しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報 2024/07/14 仕事場みたいな家なんですよ

7/6(土)

コーヒー豆を買いにいったら100g単価が200円くらい値上がりしてるのに気づいた。前は500円で買えたブレンドが700円〜になっている。いつも二種類を200gずつ買うのだが、前なら三千円だったお会計が四千円に。円安のせいでもあるだろうし、そもそもカカオとかオリーブオイルなどの舶来品が軒並み高くなっている異常気象の話がある。しばらくはこのまま下がらないのだろう。今年も世界的に暑いだろうし、しばらく農産物の値段は落ちつかなさそうだ。農業は土地と結びついているから大変だ。商業的に成り立つ樹木を育てるのに何年もかかるのに、気候変動で栽培適地が移動してしまう。ままならんことだ。

🌶️🌶️🌶️

ベランダの唐辛子を収穫してみた。追肥を忘れていて成長が滞ってしまった唐辛子くん。さてお味は。

唐辛子がなってると便利

オイルソースのパスタにしてみたところ、なんだか皮が硬い。食べられないことはないが噛みにくくて万願寺とうがらしや甘唐辛子系とは似ても似つかぬ食感である。なるほど素人が育ててしかも世話に失敗*1しているとなると、こんなふうに微妙な野菜ができるのだろう。しかも辛みがあんまりない。韓国唐辛子とはいえもうちょっと辛くないと。
とりあえず追肥やら活力液は与えてみた。今後挽回できるのやら。

7/7(日)

姉が京都にやってきたので迎撃。食事をして雑談をした。何年ぶりか覚えてないがだいぶ会っていないと思う。相変わらずノリが軽いというか、話題がぽんぽん変わる人だった。なぜこうも姉弟で性格が違うのか。しかしどこか似ている、共通点と呼べるようなところもあって不思議だ。突発的な行動を好んだり。束縛を嫌って自由にやるのが好きだったり。

🥬🥬🥬

アファンタジアが遺伝性のものなのか気になって姉の所作、趣味、性格を観察していたのだが、どう考えてもビジュアルシンカーとしか思えなかった。ブルーボトルコーヒーに売られているボトルの柄を「かわいい」と言ったり、村上隆の個展を見にいったりする。ネイルもばっちり。写真を撮るのも好きなのだそうな。アファンタジアではないだろう。となると、私に特異的な性質なのかも。謎は深まる。

🥬🥬🥬

家に帰ったらパンを捏ねて焼いた。一次発酵が終わった生地を丸めて型に詰めるだけなのだが、私の手がでかいために作業が効率的なのを妻氏に羨ましがられた。パン生地というのはもちもちふにふにしていて、生地は簡単に変形してしまう。パン捏ね台から型へ移すときに手が小さいと生地が手から溢れて垂れてしまうのだが、私の手だと両手に収まって垂れずに済んだ、という背景。なるほどパン屋では手が大きいほうが有利、という話はありそうだ。もしかしたら寿司屋とかピザ屋さんもそうかも。ピアノ演奏は言わずもがな。

よい出来になったらしい

思わぬところで適所が見つかったので、今後もパン捏ね担当を拝命するのだと思う。

7/8(月)

同僚にVision Proを体験してもらいながら、モルモットやスナネズミの動画を見せてみた。空間ビデオという3D撮影したものを鑑賞できるコンテンツ。このビデオに映った我が家を見た同僚は「仕事場みたいな家ですね」と感想を述べていた。仕事場みたいな家なんですよ。

☕️☕️☕️

姉はパワフルというか、不定愁訴とかなさそうだな、と思った。夏はビール。コーヒーを飲むならアイス。冷え性には信じられない行動様式だった。オフィスワーカーの不健康さを思い知る。

7/9(火)

たまに換気扇が止まったままになってアラート(800ppm閾値)がなる

ラズパイが届いたのでCO2濃度監視システムを完成させて運用し始めた。自作のプログラムをmackerelから呼び出して毎分のCO2濃度をサーバーにあげておく。mackerelとは、はてな社のサーバー監視システムだと思ってもらえればよろしい。ここに時系列データを入れて移動平均で800を超えたらメールやらSlackに通知する。無料プランだと過去のデータは一日ぶんしか見られないが、我が家に必要なのはアラートと傾向の把握なのでmackerelでじゅうぶんなのである。

弱くてかわいい計算機

ラズパイは予定どおりよわよわCPUとメモリの計算機なのだが、思ったよりも弱くてびっくりした。M2のMacBook Airだと一秒もかからないGoプログラムのビルドが30分経っても終わらなかった。それくらいAppleのプロセッサは強かったらしい。

🌱🌱🌱

こうしてCO2濃度が監視できるようになったので、まずは自分を人柱にして実験をする。具体的には、換気扇を止めて実際にアラートが鳴るのを確かめる。まずは800ppmの警告のチェック。部屋を締め切ってふつうに過ごしているだけでぐんぐん数値が上昇していき簡単に800ppmを超えた。どうやら二人いると10分で50ppm上がるようである。人がいないときは400ppmくらいなので、2時間もあれば危険な濃度に達する。換気扇は止めちゃいけないし、常時換気の穴は閉じたらダメなのがよくわかった。

結局1000ppm近くまで上昇するのを見届けてから換気をした。頭が痛くて本当に人柱になっていた。

7/10(水)

同僚の子がなんでも口に入れるという話から、自分が磁石を食べたことがあるような気がしているのを思い出した。なにぶん幼少期のことなので記憶は曖昧なのだが、食べたような気がしなくもない。食べてないかもしれない。どのみち排出はされていると思うのだが、もしかしたら身体のどこかに残っているかも……。

もしMRIを撮ることになって、お腹が痛くなったらあたりである。

💥💥💥

今週はめちゃくちゃ忙しい。というかただでさえ忙しいのに毎日新しいトラブルが起きていた。運が悪いので祇園祭か何かで禊いだほうがいいのかもしれない。とりあえず厄除けの粽は交換する。

祇園祭が終わって夏が来る

7/11(木)

『呼吸の科学』を読んだ。ブルーバックス。かなり読みにくかった。まじめな研究者はサービスが悪く、文章が下手くそなことが我が家では知られている。

この本から「一回の呼吸を長くすると酸素の利用効率が良くなり、リラックスする」という知見が得られた。つまり深呼吸をするとリラックスできるという話。そんなん知っとるわ。エビデンス大好き人間には良いのかもしれないが、とにかく退屈な本だった。

🔥🔥🔥

なんでこんなしょうもない本を読み切ってしまったのか自分でもよくわからないのだが、電子書籍ならためらわずに捨てられるのかもしれない。微妙かも知れない本は物理で家に置かないこと。ダメだとわかったらすぐにブックオフ行きの箱に入れること。

この本に限らないが、つまんない本(特に新書)はタイトルがダメだ。『AとB』『Zとは何か』みたいなありきたりで内容が何でも良いようなタイトル。

いい本のタイトルはちょっと変で目を引きやすい。『パン屋再襲撃』『月と六ペンス』『本が好き、悪口言うのはもっと好き』『読んでいない本について堂々と語る方法』などなど。何これ?となって記憶に残るしタイトルからユーモアも感じられる。

『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフ謳歌する』みたいな長いタイトルも台頭してきている。もう十年以上前からライトノベルを中心に流行っていた傾向。それが当たり前になって、今や漫画でも長いタイトルがつけられる。しかし、ただ長いだけのタイトルは商品内容を説明して広告として機能しているだけである。そんなに記憶に残るわけでもユーモアが感じられるわけでもない。実際、この作品のファンは『チー付与』と略して呼んでいる。

そうではなく、ある程度の短さで「なにこれ?」と思えるような変なタイトルが良い。良いタイトルをつけるスキルは俳句とか短歌、キャッチコピー制作などのポエム的な能力に通じるものかもしれない。短い文字数で実現するほど高度になり、できる人は限られてくる。でも私は洗練された本を読みたいのだから、そこを狙って探すのが良いのだろう。

7/12(金)

仕事でコードレビューをされるとき「いちゃもんや!なおす必要ないもん!」と思ってしまうことがある。このとき、本当に自分の書いたものが正しくてなおす必要はないケースと、勘違いして間違っていることがある。間違っている場合は気づくまで説得されて直したらいいのだが、正しいケースが問題だ。正しいから直す必要がない。それはそうなのだが、真の問題は正しさが伝わってないところにある。つまり説明不足。

『職業としての小説家』に「けちをつけられた部分があれば、何はともあれ書き直そうぜ」という村上春樹の個人ルールが登場する*2。小説を書いて妻にレビューをしてもらって納得がいかない指摘が出てくる。そういうときに村上春樹は「とにかく指摘を受けた部分があれば、そこを頭から書き直す」ことにしている。そうすると、たいていその部分が前よりも改良されているのだそうな。「読んだ人がある部分について何かを指摘するとき、指摘の方向性はともかく、そこには何かしらの問題が含まれている」「その部分で小説の流れが、多かれ少なかれつっかえている」から。意図としては正しく書いているつもりなのに、それが伝わらないことがある。小説家もプログラマも、仕事のゴールは正しさが伝わるように書くことである。伝わらなければ意味がない。そのためにも「指摘があったらとりあえず直す」というルールが良いのだと思う。文章であれば書き直せばいいし、プログラミングだったら処理は変えずに変数の名前を変えたり、コメントを書いたりといった工夫ができる。コードを読むときにも「つっかえ」はあるものだから、それを取り除く作業をしてレビューを打ち返せば良いのである。

🐟🐟🐟

日本人の気質、文化を説明するのに「恥」の概念を使うことがよくあった。「あった」と過去形なのはもうかつての「恥」の概念が通用しなくなってきているから。恥という言葉は残っているし使われるけれども「国家の恥」「家の恥」「恥を知れ」という言い方はもうしない。昭和後期、平成生まれ以降の世代で使う人はほぼいないだろう。今の恥概念は道徳規範ではなく、単に「失敗して恥ずかしい」というような具体的な行為に対する後悔の念を込めて使われるものになっている。

なんでなくなったのかというと「恥」の概念が家規範とくっついてるから。「家の恥」「国家の恥」という用例からわかるように「恥」は家とか民族共同体、コミュニティへの帰属意識を前提にしている。「家」に対する「世間」からの評価を良くしておくよう常に気が配られていた。もちろん家規範は窮屈で抑圧的で、個人にとっては嫌なものだった。だから戦後数十年をかけて解体されてきた。その結果として「恥」の適用範囲は狭くなり、個人的な具体的行為にだけ向けられる言葉になった。

今の「恥」に相当する規範は「身内コミュニティからの評価、評判」に変わってきている。「世間」という感覚も薄れてきており、外野から何を言われようと身内からの評価が良ければそれでいい、という行動規範をとる人も多い。それがエコーチェンバーと呼ばれる現象だ。皆がそれぞれの「村」からの評価だけを気にするようになると、社会全体としての道徳レベルは下がるかもしれない。しかし、かといってかつての家規範を復活させるのはあり得ない。

 

代わりになる規範は何かないのか。一つ思いつくのは「態度」を重視する価値観。今やなんでもハラスメント扱いされるのは態度が大事だからである。日常的なコミュニケーションで威圧的に振る舞ったり、親しくない相手に感情をぶつけてはならない。態度が悪い人はいかに正しいことを言っていてもダメで、内容によらず態度だけで関係を壊すことができる。平等で態度が良い人が尊敬される社会になってきている。

問題があるとしたら、態度の良し悪しの評価には相性が入ってくること。生まれもった性格(脳の配線)と育ちによってどの態度が不快に感じるかは変わってくる。性格上の相性じゃんけんによって、ある人にとって態度の悪い人が一定の支持を集めることは自然な現象であり否定してもしょうがない。また、家規範衰退の反動として抑圧的な人が支持を集めてしまうこともあるかもしれない。まだ次世代の共通基盤となる価値観は存在しておらず、当座のところ人々の性格の相性で決まってしまうものなのだ。

個人的には、気配りができて万人に態度が「まとも」な人が人気なほうが良いとは思う。しかしその価値観が少数派になる可能性も否定できず、ただそうなるよう祈ることしかできないのである。

リンク集

先週書くの忘れてたわね。

note.com

今週も更新されました。相変わらずおもしろい。

anond.hatelabo.jp

良増田

togetter.com

何これ……

www.apple.com

便利そうなのでこのバージョンで生活してますが戻れなくなることは知りませんでした

*1:一切追肥してない時期があった

*2:p.161

週報 2024/07/07 CO2濃度を計測してみた

6/29(土)

台所の棚に鎮座するスパム缶が気になっていた。たしか災害備蓄用品として買って賞味期限が切れたときに出しておいたもの。冷蔵庫の肉がない時に使おうと思っていたのに、いざ肉がなくなったらその存在を忘れてスーパーへ買いに行くのだった。それを繰り返して数ヶ月。今日は二日連続で「スパムを使えなかった!」と思っていたので、ようやく開封することができた。

メニューはパスタ。オリーブオイル、ニンニク、玉ねぎ、にんじん、キャベツを細かく刻んでスパムとともに炒め、ケチャップで和えたもの。ナポリタンのソーセージの代わりにスパムを入れたものなので、当然成立する。ソーセージにはない強い旨みがあっておいしかった。

深夜、今度はスープに入れてみた。夜中に突然スープを作ることがあり、今日がその日だった。野菜を手の上で切ってスパムの残り、塩、胡椒を入れて煮込む。これもまたうまい。なかなか便利な缶詰だと思った。でも、また使うのを忘れて棚に残ったままになるのだと思う。それが缶詰だから。

スパムスパムスパムおいしいスパム

🪞🪞🪞

村上さんのところ』を読んだ。村上春樹がメールを受け付けてレスをくれるかもしれないサービスがこれまでに何度か開催されていたらしい。村上主義者(ハルキストと言ってはならない)のお祭りみたいなものだ。村上春樹は集まったメール三万通すべてに目を通し、三千通にレスを返したそうだ。その中の約五百通を選んで収録したのがこの本。厳選されているので、どのやりとりもおもしろかったのだが、特に気に入ったのが次の二つのレスだった。

いつも言っていることなんですが、小説には意味なんてそんなにありません。というか、意味という座標軸でとらえることができないからこそ、小説が有効に機能するのです。意味という座標軸でとらえてしまうと、小説は味気ないつまらないものになってしまいます。物語の足がとまってしまいます。「意味はようわからんけど、なんかおもろいし、読んだあと腹にたまるんや」(なぜか関西弁になる)というのが僕の考える小説の理想のかたちです。
p.73

僕はこうして文章を書いて35年も生活していますが、身にしみて学んだのは「言葉って本当に怖い」ということです。ペンは剣よりも強いとよく言いますが、言葉は実際にナイフのように人を切り裂きます。だから僕は慎重に慎重をかさねて文章を書いています。こういうやりとりも、いい加減にほいほい書いているように見えるかもしれませんが、これでずいぶん神経をつかって書いているし、何日か寝かせて、用心に用心を重ねています。僕はなんといっても言葉のプロですから、失敗は許されません。
でも世間の多くの人は、言葉の怖さをよくわかっていないように見受けられます。そしてSNSが発達したせいで、抜き身の刃物のような言葉が言説空間をひゅんひゅん飛び交っています。これは僕なんかから見るとほんとうにとんでもないことです。あなたが傷ついたり、いやになったりする気持ちはよくわかります。そう感じるのがむしろ当然です。インターネットは便利なツールですが、僕らはなんだかとんでもないものを解き放ってしまったような気がすることもあります。
しかしいずれにせよもう後戻りはできないので、そのような状況にあわせて自分を護っていくしかありません。そういうツールとの間に、自分なりの「適正距離」を測っておくことが大事になります。うまく測ってください。
p.399

6/30(日)

ブルーバックスの『東洋医学はなぜ効くのか』を読んだ。東洋医学とは漢方とか鍼灸のこと。内科でふつうに漢方薬が処方されるように、医学の世界では東洋医学が併用されつつある。それも根拠がないことではなく、ちゃんと作用機序が明らかにされてきているらしい。東洋医学の仕組みを調べる論文がどんどん増えているのだとか。私は鍼の効果を隔週で体験しているので疑問に思ったことはないのだが、世間を説得するには科学のお墨付きが必要だ。そのための本である。

注意が必要なのは「東洋医学すべてのメカニズムが明らかにされているのではなく、一部の生薬やツボ、鍼灸の作用機序がわかってきた」ということ。「どうやら本当に効くらしい」にはなりつつあるけれども、東洋医学のすべてを信用して良いわけではない。西洋医者に信用できないものがいるのと同様に、鍼灸師にも腕の良いものと悪いものがいる。すべてを信頼するのではなく、自分の身体で実験して効果があったものだけ信用するのがよろしい。実験というと物騒だが、ツボ押しとかお灸程度ならば害なく実験できる。漢方薬はもとより医師の処方が必要なので保険医療に従っていればよろしい(ドラッグストアで買える漢方薬は有効成分の量が少ない)。

特にツボ押しはおすすめできる。ツボと言われている部位の近くの、痛気持ちいいところをゆっくりマッサージしていると止まっていた胃腸が動き出したりする。

7/1(月)

星野源、アルファと恐山の鼎談を読んだ。そんなにおもしろいコンテンツという感じはしなかったが、恐山の日記noteが紹介されていて加入した。毎日書かれる日記が好物。日記だとそんなにおもしろくなくても許せるのが不思議だ。流れていくものだからだろうか。「人が生きてるな〜」という観測をするためのものかもしれない。

🥩🥩🥩

妻氏が突然ムジーナの絵文字を連打してきた。これまでムジーナのスタンプばかり送りあっていたのだが、絵文字も使えるようになった。我が家のLINEのやりとりはムジーナだけで完結する時代に。

ジーナスタンプは便利

Tシャツもおすすめ。
ちなみにムジーナの作者のくまみねさんは、現場猫の作者でもある。

www.ttrinity.jp

7/2(火)

ダンジョン飯を最後まで読んだ。いつだったかタイムラインで「マルシルとライオスが結婚する」という情報を見て「ホントかな?」と思い調べに行った。

オタク女子コミュニティの集団幻覚だった。

🍚🍚🍚

妻氏は私が漫画を読むさまをみて「ページをめくるのが早い。絵を見ていない」と評していた。見てないことはないがあまり見ていない。九井諒子の絵が上手いことはわかるし、もし漫画が白紙のセリフだけだと読めないだろうから情報は拾っている。しかし絵を楽しんでいる度は限りなく低く、ただの読みやすい物語として消費しているようだ。だから私にとって漫画はけっこうコスパが悪い。文字が多い漫画ならいいけど。

次に読むのは『ラーメン発見伝』と決めているのだけども、Vision Proを買ってしまったので節制して電子書籍ぽちぽちを我慢している。

7/3(水)

味噌汁に煮干しやわかめ、昆布などの乾物を入れることがあるのだが、管理が面倒になって一つのタッパーに入れるようになった。煮干しを買ってきたら中身をタッパーにぶちまけておしまい。使う時はガサガサ拾って鍋にポイポイする。なかなか便利なのでおすすめだが、雑人間向けかも。私は雑人間です。

出汁ボックス

🌪️🌪️🌪️

CO2濃度計が届いた。換気扇を止めてどこまで上がるのか実験。

見事な酸欠です

すると4時間くらいで1000ppmを超えてしまった。健康的な値は400ppm〜600ppmくらいだと言われている。私は900ppmくらいで頭痛がし始めた。なぜこうなるのかというと、我が家の気密が良すぎるから。家主が内窓を余計に入れているのに建物は古くて24時間換気のための換気口がないのである。
細かく窓を開けるか、換気扇を強めてドアの下の隙間から吸気するしかない。そのために、とりあえずCO2濃度の監視をすることにした。

🌪️🌪️🌪️

久しぶりの趣味プログラミングである。プログラミングは私にとって飯を食うための手段でしかないので、あまりプライベートではコードを書かない。アウトライナーを自作するとか、窒息しないためだとか、差し迫った需要があると重い腰をあげる。
今回作るのはCO2センサーの値を読みとって監視サービス(mackerelなど)に投げるだけのスクリプト。仕組みはよく知らないがUSB経由で無限にバイナリが読めるので、それを適切に解釈するとCO2濃度や気温が取れる。取れた値をインターネットに投げ、監視サービスでアラート閾値を設定したら完成だ。かんたん。
インターネットの参考実装はPythonだったので最初はPythonを使おうとしたのだが、なぜかNAS上では動かなかったし言語があんまり好きじゃないのでGo言語に切り替えた。学生時代はPythonもよく書いていたのだが、仕事をしていくうちにRubyとGoの人になってしまった。TypeScriptも嫌いじゃないよ。

co2mini · GitHub

こうしてできたのがこんなやつ。とりあえずデータは読めるようになった。あとは投げるだけだ。

7/4(木)

たっかいおもちゃ

Apple Vision Proを受けとった。鍼むしろにされ、残業をして家事をこなしたあとにセットアップ。空間コンピューティング生活が始まった。

寝転がって電子書籍を読んだりインターネットができるのがうれしい

アプリはまだ対応しているものが少ないのだが、すでに生活が変わりつつある。際立っているのは画像がかなり綺麗に見えること。これまで触ってきたどんなディスプレイよりも画像、映像が綺麗に見える*1。そのせいで、DPZ記事とかtumblr、XはVision Proで見る、という行動変容があった。また、電子書籍の雑誌や料理本などの大型本が読みやすくなった。Vision Proでは150インチモニタ相当(てきとうだがかなりでかい)の大きさでアプリを表示できる。タブレットだと読みにくかった細かい本も読めるようになった。

重さはどうか。それなりに重いのだが、正しく装着したら気にならなくなる。今のところ二時間くらいは連続で使えている。バッテリーが二時間しかもたないので実質上限。Xやこれまでみてきたニュースによると「痛くてつけてられない」という声があるのだけども、それはちゃんとマニュアルを読んで装着してないからだと思う。ヒントアプリにちゃんと書いてあるので読みましょう。あるいは姿勢が悪くて首を痛める人もいるかもしれないが、これはどうしようもないか。姿勢はよくしましょう。Vision Pro関係なしに。

🐈🐈🐈

難点はIMEの挙動が変なこと。ハードウェアキーボードを接続して文字入力をしているとBackspaceが二回効くような動作をすることがあった。バグだと思う。

7/5(金)

CO2監視スクリプトNAS(自宅用のストレージサーバーです)で動かそうと試みたがなぜかクロスコンパイルができないので諦めた。NASは一応ちゃんとしたサーバーなのだがCPUとかOSが特殊なのであんまり触りたくない。というわけで、諦めてラズパイを買った。ラズパイは特殊なCPUだと言えないこともないが、あまりに普及しているので自作のプログラムを動かすにはピッタリの環境なのだ。

問題はラズパイの4とか5がオーバースペックなこと。一万円以上するし、メモリも無駄に4GBとか積んでいる。世の中にはデジタルサイネージとかでラズパイを使う人がいるので、メモリがそれなりにいるらしい。しかし私の用途だとそんなにいらない。自作スクリプトのバイナリサイズは2.1MBだし使用メモリは4.6MBだった。しょぼいメモリでいいので良いのないかな〜と思ってサークルのSlackで質問してみたら、ラズパイには3のModel A+というしょぼしょぼメモリバージョンがあるという。価格も五千円程度で安価。これにした。

sozorablog.com

🥧🥧🥧

『呼吸の科学』を読んでいたら「酸素摂取量で消費エネルギー量が計算できる」と書かれていた。また、先日のCO2濃度計の計測によると「妻氏は体格のわりに二酸化炭素を多めに出しているが、私一人だとぜんぜん濃度が上昇しない」ということがわかった。

私の呼吸が下手すぎることが判明。呼吸上手になりたい。

*1:画素(ppi)が細かいから

週報 2024/06/30 さまざまな爆発

6/22(土)

美容院で髪を切ってもらう。もう十年ほど同じ人に切ってもらっていて、その間に私は労働をし続け、美容師さんには子供が生まれもう小学生だったか。
今日もいつものようにテンション低く喋りながら切ってもらおうと思って訪れたらいつもと様子が違っていた。私の予約した時間のはずなのに、美容師さんはおばさん客とやや険悪めの議論をしている。おだやかな人なのに珍しい。なんでもおばさんが矛盾した染色の要求をしているらしく、それは無理だからどっちかにしろ、という説得をしているようだった。またこのおばさんは人の言うことを理解せずに、言いたいことをまくしたてるタイプ。厄介な客だった。
そのまま待たされるのかと思いきや、先に髪を洗われることになった。本来は髪を切ったあとに行われるサービスだが、助手の人が気を利かせ柔軟に判断したようだった。ちょうど汗をかいていたし状況が状況なのでそのまま洗ってもらう。助手の女性はいつもより丹念に、時間をかけて私の頭を洗った。時間稼ぎである。
20分ほど時間を稼いでもらったあと、10分椅子で待機。すると染色で放置フェーズに入った美容師さんがやってきて髪を切ってくれた。いつもよりだいぶ疲れていて、そして焦っている様子。スケジュールが押しているようだった。時折助手の女性と耳打ちをして作戦会議もしている。どうやって色を入れるか判断が難しいようだった。
最後まで顛末を見届けたかったが、素早く私の髪は切られてお会計となった。退店する頃には次の枠の客も来ておりまだ予断を許さぬ状況。おばさんは今度は助手さんにあれこれ捲し立てている。それを尻目に帰ることにした。

家に帰ってから鏡で髪の毛をチェックすると何房か切りもらしがあった。災難である。

🐈🐈🐈

美容院に行く前に5kmほど歩いてみた。梅雨入りした京都はじっとりと暑く、30分も歩くと背中は汗でべとべとになった。
歩こうと思ったのは、朝から体調が悪かったから。体調が悪いのに歩くのには訳があって、冷え性(低血圧)人は循環が悪いと身体の各所に水が溜まるからである。あちこちに溜まった水を排出する方法は筋肉を動かしてリンパ系へ送り込むか、汗をかくかのどちらかしかない。両方を一気に満たせるのが散歩なのだ。
こうして狙ったとおり、汗と尿が出てむくみをとることができた。

🐈🐈🐈

半田そうめんを箱買いしたのが届いた。やっぱりそうめんが好きでやめられないので、全国あちこちからそうめんを取り寄せては堪能している。そのうち天下一を決めたい。
今回のそうめんは古風な包装でやってきた。古風と言ってもでっかい桐箱ではない。ただの段ボール箱なのだが、その箱がやたらと厚手なのだ。Amazonやヨドバシなどのふつうのインターネット通販の箱は薄手で効率的に作られている。コストが節約されている。古風な包装というのは、コスト意識が乏しく、どこか豪勢な包装のことを言っているのだ。
そして感想をしたためるハガキ、ファックス注文用紙もついていた。商品カタログもあるし、なぜか団扇もついてきた。

なぜここまでするのか

 

コスト意識がゆるく昭和の豪勢さを残していて好感が持てた。このままそうめんで儲けていただきたい。

6/23(日)

業務で運用してるシステムのアラートが鳴り対処をした。と言っても特に問題はなく誤報だった。原因は不明だが問題ないことを確認し日常に戻る。
反応した同僚たちはだいたい外にいた。家にいて引きこもっているのは私くらいのようだ。ほんとうに土日は外にいるものなのだなあ、と感心した。我が家は用がなければ外に出ないし、用はまとめるので。

🍞🍞🍞

パンを一人で作った。

丸めは下手くそなのにパンは自分でパンになる

これまでは妻氏がパン焼き大臣だったのだが、パンの発酵に振りまわされるのが画業に障るということで、次第にパンを焼かなくなっていった。しかし市販の食パンはあんまりおいしくない。それに買ってしまった機材(ニーダー)もある。耐えかねた私は勝手にパンを作り始めた。レシピだけ教えてもらって前日から生地を仕込み、冷蔵庫で発酵させる。翌日捏ねて寝かせてぷっくり発酵させる。それをイーストごと焼き殺して完成。
思ったよりも簡単だった。と言っても、肝心の捏ねは優秀な機械がやってくれているからだが。人間がやることといえば計量し、分割し、捏ねて型に入れて焼くだけ。そう手数はかからない。待つ時間が多いだけだった。ただ、パンが発酵しすぎないように時折様子を見る必要があるので、たしかに集中して絵を描く人には向いていない。台所で本を読みながら料理をするような私にはできるというだけだった。

パンはうまいのを食べたい。小麦粉系の料理は自作するメリットが大きい。餃子の皮でも製麺でもなんでもいいが、自分で作った作りたてを食べてほしい。それほどまでに自作の粉食品はうまいのだ。

パンはほうっておくと爆発します。注意してお世話しましょう

6/24(月)

ややこしい性格の人と仕事をするには、その人の性格がなんでそうなっているのかを理解する必要がある。よく1on1指南書などで言われそうなテクニックだ。メンタリングの技術でもありそう。そういう小賢しい話は置いといて、ともあれ同僚の性格の根っこは理解しておかないと困ることがある。目的は、たぶん、周りの人の行動を予測可能にしておくこと。日常で予想外のことが起きたら困るのだ。
理解するためには観察と分析と勉強が必要だ。よく見て日記に書きながら考え、本を読んでいろいろな発達傾向の特徴を知っておく。画像記憶の人か、言語タイプか、音楽タイプか、という分析もその一つ。そうやって他者を知っておくと生活が楽になる。

まったく分析する必要がないような人もいる。気配りが上手で自制が行き届いている人。感情的になることはなく落ち着いている人。そういった人たちは相手をしていると楽ではあるのだけれども、どこかよそよそしさというか、遠さを感じることはある。分析できるような尻尾を見せてくれないというか。自制的な人は同じように相手を分析しているのだろう。対面して話すと、探り合い読み合いになってなんだか変な感じがする。しかし、深く話してみるとおもしろいので、信頼されるように時間をかけて仲良くなると良いことがあるだろう。

💦💦💦

同僚らと中華を食べに行き、始めて辣子鶏と紹興酒を味わった。

www.hotpepper.jp

辣子鶏とはこの記事の画像にあるとおり、唐辛子と花椒の中に埋もれた鶏肉を食べる料理である。たいへん辛い。なのにうまい。同僚たちは「ココイチの3辛だ」「いや5だ」とか謎にココイチ単位系を持ちだしてくる。よくわからないが辛くておいしかった。食べられない人もいて辛さ耐性の多様性があるのを知った。私にとってはあまりにおいしく、自宅で再現することを心に誓ったほどである。妻氏は辛いのがダメなので私一人で食べることになるだろう。
紹興酒ラム酒メープルシロップを合わせたような味がした。風味が良く、料理に使っても常飲してもおいしいお酒だ。これも常備することにした。何かとレシピに書かれていて気になっていたのだ。

6/25(火)

村上春樹の『騎士団長殺し』をぜんぶ読み終わった。記録によると五月の半ばから読んでいたらしい。文庫四冊もありなかなかの長編。なのに長くても退屈しなくてサクサク読めた。文章のリズムがとっても良い。
タイトルのとおり騎士団長が殺される。舞台は現代の日本の小田原だがなぜか騎士団長が出てきて殺される。騎士団長が何かはネタバレになるので語れない。騎士団長を殺すことで物語が大きく展開しさまざまな問題が片付いていく。最終的にすべての問題があるべきところに落ちついて物語が畳まれた。ハッピーエンドかどうかは解釈が分かれるところだが、読後感は良い。ちゃんとお腹に溜まって印象に小説だった。おすすめである。

🌶️🌶️🌶️

循環の悪さを感じてラジオ体操をしてみる。第一は何も見ずに、何も聞かずに再現できる。でも第一ってあんまりキツくない。もうちょっと息が上がるようなやつがいい。それが第二なのだろうか。まったく覚えてないし印象がないけれども。第二、覚えるか。

🌶️🌶️🌶️

鰯を焼いたら爆発した。このごろ鰯は旬なのかやたらとうまい。一夜干しになったものを買ってきて毎日少しずつ焼いて食べている。今日もロースターで二人分を焼いていたところ、ロースターの内部で脂が爆発して一瞬火がついた。それくらいは耐えられる機材なので火事とかにはならないのだが、煙がひどいことになった。けむらん亭は触媒で煙を焼き切ってくれる製品ではあるが、びっくりして電源を切ってしまい、煙がもわもわとリビングじゅうに広がっていった。
脂が多い魚はロースターで焼いてはいけない。反省して翌日からは小さなフライパンを使って焼くようになった。鰯くらいならば蓋をして蒸し焼きにすればよい。ある日、さらに工夫をして酒蒸しにしてみた。食べてみると上品な味がして実にうまい。ここで気づいたのだが、中華料理に似たような魚料理があったはず。清蒸だ。酒蒸しにして煮えたぎる油をかけて食べる料理。なるほどおいしかろうなあ。今度どっかで食べてみよう。あるいは自分で作る。

dancyu.jp

6/26(水)

会社の自席に置いといたカリタのコーヒーサーバーにカビが生えていた。ガラス容器でつるつるしていて、蓋にはメッシュが入っているから空気が通るのに、底に溜まった一滴の水を養分としてカビが発生したようだった。最後に使ったのは先週金曜日だったか。たった数日置いとくだけでカビるなんてさすが梅雨である。日本の気候の恐ろしさよ。冷蔵庫がないころの食べ物なんてひとたまりもないに違いない。

☕️☕️☕️

ベランダの🌶️の生育が止まっている。五月くらいに買ってきた苗を鉢に植え、水やりだけしていたら背丈が伸びなくなってしまった。一時期ばんばか花が咲いて実がついたのはいいが、先になった実ばかり大きくなって後のやつらはどれも小さいままだ。明らかに息切れしている。なんでやろな、と思ってサークルの農業チャンネルで相談していたら、追肥をしてないのに気づいた。野菜栽培では基本的なことなのだが、プランター野菜栽培ではけっこう頻繁に追肥をしないといけないらしい。それを一ヶ月くらい怠っていたのだろうか。土のなかの栄養はほとんど流れていってしまって、🌶️はスランプに陥ったのである。ごめんごめん。

とりあえず家にあったハイポネックスを薄めて散布した。あとはリキダス栄養剤とかも定期的にやっていくと🌶️だらけになるのではないか。われわれが食べるような野菜は人工的に改造された野菜工場である。特にプランターでは、たくさんの栄養をやらねばならない。そういう特殊な条件で育てていることを改めて認識した。

生育不良の🌶️

6/27(木)

超塾がなくなり自作パン消費のターンに入る。明らかにうまくてもう戻れない気持ちになった。超塾はおいしいほうで、世の中にはおいしくない食パンがいくらでもあるのに。パンとは何なのか。小麦とは。なんでこんなうまいの

🍍🍍🍍

さいきん業務でチーム外の人との調整窓口もやっている。仕様を変えてくれとか、ここバグっているよ、とかの報告を受けて資料やコードをいじる。同僚に振ってもいいはずだが、なんか自分でやってしまう。自分でできちゃうから。
そのせいで仕事が増えて首が回らなくなっているところもある。もし調整窓口の人がコードを書かないただのロードバランサであれば、こうはならないだろう。自分ではやらないことが自明なのでチケットを立ててチームの人にお願いをすることになる。しかし、自分が窓口になっていて修正する能力も持っているとなると「要望を叶えてあげたい」となって我が身を滅ぼすことになるのだ。
ある程度は自分でやらない判断をするしかない。仕事の内容と意図を説明するスキルが別途必要だが、そうしないと本当に首が回らなくなるのだと思う。

6/28(金)

休みにした。祝日砂漠に耐えられなくて。
さいきん私はたいへんな目に遭っているらしい。妻氏曰く。仕事が忙しくて午後九時くらいまで働いていることも多かった。スケジュールがキツキツなので休みにくいのだが、ついに耐えかねて無理やり休みにしたわけである。大雨の日なのでちょうどよかった。

🍝🍝🍝

賞与支給日にしてApple Vision Proの発売日だった。ちょうど有給を入れていたのもあり前日にApple Storeでの体験会を予約していた。まだ世間が注目する前だったので昼間のいい時間が取れた。大雨のなか店舗へ赴き、試着とコンテンツ体験をさせてもらう。
重さはそこそこ。 VRゴーグルと同じか軽いくらいでそこまで気にならなかった。ただ、頭への圧力は感じられる。おそらくフィッティングが完全ではないせいだが、うまくやらないと首にダメージが入ると思う。猫背の人にも向いてなくて、姿勢が悪い人はすぐに首が痛くなるだろう。というふうな、それなりの重さがあるデバイスである。
空間コンピューティングの体験は良かった。Apple Vision Proでは指と視線を使って操作をする。クリックは指をつまむ動きで、視線がポインタになる。写真やWebページを拡大する操作が難しくて、画面のある一点を注視したまま両手の指でギュッと引き伸ばすジェスチャーを入力する必要がある。日常のUIに注視という行為がないので、なかなか慣れない。また、ホーム画面のアイコンをクリックするのも視線を使う。これもやや難しかった。訓練が必要。しかしそれ以外はいたって自然なUIをしていた。直観的に思いついた操作をすると、だいたい所望の結果が得られる。さすがAppleの設計である。

体験したコンテンツは三次元映像とパノラマ写真、Webページ閲覧など。
iPhone 15 Proか何かを使うと空間ビデオという三次元の映像が撮影できるのだが、これがApple Vision Proで鑑賞できる。たしかに三次元で目の前に飛び出てきて臨場感たっぷりなのだが、どこか不気味の谷めいた不自然さはあった。とはいえ、故人やペットのメモリアルとしてはこれ以上ない媒体だと思う。身近な何者かが亡くなる前に撮りためておくと良いだろう。あるいは成長中の子の瞬間を切り取って残しておくとか。

個人的に気になっていたのはSafariでのWebページ閲覧の性能だった。画面がどんな感じに見えるのか、フォントサイズは適切なのか、読めるのか。結論から言うとまったく問題がなかった。Kindleでも何でも読めると思う。読めるということは書けることも意味する。視界の端っこにSafariを開いておいて、正面に置いたテキストエディタに文章を書く、といった使い方ができる。逆にKindleを正面に開いて横っちょに読書メモとかも。インターネットを介した読みものが趣味な人にとって、これ以上のデバイスはないだろう。この点が購入判断の決め手になった。はい。結論から言うと注文しました。

🍝🍝🍝

昨年のどこかの週報にも書いたのだが、私には「視覚の弱さを道具で補いたい」という要求が強くあるらしい。思えば青年期から一貫してこの傾向があり、学部では VRの研究室に入り就職したあとは十年くらい前から巨大ディスプレイだのメガネにつける変なディスプレイだのいろいろ試してきた。理想的な要望としては「視界のなかの任意の場所にウィンドウを置いておきたい」というものだ。おそらく短期記憶の弱さやイメージ能力の欠如と関連しているのだろうが、今のところはそういう要求が強い、としか言えない。ある種のハンディキャップなので、それを埋めるためなら投資は惜しまないし、これまでもそういうところにばかりお金を使ってきたのだった。生得的な弱点はどうしようもない現実だが、現実として受けとめるにしても諦めきれないところはあるようだ。

リンク集

dailyportalz.jp

いつの間にかプロフおじさんが知人枠になっている

dailyportalz.jp

不気味でよかった

sakata-tsushin.com

今週の無知。追肥の基本を知らなかった

news.denfaminicogamer.jp

チーム開発において誰がどれくらい寄与したかなんかわからない問題

www.sony-semicon.com

Apple Vision Proはセンサーの塊で、一番重要なセンサー(サンプル品)がこの値段。そう簡単に値段は下がってくれないことがわかった

note.com

オタクのJK(おそらく准教授)が南極に行く連載記事

週報 2024/06/23 ドシドシ風呂に入るべきである

6/15(土)

平日の疲れにより料理とお昼寝で終わる。

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刻んで凍らせてジップロック

冷凍セロリが便利だった。いつだったかイナダシュンスケのツイートで「セロリは大量に入れるとよい。一本買ってきてもどうせ使いきれないから刻んで冷凍しておくよろし」と言われていてセロリ入りジップロックを作った。このセロリをパスタ、野菜スープなどに入れると出汁が出て美味である。セロリが入っているだけで本格的っぽい味になっておすすめ。

🌱🌱🌱

創作系の趣味にはつきものなのか、自信がない人は多い。結果が数で出るから?インターネットで無限に比較ができるから?
そういう側面もあるけれども「これができたら一人前」みたいな基準がないのも問題かもしれない。将棋の段位とか襲名とか、家督とか、暖簾分け、そういうの。イエ制度の再興をしたらいいとは思わないけれども、他者比較による無間地獄するのではなく何かしらの基準を立てて安心できるようにしたほうが良い気がする。

まあでもそれも付け焼き刃か。資格をいくつ取っても安心はできないもの。医師免許があるからといって信用できるかはわからないのと一緒。つまり実戦経験の数が大事なようだ。経験が自信を生む。おー当たり前の結論に到達した。とにかく手を動かすのが大事だということだ。

6/16(日)

聞き取りには自信がないのでAPDの本を買って読んでみた。そもそも聴覚だけで長い発話を理解するのは難しいタスクだよ、と書かれていた。たしかに〜
英語どころか日本語のリスニングに苦労するわけである。

🔪🔪🔪

包丁立てを探しにあちこちのお店を巡ってみた。どの店にも置いてないか、置かれていても一種類がいいところだった。みんな流しの下の包丁立てで満足してるのかしらん。包丁ってすぐに鞘から抜いて使えるのが大事だと思うのだけれども。我が家は瓶に挿していたが、こないだ割れたのでちゃんとしたナイフブロックを探している。今のところツヴィリングの竹のやつが良さそう。おそらく定番だ。定番でいいんだよ。

🔪🔪🔪

社会学にラベリングという概念があって良くないこととされる。「ナントカ人だからほげほげな行動をするに違いない」みたいな決めつけがラベリング。差別の源泉である。さらに預言の自己成就という概念もあって「ナントカ=ほげほげ」というラベルを押しつけられた人は、ほんとうに「ほげほげ」になってしまう、という現象が知られている。言葉によるラベリングは呪いなのだ。

差別の再生産に関わるので良くないことなのだが、ラベリングそれ自体は我々が日常的にやっていることでもある。例えば「京都人はいじわるだ」「美人だから得ばかりしてるんでしょう」みたいなの。本当にいじわるな京都人が同僚にいたとして、その人から受ける嫌な気持ちを癒すのにラベルを使って言語化し「モヤモヤ」を解消している。「美人だから〜」という偏見も妬みの気持ちを昇華するために使っているかもしれない。ラベリングといえども言葉による昇華作用を用いており、内心の平穏のためならまったく使わないのも無理がある。

じゃあどこに線があるのか。どこまでラベリングを使ってよいのか。「京都人はいじわるだ」に根拠があるなら公に言ってもよいし、そうでないなら言うべきではない*1。その上で、内心を穏やかにするために秘密の日記帳とかアカウントに「あのやなやつは京都人だからいじわるなのだ」と書くぶんには良かろう。というのも、我々が納得をするには何らかの説明原理に縋る必要があり、ある人がいじわるであることを完璧に説明するには、その人の来歴と内心をつぶさに知らねばならないからだ*2。合わない人相手にそんなことをするのは無理なので、てきとうなラベルを持ちだして納得したことにする。ただし、この仮の説明原理は人に伝えてはならない。ここが落しどころである。ラベリングに繋がる無根拠な説明は誰にも言わず、自分のための言語化としてだけに使うのだ。

6/17(月)

一日中必死にデバッグをしていた。締め切りをもう過ぎているのに、何がバグっているのかわからなかった。カンでどうにかなるものではなさそう。初心に立ちもどってDatadogのログをいっこずつ追っていき事実の突き合わせをしたらようやく光明が見えた。

こうしてバグの原因を見つけたら数字一文字の間違いだった。一文字で致命的なバグになるのがソフトウェアでもある。でもこんな桶屋が儲かるようなバグは久しぶりだ。おもしろいデバッグだったけど、集中しすぎてクタクタになってしまった。

🍄🍄🍄

頭が疲れたときは手を動かすのがいい。料理とか工作とかをするとスーッと頭の血が降りていって、疲れが回復していくのが感じられる。手慣れたレシピや作業だと頭を使わずに手を動かせるし、時間が無為にならず何か成果が出てくる。
我が家はつくりおきをしない派だけれども、こういうときのための軽作業として作り置いてもいいのかもしれない。サブジとか芋料理が魅力的かも。

つるつるよー

6/18(火)

夏に寝るときエアコン入れると冷えすぎる問題があって困っていたが、隣の部屋でエアコンをつけてサーキュレーターで送りこむことで解決できた。
冷えすぎるよりは暑いほうがまだマシな気がする。ただし隣の部屋においたねずみたちのカリコリガサゴソプイプイ音がうるさくて中途覚醒することがある。

🐭🐭🐭

アファンタジアと全盲の共通性があるのでは?という気がして調べてみる。例えば夢。どちらもイメージがないはずだ。

www.mirairo.co.jp

そのようである。もともと目が見えていた人は夢にもイメージがあるらしい。私は全盲の人と同じく、まったく夢にイメージがない。
アファンタジアの脳がどうなってるのかはまだ解明されてないだろうけど、おそらくイメージが記憶すらされてないのではないか。
イメージが乏しい代わりにわりと手先が器用で、触覚も敏感だ。この点も目が見えない人々と似ている。案外、イメージ盲という名称がぴったりハマるのかもしれない。

6/19(水)

いい睡眠がとれたな〜という日で、調子良くバグ退治をしていた。大事な目標を締切三日遅れで達成し気分よく退勤しようとしたときのこと。検証環境でアラートが発生し対応に追われた。しかもただのアラートじゃなくてDB設計のやり直しが必要か?と思われるようなエラーだった。DBの仕様とかち合うやつ。
やばいなどうしようと思いつつ退勤し、風呂で回避策を考えたらなんとかなった。重箱の隅みたいな仕様を使ってデータ構造の変更はしないで済んだ。

風呂はなんでも思いつく。ドシドシ風呂に入るべきである。なんなら毎時風呂に入ってお昼寝をして仕事をしていたらさぞかし捗ることであろう。自律神経を犠牲にして。

🐛🐛🐛

スナネズミの趣味は齧ることである。すぐに溶けて餅になるハムスターと違ってスナネズミは勤勉。夜の活動時間にはだいたい巣作りをしている。巣といっても紙屑とか草の切れ端を集めてこんもり盛っただけのもの。ふわふわガサガサのベッドを作り、その中に潜って寝る。それがスナネズミだ(モルモットは食べて寝てばかり)。
彼らも人間と同じく暇になるようで、齧るものがなくなるとケージの四隅を掘り始める。もちろん掘れない。プラスチックだから。砂漠とかステップに住むスナネズミは地面に穴を掘るという。その本能がプラスチックを掘らせるのだろう。しかし掘れない。

哀れなので齧るものは絶やさず与えることにした。ただし紙切れを入れるときに多少の紙屑を除去すること。そうしないとケージがボワボワでわけがわからなくなる。彼らの仕事の成果を捨てて新しく娯楽の紙切れを提供する。マッチポンプである。これが人間のやり口だ。

ぼわぼわねずみーず

6/20(木)

今日も残業。来週までにやるべき大玉タスクを二つ抱えていて、どちらも進んでいない。分身してやる必要があり、時分割にした。今日は鍼で整えられていたのでわりあい元気な残業だった。というかご飯を食べたら再び働けるような感じがする。こうして社畜ができていくのだろうか。大玉はいっこ処理できた。明日のがんばりにかかっている。

🍛🍛🍛

別件のお仕事でソフトウェアの更新をしてたらテストがこけるようになった。こちらの業務は手付かずの野原で草ぼうぼうである。何なら小さな木が生えているような管理ができてない土地。ソフトウェアの世界ではシステムを放置してると勝手に劣化して壊れていく。システムが依存しているソフトウェアが変わっていくのに最新バージョンへの追従をしていないでいるとだんだん動かなくなっていくのだ。家電の交換部品が少なくなって修理すらできなくなるのと似ているかも。現代的な複雑な製品はソフトであれハードであれ、時間がたつと維持できなくなるのだ。あと書物もそういうところはあるか。戦後間もない時期のエッセイを読んでも社会が変わりすぎていて理解できないことがある。三島の日記が特にそうだった。というわけで、なんもかも勝手に変わっていくのである。

豊かなOSSの草木

6/21(金)

また残業をしてしまう。今週は朝十時から午後九時まで働いていることが多かった。来週こそは定時ダッシュの生活に戻れるような気はするのだけども。
そろそろにんげんに戻りたい(社畜はにんげんではない)。

🫑🫑🫑

会社で水出しのお茶を運用し始めた。1リットルくらい入るガラス容器を持っていき、名前を書いておいて給湯室の冷蔵庫に入れる。中にはお好きな茶葉10gといろはすをたっぷり入れておく。退社する前にお茶を仕込んでおくと翌日にはおいしいお茶が飲めるという算段だ。水出しはうまい茶葉をたっぷり味わえておすすめである。

🫑🫑🫑

我が家のサークルは夏コミに当選した。今年のお盆も有明で本を売る予定である。新刊はいま製作中。間に合うかどうかは未定。
毎回のコミケには東京へ前日入りして参加していたのだが、そろそろモルモットが高齢で細かい世話が必要になってきた。なんとか当日入りできないか、と思って調べたらいつの間にかコミケのサークル入場時間が九時半までになっていて、始発の新幹線で間に合うことがわかった。コロナ禍の頃はいろいろ準備会のタスクが多かったのか、九時までだったはず。正常化されたおかげで当日入りが可能になっていた。
これでモルモットのお世話をしつつ、自宅の慣れた布団で寝てからコミケ遠征ができる。欲を言えばもっと新幹線が早くなってくれたら良いのだが、リニアはまだまだできないだろうし今後は五時半に起きてコミケ遠征をすることになりそうだ。

リンク集

anond.hatelabo.jp

こういう文脈で「男性には身体がない」という話をよくします。

diary.sorah.jp

tumblrみたいだ、という評価を聞いて「tumblrでいいのでは?」となりました。
likeしたpostをtumblrに流したら良さそう。

dailyportalz.jp

過学習っぽく見えるけれども、検索エンジンの代わりとしてのチャットAIだからたしかにこうなる。

www.kanpara.com

イメージ盲の文脈で見つけた。

anond.hatelabo.jp

やってください。

dailyportalz.jp

インタビュー系DPZ記事は外れがないですね。🐦かわいい。

*1:ときどき偏見が真実である根拠をそれらしく捏造し始める輩がいるが、感情を後追いで合理化しているだけなので無視してよい。たいていの偏見は主語が大きすぎる

*2:つまりいじわるさに納得がいかないのは情報不足、ある種の無知が原因である

週報 2024/06/16 低血圧に悩み流れてない川を流す

6/8(土)

朝から友人がやってきてコーヒーを飲みながらおしゃべりをした。近所でラーメンを食べて解散。新幹線で東京へ帰っていった。

私は歯医者へ。細部が磨けてないというフィードバックを賜った。そこを歯医者でなんとかしてくれよ〜、とも思ったが細かいところを磨くためのブラシを買って帰った。

☕️☕️☕️

なんだかフラフラするなあ、と思ったらひどい低血圧だった。先日見かけた「頭痛の原因が低血圧で、塩が効く」という記事が脳裏にあって測ってみたら上が82だった。アレ?死人じゃん。やばいやばい。すぐに塩水を飲み横になった。

塩水とラーメンで92まであげられました

ふだんの血圧は90〜100くらい。慢性的な低血圧で朝は弱く疲れやすい。妻氏も低血圧なので食生活が原因であろう。心当たりはあって、大量の野菜を食べること。血圧はカリウムの摂取で下がり、カリウムは野菜に多いので食べまくると低血圧になるのだと思われる。
対策はナトリウム増やす作戦にした。血圧なんてナトリウムとカリウムのシーソーと水分摂取量で決まるので、塩飴を舐めて水を飲めばよろしい。もちろんスポーツドリンクでもよい。

世間では減塩減塩とうるさいのに、一人だけ増塩を考えていて変な状況だなと思った。

6/9(日)

低血圧と低気圧のダブルパンチでほとんどお布団だったが、午後にかけて体調が良くなっていった。外に出て本と食材を買ってくる。

今週の罪本

買ったのは料理本と小説とブルーバックス
料理本コーナーに土井善晴氏の新刊らしきものがあったが、パラパラめくってみたら趣味が合わなかった。趣味が合わないというのは日頃から作りたいと思える料理ではないということ。本質的には時間の感覚が合わないような気がする。じっくり時間をかけて皿数を増やす思想は土井氏が一汁一菜で打破したはずなのだが、それでも土井氏のレシピには昭和の主婦的料理に通じるゆったりした時間感覚がある。それは生きてきた時代とか、本人の性格によって変わってくるものだ。合わないものはどうしようもないのだろう。
せかせかしたくはないが時間がないものはどうしようもない。切りものは喜んでやるしちょっと炒めるくらいならいいが、ずっと火の前にいるのはめんどくさい。私がよく作る一汁一菜、カレー、パスタ、野菜スープは火入れで放置できるのが特徴なのだ。煮込みフェーズの間に休んだり別の作業ができる。
放置調理といえばヘルシオやホットクックが挙げられるが、試したうえでこれも合わないと判断した。調理家電は、できる料理のわりに洗い物が巨大すぎて逆に不便。調理は自動化するほど設備が巨大になっていくもので、狭い日本の家にそんなものを置いとくスペースはないのだ。自動化は皿洗いだけでよい。

そういう考えがあり、スープの本が気になり手に取った。季節の野菜を出汁にしてなんでもスープにしましょう、という主張の本で一本筋が通っていて良さそうだった。

🫒🫒🫒

村上さんのところ』という本を読んでいる。村上春樹のファン(村上主義者)からの質問に「そうなんですね、がんばってください」と塩対応するメール集。3万7千通ものお便りに対する473通のレスを収録した本。
この本のなかで村上春樹が「小説家には絵画タイプと音楽タイプがいて、絵画タイプは細部にこだわって美しい文章を書くがリズムが悪くなりやすい。一方で音楽タイプはリズムが良いが細部の展開が強引であることが多い」と自説をときながらメールを返していた。

私は明らかに音楽タイプだ。幼少期からピアノをやっていたし、今も130bpmの音楽しか聞かない。文章を書くときもリズムばかり気にしている。強引さにも心当たりがある。ある同僚には「ウッカリ読ませられてしまう」という評価をされた。たぶん細部が間違っているのだろう。絵画タイプの文章は合わない。千葉雅也がまさにそうだった。哲学書はおもしろいのでいけるかと思って小説を読んだら、音楽タイプにはまるで読めない文体だった。それくらい双方の思考様式には乖離があるようである。

村上春樹は「絵画タイプと音楽タイプの良いところを兼ね備えるのがよい」と締めくくっていた。そうだと思う。

6/10(月)

寝苦しい夜。京都の夜。ついに夏がやってきた。

まともに眠れず朝になり、回復しなかった身体を引きずって出社した。会議とコードレビューをしたらやる気が尽きて終わりになる。

🥭🥭🥭

12月から私を悩ませている頭痛も低血圧のせいだとわかった。頭が痛いときに計測すると見事に100を切っている。再現性は高いので間違いないだろう。
塩をとってもいいのだが、腎臓の仕事を増やすのも考えものだ。何か他に方法はないものかと思ってXのポストを検索したら、ふくらはぎを鍛えたり、高くあげたりすることで血圧を挙げられる、という情報が得られた。
ふくらはぎを鍛える方法はつま先立ち。何かとペンギン歩きをしながら生きていこうと思う。ぺんぺん🐧

6/11(火)

うっかり爆睡してしまい遅刻確定時間に起きる。弁当調理を放棄しパンを咥えて妻氏は出勤していった。幸い私は在宅勤務の日だった。

🍍🍍🍍

同僚とおしゃべりをしていて「建前の有害性」みたいな話になった。このブログでは何度か「納得感が大事な時代になっている」とか「納得感を与える説明能力が権力である」と書いてきた。建前が良くないのは、嘘をついているから。建前で騙せる人もいるかもしれないが、嘘を見抜く人もけっこう多い。もし建前で嘘をつくならば、その嘘には説得力と一貫性のある論理が必要になる。そこをちゃんとしてないことは多くて、論理をいい加減にして雑な建前を持ちだすのは有害だ、という話。

余談だが、自分に嘘をつくのも同じである。「ほんとうは感情的なのに雑な論理的説明をでっちあげる態度」にも何度か言及してきた。自分に嘘をつくのは意識的にやっているものではないかもしれないが、外から見たときに嘘をついているという点は揺るがない。感情的反応は顔や所作に出るからである。

🍍🍍🍍

ダンスミュージックのライブを見てると、野外の岩の上に電源とDJ機材を持ちこんで演奏していることがある。壮大な自然をドローンで空撮し、そのままMVにもしてしまう。あれって何が嬉しいのだろう?

6/12(水)

いつもより早起きしたらプランターへの水やり、家の片付けなどをしてから出社することができた。昨晩は謎の眠気の波に襲われてスコンと寝落ちしたのだが、毎日こうなったらどんなに良いことか。

🐦‍⬛🐦‍⬛🐦‍⬛

また仕事で小さなトラブルが起きて業務後に悩んでしまった。ぐるぐる考えてみたが答えが出ない。そのうち考えるのをやめた。
定時後の悩みは、たいてい答えが出ないものである。翌日喋ってみたら重く考えすぎていた、ということもしばしば。人の考えは喋ってみないとわからないし、同僚や自分のその日の気分の影響も受ける。翌日になったら気分が変わっていることもある。だから定時後に考えるのは無駄。結局「他人が何を考えているか、未来がどうなるかはわからないし、わからないならどうでもいいや」となった。

🐦‍⬛🐦‍⬛🐦‍⬛

「お仕事は川みたいなものだから放っておいても流れる」と書いたことがある。
問題は流れていない川があるとき。川が流れていれば放っておいてもいいのだが、流れていない川は流さないといけない。うまく川を流すのはエライ人とかプロジェクトマネージャーの仕事だが、ヒラのメンバーも流れてないことに気づき次第、流れるように介入をするのがよいだろう。今回私の仕事に起きた小さなトラブルは、その手の問題だった。「流れてますか?」という問い合わせ。「流れてなかったので流します」
流してしまえばあとは同僚らが勝手にやってくれる。少しの工夫で川は流れるのである。

色移りだわ〜!

6/13(木)

クタクタに疲れた。朝から晩まで労働していたがだんだん加速していき、午後八時くらいにはもうわけがわからなくなっていた。次々とバグとか不思議現象の報告がくるし、それが何種類か並列で走ってるのでたいへんだった。

🍆🍆🍆

疲れは足に溜まるらしい。デスクワークをしてると手と頭ばかり動かしていて、足が動かないので足に血が溜まるそうだ。重力の影響もある。足に集まった血はそのうち血管外に染み出してそのうちリンパとして回収されるが、そのぶん血管系の栄養とかミネラルは足りなくなるわけで、それが疲れとして感じられるようだ。
ということを知り、お風呂あがりにふくらはぎのマッサージをしてみた。足首から膝にかけて筋肉をぐねぐね揉みほぐしていく。下から上へ何回か。すると五回目くらいで頭に血が戻ってやる気が横溢してるのに気づいた。なんでもできる気分。すごいすごい。
身体の仕組みはシンプルだ。筋肉がすべてを解決するというミームもあながち嘘ではないのかもしれない。

🍆🍆🍆

村上春樹が他人の不機嫌について「でも自然現象だと思えばあきらめもつきます。がんばってくださいね。艱難辛苦があなたをタマにします。タマになって「にゃあにゃあ」ととぼけててください」と書いていた。
人間の内面なんか推しはかるものではない。にゃあにゃあ

ねずみの考えがわかりません!

6/14(金)

めちゃくちゃ疲れていたが大事なマイルストーンがあったので這って机にたどりつき労働をした(在宅)。しかしマイルストーンは達成できず締切延期の調整をした。せちがら〜

 

夜は中華を食べにいく。私は点心トマ卵担々麺だったが、妻氏は点心トマ卵点心点心だった。点心だけでおなかいっぱいにするのありかも。小籠包餃子祭り。テーブルに蒸し器が四段五段と積み重ねられていく。

🍬🍬🍬

non117.com

本だけでなく、お仕事とか人間関係も「内容とサービス」の双方が大事である。この記事、じつは一般的なことを書いていた。

きっかけは「アピールや表現とかしなくても内容だけ見て褒められたい」という趣旨のツイートを見たこと。そんなわけないだろ、と思って考えていたら、数年前にこの問題について答えを出していたのを思い出した。
サービスなしで評価される仕事もないことはないが、それは人間国宝とかリーナスのレベルの仕事だと思う。ふつうそこまで尖ってないので、内容だけで勝負するのは無理。というかリーナスですら態度をまともにせざるを得なかったし。

サービスをしたくないけど褒められたい、という人は利己的なわけだ。何人かそういう人を見てきたことはあるが、彼らは「サービスをしたら見返りとして評価・報酬があるべきだ」と考えているように見える。サービスをするのは確実に見返りがあるときだけで、サービスしたのに対価が貰えなかったら怒る。もちろんそれも生き方としてあるのだろうけど、おそらくその先にあるのは消耗だ。より大きな報酬を得るために個人の限界を超えたサービスが必要になってくる。まったく持続的でない。

私は取引的な考えで書いているのではない。第一に自分のために書いていて、その上で報酬ではなく、どれくらい広く伝わったかを気にしている。いろんな人に届くように平易になるよう気をつけること。そのために自分のできうる範囲でのサービスをする。ここに働いているのは取引ではなく贈与的な心性だと思う。あげちゃってもいいや、という気分。不思議なもので、無料であげたものから意外な反応が返ってくることもある。何が人の琴線に触れるかなんかわからないものなのだ。そうやって、自分を大事にしつつ暗闇に石を投げるのが報酬を得るための逆説的な近道だと思うのだけども。

リンク集

www.ciclinic.net

こわかったです

www.healthcare.omron.co.jp

改善したい

heatstroke.oshdb.jp

汗をかくと血圧が下がることを知った

cataas.com

ランダム猫画像API

togetter.com

こういう現象があるのを知るとIPS細胞を研究するのも納得がいく

www.4gamer.net

 Apple Storeで体験して良かったら買います

togetter.com

そこしか通せなかったとのこと

www.makemendokusai.com

ビオレUVを使ってます

anond.hatelabo.jp

シャカシャカ

週報 2024/06/09 オリジナリティより選ぶセンス

6/1(土)

風邪は喉痛から喉痒のフェーズへ。少しずつ良くなっているようだ。ただし咳がよく出る。

砥石の吸水も桶のなかでできる

原稿やインターネットをしたあと包丁研ぎ。昨日つくった砥石台の動作確認をしてみた。コンテナボックスに水を張り、板を渡したもの。板の上にゴムシートを置くとしっかり砥石が固定されて研ぎやすかった。包丁の表面が砥泥で曇ったらすぐに桶の水を使って洗えるのが便利。効率的な研ぎ環境ができて四、五本の包丁を研いでしまった。楽しい。

切れ味は過去最高となった。TOGITOGIというチャンネルの思想どおりに包丁の横のふくらみを削ったら人参もキャベツの芯も豆腐みたいに切れる包丁ができてしまった。やや危なくて使うときに緊張感があるのが課題。でも包丁を扱う姿勢はそれでいいのかもしれない。どうせ切れないでしょ、と思っていると怪我をしやすい。

🥝🥝🥝

夜はヨドバシへ行きSwitch Botのロボット掃除機を買った。店員さんの話によると、昨今のiRobot社は競争に負けつつあり高価格帯の製品に絞ってきているらしい。しかも値引きができない契約の固定価格の売り方をするのだとか。そういえばiRobot社はAmazonによる買収が叶わなかったとかいう理由でレイオフもしていた。業績も赤字である。凋落し始めているようだ。どの業界でもそうだが、十年くらい経つと環境が変わることがある。のんびりしてたら勝手にまわりが変化するのだ。こわいこわい。

6/2(日)

朝起きたら私の主催するXのコミュニティがスパムの群れに襲われていた。

コミュニティの名前は「ひらがな」でルールは「ひらがなのみでつぶやくこと」だけ。そんな変なコミュニティなのだがもう何年も人が居ついている。ひらがなで、意味があったりなかったりする単語をつぶやくコミュニティである。平和で、ただひらがなだけが流れてくる。お気に入りの村だった。それが突然100匹の裏垢女子スパムに襲われたのだ。
深夜のうちにモデレーターの人たちがスパム投稿を削除してくれたが、私が起きて設定変更し、ゾンビたちを締め出すまでは根本対処ができなかった。
今やオープンインターネットに安住の地はないことを思い知らされた一件だった。

⛏⛏⛏

午前に起きたものの低調で捗らず。昼にはザワークラウトの入った瓶が割れる事故も起きて、継代培養していて乳酸菌が失われた。失意の昼寝をしたら夜までまともに食べない一日になってしまう。食欲もやる気も出ず、時間が過ぎるのをぼーっと眺めるだけ。
さすがにやばいな、となって賞味期限切れのカロリーメイトを食べたら復活した。

6/3(月)

早朝の地震警告アラートから始まった。「今から揺れるぞ」と警報音が鳴り響いたが揺れがわからなかった。京都は震度1だったらしい。ねずみたちの安全を確認して寝直した。

チャリ通勤をしていつものように会議とレビューとレビュー打ち返しをしたら一日が終わった。わりと仕事は順調。

🆙🆙🆙

コードレビューをしていたら、pull requestにも登場人物一覧が必要なのに気づいた。その変更差分のなかに、どんな関数があってどんな呼び出し関係になっているかを概説するもの。レビュー依頼をした人が書いてもいいが、今のコード解析技術なら自動生成できるのではなかろうか。

🆙🆙🆙

サドルは1cm単位で調整するもののようだ。ほんの少し高さを変えるだけで漕ぎ心地が変わる。たしかプロのレーサーもそういう調整をすると聞いたことがある。
同様に、歩き方とか姿勢も数センチや数ミリの調整で感じが変わることがある。靴でわかりやすいのはヒールの有無とか。客観的には数ミリしかないような微妙な違いが癖になり、肩こりや首の痛みを作っているのである。

さいきん意識してるのは胸椎を垂直に立てること。姿勢を良くするのに首とか肩の筋肉を細かく動かすのは間違っていて、より大きな骨の位置を調整するのが大事なのだ。おおもとの骨が正しい位置にあると、他のパーツは勝手についてくる。

6/4(火)

いつもの朝支度をしてたら突然ガラス瓶が割れた。

ガラスは強度で負けると突然割れるもの

このガラス瓶にはペティナイフとピーリングナイフを立てていた。刃を下にして立てていたら、いつの間にかダメージが入っていたらしい。音も立てず、破片も出さずに綺麗に割れてしまっておもしろかった。研ぎすぎである。

💥💥💥

アポポンタスという言葉にハマる。いや元ネタはポカホンタスだったか。ポカホンタスの存在は知らなかったが『騎士団長殺し』に出てきて知った。おもしろい響きだ。

💥💥💥

騎士団長殺し』が『グレート・ギャッツビー』の翻案であることに気づいた。平たく言うとパクりである。「主人公が引っ越してきたら隣の家の富豪がやけに親しくしてくる。いろいろ話を聞いてみたら真の目的があって協力を迫られる」という筋が同じ。
パクりではあるが『騎士団長殺し』はちゃんとおもしろくて、村上春樹らしい小説になっている。元ネタのフィッツ・ジェラルドとはまったく違っていて人物描写、展開、言葉の選び方、などの筋以外のすべてが別物だ。
村上春樹のレベルで翻案をしてるのなら、創作一般においてパクリパクられは当たり前にやって良いし、実際にやっていることなのだろう。アニメも漫画もオマージュだらけ。そのパクりの程度がどれくらいわかりやすいか、という違いでしかない。

創作をやる人はよく「アイデアのオリジナリティ」を求めるが、そこは大事ではないのではないか。上述のとおり筋は古典の翻案や「王道」になることがあり、それでもおもしろいものはおもしろい。じゃあ細部はどうなのかというと、細部も翻案やパクりの寄せ集めである。作者の経験してきた現実の出来事、読んできた小説、観てきた映画のカットを集めて再構成したのが作品である。素材とか筋、構造だけをつぶさに比較したらオリジナルの要素、新規なものはほとんどないだろう。重要なのは素材が新規であるかではなく、どんな素材を選んでどう並べるか、である。漫然と素材を選んではならない。言葉、線、音は一つ一つ吟味して置いていく。そうやって選ぶセンスを磨いていった先に人の記憶に残る作品があるのだ。

6/5(水)

通勤中、エビフライのぬいぐるみをつけたリュックサックを見かけた。ベージュの衣の先っちょに紅い尻尾が生えていてかわいらしい。うちにも🍤ぬいが欲しくなった。でっかいのがいい。

エビのきもち

仕事は一人で炎上していた。急にタスクが増えてしまい一個ずつ倒していたら深夜残業手前になってしまった。

🐸🐸🐸

長時間集中すると頭から血が降りなくなる。仕事の考えごとが脳裏にこびりついてリラックスできない。さいきんこの問題に悩まされていたのだが、立つことで解決できるのに気づいた。物理的に血が集まっているのだから重力で降ろせばいいのである。シンプル。
手回し式のスタンディングデスクを使ってるので高さを上げることにした。ずっと立っていると疲れるのでたまに座るが、基本的には立って生活しようと思う。健康にも頭のリラックスにも立っているほうがいい。

6/6(木)

朝から頭がシャカシャカしていた。というのも昨晩の仕事でレビューのやりとりが中途半端だったから。同僚に「ここの設計がなんとなく変だと思う」というようなことを言われて「変じゃないもん!どう変なのか説明しろや〜こっちはちゃんと三つくらい理由があるんやぞ〜」と思いながら通勤し朝からレスバをした。結果、私の設計で良いことになったのだが、深遠な考えがあるなら最初からそれを説明すべきだったな、と反省する。深く考えているのはレビュー依頼をする当事者だけであって、レビューするほうはすぐに深い理解にならないのだ。これは一般的な話で、何であってもそう。どれだけたくさん考えていても伝えないとわかんない。勝手に一人で考えすぎてドツボにハマること、そういう人はたくさんいる。

🫘🫘🫘

そういうのを溜めこみと呼ぶが、溜めこむのはどういうケースがあるだろうか。

  • タイミングが悪くて伝えられない場合
  • まわりの人から圧力がかかっている場合
  • 自信がない場合
  • 言語化できない場合

今回のレビューのケースはタイミングが悪かったパターン。レビューの濃いやりとりが夜とか土日を跨ぐような状況を作ってはいけない。仕事はキリのいいところで終わらせること。
自信がない場合、圧力がかかっている場合は日記帳になら書ける。言語化した時点でスンと落ちつくこともあるから、これらのケースはなんとかガス抜きができる。できれば一度秘密のメモ帳に書いて整理したあと、信頼できる人に愚痴って共感してもらうと良いだろう。愚痴は整理されてたほうが聞く方も楽だ。うまくいけばまわりの環境を変えるように働きかけられるかもしれない。
問題は言語化できない場合。言われたら「それが言いたかったの」となるが、自分では説明できないケース。残念ながらこのケースの処方箋は私にはわからない。いっぱい練習するしか無いような気はするのだが。

🫘🫘🫘

『騎士団帳殺し1の下』を読み終わった。相変わらずおもしろい。村上春樹すごいな〜。

6/7(金)

もう夏じゃん。日傘をさしてヨボヨボ通勤した。疲れてるので自転車ではない。
一週間ほど追ってるバグを退治した。意味がわからんバグだなと思ったら深いところ、靴箱の一番上の段みたいなところに原因がいた。仕様上どうしようもないバグで半分見ないふりをしながら直した。

🐛🐛🐛

昨晩からおいしいものを食べたい気持ちが高まっている。平日はいつもの一汁一菜の予定だったが変更し、パスタと野菜スープと魚にした。魚は買っておいたのでメニューの雰囲気に合わなくても焼いて食べるしかなかった。
パスタソースはトマトと玉ねぎがあれば満足できる。刻んでよく煮込み、ベランダバジルを千切ってきて麺とともに和えた。材料の数を絞って素朴に作ると品のいい味がして満足できる。さいきんラーメンや焼肉、中華よりもイタリアンとかフレンチのほうが好きかもしれない。おいしいもの食べたいゲージは無事に下がっていった。

細かく刻んで炒めて和えるだけ

リンク集

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参考になるけど、こわい...

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林さんて鳩好きですよね。私も鳩は好きです。

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そうだぞ

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週報 2024/06/02 たちの悪い風邪

5/25(土)

引きこもって過ごす。レヴュー・スタァライトというアニメの劇場版が無料公開されていた。かねてより知人・同僚らがハマっていたので少し観てみたのだが、残念ながら映像のテンポが合わなかった。アファンタジアゆえに映像(絵と音)をじっくり堪能することがないので、ゆっくりしたリズムのものは合わないのだと思う*1
諦めて料理動画を観る。味覇ペペロンチーノの動画に影響されてふつうのペペロンチーノを作った。

🐢🐢🐢

久しぶりの包丁研ぎ。一度失敗してやり直した。原因は刃角度(砥石に対する刃を当てる角度)の設定ミスと砥石の面直し不足。荒砥石が摩耗しやすいのを知らなくて何も考えずに使っていたらベコベコになっていた。平面を出してから研ぐと三倍速くらいになり驚く。

真ん中が凹んでいる

一日中包丁を研ぐようなプロの研ぎ師は(両刃包丁ならば)面直しをしない*2。砥石の状態を見ながら盛りあがったところで研ぐなどして、砥石の平面を維持するらしい。人間の指と目は意外と簡単に平面かどうかを見抜く。指先は数ミクロンの厚みを検知できるので、平面性を検知するくらい訳もなくできるのだろう。

🐢🐢🐢

我が家のモルモット氏が誕生日だった。特に祝う習慣はなかったが偶然気づいて寿いだ。体重が減ってきておりそろそろ天に召されそうなのだが、それでも健気に食べて出しているのがえらい。

もるさま(7歳)

5/26(日)

腰が痛かったのでマットレスを交換した。古くなったウレタンのマットレスが湿気で劣化し、私の腰を破壊し始めたのだ。QOLは地に落ち、寝るだけで腰が痛くなる。眠りも浅い。土日に長く寝ると腰に嫌な痛みが残る。耐えられない!
新品のマットレスは大地に寝転んでいるかのような安定感が感じられた。なのに柔らかさもあり気持ちがよい。筋肉がニュートラルの位置に戻っていく感覚を堪能していたら程なくして寝落ちしてしまった。二度寝して正午に起きる。

💰💰💰

あとは家の掃除と料理、読書。村上春樹の『騎士団長殺し』を楽しく読んでいる。短編は合わなかったが長篇は楽しめそう。文体もテンポも合うし、話も冒頭からおもしろい。この小説は文庫四冊に分冊されているので、第二巻と第三巻も買ってきた。長い本は読むのが大変だが、自分にあった小説ならばいくらでも長くて良い。むしろ終わらないでほしい。

💰💰💰

土日は日本式のカレーを作り二日かけて食べていた。最後にカレーをビリヤニ化(タイ米を乗せて蒸すだけ)してみたらビリヤニではなくドライカレーになってしまった。これはこれでおいしいけど何か違う。ビリヤニのレシピ本によると、レトルトカレービリヤニを作れるそうだが、ビリヤニらしくするにはレトルトカレーの種類を厳選する必要があるようだ。ドライカレーもそれはそれでおいしいけども、やっぱりビリヤニがいい。

ビリヤニとドライカレーの違いは何なのか

5/27(月)

風邪を引いて一回休み。昨晩寝る前から喉が痛く、嫌な予感はしていた。起きてみると水を呑むのも痛むくらいに風邪が進化している。熱はないものの免疫が活発な感じがする。頭がぼーっとしていて使いものにならない。病欠の連絡をし、熱いお茶を飲んで寝た。

♨️♨️♨️

一日中不調で読書も捗らない。仕方ないのでたくさん動画を見た。主に包丁研ぎと料理系。
とにかく頭が使えないのがつらい。もう五年は風邪をひいてなかった(結局コロナもかかってない)のに、ついにやってしまった。心当たりはないしコロナっぽい感じもしないので、ただあったかくして治すしかないのだろう。

♨️♨️♨️

夜になると微熱が。免疫は勝てるのか。つづく。

5/28(火)

相変わらず調子が悪い。一日中微熱と倦怠感、たまに頭痛。
インターネット調べによると高熱の出ないコロナもあるらしい。一応検査することにした。ネットで近所のクリニックを予約し、鼻に綿棒を突っ込まれる。涙が出る痛さ。コロナインフルのダブル検査にしなけりゃよかった。
結果は陰性。コロナもインフルでもない謎の風邪だった。

🧅🧅🧅

陰性だったがお薬はもらえた。抗生剤、喉の炎症止めるくん、咳を止める漢方くん。後ろの二つはいいのだが、抗生剤が気になる。抗生剤は腸内細菌にも作用するためお腹が緩くなるし、抗生剤の濫用には耐性菌の問題があったはずだ。何より風邪はたいていウイルスのはず。ウイルスは生物ではない。
インターネット叡智によると、抗生剤を出すのは「風邪で弱ったところで別の菌にやられるのを防ぐ」意図があるようだった。そして「途中で飲むのをやめると、むしろ耐性菌リスクが高まる」ということもわかった。つまり菌を殺しきることで耐性菌リスクを抑えつつ、日和見感染を防いでいるようだ。
飲むべきだと判断した。お腹はビオフェルミンとかヨーグルトで守るとして。

二人乗りは禁止です

5/29(水)

在宅勤務で社会復帰。二日ほどお仕事の流れから取り残されてやや不安だったが、思ったよりも進んでいなくて安心した。そういえば育休から復帰してきた人が「なにも進んでなくて安心した」と言っていたことがある。
仕事ができるとはいえ本調子ではない。Slackログを読んでレビューをしたら頭がぼや〜っとしてきて、あとはただ座っているだけの人になった。やっぱりダメ。定時ぴったりに退勤した。

🍍🍍🍍

騎士団長殺し』の第一部上巻を読み終わった。文句なしにおもしろく、隙がない物語だった。私は本を読んでいて引っかかりがあるとメモをするのだが、まったくメモすべきことがなかった。読みにくさもないし、納得しかねる筋もない。没入感も申し分ない。
いや、一つ問題があった。村上春樹の性癖だと思うのだが、噂どおり、妙に性的な描写が多いのだ。しかも描写が具体的でそこまで詳しく書く必要があるのかよくわからない。これには閉口した。

5/30(木)

ちょうどよく鍼の予約があり定時後に直行。風邪の処置をしてもらう。風邪はもともと漢方・中医学の用語だし、風邪の本質は冷えである。
診てもらうと、足も内臓も冷えまくっていて(かなり)良くない状態だった。たくさん鍼とお灸をされ元気をもらう。
でも安心してはならない。風邪は治りかけが危険で油断をすると長引く。身体を冷やさぬように養生する。

🍨🍨🍨

好きな作家について考えてみた。以下の特徴を備えている人。上に行くほど重要な要件になる。

  • 感情的ではない
  • 素直で率直である
  • 毎日淡々と何かを書いている
  • 文章のリズムが早め

これを満たす人がけっこう少ない。有名な物書きで気に入っている人を挙げると村上春樹養老孟司永井均になる。養老孟司はさいきん魂の入ったものを書いてくれてないが、若い頃の作品には光るものがある。ほかの二人はもう七十を超えているが精力的に活動している。
懸念は三人とも十五年経ったら死んでそうなところ。未来のことはわからないので自分が死なない保証はないのだが、これら三人のお気に入り作家が死んでいる可能性のほうが高い。養老孟司がいちばんやばい。もう九十近い。
お気に入り物書きが死んじゃうと悲しいし趣味が減っちゃうので開拓したい。感情が無で素直な物書き、どっかに転がってないものかしら。

5/31(金)

ついに出社業務。鍼でパワーを授かったおかげで外出できる体調ではあった。それに在宅勤務の権利は尽きている。仕事は溜まっていたので渋々出社してプログラミングに勤しんだ。幸い会議がほとんどなくて席でウネウネしてたら終わった。ちゃんと仕事も進んだ。

🦎🦎🦎

帰りに寄り道をしてたら雨に降られた。傘を持っていなくて家に帰れない。ヤフーの天気予報アプリによると、あと三十分で小降りになるとのこと。金曜日の夜とリラックスした気分なのもあって傘を買わずに雨宿りすることにした。スマホでできる日課を片付ける。
ところが、暇人だと思われたのかフランス人観光客に道を聞かれてしまった。いまブルアカの総力戦の途中なんだけど。手が離せないのだけども。フランス人マダムはスマホを見せてきて「この建物はどこか」と聞く。なにこれ。地図じゃなくて写真?あーあれか。あの角を左じゃ。「どのくらい?」とさらに質問。聴き取れなかった。あっ時間のことか。五分くらいじゃよ。「メルシー」と言われて解放された。やれやれ。あ、総力戦死んじゃった……。

これ以上道を訊かれたらたまらないので雨に濡れながら家に帰った。風邪なのに。

🦎🦎🦎

包丁趣味高じすぎ

研ぎ台と桶を作った。研ぎ趣味の問題は砥泥の処理。荒砥石を使ってしっかり削ると泥が出てきて台所の排水管に詰まってしまう。このまま研ぎ続けるといくらパイプユニッシュがあっても足りない。研ぎ師YouTuberを真似して研ぎ桶を作ることにした。

材料はコンテナケースと板切れ。業務用のコンテナケースに水を張って砥石をつけておく。ケースに板を渡して固定し、ここに砥石を乗せて包丁を擦りつける。出てきた泥はケースの中に落とす。

久しぶりに木工をしておもしろかった。ノコギリで木を切りやすりがけして、木片に穴を開ける。インパクトドライバの電池が切れていて、五分充電しては穴を開けるという横着をした。一時間ほどで下駄みたいな形の研ぎ台ができた。土日に使ってみる。

構造は下駄です

 リンク集

hamonotogiya.blog75.fc2.com

築地のマグロ包丁を研ぐのがかっこいい 

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住さんの走馬灯

www3.nhk.or.jp

京都の小路は平和になるのか(ならんと思う)

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小泉悠の怪文書

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この研ぎ師が信頼できます 

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トマトパスタ

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大工動画

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キョンはうまい

*1:映像作品はリズムとお話の筋だけを食べてる

*2:片刃の包丁は裏の平面性が命なので砥石を平面にする