8/3(土)
朝食を食べたらフライパン専門店へ。
卵焼きフライパンを買って毎日の夕食に野菜とか肉を焼こうという計画。卵焼きは焼かない。ただ小さくて手軽であることを評価している。道具は使い分けである。
京都の堀川蛸薬師らへんに鐡兎堂というフライパン専門店があり、そこへ行ってみた。コロナ禍に誕生した謎の店でカトラリーやフライパンばかり置かれている。ハンズやロフト、百貨店でも敵わない品揃え。東京にならここに匹敵する店がいくらでもあるだろうけど、京都はおそらくここが一番なのだ。
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店内に入ってまっすぐフライパンコーナーへ行くとおばちゃん店員さんに呼びとめられた。他に客はいなくて暇そうなのと、私が何か意思を持って入ってきた素振りを見せているので何を求めてるのか聞かれたわけである。
当初はセンレンキャストというアルミにテフロンを塗った卵焼きフライパンを買うつもりだったが、店頭にはないとのこと。それよりも上質なテフロン卵焼きを置いているという。持ってみると軽くて便利そう。しかしなんだか見た目が気に入らなかった。
本当は見た目が気に入らなかったのだが「肉を焼くこともあるので蓄熱性が気になる」と伝えたら「それなら絶対に鉄にしたほうがよろしい」と誘導される。鉄フライパンのほうが加工がシンプルなので見た目が良かった。最終的にリバーライトとビタクラフトの卵焼きフライパンが候補に残り、ビタクラフトを選んだ。リバーライトのフライパンは二つ持っているので違うキャラにしたかったのである。
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後日使ってみたところ、思ったとおりに野菜や肉がおいしく焼けて満足している。
結局卵焼きも焼いた。ふわふわでうまいものができる。
8/4(日)
紅茶と食材を買ってきて鉄フライパンメンテの動画を見る。鉄フライパンはもう十年近く使っているが、さいきん焦げつきが気になる。もしかして扱いが間違っているのではないか、と気になったのだ。
樋口直哉の動画が参考になった。樋口直哉氏はTravelingFoodLabという料理研究noteを書いている人で、ライターにして料理人である。性格が細かいというか、理屈っぽい人なのでレシピとしては面倒すぎることもあるのだが、鉄フライパンの扱いの理解については参考になった。
ポイントは「しっかり200度まで温めてから油を馴染ませる」こと。なぜなら、鉄フライパンは温度ムラが発生しやすいから。熱の伝わりがアルミに比べて遅く、コンロの火が当たってないところが冷たくなりがちなのに、焦って油返しをするとコーティングが作れずに焦げつくのである。
言われたとおりに、しっかり温めてコンロのセンサーが自動で火を弱めるくらいまで熱するようにしたらぜんぜんくっつかなくなった。やっぱり道具の使い方が間違っていたようである。
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うどん作りたいパワーが高まり、ラグマンを作った。
ラグマンとはラーメンの音の由来になった麺料理で、うどんみたいな麺にトマトと羊肉のソースをかけたものである。中央アジアで今でも食べられているもの。手で伸ばした小麦の麺を使って食べる。本当はかけうどんでも良かったのだが、冷蔵庫に夏野菜ばかりあるのでラグマンにした。
うどんは粉と水と塩を混ぜて踏み、伸ばして切るだけでできる。初心者の私が作るうどんはしょぼい仕上がりなのだが、雑に作ってもスーパーの茹でうどんや乾麺よりはおいしく仕上がるのだった。讃岐うどん職人によると麺を包丁で切ることで空気の層を残せるらしい。ギチギチに固められていない麺だからおいしいのだとか。たしかに量産品では空気が残らない。手延べしてその場で食べる麺にしかない特徴なのだろう。
個人的には製麺機を持ちださないのが楽だった。製麺をするのに必要な道具が少ないので気軽に麺打ちを始められて、気軽に切ることができる。機械は便利だけれども、いちいち棚から出して使うのが面倒だ。台所の一等地に置けない道具はそんなに集めるべきではないのかもしれない。
8/5(月)
月曜日は自然体から労働者モードへ切り替えないといけなくて、その落差により元気がなくなる。お仕事の締め切りが近いのもあるのだとは思うけれども、それなりにストレスを感じながら働いているのは間違いない。かといって一定のストレスがないと脳は萎縮しそれもまた覇気のない人間になるようである。
ともあれ生活にリズムは必要なのだ。お金が確実にもらえてリズムとストレス、達成感をもたらすのが仕事。これもまた要はバランスである。
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Apple Vision Proで稲田氏の料理道具本を読みながら動画を見ていた。さいきんはVision Proのバンドをつけずに寝転がって頭に乗せたまま使うことが多い。寝ながらスマホと違って大画面でアプリが使えて、腕も疲れないからとても便利である。毎日こうやって動画や本をみている。
ゆる言語学ラジオを見ていた。読書にまつわる話だったので。
動画によると「読書家のおすすめ本は高い読書筋力を前提としているからすすめられても無視すべき」「読み切れるかどうか判断するために物理本をめくってみるべし」「強い興味がある本を読め」といったアドバイスがなされていた。まったくその通りである。
後日出た後編の動画では「本を読み切る必要はない」「なんなら読書家も途中で投げてる」「読書メモのための印(例えばドッグイヤー)はつけたほうがいい」「著者の言うことが理解できないとき、悪いのは著者と編集である」と言われていた。
本を読みたくて挫折しがちな人におすすめできる動画だった。
8/6(火)
在宅勤務の日。ZoomのWeb会議で喋っていたら伝わってるのかいないのかわからなくて少し不安になった。それもそのはず、リアクションが伝わりにくいから。同僚たちはカメラをオンにして参加してくれているが、たとえ頷いてくれたとしても動画だとタイミングが遅れるし、その人の顔を大写しにしてるわけじゃないので見えづらい。物理会議だと人が目の前にいるので周辺視野で反応がわかるのだ。ツッコミも素早いし。
なんというか、Web会議は会話がターン制バトルになるのだと思う。会話に割り込むタイミングが物理会話よりシビアになるから、喋り終わったことが確実にわかったところで挟む。そのために、説明する人が一人でばーっと喋る時間も長くなりがちなのだろう。長く喋るのにリアクションが伝わりにくいから不安になるわけだ。
それに気づいたあと、他の人の超口舌を見ると同じように不安げに喋っていることがわかった。リモート併用で働く以上はどうしようもないけども、せめて伝わりやすいリアクションをしまくってやらないといけないなと思った。
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稲田氏の『現代調理道具論』を読み終わった。コンセプトは「金で解決」。ホットクックや電気圧力鍋などお高めの道具を使ってでも自炊を効率化しよう、という本だ。知らない道具も出てきておもしろい。電気圧力鍋とか低圧力鍋なんか存在すら知らなかった。おろし金にもすごいやつがあったりする。
いちばん参考になったのは揚げ物の運用方法。揚げ物は小規模でやるべし、がポイントで、小さく切った野菜を小さな鍋、少量の油で揚げるのだという。オイルポットも小さくして粗熱が取れたら冷蔵庫に入れる。こうすることで油の劣化を遅らせることができるのだ。我が家も天ぷらをやっていこうと思う。天ぷらの粉は市販品の性能が良いのでそれを使うこと。
意外だったのは稲田氏がシャープナーを使っていること。彼は板前修行をしていた時期があるのでよく切れる包丁の良さは知っているだろうに、今は砥石を使うのを面倒がってシャープナーで妥協しているそうだ。水を入れて使うタイプのシャープナーがあるらしく、それで多少はマシな切れ味になるらしい。料理オタクでも苦手なメンテはあるのだなあ。私はもう薄くした包丁の切れ味に魅了されてしまったので戻れない。
8/7(水)
ゆる言語学ラジオの読書回で樋口というゲストが「対話形式じゃないと頭に入りにくい」というような主張をしていた。
そういえば対話篇のコンテンツは昔から多い。古くはプラトンだし、インターネットにもやる夫のなんとやらとかゆっくり劇場などがある。YouTubeの著名なチャンネルは複数のタレントを起用して会話をさせることが多い。オモコロも記事の内容が対話形式になっている。
たぶん人が会話をしていることで、脳内で音声による再生がしやすくなるのだと思う。以前、テキストを読むときに脳内に声が響くか、という記事が話題になっていた。音声が鳴る人も鳴らない人もいる。妻氏は「会話シーンは鳴りやすい」と言っていた。
本を読むのが苦手、対話になっていないと入りにくいという人は、声が脳内再生されることを前提にしているのではないか。読書に熟達した人は脳内再生なしで読むことができる。ここに読書耐性のポイントがあるのだろう。日記をつけられるか、文章で内省ができるかも同じ問題がありそうだ。
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通勤中、工事現場のおっさんのヘルメットに名前と血液型が書かれているのを見た。労災が発生しがちで搬送時に輸血が必要になるのだろう*1。死が近くにある職業だ。
8/8(木)
コミケ新刊の締め切りがファイナルという名のやばいやつになった。本来は土曜日の朝が締め切りだったのだが、どう考えても間に合わない。妻氏は金曜日ふつうに労働するらしい。会議を入れられてしまったのだとか。本人は徹夜をして土曜日の朝に間に合うつもりだったようだが「無理なのでは?」とツッコミを入れたら冷静になり、ファイナル締め切りに変更することになった。日曜日の朝が締め切りである。コミケ一日目。前日まで本が刷れるなんてなんと素晴らしいことか。ごめんなさい印刷所のみなさま。でもこれでなんとかなりそう。
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定時で退社して自宅へ移動し、家で続きの仕事をやろうと思っていたらマンションに着いてから鍵がないのに気づいた。おやおやおやおや
どっかに落としたかと思って焦ったが、私は鍵束にAirTagをつけていた。AirTagとはいわゆる忘れ物防止タグで、ほぼリアルタイムにタグの居場所を調べられるシステムだ。「探す」アプリによると鍵は家にあるらしい。つまり私は鍵を持たずに家を出たわけだ。いつも妻氏が遅く家を出るのでこうなる。
しょうがないので妻氏に連絡してコンビニで時間を潰した。外は35度。立っているだけで汗がダラダラ垂れてきて命の危険を感じる暑さだった。カフェでも良かったが遠かったのでコンビニ。一時間ほど居座った。
途中で何か買わないと申しわけないなと思い、プリンやお菓子、日用品をかごいっぱいになるまで詰め始めた。
妻氏がやってきたら会計をして無事に家に侵入。鍵はそこにあった。
たまにこういう大ポカをすることがある。その代わり妻氏は早めに家に帰ることができた(結局原稿はせず在宅勤務してたが)。これもまたおもしろい偶然性である。
8/9(金)
お盆休み前ラストの在宅勤務。キリのいいところまで仕事をしようと思ってやや無理をしながらがんばっていた。
お昼のこと。パスタを作っていたら背中の筋肉がピキピキと引き攣り始めた。変だなーと思っていたら調理が完了する頃には立派な激痛に。寝違えみたいな痛みになってしまって、上を向くことができなくなった。
湿布を貼ってみるが良くならず、そのまま痛みに耐えながら仕事をして、なんとか仕事を納めて休みに入ることができた。
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さらに口の中の肉がめくれてしまう。昨日コンビニで買ったポテチなどをバリバリ食べていたら上顎の歯茎の裏(硬口蓋)の肉がべろんとめくれてしまった。肉片が垂れ下がっていて血が出てくるレベル。けっこう分厚くめくれてどうしたものかと妻氏に相談したら「そのうち取れてくる。私はその肉を食べた。ブニョブニョしてた」と言われた。自分の肉を食べる機会てあるものなのだなあ。取れるのを楽しみに待つことにした。
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さいきん増田のバズってない記事を漁るのが日課になっている。新着ブクマと増田のトップページをページ送りしまくる。ほとんど言及しているだけの記事でつまんないが、たまにおもしろいものがある。ユーモアがある人がそれなりにいるサービスなのだ。
ちなみにこのごろ流行りのレスバトルは「清潔感」「AIイラスト」「弱者男性」「長崎」「裏垢間違えた芸能人」あたりが主題である。こういうくだらないのは無視すること。インターネットで議論をしてはならない。
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今週のベストオブ増田
うどん動画ばかり見てました。うどん嫌いだと豪語してたのに。
気になったレシピたち
*1:自己申告の血液型を信用せずに医者がテストして輸血する、という記事があった。仮に超緊急の場合でもO型を与えるから大丈夫とのこと。死が近い現場ではあるが書いてある必要はないらしい