレーにもラーメンにもなって便利なイーブイである。

12/3(日)調理用ピンセット、『観光客の哲学』を読んだ

ピンセットとトングの間の子みたいな道具を買った。調理で使う。

焼肉屋にあるやつだ!

このごろ料理系Youtuberの動画をよく見ていて、彼らが調理用のピンセットを多用するのに気づいた。炒め物に使うこともあるし、パスタの盛り付けに使う人もいる。人それぞれ使う道具がバラバラなのだが、ピンセットであることは共通していた。

興味が出てきて雑貨屋へ行き、見つけたのがこれ。おそらく焼肉用なのだが、ふつうに料理でも便利に使える。

日本人なら箸を使えよ、という話はあるが、場面によってはピンセットのほうが楽である。たしかに我々は箸で米粒を掴むくらい造作もない文化圏にいるが、かといって箸で物を掴むときに集中力がいらないわけではないのだ。その点、ピンセットは手の閉じ開きで大雑把に使えるから楽なのである。

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『観光客の哲学』を読んだ。

東浩紀哲学書というか思想書。「国民国家=理性=善 vs 消費社会=欲望=悪」の対立構造を脱構築しよう、という壮大な目論見がゴールである。というのも、彼の古巣である人文系の学では「消費はよくない!理性を大事に!」という考えが主流だから。しかし実際には人文学者であっても消費をする。消費ですらない、欲望のための買い物もする。理性的人間性と欲望的動物性のあいだで引き裂かれているのが人間であり、免れられる人はいない。だから、どちらかに振り切って対立するのではなく、中間を目指す必要があるわけだ。

「観光客」が両者を脱構築するキーワードらしい。「我々は「観光客」が生活圏内にやってきて、彼らがどこか無責任に消費するのを認めなければならない」と東は書く。京都市に住んでいると観光客がちょっと嫌になるのだが「来るな!」とまでは思わない。「来るのはいいけど君らのことは知らんし、勝手に避けるわ」という態度でよいのだろうか。こなれた京都市民は観光客の乗るバス路線、地域を避けるのだ。

この本はお話としては未完で、どうやって「理性 vs 欲望」対立構造を解体するのかは示されていない。今年出た続編の『訂正可能性の哲学』で続きが議論されるとか。近いうちに読みます。よい問いだし、結論が出たらすばらしいことだと思う。

12/4(月)ロハスってSDGsなんですね!

たいへん疲れておる。月曜日なのに。

先週金曜日にえらい冷えたような気がしていて、それからずっと体調がよくない。たぶん風邪(漢方用語)だと思う。

対策としてお灸をしたり、ほうじ茶を飲んだりいろいろ試すのだがあまり効いている感じはしない。ただただ頭が重くて軽い本を読んだり動画を観て過ごしている。

🌀🌀🌀

今日はロハス猪捕獲解体調理動画を観た。ロハスはいかんと思う。

と、ここでロハスを調べると"lifestyles of health and sustainability"の略だと知った。SDGsじゃん。「ロハスってSDGsなんですね!」と言うと嫌がられそう。

ロハスが気に入らないのは「かっこよく観られる私」という視線を前提にした消費活動であること。ちゃんと信念をもって"lifestyles of health and sustainability"してほしい。自分の素直な信念として思想があるのはかっこいいと思う。

 12/5(火)ベストバイは鳩のぬいぐるみ、『中国共産党 世界最強の組織』を読んだ

まわりで「ベストバイ」とやらが流行っている。今年買ってよかったもの自慢の恒例行事である。

自分だったら何かなあと思って考えてみたが、二つしか思いつかなかった。モバイルディスプレイと鳩のぬいぐるみ。

モバイルディスプレイはスマホの画面を大写しにするために買ったのだが、今は会社の拡張モニタになっている。会議室でラップトップに繋ぐと便利なのだ。自分だけ画面二枚になる。あとは、同人イベントのデジタルサイネージ用。どちらの用途でも非常に便利だった。

鳩のぬいぐるみはお気に入り度が高く、今年の買い物すべてを差し置いてトップに君臨している。実用性なんか全くないのがいいのかもしれない。ただ鳩に似ているだけのぬいぐるみである。

今年のベストオブベストバイです

HANSAのぬいぐるみを買うと家にいらないものが増えます。

🔎🔎🔎

中国共産党 世界最強の組織』を読んだ。

中国共産党の末端組織に主眼をおいて解説した本。日本では党中央の動向にばかり目が行くが、末端の理解も大事でしょ、と主張し説明する本だった。

共産党の末端には党組織がある。地域ごとの党組織もあるが、特徴的なのは職場の党組織。ある程度の人数の企業には必ず党組織が設置されること、という法があるらしい。

党組織は「広報活動」「党員教育」「レクリエーション活動」を任務とする。「広報活動」はプロパガンダから「詐欺に気をつけてね」の注意喚起まであり、立て看などを手段とする。「党員教育」は中央の政策方針理解など、知識の更新や教育のこと。「レクリエーション活動」は本当に娯楽の提供で、カラオケ大会、運動会、文化祭などを企画し、運営するらしい。そういえば中国に出張した人が運動会に参加した、という話を聞いたことがある。

 

内容はまあまあよかったのだが、著者の技量、態度はダメな本だった。全体の構成が下手くそで無駄なことばかり書かれているし、何より著者が「日本の共産党知識はこれだからダメだなのだ」みたいなことを平気で書く。著者の言うように中国共産党についての本は少ないが、この本はまったくおすすめできない。

12/6(水)ミャクミャク様現前す、キャラのよさと管理職、ひょいぱく性

通勤中にミャクミャク様モチーフの人がいた。原色赤と青のかっこうをした女性。真っ赤なコートに真っ青なトートバッグをさげていて、バッグにはミャクミャク様のぬいぐるみがついていた。

生き神だと思って拝んでおけばよかっただろうか。

ミャクミャクふわねこ様

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妻氏とマネージャー談義をする。どちらの会社も中間管理職は感情表現が下手な人が多く、その上の部長級になるとキャラがよくなる、ということがわかった。

管理職は単に判断が得意なだけではダメで、最終的にはとっつきやすさ、キャラのよさが重要になるのだと思う。

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春はいちご、夏はぶどう、冬はみかん。

これで決まり!

冬の果物に悩んでいたのだが、みかんが王者となった。一時期りんごに浮気してみたが、資本主義りんごは大きい個体が多くて二人で食べきるにはちょっと多い。それに皮や芯を切るのもちょっと面倒。というわけで、剥いたらひょいぱくできるみかんを常備することにした。ちょうど旬が来ていておいしいし。

ひょいぱく性が大事で、いちごもぶどうもこの要件を満たす。

問題は秋。秋固有のひょいぱく果物はない気がする。とりあえずぶどうとみかんで代打してもらう。

12/7(木)首凝りストレッチ、カメムシホテル破壊

冷えにやられてるということで急遽お休みにした。家でじっとして養生に励む。夜には鍼で施術を受けて若干マシになった。

🪄🪄🪄

鍼で首凝りストレッチの方法を教えてもらった。上を向いたときに首の後ろ側が痛くなる人が対象。

【首(頭板状筋)のストレッチ】 ストレッチ動画 | 名古屋市中川区高畑駅すぐの高畑駅前接骨院

やり方はこれと同じ。首の斜め後ろの筋を伸ばすとよい。

この凝りの原因はディスプレイに向かい続けて首が前に伸びているから。たぶんスマホの使いすぎでもなる。

たまに上を向いたら抑止できるそうだが、集中して仕事をしていると難しいのである。なので、このストレッチを覚えておくとよい。

🪄🪄🪄

ベランダのバジルが枯れ始めている。インド原産なので日本の冬には耐えられないのだ。

この日は風が強く、突風で葉っぱが落ちまくってしまった。モルモットの餌にしたかったのだが、落ちてしまったものはあまりあげたくない。おいしくもないだろうし。

ベランダに散らばった葉っぱを掃き集めていると、カメムシくんたちも落ちているのに気づいた。バジルはカメムシホテルになっていたので、葉っぱと一緒に落ちてしまったのである。越冬するつもりで居着いたのだろうが、もう終わりだ。バジルは枯れ、カメムシくんたちは路頭に迷うだろう。不法占拠の報いを受けよ〜。

ほんとにカメみたいだ

12/8(金)ビタミンB1が足りない!

休んだおかげでちょっと元気になり、仕事をバリバリ片づけて週末に突入した。

🪬🪬🪬

なんとなくビタミンB1の摂取量を計算してみたら、ぜんぜん足りてないことがわかった。

目標値は成人男性の場合1.4mg/dayで女性は1.1mg/dayくらいなのに、我が家で摂れてるのは1.0mgくらいだった。調理で失われるものもあるので、実際にはもっと少ない数値になる。やばーい。

原因は豚肉と豆の不足。朝はパテとパン、昼は鶏肉の味噌汁、夜は焼き魚と豚肉少しの味噌汁を食べている。鶏肉も焼き魚もビタミンB1は0.3mg/100gとかそれ以下で、豚肉は赤身ならば0.8mg/100gくらいある。夜の味噌汁とパテで豚肉は摂っているが量は少なかった。

大豆のほうはどうか。大豆をそのまま煮て食べるならいいのだが、残念ながら豆腐や味噌には大して残っていない。加工や発酵の過程で失われるようだ。

 

足りないと何がヤバいのかというと、ビタミンB1が不足すると糖代謝(脂質代謝)が回らなくなるのである。つまり糖や脂質からエネルギーを取り出せないのであり、ガス欠状態になる。余った糖は脂肪になるし、内臓脂肪や皮下脂肪も減らないし、まったくいいことがない。なんとなくやる気が出ない体調、冷えの原因でもある。糖代謝は生命の根幹なのだ。

fooddb.mext.go.jp

を使って食材別の含有量を調べたところ、やはり豚肉の赤身か大豆しかないことがわかった。鰻も上位に入るが、毎日食べる人はいないと思う。

豚肉は赤身が大事で、脂肪が増えると摂取量は減る。でも脂肪うまいしどうしよう。日によって買える部位が変わってくるし、豚肉だけで補おうとするとけっこう難しい。毎日外食でトンカツや生姜焼きを食べる人なら大丈夫だろうけど。

我が家では豆に頼ることにした。味噌汁に豆を入れたり、煎り大豆を食べたりする。煎り大豆は節分で人に投げつけるやつ。意外とおいしくてポリポリ食べたら止まらない。よさそうである。というかうますぎてとまらん、助けてくれ。

豆うますぎる

週報 2023/12/03 一生使える鍋は中古で安くなる、客も資源、猫耳センサーによるディストピアの構築

11/25(土)おいしさへの好奇心、フランスおでん

食べもののことばかり考えてるなあ、と思った。週報でも日記でも食べものの話がたくさん出てくる。数年前から「料理と哲学とプログラミングをする」と標榜しているが、この点一貫しているようである。

食べもの、特に調理して食べるのが好きらしい。自分で作ることで「なぜおいしいのか」を理解したいのだと思う。理解したうえでおいしいものを作れるようになるのが目標。おいしさに対する好奇心だ。

💸💸💸

ポテを作った。

シェフ三國の動画で見つけたレシピで、ポトフみたいな料理である。シェフ三國は「フランスのおでんみたいなもの」だと言っていた。翌日の大根に味が染みていたのでたしかにおでんだった。

www.youtube.com

作り方は簡単で、野菜を大きめに切り、水、塩漬け肉、ハーブで煮込むだけ。沸騰させたら弱火で放置。とにかく手間がかからない。

豚バラは脂がきついので鶏がいいかも

こうしてできたスープはおいしかった。想像の域を出ない味ではあるが、滋味があってうまい。身体も温まって冬にぴったりだった。

味のレベルとしてはフランス野菜スープのほうが上ではあるが、香味野菜をポテに入れたら両者の中間になると思う。

11/26(日)爆発するパテ、一生使える鍋は中古で安くなる

またパテを作る。

今回はブレンダーでレバーと挽肉を混ぜてみた。簡単便利。

ところが、焼くとおもちみたいに膨らんでしまった。内部に空気が入っていて隆起したらしい。ブレンダーで空気を入れてしまったのだろうか。

爆発パテ

断面はちゃんとパテだった。混ぜかたはこんなもんでよいらしい。

次の課題は臭み対策。妻氏は臓物の風味が得意で「むしろこれでいい」と言うが、私は苦手。今は三國シェフのレシピに従って胡椒しか入れてないが、一般的にはナツメグなどを入れる。基本ができてきたので、レシピから逸脱してスパイスを増やそうと思う。

🪣🪣🪣

いい鍋が欲しい!という気持ちが高まってヤフオクルクルーゼを落札した。

琺瑯の鍋は重くて性能がよいとされている。本当に性能がいいのかは疑問なのだが、見た目がよいのでずっと気になっていた。

しかし高いのだ。3Lくらいのサイズになると定価4万円。ちょっとそれは。

 

そこで中古である。人気の鍋だから一定数使わなくなる人が出てくる。それでいて「一生使える」と言われるほど頑丈なのだから、中古で調達してもふつうに使えるのである。

状態はよかった

「重くて使いこなせなかった」という主婦っぽい人から落札した。美品が安く手に入ってよかった。

11/27(月)実績解除: 債権者、合気道ブーム

債権者になる実績が解除された。

とあるサービスを契約していたのだが、相手方が倒産した。「対価を払ってるのにサービスが提供されぬままつぶれたから、あなたは債権者である」というお手紙が代理人の弁護士から届いた。

千円くらいの債権なのでどうでもいいのだが、法的にはたしかに権利者である。お手紙には今後の破産処理の説明が書かれていて興味深く読んだ。

なお、お金は帰ってこない。債務超過だったらしい。

🎩🎩🎩

合気道への関心が高まっている。

きっかけは塩田剛三についてどこかで知ったこと。たぶんtumblrのquoteだったと思う。「おもしろい技術だな〜」と思った。それに姿勢の良さには関心があり、気になる。

私が合気道の動画、テキストを渉猟していると妻氏も触発されて、合気道YouTuberの動画を観はじめた。妻氏は合気道経験者なのでもともと関心が高い。我が家のブームとなった。

 

「通えそうな場所の道場を破りにいくか?」等々検討したが、社交ダンスもやっていて暇がない現実に直面し断念した。ちょっと習いごとを増やす余裕はない。

諦めたが、妻氏は家の中で後ろ受け身をとるようになった。いい運動になるらしい。

11/28(火)誰でも態度に出る、殿堂入りカレー屋、客も資源

いらいらしてる同僚をみたとき「この人はすぐ態度に出るなあ」と思った。

いや、そうではない。誰でもすぐ態度に出るのだ。私も体調が悪いときは声の調子が変わるし、妻氏の態度は物を扱う音に出る。足音に出る人もいる。毎日会っていれば簡単に態度から気分が把握できるし、初めての人でもたいてい読める。

誰でも感情が態度に出るものだが、人の態度を読めない人はいる。鈍い人。自分の態度が出ていることすら気づいてないので扱いがめんどくさい。

よく「いつも上機嫌であることが大事」みたいな道徳が言われるが、逆に危ないと思う。感情というものはその人固有の強さがあり、上に強く振れるなら下にも強く振れるのだ。下に振れたときの扱いがめんどくさい。それよりも、振幅が小さくて安定している人がよい。何事にも動じない人。

🧼🧼🧼

yomitai.jp

イナダシュンスケの記事を読んでいたら知っている店が出てきた。

ちょうど同じ頃、僕はまた別の、今度は本当に衝撃的なカレーに出会いました。場所は京都の学生街にある小さな店です。まだ若い女性店主が営んでいました。店主はいわゆるバックパッカーで、その店ではアジア放浪中に出会ったインドやネパールのカレーを中心に提供しているということでした。当時お客さんは日本人よりむしろ欧米人の方が多かったように思います。

これは左京区元田中にあるカレー屋のDiDiである。イナダシュンスケの発言を「DiDi」で検索したら2012年に「京都でおすすめできるカレー屋はDiDiとタルカだ」と言っていた。間違いない。

 

DiDiはおいしくて不思議なカレーを出す。妻氏はよくここに通ってはさまざまなストレスを癒やしていたそうだ。

「おいしいけど殿堂入りというほどじゃないなあ」と思っていたのだが、権威主義者である私は「イナダシュンスケが言うならまた行こうかな」と思ってしまうのだった。

それを聞き妻氏は「もともとおいしいいうとったやろ」と怒るのだった。

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同僚にチョコザップを使う人が増えている。

チョコザップはジム設備の掃除、メンテナンスを会員にやらせているらしい。そうやって人件費を節約することで、会費を安くしつつあちこちに新店舗が立てられるのだろう。ただ、同僚によるとマシンが壊れっぱなしのところもあるのだとか。

「客に仕事をやらせる」という点では飲食店のタブレット注文も同じだ。注文管理を客に押しつけている。どこも人手が足りないので仕方のないことだと思うのだが、たいてい注文システムのUIは破滅的に使いにくい。わかりやすいUIで「注文はシステムからやってください」と言われるのならいいのだが、使いにくいものを渡すのはどうかと思う。

 

経済学の原則は「資源の最適な利用」なので客に仕事をさせるのに合理性はあるのだが、そんなところから利益を絞りだすのかあ、と「感心」するばかりである。

 

私はジムというかマシンを使った運動そのものが合わなかった。つまらなくて続けられない。ここ何年かは社交ダンスを習って運動と姿勢研究の糧にしている。

11/29(水)春夏色の清潔感、大きなかぶ

妻氏がパーソナルカラー診断を受けてきたそうな。それ以降自分に合う衣類や化粧品を探している。

https://luxeetmode.jp/2021/05/07/light-spring/ より引用

パーソナルカラーの図を見たとき「清潔感」が淡い「春」「夏」系の色であることに気づいてしまった。

いや、もちろん「清潔感」には「毎日風呂に入って爪を切りましょう」というレベルの意味もあるのだが、淡い色が似合うさまを意味する人もいるのではないか。建前と本音が巧妙に使い分けられるシーンがありそう。

🕳️🕳️🕳️

設計に悩みつつ定時に会社を出て食糧品の買出しへ。

スーパーへ行くと大きなかぶが売っていたのでうっかり買ってしまった。存在感があったのでつい。

うっかり買ったがあまり日持ちしない

これどうしよう……。

あっポテにしたらいいかな。

11/30(木)ちゅるちゅる、猫耳センサーによるディストピアの構築

職人タイプの同僚がいる。謎のこだわりがたくさんあって、いろいろレビューをしてくる。雑な私は「細かいな〜」と思ってしまうのだが、指摘内容はたいてい正しい。腕はあるから評価してるのだが、そのこだわりの基準を自発的に説明・共有してくれないところには問題がある。これが職人タイプの意味するところだ。

あるときこの人が「昔ながらの職人」であることに気づいて、勝手にスキルを盗むことにした。盗み続けて数ヶ月、ようやくあれこれ言われることが減ってきたと思う。

 

せっかく盗んだ知恵、忘れたらもったいないと思って秘密のドキュメントに残すことにした。アンチョコである。

アンチョコの名前は「ちゅるちゅる.txt」とした。脳みそを吸うイメージである。きもちわる〜

🎈🎈🎈

同僚と「ChatGPTのたぐいをGoogle Homeに載せるならどうすべきか」という雑談をした。

 

日常で使うには「冷蔵庫にあるものでレシピ組んで。気分は中華」に答えてもらわないといけない。今は人間が「冷蔵庫には蓮根と豚肉と松茸があります。調味料は……」とテキスト(音声)入力する必要があって、とても日常で使えるレベルにない。

彼ら執事AIにはセンサーを持たせないといけない。冷蔵庫、本棚……、家中に。そうすると、冷蔵庫の中身が確認できるようになる。だが、このセンサーは記録し続けるからバッテリーも必要。wifiも喋ってくれないといけない。うわたいへん。

 

そうじゃなくて、人の頭にセンサーをつけたらよい説もある。眼鏡*1とかカチューシャ(猫耳)にセンサーを満載しておいて、勝手に撮っておいてもらう。冷蔵庫の中身の画像も履歴のどこかにある。執事AIには履歴から冷蔵庫の状態を推定してもらう。

問題はプライバシー。少なくともGoogleはダメだ。「今週のあなたの食事は不健康なので、ビタミン剤を買うべきです」みたいなことを言いだす。Amazonだったらもっと酷くて「買っておきました」までいく。

 

となるとよっぽど信頼できるサービスに金を払うか、自宅に執事AIのシステムを構築する、というような話になる。大量の写真・音声を記録するのだ。ネットワーク帯域が必要。LANですむならそれがよい。

 

攻殻機動隊みたいな電脳は倫理的に不可能なので、頭に何らかのセンサーを満載するのが現実的であろう。そのうち街中に変なカチューシャをつけた人が闊歩しているのかもしれない。ちょっとこわい。というか、昭和のSFイメージに戻ってない?意外と合理的なのか?

未来に来ちゃったのだわ!あの頭のぴょこぴょこは何かしら……

12/1(金)カメムシマンション家宅捜索、hontoからe-hon

夜中に冷えてダメな日だった。冬用の布団を出してきて寒さに立ち向かう。

🧸🧸🧸

ベランダにバジルがあってカメムシマンションになっている。

そろそろバジルは枯れる季節で、葉っぱが散りまくっている。どうせ散るならモルモットの餌にしてしまえ、と考えて少しずつバジルを切りモルモットに与えることにした。

緑色のやつなので難易度が高い

収穫はカメムシとのかくれんぼである。葉っぱの裏をよく観察してカメムシがいないことを確認し、水で洗ってからモルモットに与える。ぼんやり生きてるモルモットのことだからうっかり虫ごと食べてしまいそうだが、最期の抵抗をしたカメムシが匂いをだしたら嫌なので、事前に取り除くようにしている。

不思議なことにカメムシというものは、葉っぱを叩いたくらいでは落ちてくれない。以前、バジルを台所で洗っていたらカメムシが落ちてきたことがある。水攻めは効くらしい。だからカメムシは葉っぱの裏に張りついているのである。

どうやってもとれないので、葉っぱごと落とすのがいちばんである。あるいは霧吹きが有効かも。

🧸🧸🧸

ついにhontoの物理本通販が終わってしまった。希少な本を取り寄せるのによいサービスだったが、誰も本を買ってなかったのだろうか。

代わりのサービスを探してe-honにたどり着いた。e-honは古めかしくてUIが微妙で検索もできが悪いのだが、近所の本屋に届けられるのは優れている。

仕方なしにhontoのカート、お気に入りから積読書名をコピペしてe-honに移植した。そしてうっかり注文してしまう。また積読が増えた。

*1:Ray-Ban Meta

週報 2023/11/26 客が来るなか肝臓を叩く、中華餃子メーカーがうまく使えないと思ったら餃子文化が違った、ジャービルおらんかね?

11/18(土)The Kyoto museumはどれだ、さまざまな賦活物質

三条東洞院の角(カマルの前です)を歩いていたら、ある婦人に英語で道を訊かれた。我が家は道を訊かれやすい。いつもぼーっとしているから。

 

御婦人「Kyoto museumはどこや(英語)」

いやまてmuseumは無数にある。マンガミュージアムか?国立か?市立か?それとも万華鏡か?それは何の略称なのだ???

妻氏とあわわわわわてながらGoogle Mapで検索する。察するに、至近のmuseumらしいmuseumは京都文化博物館である。

妻氏「cultural museumであっとるか?(英語)」

私は英単語が出てこないので妻氏に任せる。

「そこであっとる(英語)」とのことなので、「ほなここまっすぐいって左や(英語)」「おおきに〜(英語)」とやりとりしてミッション完了となった。観光客が増えてきて我々の英語力はピンチである。

🥣🥣🥣

家に帰り巨大昼寝をするが、疲れがとれない。

気合いを入れて丁寧に作った

「好物を食べたら回復する」法則に従いにゅうめんを作った。出汁をまじめにひいて丁寧に作る。冷え性なので生姜もいれる。元気になった。

 

疲れたときに食べるものはいろいろあるが、世間的によくあるのは寿司とか焼肉だろうか。我が家で人気なのはカレーで、妻氏は就活で疲れていた頃、毎日のようにカレーを食べていたそうだ。スパイスにはいかにも賦活作用がありそうでもっともらしい。

11/19(日)客が来るなか肝臓を叩く

午後、友人が家に来る予定だったのにパテを作り始めてしまった。どうしても時間がなくて……。

しかも到着したとき、私は🐓レバーを🔪で叩いていた。手が血と臓物まみれである。

まったく失礼な話だが、率直に喋る関係なので問題はない。対応は妻氏に任せ、そのまま喋りながら調理をした。

ぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺち

🧨🧨🧨

完成したパテはこんな感じ。

肉を錬ってベーコンで巻き焼く料理

元気が出る味がしておいしかったのだが、肉の練りが足りなかった。粒感があってなめらかさが足りない。反省し、次はブレンダーを使うことにした。

11/20(月)安っぽいと逆に嬉しい、うまい雑草

家に帰ったら中国から餃子メーカーが届いていた。

餃子の皮を作り、包むこともできる君

きっかけはtumblrで見かけた動画。ダルそうな女性が餃子メーカーをぱかぱかさせて皮と餃子を作っている。

すぐに商品を探しだして注文した。

なぜなら皮から餃子を作って失敗したことがあるから。失敗したと言ってもおいしくできたのだが、皮づくりが大変だった。餃子の皮を円形に加工する工程で効率があがらなくて、50個の餃子を作るのに2時間かけた覚えがある。

 

届いた餃子メーカーは、はるばる北京からやってきた。なかなか届かないと思ったら、本当に中国本土の製品だったらしい。

開けてみると予想通りの安っぽさ。パッケージには3Dの餃子がプリントされていて箱はボコボコ。中身の餃子メーカーには白い粉がついていて、工場で組み立てたものを洗浄せずに出荷したのがわかる。日本製だったら苦言を呈するところだが、私はおもしろ全部で買っているのでむしろ喜んだのだった。

3D餃子たち

🛎️🛎️🛎️

昨日、友人から大量のローズマリーをもらった。

わさわさ

調べてみると何に使ってもよいことがわかったので、毎日の魚にのせて焼くことにしてみた。

たっぷりのせる

すると不思議なことに魚の臭みが消える。スズキでも鯛でもそうなった。いい具合に臭みが抜けておいしくなる。なるほど洋食で多用されるわけだ。

 

便利そうなのでベランダで育てることにした。根っこつきの枝を余っていた鉢にさして水をかけておく。ローズマリーは割と雑草なのでなんとかなるのではないか。

 

そういえば洋食屋の前には必ずと言っていいほど、ローズマリーとオリーブが植わっている。かなり確率が高いのでDPZのコネタに投稿しようかと思ったのだが、背景知識の説明がややこしいのでやめにした。誰か代わりに投稿してくれても構いません。

ローズマリーは実用性があるのでわかるのだが、オリーブはなぜなのか。よくシンボルツリーとして使われる常緑樹なので、ただ見た目がよいという理由で飾られているのだろう。

11/21(火)玉露エナドリの2倍効く、労働者支配の方法を考える

玉露を飲んだら睡眠が終わってしまった。「そういえば飲んだことないな」くらいの気持ちで茶葉を買い、月曜の夜に飲んだ。こうして夜中何度も起きる。阿呆である。

「カフェイン 飲みもの」で検索するとカフェイン量ランキングの画像が出てくる。一位はエスプレッソか玉露である。それくらい多い。コーヒーの3倍、レッドブルの2倍カフェインがあるので、徹夜をするときに便利そうである。

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会社のエラい人が労働者を動かす方法として「お金」「時間・空間」「洗脳」がある。具体的には「給与制度」「オフィス環境および在宅勤務制度」「全社会議とかエラい人ポエムによる情報・意図共有」である。

 

お金の制度はほぼ変えられない。みんな給与の増減にはたいへん敏感で、一度上がった給与が下がると劣化の如く怒り始める。給与システムは私情が入りにくい客観的で公平なシステムになっているのが理想で、そういう仕組みができたら容易にはいじれなくなる。

「時間・空間」の管理は「どこでどのくらい働くか」を規程する。出社している場合はオフィス環境だし、在宅勤務が許されている場合は在宅勤務への手当てとか、在宅出社比率とか。こちらの制度はわりあいいじりやすいようで、経営者がころころいじくりまわすのを見かける。特に、業績が悪化した企業が在宅勤務を縮小する話をよく聞く。

「洗脳」は言葉による働きかけである。面談でもいいし、全社集会でも朝会でもよい。ただ、人を集めて喋るとそれだけ人件費が浪費されるので、文章で非同期に発信するのがよろしい。「洗脳」という悪い言い方をしているが、まともに使うと効果的である。適切に情報を開示し、納得感のある説明をしたらいいだけだから。それに、そもそも教育自体が「洗脳」なので、近代社会は「洗脳」だらけである。

 

私は「洗脳」がよいと思う。「お金」も「時間・空間」の管理も大雑把で、具体的な行動を変えさせるのに使えるものではない。文章を書かずに「労働者が言うことを聞いてくれない!」というのは怠慢である。

11/22(水)『徒然草』を読んだ、知識と論理は分離できない

徒然草』を読み終わった。ちくま学芸文庫版。

「古典に通暁した人の文章がやたらとうまい問題」の研究のために読んだ。そういう目的があったので、できるだけ原文で意味を掴むようにしてみた。

内容は「有職故実へのコメント」「こんな変なことがあったよのコーナー」「社会への愚痴」。

「こんな変なことがあったよのコーナー」がいちばんおもしろかった。狐が人を化かしたり猫又が出たりする。人間が今と変わらずバカなことをやっているのもよい。

兼好は何かと「うるさい人が嫌いだ」「品がないのは嫌だ」みたいなことを書く。友達になれそうだな〜と思った。

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この時代の学者は生き字引だった。天皇が「論語のあのエピソードどこだっけ?」と聞き兼好が「この辺でございます」と即答した自慢話の段があった。

連想して思いつくのはプログラマソースコードの生き字引になっている現象。OSSでも業務でもいいのだが、熟達したプログラマは読み書きしてきた何万行ものソースコードのどこに何があるかをなんとなく把握している。「あれどうなってたっけ?」に即答できることもあるし、即答しなくても、その箇所を読みにいって精確な答えを返せる。職業プログラマは多かれ少なかれ、こういう能力を持っている。

 

この能力はLLM(大規模言語モデル)に代替されうるのだろうか?

LLMはある種の検索エンジンなので、ソースコードを食わせたら生き字引が作れるはずだ。そういう意味では、生き字引であるだけなら職は失うだろう。

しかし、プログラマの本質は生き字引ではなく「設計能力」である。設計をするとき工学者(エンジニア)は、目的に対して効率的な解決手段を考える。例えば、私の専門であるサーバーシステムの目的は効率的に「正しく」動き続けることである。

プログラマは設計によって問題を抽象的に解き、プログラムとして具体的に表現する。プログラムは表現手段に過ぎないのだから、ソースコードの生き字引ができることは本質ではない。単なる余技である。

同じようなことは任意の学者にも言えて、学者にとって大事なのは「知識を覚えていること」ではない。知識を使って考え、論証し、新しい意味(解釈)を提示することが学者の価値である。例えば古典力学に対する相対性原理とか。哲学でいうと、ギリシア哲学の注釈をし続けていることも。どちらの事例も扱う事象は同じで解釈のほうが変わっている。

共通するのは「新しくて正しい解釈を生みだせるか」である。工学は問題解決が本質かのようにみえるが、よりよい問題解決をするためには「新しく正しい解釈」が必要である。

 

だから「AIが人類に比肩しうるか?」という問いのコアは「LLMは新しくて正しい解釈を生みだせるのか?」である。一見すると「LLMが新しいものを生みだした!」と騒がれる事案もあるが、このとき「新しく」解釈しているのは生成結果をみた人間である。

「LLMが新しくて正しい解釈を生みだした」と言えるのは「生成結果の文が解釈を提示しつつ、その正しさと新規性を説明できている」場合であろう。これは査読が通る論文を書くのに等しい知能である。

 

「新しくて正しい解釈」を考えるためには、既存の知識を持っていたうえで視点を切り替え、正しさを論証する能力が必要である。考えるためには、知識だけでも論理だけでもダメなのである。両者が揃って、脳内で密結合してはじめて考えることができるのだろう。

11/23(木)中華餃子メーカーがうまく使えないと思ったら餃子文化が違った

勤労に感謝しつつ餃子大会を開催。あやしい中華餃子メーカーを使ってみた。

餃子の皮を作るのは意外と簡単で、中力粉と水と塩があればできる。これを錬って寝かせて餃子の皮っぽくなるように圧延するだけ。小麦玉を餃子メーカーに挟んで上から潰せばよい。

分厚い餃子

ところが、思ったような皮ができなかった。分厚い。市販の餃子皮の数倍の厚さになってしまった。

 

安物なので期待はしてなかったが、ちょっと残念。このまま餃子メーカーを使うと生地が枯渇して中身が余ってしまうことがわかっていた。しょうがないので作戦を変更し、パスタマシンで生地を伸ばすことにした。

変な形だがよく伸びる

てきとうにちぎった小麦玉を伸ばしてカードで切るので餃子皮は不定形になるのだが、なぜか自作の皮はよく伸びるので問題なく包むことができた。

🧷🧷🧷

そして焼く。

どれがモチ餃子だったかわからんくなった

こうしてできたモチモチの餃子を食べたとき、なんで中華餃子メーカーの皮が分厚いのかを理解した。この皮は、水餃子用なのである。

なぜなら中国の北方は小麦食文化圏で、餃子は水餃子にして主食で食べるものだから。この餃子メーカーは北京から届いた。厚手の皮ができるのは現地では正しいのである。

tumblrで見つけた動画では、中国のご家庭で本当に餃子メーカーを使っていた。違っていたのは使い方ではなく、文化のほうなのだ。

11/24(金)ジャービルおらんかね、瞬間湯沸かし器とは何か

休みにした。モルモット用の牧草を買いに行ったついでにペットショップの小動物コーナーをみる。春にスナネズミを失って以来、心にスナネズミ型の穴が空いているのだ。スナネズミおらんかね?

 

ハムハムハムハムハムハムうさぎフェレットチンチラデグーインコ以上。おらんかった。

レジのお姉さんがやたらと話しかけてきたので「ジャービルおらんかね?」と尋ねてみる。お姉さんは知らなかったようで代わりにボスが出てきた。

「おらんか?」「需要がない」

がーん!あんなにかわいいのに!

 

もう一度『動物のお医者さん』が流行ればいいのにと思った。いやハスキーが人気になるだけだろうか。

🪆🪆🪆

すぐ怒る人を瞬間湯沸かし器と揶揄することがある。

そういえば瞬間湯沸かし器って何?具体的にどんな器具なの?と思って調べたら台所の壁についている機械なのがわかった。最近の家だとまずないが、バランス釜よりは新しそう。幼少期に遊びに行った家で見たことがある。

ガス瞬間湯沸器 - リンナイの給湯器

でも、すぐに怒る人を瞬間湯沸かし器といわれてもピンと来ない。ケトルとか薬罐をイメージするのが適切なような気がするのだが。薬罐がピーッと鳴ってるさまなんか怒っている人の描写にぴったりだろう。

すぐにカッとなる、瞬間湯沸かし器な人の特徴 | 恋のミカタ