しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報 2024/08/11 鍵を忘れて口の肉がえぐれる

8/3(土)

朝食を食べたらフライパン専門店へ。
卵焼きフライパンを買って毎日の夕食に野菜とか肉を焼こうという計画。卵焼きは焼かない。ただ小さくて手軽であることを評価している。道具は使い分けである。

京都の堀川蛸薬師らへんに鐡兎堂というフライパン専門店があり、そこへ行ってみた。コロナ禍に誕生した謎の店でカトラリーやフライパンばかり置かれている。ハンズやロフト、百貨店でも敵わない品揃え。東京にならここに匹敵する店がいくらでもあるだろうけど、京都はおそらくここが一番なのだ。

🍜🍜🍜

店内に入ってまっすぐフライパンコーナーへ行くとおばちゃん店員さんに呼びとめられた。他に客はいなくて暇そうなのと、私が何か意思を持って入ってきた素振りを見せているので何を求めてるのか聞かれたわけである。
当初はセンレンキャストというアルミにテフロンを塗った卵焼きフライパンを買うつもりだったが、店頭にはないとのこと。それよりも上質なテフロン卵焼きを置いているという。持ってみると軽くて便利そう。しかしなんだか見た目が気に入らなかった。

本当は見た目が気に入らなかったのだが「肉を焼くこともあるので蓄熱性が気になる」と伝えたら「それなら絶対に鉄にしたほうがよろしい」と誘導される。鉄フライパンのほうが加工がシンプルなので見た目が良かった。最終的にリバーライトとビタクラフトの卵焼きフライパンが候補に残り、ビタクラフトを選んだ。リバーライトのフライパンは二つ持っているので違うキャラにしたかったのである。

www.vitacraft.co.jp

🍜🍜🍜

後日使ってみたところ、思ったとおりに野菜や肉がおいしく焼けて満足している。
結局卵焼きも焼いた。ふわふわでうまいものができる。

適度に小さいのが便利

8/4(日)

紅茶と食材を買ってきて鉄フライパンメンテの動画を見る。鉄フライパンはもう十年近く使っているが、さいきん焦げつきが気になる。もしかして扱いが間違っているのではないか、と気になったのだ。

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樋口直哉の動画が参考になった。樋口直哉氏はTravelingFoodLabという料理研究noteを書いている人で、ライターにして料理人である。性格が細かいというか、理屈っぽい人なのでレシピとしては面倒すぎることもあるのだが、鉄フライパンの扱いの理解については参考になった。

ポイントは「しっかり200度まで温めてから油を馴染ませる」こと。なぜなら、鉄フライパンは温度ムラが発生しやすいから。熱の伝わりがアルミに比べて遅く、コンロの火が当たってないところが冷たくなりがちなのに、焦って油返しをするとコーティングが作れずに焦げつくのである。

言われたとおりに、しっかり温めてコンロのセンサーが自動で火を弱めるくらいまで熱するようにしたらぜんぜんくっつかなくなった。やっぱり道具の使い方が間違っていたようである。

🚿🚿🚿

うどん作りたいパワーが高まり、ラグマンを作った。

中央アジアのパスタみたいな何か

ラグマンとはラーメンの音の由来になった麺料理で、うどんみたいな麺にトマトと羊肉のソースをかけたものである。中央アジアで今でも食べられているもの。手で伸ばした小麦の麺を使って食べる。本当はかけうどんでも良かったのだが、冷蔵庫に夏野菜ばかりあるのでラグマンにした。

踏んで伸ばして切る

うどんは粉と水と塩を混ぜて踏み、伸ばして切るだけでできる。初心者の私が作るうどんはしょぼい仕上がりなのだが、雑に作ってもスーパーの茹でうどんや乾麺よりはおいしく仕上がるのだった。讃岐うどん職人によると麺を包丁で切ることで空気の層を残せるらしい。ギチギチに固められていない麺だからおいしいのだとか。たしかに量産品では空気が残らない。手延べしてその場で食べる麺にしかない特徴なのだろう。

個人的には製麺機を持ちださないのが楽だった。製麺をするのに必要な道具が少ないので気軽に麺打ちを始められて、気軽に切ることができる。機械は便利だけれども、いちいち棚から出して使うのが面倒だ。台所の一等地に置けない道具はそんなに集めるべきではないのかもしれない。

8/5(月)

月曜日は自然体から労働者モードへ切り替えないといけなくて、その落差により元気がなくなる。お仕事の締め切りが近いのもあるのだとは思うけれども、それなりにストレスを感じながら働いているのは間違いない。かといって一定のストレスがないと脳は萎縮しそれもまた覇気のない人間になるようである。
ともあれ生活にリズムは必要なのだ。お金が確実にもらえてリズムとストレス、達成感をもたらすのが仕事。これもまた要はバランスである。

🥚🥚🥚

グータラインターネット大会

Apple Vision Proで稲田氏の料理道具本を読みながら動画を見ていた。さいきんはVision Proのバンドをつけずに寝転がって頭に乗せたまま使うことが多い。寝ながらスマホと違って大画面でアプリが使えて、腕も疲れないからとても便利である。毎日こうやって動画や本をみている。

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ゆる言語学ラジオを見ていた。読書にまつわる話だったので。
動画によると「読書家のおすすめ本は高い読書筋力を前提としているからすすめられても無視すべき」「読み切れるかどうか判断するために物理本をめくってみるべし」「強い興味がある本を読め」といったアドバイスがなされていた。まったくその通りである。

後日出た後編の動画では「本を読み切る必要はない」「なんなら読書家も途中で投げてる」「読書メモのための印(例えばドッグイヤー)はつけたほうがいい」「著者の言うことが理解できないとき、悪いのは著者と編集である」と言われていた。

本を読みたくて挫折しがちな人におすすめできる動画だった。

8/6(火)

在宅勤務の日。ZoomのWeb会議で喋っていたら伝わってるのかいないのかわからなくて少し不安になった。それもそのはず、リアクションが伝わりにくいから。同僚たちはカメラをオンにして参加してくれているが、たとえ頷いてくれたとしても動画だとタイミングが遅れるし、その人の顔を大写しにしてるわけじゃないので見えづらい。物理会議だと人が目の前にいるので周辺視野で反応がわかるのだ。ツッコミも素早いし。

なんというか、Web会議は会話がターン制バトルになるのだと思う。会話に割り込むタイミングが物理会話よりシビアになるから、喋り終わったことが確実にわかったところで挟む。そのために、説明する人が一人でばーっと喋る時間も長くなりがちなのだろう。長く喋るのにリアクションが伝わりにくいから不安になるわけだ。

それに気づいたあと、他の人の超口舌を見ると同じように不安げに喋っていることがわかった。リモート併用で働く以上はどうしようもないけども、せめて伝わりやすいリアクションをしまくってやらないといけないなと思った。

📚📚📚

稲田氏の『現代調理道具論』を読み終わった。コンセプトは「金で解決」。ホットクックや電気圧力鍋などお高めの道具を使ってでも自炊を効率化しよう、という本だ。知らない道具も出てきておもしろい。電気圧力鍋とか低圧力鍋なんか存在すら知らなかった。おろし金にもすごいやつがあったりする。

いちばん参考になったのは揚げ物の運用方法。揚げ物は小規模でやるべし、がポイントで、小さく切った野菜を小さな鍋、少量の油で揚げるのだという。オイルポットも小さくして粗熱が取れたら冷蔵庫に入れる。こうすることで油の劣化を遅らせることができるのだ。我が家も天ぷらをやっていこうと思う。天ぷらの粉は市販品の性能が良いのでそれを使うこと。

意外だったのは稲田氏がシャープナーを使っていること。彼は板前修行をしていた時期があるのでよく切れる包丁の良さは知っているだろうに、今は砥石を使うのを面倒がってシャープナーで妥協しているそうだ。水を入れて使うタイプのシャープナーがあるらしく、それで多少はマシな切れ味になるらしい。料理オタクでも苦手なメンテはあるのだなあ。私はもう薄くした包丁の切れ味に魅了されてしまったので戻れない。

bookclub.kodansha.co.jp

8/7(水)

ゆる言語学ラジオの読書回で樋口というゲストが「対話形式じゃないと頭に入りにくい」というような主張をしていた。

そういえば対話篇のコンテンツは昔から多い。古くはプラトンだし、インターネットにもやる夫のなんとやらとかゆっくり劇場などがある。YouTubeの著名なチャンネルは複数のタレントを起用して会話をさせることが多い。オモコロも記事の内容が対話形式になっている。

たぶん人が会話をしていることで、脳内で音声による再生がしやすくなるのだと思う。以前、テキストを読むときに脳内に声が響くか、という記事が話題になっていた。音声が鳴る人も鳴らない人もいる。妻氏は「会話シーンは鳴りやすい」と言っていた。
本を読むのが苦手、対話になっていないと入りにくいという人は、声が脳内再生されることを前提にしているのではないか。読書に熟達した人は脳内再生なしで読むことができる。ここに読書耐性のポイントがあるのだろう。日記をつけられるか、文章で内省ができるかも同じ問題がありそうだ。

blog.hatenablog.com

🍿🍿🍿

通勤中、工事現場のおっさんのヘルメットに名前と血液型が書かれているのを見た。労災が発生しがちで搬送時に輸血が必要になるのだろう*1。死が近くにある職業だ。

8/8(木)

コミケ新刊の締め切りがファイナルという名のやばいやつになった。本来は土曜日の朝が締め切りだったのだが、どう考えても間に合わない。妻氏は金曜日ふつうに労働するらしい。会議を入れられてしまったのだとか。本人は徹夜をして土曜日の朝に間に合うつもりだったようだが「無理なのでは?」とツッコミを入れたら冷静になり、ファイナル締め切りに変更することになった。日曜日の朝が締め切りである。コミケ一日目。前日まで本が刷れるなんてなんと素晴らしいことか。ごめんなさい印刷所のみなさま。でもこれでなんとかなりそう。

新刊が出る見込みです

🔑🔑🔑

定時で退社して自宅へ移動し、家で続きの仕事をやろうと思っていたらマンションに着いてから鍵がないのに気づいた。おやおやおやおや

どっかに落としたかと思って焦ったが、私は鍵束にAirTagをつけていた。AirTagとはいわゆる忘れ物防止タグで、ほぼリアルタイムにタグの居場所を調べられるシステムだ。「探す」アプリによると鍵は家にあるらしい。つまり私は鍵を持たずに家を出たわけだ。いつも妻氏が遅く家を出るのでこうなる。

しょうがないので妻氏に連絡してコンビニで時間を潰した。外は35度。立っているだけで汗がダラダラ垂れてきて命の危険を感じる暑さだった。カフェでも良かったが遠かったのでコンビニ。一時間ほど居座った。

途中で何か買わないと申しわけないなと思い、プリンやお菓子、日用品をかごいっぱいになるまで詰め始めた。

妻氏がやってきたら会計をして無事に家に侵入。鍵はそこにあった。

たまにこういう大ポカをすることがある。その代わり妻氏は早めに家に帰ることができた(結局原稿はせず在宅勤務してたが)。これもまたおもしろい偶然性である。

我が家では滅多にお菓子を買わないし食べない

8/9(金)

お盆休み前ラストの在宅勤務。キリのいいところまで仕事をしようと思ってやや無理をしながらがんばっていた。

お昼のこと。パスタを作っていたら背中の筋肉がピキピキと引き攣り始めた。変だなーと思っていたら調理が完了する頃には立派な激痛に。寝違えみたいな痛みになってしまって、上を向くことができなくなった。

湿布を貼ってみるが良くならず、そのまま痛みに耐えながら仕事をして、なんとか仕事を納めて休みに入ることができた。

🦴🦴🦴

さらに口の中の肉がめくれてしまう。昨日コンビニで買ったポテチなどをバリバリ食べていたら上顎の歯茎の裏(硬口蓋)の肉がべろんとめくれてしまった。肉片が垂れ下がっていて血が出てくるレベル。けっこう分厚くめくれてどうしたものかと妻氏に相談したら「そのうち取れてくる。私はその肉を食べた。ブニョブニョしてた」と言われた。自分の肉を食べる機会てあるものなのだなあ。取れるのを楽しみに待つことにした。

🦴🦴🦴

さいきん増田のバズってない記事を漁るのが日課になっている。新着ブクマと増田のトップページをページ送りしまくる。ほとんど言及しているだけの記事でつまんないが、たまにおもしろいものがある。ユーモアがある人がそれなりにいるサービスなのだ。

ちなみにこのごろ流行りのレスバトルは「清潔感」「AIイラスト」「弱者男性」「長崎」「裏垢間違えた芸能人」あたりが主題である。こういうくだらないのは無視すること。インターネットで議論をしてはならない。

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気になる

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𓆡𓆡𓆡

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今週のベストオブ増田

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うどん動画ばかり見てました。うどん嫌いだと豪語してたのに。

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気になったレシピたち

*1:自己申告の血液型を信用せずに医者がテストして輸血する、という記事があった。仮に超緊急の場合でもO型を与えるから大丈夫とのこと。死が近い現場ではあるが書いてある必要はないらしい

週報 2024/08/04 夏コミ原稿進捗ダメです週

7/27(土)

二度寝をして昼まで寝たら元気になる。土曜日は昼まで寝るべきかもしれない。
回復した体力でキビキビと家の掃除ばかりしていた。椅子のオイル塗りメンテナンスとか台所の台の汚れとりとか。

しつこい汚れを取るのに活躍したのがメラミンスポンジ。激落ちくんで有名な白いあれだ。繊細な素材のものに使うと表面が傷だらけになるむつかしい掃除用具だが、石とかタイル、金属表面の汚れを激落ちさせてくれる。水とスポンジだけで何でも綺麗になるので掃除が楽しく、ゾーンに入っていきやめられなくなるのだった。
でも、そもそも汚さないのが良い。テーブルや机、床に取れにくい染みができる原因は、汚れがついたまま放置することである。汚れに気づいた時点でしっかり拭くのがよい。コーヒーをこぼしたらすぐに布巾で拭うべし、という当たり前のことに気づいた。

🥒🥒🥒

夕食はそうめん。暑くてなんもやる気が出ないのでキュウリとネギだけのそうめんにした。

焼きなすってどうしてこんなにうまいのだろう

流石にそれだけだと栄養が足らないので小さいフライパンで茄子と豚肉を焼いておく。このシンプルな焼き物がおいしかった。油と塩しか使ってないため茄子の風味がよく感じられる。季節の野菜はこうやって食べるのが一番なのかもしれない。ただ焼くだけ。関西だと「けったん」というのだっけ*1

7/28(日)

暑さが大変なことになっているので、週報を公開したらすぐに出かけた。用事がいろいろあって街中をうろつく。本屋で村上春樹のエッセイと小説を買ったあと、ハンズで激落ちくんのでかいやつ、蒸し器を買った。
蒸し器は蒸篭を買うつもりだったのだが正気に戻って諦めた。インターネットによると蒸篭はカビたり、二年で壊れたりするそうだ。見た目は良いものの熱効率は悪いしあんまり容量もない。近代的な金属の蒸しカゴを選んだ。

お花みたいな蒸し器

パッケージは古臭いが機能はじゅうぶんだった。羽が動いて大きさが変わる機構がついていて、小さい鍋からフライパンまで対応できる蒸しカゴだった。

☀️☀️☀️

夕食はホットプレートでビリヤニにした。昼に骨付き鶏肉をヨーグルトマリネしておいて、夜にホットプレートでフライドオニオンを作る。そこへマリネ鶏肉を合流させ、茹でたバスマティライスを乗せて蒸すだけ。
コンロと違って保温モードがあるのが便利だ。ビリヤニは炊き込みご飯なので鍋炊き炊飯と同様に湯気がでたら弱火にする。このとき可能な限り火を弱くするのが大事なので保温モードがぴったりなのだ。また、フライドオニオンを作るときも温度が一定なのがよい。スパイスのテンパリングも。温度が管理できる調理器は凝った料理をするのに良いのかもしれない。

ホットプレートビリヤニは味が安定しそう

だいぶうまくできたので、レシピ本に載っている様々なビリヤニに挑戦していこうと思う。

7/29(月)

コミケの原稿がやばくて我が家は非常事態へ突入。漫画作業として私にできることはない(絵が描けない)ので、家事サポートをする。
今日は妻氏が早めに退社して家で作業をしていた。気をつかって & 外が暑すぎるので夜までオフィスで働いてから帰ってくる。そしたら妻氏はソファで寝ていた。

(˘ω˘)

🧪🧪🧪

勝間和代が「株価も物価も上がるのになぜ賃金は上がらないのか」という記事を書いていた。冒頭でピケティの『21世紀の資本』の話を参照しつつ「r > g(資本収益率は経済成長率よりも大きい)であるから賃金は増えない」と主張しているが、これはちょっと変な論理である。なぜお給料が増えないのかをより正しく言うと「利益を賃金に反映するか配当にするかは各企業の自由だが、実際には配当へ回される額が大きい*2」からである。配当が多めになっているのは「資本家の影響力が強いから資本家へ配当する」という経営陣の価値判断であり、r > gは関係がない。

労働者の賃金が増えにくいのは事実である。フォード社はかつて労働者の生活を豊かにすることで車がより売れる(消費)社会を作ろうとした(フォーディズム)が、それももう百年前の話である。量産技術の革新と競争とか金融の発達とか色々によって過去の話になってしまった。そんな現代で労働者が金を増やす方法は「転職」「投資」のどちらかであるのは間違いない*3

7/30(火)

会議祭りに1on1をして夜は社交ダンスレッスン。今日もしごかれた。最近雑談が減っていて、ややガチモードになっている。上手くなってきているから、という側面もある。

🐈🐈🐈

タンゴの練習をするときに「そもそも歩き方のチェックをしましょう」と言われた。私の足は左右で長さが違うせいなのか、左足が小指側に回転しやすくなっている。癖がついているので意志の力でねじ伏せる必要があり「内旋(親指側へねじる)をしっかりしましょう」という指導になった。
歳をとると身体が開いていく人が多い。足が外側に開いていき、背中は丸まっていく。これを「身体が開いている」という。反対に身体が背骨を中心に軸の安定性を保っているさまを「身体が閉じている」とか「絞られている」と言う。開いて力が抜けた姿勢はだらしがない。たぶん健康にも悪い。だらしない開き切った人にはなりたくないので、しっかり意識していくことにしたい。

身体を開いていると老いるぞ

7/31(水)

汗だくになって出社し汗だくになって帰ってくる。夏は嫌いだ。冬も嫌い。5月しか好きな季節はない。
お仕事は会議いっこだけであとは実装と調査。積んでるタスクを先行して処理していったら少し手が空いた。存分にサボってやろう。

🍳🍳🍳

何かの広告で「大文字送り火」が云々という文字列を見た。京都の企業の広告なので「大文字焼き」とは書かれない。
なんで「大文字焼き」は正しくないのか不思議に思ったが、送り火には妙、法、🚢、⛩️もあるのに気づいた。京都盆地の全体を使ってあちこちで漢字を燃やすのが送り火であり、たしかに大文字を焼いているだけじゃないのだ。

🍳🍳🍳

気まぐれにホットサンドメーカーで夏野菜を焼いたら焦げ目がついておいしかった。土曜日のそうめん副菜の成功の影響で、野菜をただ焼いただけのものに興味が向いている。しかしホットサンドメーカーでやる必要はない。この道具はやたらと持ち手が長く、形もヘンテコなので使いにくいし洗いにくい。ふつうにフライパンを使うべきだ。

問題は我が家に鉄フライパンしかないこと。それも大きな炒め鍋とやたらと重いプロ用のフライパンしかない。小さくて軽い気軽なものがないのが課題だと気づいた。
他になんかないかと思って棚を漁ったら死蔵している卵焼きフライパンが出てきた。テフロンが塗られたアルミ製のやつ。スーパーで千円で買ったようなものだと思う。これが普段使えるかどうかを試すために肉を焼いてみた。豚肉を塩焼きにしただけのもの。

しょぼいフライパンは肉の味が変わる

ところが、これが不味かった。いつもと同じ肉なのに鉄鍋で焼いたのと別物。おそらく板厚や素材の違いが原因だと思う。一般的に肉を焼くとき、金属の蓄熱性が大事だと言われる。薄いアルミだと蓄熱もくそもなくて、すぐに熱されてすぐに冷えてしまう。これが良くないのではないか。
でも卵焼きフライパンの形と軽さは良かった。次の土日で蓄熱が良くて軽いフライパンを探してみる。どんどん台所用具が増えていく。

ホットサンドメーカー邪魔すぎる

8/1(木)

ちょっとだけ暇になってきた。まだプロジェクトは予断を許さない状況だが、個人のタスクとしてははけてきた感じ。あとはバグ挙動を分析して品質を高めていくフェーズ。がんばるぞい。明日休みだけど。

🐑🐑🐑

妻氏は漫画を描いていると途中で疲れて眠くなるのだが、プリンを投与するとたちどころに回復することがわかった。
私もお仕事で燃え尽きたときのために常備しようかしらん。いや、そもそも根を詰めるような状況になってはならないか。

原稿缶詰体制

🐑🐑🐑

先日「インターネットに知識を増やすのがSNSやブログの価値である」というようなことを書いた。その続き。
SNSの「言及」が知識を増やすのに良い媒体となっているのに気づいた話。

きっかけは例のトルコ代表の射撃選手の件。彼が発見された当初は「何者なのか」「ポケットに手を突っ込むのはよくわかないけどかっこいい」といった素朴な評価がされていたが、この件が多くの人の目に触れるにつれて「ポケットに手を入れるのは姿勢の安定性に利するのであり、軍事・警察関係者の間では常識である」「実はこの人は世界記録保持者である」といった情報が増えていった。これは話題になっているネタに対して素早く言及をする短文SNSだからできることであって、Youtubeやブログでは難しいだろう。また、単なる短文SNSであれば良いわけではなくて、社会丸ごと入っているようなSNSのユーザー規模も必要である。現状、Xでしか起きない現象だと思う。

というふうに「ニッチな知識を言及媒体によってインターネットに吐き出させる」効果を持つのが短文SNSであることがわかった。良いように思われるが、当然ながら問題もある。言及で吐き出された知識はあくまで話題ごとの捕捉情報であり、言及の背景にある体系的知識ではない。いわば雑学的な断片が増えているだけであり、いくらインターネットを眺めていても雑学太郎にしかなれない。雑学の断片に過ぎないことを自覚しているならば良いが、多くの人は断片によって全体を知ったかのように思い込むので知的な誠実さは失われるであろう。誠実さを失ったものは虎になって藪の中に消えるのがオチであるから、絶対に「知識が増えた」と思ってはならない。それは所詮雑学である。

8/2(金)

暑さが嫌になって一日休。蟄居して料理やゲームをしていた。

🐈🐈🐈

朝、コミケ原稿進捗の話をする。まあまあやばいけどめちゃくちゃ頑張ったら間に合いそう、という観測。毎回こうなるのはなぜなのか。
先日独房ができて、机の配置をいじってから漫画の進捗がかなり良くなった。もし独房ができてなかったらコミケの新刊は落ちていただろう。なんで独房ができたのかというと、ダイニングテーブルを買い替えたから。余った古いテーブルを納屋に押しこみ作業場にすることを思いついたから独房ができたのだ。新しいテーブルは本来七月の三連休で届くはずだったのだが、トラブルがあって一週間配達が遅れている。つまり、もし荷物の遅延がなければ一週間余裕ができていたわけだ。そういう偶然によってギリギリ間に合うかも、という状況にある。神様仏様超越的存在が我々に試練を与えるべく、荷物を遅らせたのかもしれない。今回も首の皮一枚繋がるような調子で入稿するであろう。

進捗ダメです(新刊チラ見せ)

🐈🐈🐈

Xの「北米社会は流動性がなくなってからダメになっている」というようなポストが興味深かった。流動性とは学歴とか転職による社会(階級)の移動とかもろもろのこと。反対に流動性がなくなっていると金持ちの子が金持ちになったりする。貴族制っぽい社会。

インターネットでも似たようなことが起きてきた。黎明期は小さなアカウント相互の繋がりがあって、情報流通はフルメッシュにより近かったが、だんだんとハブになる大きなアカウント・サービスが情報流通を担うようになっていった。

ただ、インターネットは今でも無名のアカウントの投稿した情報が大きな反響を及ぼすことがある。実社会だと銃を乱射するなどの犯罪をしないと無名な人への注目は集まらないが、インターネットではそうでもないらしい。たしかにこの点に希望はあって、銃乱射に頼らずに実社会への揺さぶりをかけられるかもしれない。
「どうにかしてバズればいいんだよ」みたいな話になってまことに品がないが、固定化されつつある社会への薬はそれくらいしかないかもしれない。しかし問題はエコーチェンバーを作っている人々か。エコーチェンバーは他者をシャットアウトする問題ではなく、自分に賛同する仲間だけを集めて群ているところに問題があるように思う。ノイズをフィルタすることよりも、信号の増幅のほうに問題がある。そこをSNSのシステムで対処すべきだとは思うが、人間の思い込みの力はすごいので無駄かもしれない、とも思う。

リンク集

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くだらない増田を掘るのがさいきんの趣味

55096962.seesaa.net

おもしろそうな本

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京都駅通すのむりでは?

youtu.be

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さいきん手打ちうどんへの興味が高まっております

*1:土井善晴の影響で玉ねぎのけったんという用例しか検索結果に出てこない

*2:上場企業の配当性向は一般的に20〜50%

*3:個人的には転職より投資の方が難易度が高いと思う

週報 2024/07/21 独房の誕生

7/20(土)

料理をしまくった日だった。昼にお好み焼き、夜に餃子。

お好み焼きは広島風にする。
決して「広島焼」と呼んではならない。コテが宙を舞うぞ。

なんと五層構造

作り方は簡単。小麦粉を水で溶いたやつでクレープを作ってキャベツと豚肉を乗せ、ひっくり返して蒸す。蒸してる間に空いたスペースで目玉焼きと中華麺を焼いて、目玉焼きに焼きそばを載せる。目玉焼き焼きそば体にクレープ豚肉キャベツ体を載せて合体させ、上下をひっくり返したら完成。キャベツが半玉くらい入る料理で健康的。腹持ちもする。

「広島焼」と言いかけると睨みつけて検閲がなされる和やかな食卓

🥚🥚🥚

混ぜるだけ

夜は餃子。皮から作った。粉に対して50%の水と塩1%で練り、塊にしたらしばらく冷蔵庫で寝かせる。具は豚ひき肉にキャベツ、生姜、ニンニク、塩、醤油、胡麻油、紹興酒を入れて混ぜたもの。

これも切って混ぜるだけ

今回はオーソドックスな具にしたが餃子の中身はなんでも良い。ダンプリングは世界中で作られており、何を入れてもどこかの郷土料理に当たるだろう。中央アジアではクミンを入れた具もあったはず。

togetter.com

棒を切って伸ばす

皮と具が揃ったら包む。一人が皮作り、もう一人が包み担当。長い棒状にした生地を1cmくらい切り出してのし棒で円形に広げる。それを包み担当に渡して具を入れてもらう。ある程度数が揃ったら煮るなり焼くなりご自由に。

蒸篭ほしい

自作した餃子の皮はとってもおいしかった。

🥚🥚🥚

大事なのは形にこだわらないこと。工業製品じゃないのだから綺麗な円形の皮にする必要はないし、包むときもギュッと握るだけで良い。雑な形の焼売とか小籠包みたいなイメージ。日本の標準的な餃子は細かいところにこだわりすぎている。もっと雑でよい。

皮と具の比率も重要で、皮7に対して具3くらいが良いように思う。自作した皮はそれだけで食べられるほどおいしいので、もっと比率を増やしても大丈夫。その代わり加熱が時間かかるようになるから蒸し餃子か水餃子にするのが良さそう。

7/21(日)

数十年モノのホットプレートを買い替えるべくヨドバシへ。インターネットで調べてあたりはつけていたが、家電をエイヤで買うと失敗することが多いので現地でいろいろ比較した。失敗したことがある。
有能ヨドバシ店員はなぜかいなかった。自分で勝手に見ていく。おしゃれ家電系のものもあれば、板一枚でフチがない変なホットプレートもある。脂や具材が飛び散って実用的ではないが、インスタ映えはするのだろう。見た目に全振りする宗派もあろう。

grill.abien-jp.com

そうやって比較をしたうえで、やはり象印がよかろう、となった。深型の無骨で洗練されたデザインのもの。我が家はお好み焼きやプロフ、その他いろいろに使うためある程度のサイズが必要。大きめにした。

www.zojirushi.co.jp

アタッチメントは一切つけずにプレート一枚のものにした。ホットプレート業界ではどの商品にも焼肉とたこ焼きのアタッチメントがついている。そんなにもたこ焼きを作りたいものなのだろうか?私にはよくわからない。

🌡🌡🌡

自宅に集中ブースを作った。通称: 独房。一畳くらいしかスペースがなくて机と椅子しかないから。ここで読書や原稿をやる。

アンチ・パノプティコン

きっかけは妻氏の夜更かし。妻氏は夏コミに向けて漫画原稿を進めているのだが「昼は捗らない」と言って夜更かしをする癖があった。土曜日の夜なんか四時か五時まで起きて絵を描いている。人がいなくて静かだと捗るらしい。夜更かし癖には私も慣れていて、夜更かしをすることを前提に家事とか行事を組むのでなんとかなっていたのだが、妻氏の体調には良くないのが課題だった。

そこで独房である。納屋に60cm四方のスペースを無理やり作って古いダイニングテーブルをねじこんだ。余っていた椅子を置いたら原稿しかできない独房の完成である。
あまりに狭いので窮屈かと思いきや、むしろ集中できるらしい。塾とか学校の図書館にある勉強ブースみたいなものなのかもしれない。何もなくて狭いのが大事。他にも読書や原稿、事務作業にも良さそう。一家に一つ、牢屋があると捗る。

7/22(月)

あんまり元気がなかった。

自分の出したコードが異常ケース(バグではない)を踏みまくってアラートがたくさん。それと同時に急ぎのコーディングをしてたら21時に……。

🍵🍵🍵

妻氏は独房を気に入り作業がたいへん捗るようになった。あと一週間はかかると思われた下書きおよびネームが二日で終わってしまう。これまで平日はうだうだしてたのに作業が捗るなんて。締め切り前効果はあるけれども、人目のない孤独な環境はそれほど大事らしい。私も読書や原稿が捗らないときは独房で刑に服するのが良さそうだ。

🍵🍵🍵

同僚たちによると小学生はそろそろ夏休みだとか。いいなあ夏休み。
今の共働き家庭の小学生は学童保育とやらへ行くらしい。夏休みであろうと両親は働いているので、低学年であるうちは誰かが面倒を見なければならない。そのために地域の学童保育施設があり、子供らを集めてレクリエーションや宿題をやらせるのだそうな。
そして高学年になったら塾が学童の代わりになる。家によっては。結局のところ、子守りリソースをお金で買う仕組みになっているようだ。専業主婦の前提もなくなり、地域のコミュニティも希薄化した。たしかにお金を出して人工的な子守りコミュニティを作って運営するしかないのだろう。

7/23(火)

睡眠が悪くて気力なし。風呂で無限にショート動画を見ようとして正気に戻った。ショート動画は麻薬みたいで怖い。疲れてると無限に見てしまう。XにもYouTubeにもあるし、ショート動画を見始めたらついついスワイプしてしまう。おそろしいUIだ。中身がない動画でもテンポとUIさえ良ければ見続けられるあたり、人間の快感回路を効率的に刺激するのだろう。見始めたらダメ。どうせ動画で時間を浪費するならちゃんと手間をかけて作られた料理動画が良い。料理は観察によって学ぶところが多いから。

🐙🐙🐙

あまりに暑いので35℃を超えてたら外に出ないルールを作った。やむをえず通勤をする日であっても35℃を超えてたら自転車には乗らない。電車か何かにする。
そう決めて天気予報アプリを開いたら、8月は毎日35℃以上になることがわかった。

どうやって生きていこう

7/24(水)

睡眠がやや良くて仕事に集中できた。うおーっとコーディングをして夕方に力尽きそそくさと退勤する。

📺📺📺

ホヨバースのゼンレスゾーンゼロというゲームをやっている。特に世界観に惹かれたわけではないのだが、ふだん原神をやってないような人まで褒めていたから気になって。
出来は良いと思う。グラフィックも綺麗でUIもわかりやすい。まだ第一章まで終わらせただけだが、シナリオもおもしろかった。ただ没入して入れ込むようなものではない。あくまでグラフィックが中心のゲームである。

www.youtube.com

📺📺📺

模様替えをした。我が家のリビングには机二つとダイニングテーブルと椅子五つがある。机は作業用で、それぞれ原稿や仕事をやる。家業に漫画制作があるので机は必須だ。私は在宅勤務もするのでそういう意味でも。ダイニングは食事と読書をするところ。だらけるところ。これもこれで必要だ。
もちろん狭い。机を向かい合わせにしていたのだが、ダイニングも机島のそばにおいていて通路がほとんどなかった。

家が広くなり視線が気にならなくなる配置

模様替えをしたのは机の配置。向かいわせだったのをL字に置くようにした。動かしたのは妻氏の机で、これまで台所やトイレへの通路に背中を向けていたのを、本棚を背にするようになった。これは独房が集中できることを発見した影響である。背中に目線がないとあらゆる作業が捗ることがわかり、机を回転させたいモチベーションができたのである。

家具配置の原則にもかなっている。あらゆる大きい家具は壁に沿わせるように置くのが効率的だからだ。机は壁にディスプレイを向けるように置くこと。そうすると、人目を気にせず作業ができるようになるし、家も広くなる。

7/25(木)

あまりに疲れて夕食後にソファで一時間半寝る。

📦📦📦

同僚と真面目に設計の議論をしているとき、髪の毛をてきとうに抜いてみたら白髪だった。お、珍しいと思って「みてみて抜いたら白髪に当たったんですよ」と喋ろうかと思ったが、自制してやめた。たまに自制せずに文脈をぶち破った話を(よく)し始めるのだが、相手はポカンとして数秒停止するのでやめたほうがよい。自制できた記念日です。うむ。どう考えてもやめたほうがいい。

ちなみに白髪はほとんどないです。スーパーレア

📦📦📦

イナダ氏の『料理人という仕事』を読んだ。ちくまか何かのウェブ媒体で連載されていたエッセイを改稿したもの。テーマは料理人として生きていくのに必要な諸注意。料理人に特殊な気をつけるポイントもあるが、一般的にお仕事をするうえでためになる話も多かった。実は雑用が大事だよ、とか。雑用はやりようによってはクリエイティブな仕事である。雑用がつまんないのはやり方と捉え方の問題が大きい。
「飲食業界がホワイト化するなかで、自分から質問をしにいかないとスキルが得られなくなっている」という警鐘が鳴らされていた。ぼーっとしていたら「何やってんだお前」と怒声が飛んでくる時代は終わっていて、その反面ダメな人はずっとダメなままだよ、という話。これも飲食に限らずあるあるな話だ。「とりあえず少し我慢してやってみて」が言いにくい風土ができてきている。社会が優しくなった結果、スキル格差は広がる。

7/26(金)

まったり在宅労働かと思ったら重大なバグを見つけてしまい21時退勤になる回。

🍚🍚🍚

ゲームさんぽというYouTubeチャンネルがゼンレスゾーンゼロについて批評する動画をみた。ゲームデザイナー曰く「細部の磨き込みに異常にコストがかけられているが、全体として破綻なく、抑えるところはちゃんと抑えている」とのこと。つまり通常のゲーム開発においては「コストがかかるからそこそこの見え方で妥協しよう」と判断するところに多大なコストがかけられているということ。端的に言って人海戦術の結果ではあると思うのだが*1、そもそも中国大陸の文化*2として、細部の磨き込みが上手という話がある。私が読んだことのある本では「こういう精密な作業をやらせると中国の学者というのは大したものだし、またそれを実に楽しそうに、生き生きとやっていることにも感銘する」(『中国の大盗賊』p.175 高島俊男)とか「大根を龍のヒゲのごとくに細く切り、九蒸九晒、つまり九度蒸しては九度干すといった複雑な工程を踏んだ後に(略)」(『中国くいしんぼう辞典』p.312 崔岱遠)というようなエピソードがある。なぜそういう文化になるのかはわからないが、とにかく忍耐を要する細かい作業が得意らしい。おそらく、ゲームの細部のビジュアルも同様の精神で磨かれているのではないか。

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今週見つけた地味によい増田たち。

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酢の物に興味が出てきた。

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料理は香りを残すのがむずかしいんだよなあ。

すき家となか卯ってどう思いますか? この2つ、というかゼンショーの各社って、まさに日本の最適解を体現した外食産業群だと思うんですがいかがでしょうか? | mond

松屋のネギ塩豚カルビ丼ばかり食べてた時期があります。

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昭和96年シリーズ

*1:中国都市部では若年失業率が高い

*2:台湾にも引き継がれている可能性はあるが、台湾でもそうなのかは知らない

週報 2024/07/21 モルモット固液二相

7/13(土)

大丸へ行きベッドマットレスの追加パッドを受け取った。新調したマットレスがやや硬くてあとから注文したやつ。なぜか二週間くらい待たされた。百貨店というものは時間がゆっくりなのかもしれない。

 

帰りにケンタッキーフライドチキンを買って帰る。妻氏からは「ツイスター」を買ってくるように命じられてたのに「クリスピー」を買ってしまった。四文字カタカナ伸ばし棒であることしか合っていない。ツイスターという商品の存在を知らなかったのでこういうことも起きよう。

KFCのチキンは腹持ちが良い。有給をとった日の昼にチキンを三つばかし食べることがあるのだが、日が暮れてもぜんぜんお腹が減らなくて驚く。油脂が多いのもあるが、タンパク質の量は抜きん出ているのだろう。じゃあダイエットに使えるのか?部位によっては良さそう。調べてみるとダイエット法として紹介されてはいるが、ダイエット人たちは衣の炭水化物まで気にするのでポリシーによってはNGだとか。大変だなあ。

🛏️🛏️🛏️

錦小路から大丸へ入るとき、巨漢刺青の外国人が目の前にいた。家族連れ。巨漢氏は手足に刺青を入れていて、後頭部にまで入れていた。人に見えるところすべてに刺青を入れておかないといけないのだろうか。京都に刺青を入れた外国人は珍しくないが、後頭部にまで入れている人はあまりいないので印象に残った。

7/14(日)

昼にてきとうトマトソースパスタを作る。ソフリット的なものをこしらえてからトマトと肉であれしたやつ。

麺をディチェコからバリラに変えてみた。明確に味が違っておもしろい。バリラのほうが麺の味が強くてうまい。どっかのYoutuberが「バリッラを使え」と言っていたのが正しかった。日本だとどこに行ってもディチェコばかりかもしれないが、ライフにはバリラがありました。紙箱が目印。

ベランダの唐辛子を消費しようとするとパスタになる

できたパスタはうまいのはうまいのだが、何か物足りなさがある。ソフリットの玉ねぎ、セロリ、ニンニク、オイルがあり、肉とトマトがあるから旨味の物量は足りているはず。でも何かが足りない。
答えは砂糖。日本人だけかもしれないのだが、旨味を感じやすくするのに砂糖が必要らしい。麺つゆの甘みもそうだし、日本人向けのトマトソースの原材料を見るとたいていトマトが入っている。砂糖を少し加えるだけで我々向きのおいしさになるのだ。

「お砂糖には、全体の味をマイルドにまとめてうまみを引きだす力があるんです」と話すのは管理栄養士の塩見和世さん。「ポテトサラダも少量の砂糖を加えると味がしまりますよね。ミートソースやコロッケも同様です」
お味噌汁のみそを溶く前にごく少量の砂糖を加える和食屋さんもあると聞きます。
「おもてだって甘みを出さなくても、和食を風味よく仕上げるうえで隠し味としても役立ちます。

え、味噌汁にお砂糖!? カレーやポテサラにはもはや常識な隠し味 | あんふぁんWeb

🦌🦌🦌

寸胴鍋でカレーの大量調理(作りすぎた)をしながらphaの『パーティーが終わって、中年が始まる』を読み終わった。いつものだるそうなエッセイだが、今回は四十路の生きづらさというか、人生が現実として立ちはだかってくる様子が描かれていた。phaはこれまでシェアハウスを運営しながらフラフラやってきたが、一人暮らしに切り替えて数年たち「世間の人が普通にやっているあれはそういうことだったのか」と気づいて平穏な暮らしを望むようになっていく。ふつうの暮らしをやっていくと、どうしても死の影がちらつき死を恐れないではいられなくなる。そこへ十数年連れ添った猫の死が。いつも以上にテンションが低く不穏さが感じられるエッセイだった。

第三章で「なんで京都に住んでないんだろう」と題してあったのに笑った。京都を出ていった知人らはみんなそう言う。京都はちょうどいいのだ。暑くて寒いけど。

7/15(月)

朝起きてすぐに京都駅へ。ひげ脱毛を予約してあり駆けて行った。けっこう時間がギリギリで電車を待ちながら麻酔クリームを塗ったりする。周りの人も、まさかホームで塗っているものが麻酔だとは思うまい。
なんとか時間どおりについてレーザーでばちばちやられる。やっぱり痛かった。麻酔なしだとどれだけの痛みになるのやら。私は薄いからいいが、濃い人は地獄だろうな。

 

帰りの電車は満員だった。祝日とかお構いなしに観光客はやってくる。しかも祇園祭。今日の混み具合は格別である。こんな日に予約するんじゃなかった。
本当は河原町か烏丸の分院にしたかったのだけれども、ある程度毛が伸びてきて「そろそろ予約しようかな。明日とか開いてないかな」と思って予約システムを開いたら二ヶ月先までびっしり埋まっていたのだった。仕方なく最短で抑えたのがこの日のこの場所だった。妻氏によると、女子たちは夏の露出増加に備えて毛をビシビシ焼くものらしい。私はただ毛の周期に従っただけなのに、夏を満喫する女子たちによって枠は狩り尽くされたのだ。こうして私は電車で観光客に押しつぶされた。

🐟🐟🐟

スーパーで肉と魚を買って帰り、今週の備蓄とする。といっても、お祭りに出かけるかもしれないから使い切れるかはわからない(使いきれなかった)。
あとは昼寝とパン作り。いつものように捏ねて焼き殺した。今回はなぜか美しく仕上がった。味も良くて大満足。パン屋開こうかな。いや、低血圧には早起きが不可能だ。知人に食わせるくらいにしておこう。

美パン

7/16(火)

仕事を終わらせたら祇園祭の前祭の宵山へ。鉾も大通りの屋台も無視して細い通りの出店で食べ物を買い漁る。地元の飲食店がやっている出店のものがいちばんうまいのだ。仮設テントの店に行ってはならない。
今回は鰹のタタキと北京料理式の水餃子がいちばんおいしかった。祭のために特別に作ったものではなく、ふだんから出している料理。それをちょっとだけつまめるのが祭の嬉しいところだ。

手作りの水餃子が参考になったのでのちに自作する

🌋🌋🌋

毎回祭りのたびに鱧(ハモ)の天ぷらを買っては後悔する。たいしてうまくなのだ。ただの串揚げ屋さん、洋食屋さんなど、鱧の加工(骨切り)なんかできなさそうなところも鱧天を売っていて不思議に思っていたのだが、どうやら鱧には骨切り済みの冷凍品があるらしい。これに衣をつけて揚げただけ。そりゃ微妙な味にもなる。本物を食べたければ祇園へ行けという話だ。
「京都まで運んで生きている魚が鱧しかいなかったからこんな面倒な魚を京都人は食っている」という説がある。今の輸送技術ならばまともな魚も内陸部に届くので、無理して鱧を食べる必要はないのである。なのに祭になると毎年買ってしまう。この特別な感じが良いのだろうな。

tukutora.co.jp

7/17(水)

普段やらないレシピで料理をしたいという悩みがある。レシピ本を買ってはいるものの全然作れていない。つい、いつもと同じものを買っていつものように調理してしまうから。惰性と飽きの問題。
そうではなく、スーパーで調理工程とか何も考えずに気になったものを買っていけば良いのではないか。さかしらに使い切りとか、調理のことを考えるから良くないのでは。同様に、計画をして必要なものを買ってくるのも良くない。腐らせない程度に無計画にやっていくと、料理生活に偶然性が出るのではないか。

⛰️⛰️⛰️

京都の古地図を調べていたら、平安京の御所が今と違う場所にあるのに気づいた。当時の都の中心は千本通にあって、内裏もその辺にある。じゃあ今の京都御所は何なのかというと、もともとは土御門東洞院殿という里内裏、つまり内裏のバックアップの施設だった。本物の平安京内裏は何度も火事で焼亡しており、次第に今の御所が内裏になっていったらしい。だから今の平安京跡地はふつうの市街地なのである。知らんかった。

平安京オーバーレイマップ

7/18(木)

朝ねむすぎて弁当作りに失敗。家で朝食を食べるのも失敗した。なぜか木曜日に弁当が無になりがち。疲れが出る平日のどん底なのだと思う。

🌴🌴🌴

水木しげるラバウル戦記』を読んだ。
水木サンが二十歳くらいの頃に徴兵され、ラバウルに派兵されてしまう話。帰国後に思い出のイラストを描いておいたものに文章をつけた本だ。エッセイ的でもある。絵も文章も上手くてよかった。
他の本でラバウルで死にかけた話は読んでいて「そうなんだ〜」くらいに思っていたが、運が悪かったらその場で死んでいたくらいの状況だった。偶然生き残っただけであり、三度か四度、死んでもおかしくない場面があった。そのような強烈な体験をし、偶然階段から落ちて弱り死んだのである。人は本当にどうやって生きて死ぬかわからないものなのだなと思った。

 

水木サンは初年兵だからという理由で何かと殴られるのだが、こういう年功序列の価値観はいまだに日本社会に残っているよな、とも思った。まだまだ年下と同輩、年上に対して露骨に態度が違う人は多くて、年代によらず若い人から年寄りまでいる。これからの令和生まれであっても、どこかからこの気風を真似して身につける人は少なからずいるであろう。そういうところが我々の文化の汚点であり、集団になったときの窮屈さを産む元凶だと思うのだが。

7/19(金)

締切が近い仕事があるのを思いだして21時半まで働いた。グッタリ

🦠🦠🦠

高齢モルモットの食欲が弱くなっている。出すものは出しているのに体重が減っているので、暑さにやられて食えなくなっているとみた。モルモットの適温は20度前後。我が家はペットのためにエアコンをつけっぱなしにしているが、人間に合わせた温度にするとどうしても室温は25度くらいになってしまうのだった。その温度が良くないらしい。なるほどモルモット氏は一張羅の毛皮を着ていらっしゃる。湿気も多い日本の夏だと暑いのだろう。何より体温調節のために汗をかけないのが問題。これはあらゆる動物でそうだが、みんな暑さには弱いのである。体温を下げるために汗をかけるのはヒトとウマだけだと思ってよい。モルモットは当然汗をかけないので、体温を下げるには寝そべって平べったく(我が家では液体状態と呼んでいる)なるか、水を飲むかしかないのである。というわけで、スナネズミとモルモットを狭い部屋に閉じこめて20度の設定にした。これで元気になってくれるといいのだが。

モルモット固液二相

🦠🦠🦠

年々X(Twitter)は居心地の悪いところになっている。イーロン・マスクが悪いという話ではなく、SNSの毒にやられた人たちの過剰反応が攻撃的だから。そういう風潮が嫌になってブログと日記に籠って三年くらいになるのだが、ふとツイートしようとしたら何をつぶやいたらいいのかわからなくなってしまった。

はて、つぶやきってなんだっけ。もはや内面の吐露や自慢をして喜ぶような精神を持ち合わせていないし、感情も活発ではないので共感も不要。エアリプで仲間と親密にやりとりするのも趣味じゃない。ただ遠巻きに人が生きているのを眺めていられたらいいのだ。それがTwitterの良いところだったはずなのに、みんな親密さを求めたり政治を始めてしまう。困ったものだ。

 

自分なりに「つぶやきとは何か」を突き詰めて考えたところ「情報のアップロード」がつぶやきの本質であるのに気づく。何か情報量のある知識や自分に関する情報をインターネットに放流すること。例えば「スナネズミは家族を布団にして寝る」「モルモットは暑いと溶けておもちみたいになる」みたいな情報。飼ってる人しか知らないし、飼っていてもそれを言語化してインターネットに投げる人は少ない。だから情報量がある。これは、SNSに限らず黎明期インターネットから続く伝統だ。大事なのはインターネット世界に情報が増えること。その結果として大量の情報を食ったAI様の金儲けに使われるのは癪ではあるが、それがインターネット生活の本分であるのだから仕方ない。せめてもの報いとして嘘の情報を放流するくらいやってもよかろう。人間には明らかに嘘だとわかって、身体のないAIには原理的にわからない情報がある。そこをつくのもおもしろそうだ。

真にインターネットに存在しない、新規な情報を生み出せたとき、そのつぶやきにはオリジナリティと創作性があると言ってよい。取るに足らない情報であってもまだインターネット空間には存在しないものかもしれない。
情報化されていない未踏の原野はあるに違いない。

リンク集

ascii.jp

絶対いらないけどかっこいいと思う

news.yahoo.co.jp

正確には階段で転ける数ヶ月前に心筋梗塞になっていたらしい

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そら豆をカレーに入れるんだ

blog.father.gedow.net

現代技術は抽象化されていて便利なのだが、抽象化レイヤの中に何があるのかを自動的に経験できたのが我々の世代である。結局、筋の良いシステムを作るには抽象化に甘えるだけではダメだという話になる。だから計算機科学の知識はずっと役にたつ。

www.elle.com

腹持ちについて関心がある

dailyportalz.jp

これ本当に良かった

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しょうもない増田は好物

週報 2024/07/14 仕事場みたいな家なんですよ

7/6(土)

コーヒー豆を買いにいったら100g単価が200円くらい値上がりしてるのに気づいた。前は500円で買えたブレンドが700円〜になっている。いつも二種類を200gずつ買うのだが、前なら三千円だったお会計が四千円に。円安のせいでもあるだろうし、そもそもカカオとかオリーブオイルなどの舶来品が軒並み高くなっている異常気象の話がある。しばらくはこのまま下がらないのだろう。今年も世界的に暑いだろうし、しばらく農産物の値段は落ちつかなさそうだ。農業は土地と結びついているから大変だ。商業的に成り立つ樹木を育てるのに何年もかかるのに、気候変動で栽培適地が移動してしまう。ままならんことだ。

🌶️🌶️🌶️

ベランダの唐辛子を収穫してみた。追肥を忘れていて成長が滞ってしまった唐辛子くん。さてお味は。

唐辛子がなってると便利

オイルソースのパスタにしてみたところ、なんだか皮が硬い。食べられないことはないが噛みにくくて万願寺とうがらしや甘唐辛子系とは似ても似つかぬ食感である。なるほど素人が育ててしかも世話に失敗*1しているとなると、こんなふうに微妙な野菜ができるのだろう。しかも辛みがあんまりない。韓国唐辛子とはいえもうちょっと辛くないと。
とりあえず追肥やら活力液は与えてみた。今後挽回できるのやら。

7/7(日)

姉が京都にやってきたので迎撃。食事をして雑談をした。何年ぶりか覚えてないがだいぶ会っていないと思う。相変わらずノリが軽いというか、話題がぽんぽん変わる人だった。なぜこうも姉弟で性格が違うのか。しかしどこか似ている、共通点と呼べるようなところもあって不思議だ。突発的な行動を好んだり。束縛を嫌って自由にやるのが好きだったり。

🥬🥬🥬

アファンタジアが遺伝性のものなのか気になって姉の所作、趣味、性格を観察していたのだが、どう考えてもビジュアルシンカーとしか思えなかった。ブルーボトルコーヒーに売られているボトルの柄を「かわいい」と言ったり、村上隆の個展を見にいったりする。ネイルもばっちり。写真を撮るのも好きなのだそうな。アファンタジアではないだろう。となると、私に特異的な性質なのかも。謎は深まる。

🥬🥬🥬

家に帰ったらパンを捏ねて焼いた。一次発酵が終わった生地を丸めて型に詰めるだけなのだが、私の手がでかいために作業が効率的なのを妻氏に羨ましがられた。パン生地というのはもちもちふにふにしていて、生地は簡単に変形してしまう。パン捏ね台から型へ移すときに手が小さいと生地が手から溢れて垂れてしまうのだが、私の手だと両手に収まって垂れずに済んだ、という背景。なるほどパン屋では手が大きいほうが有利、という話はありそうだ。もしかしたら寿司屋とかピザ屋さんもそうかも。ピアノ演奏は言わずもがな。

よい出来になったらしい

思わぬところで適所が見つかったので、今後もパン捏ね担当を拝命するのだと思う。

7/8(月)

同僚にVision Proを体験してもらいながら、モルモットやスナネズミの動画を見せてみた。空間ビデオという3D撮影したものを鑑賞できるコンテンツ。このビデオに映った我が家を見た同僚は「仕事場みたいな家ですね」と感想を述べていた。仕事場みたいな家なんですよ。

☕️☕️☕️

姉はパワフルというか、不定愁訴とかなさそうだな、と思った。夏はビール。コーヒーを飲むならアイス。冷え性には信じられない行動様式だった。オフィスワーカーの不健康さを思い知る。

7/9(火)

たまに換気扇が止まったままになってアラート(800ppm閾値)がなる

ラズパイが届いたのでCO2濃度監視システムを完成させて運用し始めた。自作のプログラムをmackerelから呼び出して毎分のCO2濃度をサーバーにあげておく。mackerelとは、はてな社のサーバー監視システムだと思ってもらえればよろしい。ここに時系列データを入れて移動平均で800を超えたらメールやらSlackに通知する。無料プランだと過去のデータは一日ぶんしか見られないが、我が家に必要なのはアラートと傾向の把握なのでmackerelでじゅうぶんなのである。

弱くてかわいい計算機

ラズパイは予定どおりよわよわCPUとメモリの計算機なのだが、思ったよりも弱くてびっくりした。M2のMacBook Airだと一秒もかからないGoプログラムのビルドが30分経っても終わらなかった。それくらいAppleのプロセッサは強かったらしい。

🌱🌱🌱

こうしてCO2濃度が監視できるようになったので、まずは自分を人柱にして実験をする。具体的には、換気扇を止めて実際にアラートが鳴るのを確かめる。まずは800ppmの警告のチェック。部屋を締め切ってふつうに過ごしているだけでぐんぐん数値が上昇していき簡単に800ppmを超えた。どうやら二人いると10分で50ppm上がるようである。人がいないときは400ppmくらいなので、2時間もあれば危険な濃度に達する。換気扇は止めちゃいけないし、常時換気の穴は閉じたらダメなのがよくわかった。

結局1000ppm近くまで上昇するのを見届けてから換気をした。頭が痛くて本当に人柱になっていた。

7/10(水)

同僚の子がなんでも口に入れるという話から、自分が磁石を食べたことがあるような気がしているのを思い出した。なにぶん幼少期のことなので記憶は曖昧なのだが、食べたような気がしなくもない。食べてないかもしれない。どのみち排出はされていると思うのだが、もしかしたら身体のどこかに残っているかも……。

もしMRIを撮ることになって、お腹が痛くなったらあたりである。

💥💥💥

今週はめちゃくちゃ忙しい。というかただでさえ忙しいのに毎日新しいトラブルが起きていた。運が悪いので祇園祭か何かで禊いだほうがいいのかもしれない。とりあえず厄除けの粽は交換する。

祇園祭が終わって夏が来る

7/11(木)

『呼吸の科学』を読んだ。ブルーバックス。かなり読みにくかった。まじめな研究者はサービスが悪く、文章が下手くそなことが我が家では知られている。

この本から「一回の呼吸を長くすると酸素の利用効率が良くなり、リラックスする」という知見が得られた。つまり深呼吸をするとリラックスできるという話。そんなん知っとるわ。エビデンス大好き人間には良いのかもしれないが、とにかく退屈な本だった。

🔥🔥🔥

なんでこんなしょうもない本を読み切ってしまったのか自分でもよくわからないのだが、電子書籍ならためらわずに捨てられるのかもしれない。微妙かも知れない本は物理で家に置かないこと。ダメだとわかったらすぐにブックオフ行きの箱に入れること。

この本に限らないが、つまんない本(特に新書)はタイトルがダメだ。『AとB』『Zとは何か』みたいなありきたりで内容が何でも良いようなタイトル。

いい本のタイトルはちょっと変で目を引きやすい。『パン屋再襲撃』『月と六ペンス』『本が好き、悪口言うのはもっと好き』『読んでいない本について堂々と語る方法』などなど。何これ?となって記憶に残るしタイトルからユーモアも感じられる。

『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフ謳歌する』みたいな長いタイトルも台頭してきている。もう十年以上前からライトノベルを中心に流行っていた傾向。それが当たり前になって、今や漫画でも長いタイトルがつけられる。しかし、ただ長いだけのタイトルは商品内容を説明して広告として機能しているだけである。そんなに記憶に残るわけでもユーモアが感じられるわけでもない。実際、この作品のファンは『チー付与』と略して呼んでいる。

そうではなく、ある程度の短さで「なにこれ?」と思えるような変なタイトルが良い。良いタイトルをつけるスキルは俳句とか短歌、キャッチコピー制作などのポエム的な能力に通じるものかもしれない。短い文字数で実現するほど高度になり、できる人は限られてくる。でも私は洗練された本を読みたいのだから、そこを狙って探すのが良いのだろう。

7/12(金)

仕事でコードレビューをされるとき「いちゃもんや!なおす必要ないもん!」と思ってしまうことがある。このとき、本当に自分の書いたものが正しくてなおす必要はないケースと、勘違いして間違っていることがある。間違っている場合は気づくまで説得されて直したらいいのだが、正しいケースが問題だ。正しいから直す必要がない。それはそうなのだが、真の問題は正しさが伝わってないところにある。つまり説明不足。

『職業としての小説家』に「けちをつけられた部分があれば、何はともあれ書き直そうぜ」という村上春樹の個人ルールが登場する*2。小説を書いて妻にレビューをしてもらって納得がいかない指摘が出てくる。そういうときに村上春樹は「とにかく指摘を受けた部分があれば、そこを頭から書き直す」ことにしている。そうすると、たいていその部分が前よりも改良されているのだそうな。「読んだ人がある部分について何かを指摘するとき、指摘の方向性はともかく、そこには何かしらの問題が含まれている」「その部分で小説の流れが、多かれ少なかれつっかえている」から。意図としては正しく書いているつもりなのに、それが伝わらないことがある。小説家もプログラマも、仕事のゴールは正しさが伝わるように書くことである。伝わらなければ意味がない。そのためにも「指摘があったらとりあえず直す」というルールが良いのだと思う。文章であれば書き直せばいいし、プログラミングだったら処理は変えずに変数の名前を変えたり、コメントを書いたりといった工夫ができる。コードを読むときにも「つっかえ」はあるものだから、それを取り除く作業をしてレビューを打ち返せば良いのである。

🐟🐟🐟

日本人の気質、文化を説明するのに「恥」の概念を使うことがよくあった。「あった」と過去形なのはもうかつての「恥」の概念が通用しなくなってきているから。恥という言葉は残っているし使われるけれども「国家の恥」「家の恥」「恥を知れ」という言い方はもうしない。昭和後期、平成生まれ以降の世代で使う人はほぼいないだろう。今の恥概念は道徳規範ではなく、単に「失敗して恥ずかしい」というような具体的な行為に対する後悔の念を込めて使われるものになっている。

なんでなくなったのかというと「恥」の概念が家規範とくっついてるから。「家の恥」「国家の恥」という用例からわかるように「恥」は家とか民族共同体、コミュニティへの帰属意識を前提にしている。「家」に対する「世間」からの評価を良くしておくよう常に気が配られていた。もちろん家規範は窮屈で抑圧的で、個人にとっては嫌なものだった。だから戦後数十年をかけて解体されてきた。その結果として「恥」の適用範囲は狭くなり、個人的な具体的行為にだけ向けられる言葉になった。

今の「恥」に相当する規範は「身内コミュニティからの評価、評判」に変わってきている。「世間」という感覚も薄れてきており、外野から何を言われようと身内からの評価が良ければそれでいい、という行動規範をとる人も多い。それがエコーチェンバーと呼ばれる現象だ。皆がそれぞれの「村」からの評価だけを気にするようになると、社会全体としての道徳レベルは下がるかもしれない。しかし、かといってかつての家規範を復活させるのはあり得ない。

 

代わりになる規範は何かないのか。一つ思いつくのは「態度」を重視する価値観。今やなんでもハラスメント扱いされるのは態度が大事だからである。日常的なコミュニケーションで威圧的に振る舞ったり、親しくない相手に感情をぶつけてはならない。態度が悪い人はいかに正しいことを言っていてもダメで、内容によらず態度だけで関係を壊すことができる。平等で態度が良い人が尊敬される社会になってきている。

問題があるとしたら、態度の良し悪しの評価には相性が入ってくること。生まれもった性格(脳の配線)と育ちによってどの態度が不快に感じるかは変わってくる。性格上の相性じゃんけんによって、ある人にとって態度の悪い人が一定の支持を集めることは自然な現象であり否定してもしょうがない。また、家規範衰退の反動として抑圧的な人が支持を集めてしまうこともあるかもしれない。まだ次世代の共通基盤となる価値観は存在しておらず、当座のところ人々の性格の相性で決まってしまうものなのだ。

個人的には、気配りができて万人に態度が「まとも」な人が人気なほうが良いとは思う。しかしその価値観が少数派になる可能性も否定できず、ただそうなるよう祈ることしかできないのである。

リンク集

先週書くの忘れてたわね。

note.com

今週も更新されました。相変わらずおもしろい。

anond.hatelabo.jp

良増田

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何これ……

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便利そうなのでこのバージョンで生活してますが戻れなくなることは知りませんでした

*1:一切追肥してない時期があった

*2:p.161

週報 2024/07/07 CO2濃度を計測してみた

6/29(土)

台所の棚に鎮座するスパム缶が気になっていた。たしか災害備蓄用品として買って賞味期限が切れたときに出しておいたもの。冷蔵庫の肉がない時に使おうと思っていたのに、いざ肉がなくなったらその存在を忘れてスーパーへ買いに行くのだった。それを繰り返して数ヶ月。今日は二日連続で「スパムを使えなかった!」と思っていたので、ようやく開封することができた。

メニューはパスタ。オリーブオイル、ニンニク、玉ねぎ、にんじん、キャベツを細かく刻んでスパムとともに炒め、ケチャップで和えたもの。ナポリタンのソーセージの代わりにスパムを入れたものなので、当然成立する。ソーセージにはない強い旨みがあっておいしかった。

深夜、今度はスープに入れてみた。夜中に突然スープを作ることがあり、今日がその日だった。野菜を手の上で切ってスパムの残り、塩、胡椒を入れて煮込む。これもまたうまい。なかなか便利な缶詰だと思った。でも、また使うのを忘れて棚に残ったままになるのだと思う。それが缶詰だから。

スパムスパムスパムおいしいスパム

🪞🪞🪞

村上さんのところ』を読んだ。村上春樹がメールを受け付けてレスをくれるかもしれないサービスがこれまでに何度か開催されていたらしい。村上主義者(ハルキストと言ってはならない)のお祭りみたいなものだ。村上春樹は集まったメール三万通すべてに目を通し、三千通にレスを返したそうだ。その中の約五百通を選んで収録したのがこの本。厳選されているので、どのやりとりもおもしろかったのだが、特に気に入ったのが次の二つのレスだった。

いつも言っていることなんですが、小説には意味なんてそんなにありません。というか、意味という座標軸でとらえることができないからこそ、小説が有効に機能するのです。意味という座標軸でとらえてしまうと、小説は味気ないつまらないものになってしまいます。物語の足がとまってしまいます。「意味はようわからんけど、なんかおもろいし、読んだあと腹にたまるんや」(なぜか関西弁になる)というのが僕の考える小説の理想のかたちです。
p.73

僕はこうして文章を書いて35年も生活していますが、身にしみて学んだのは「言葉って本当に怖い」ということです。ペンは剣よりも強いとよく言いますが、言葉は実際にナイフのように人を切り裂きます。だから僕は慎重に慎重をかさねて文章を書いています。こういうやりとりも、いい加減にほいほい書いているように見えるかもしれませんが、これでずいぶん神経をつかって書いているし、何日か寝かせて、用心に用心を重ねています。僕はなんといっても言葉のプロですから、失敗は許されません。
でも世間の多くの人は、言葉の怖さをよくわかっていないように見受けられます。そしてSNSが発達したせいで、抜き身の刃物のような言葉が言説空間をひゅんひゅん飛び交っています。これは僕なんかから見るとほんとうにとんでもないことです。あなたが傷ついたり、いやになったりする気持ちはよくわかります。そう感じるのがむしろ当然です。インターネットは便利なツールですが、僕らはなんだかとんでもないものを解き放ってしまったような気がすることもあります。
しかしいずれにせよもう後戻りはできないので、そのような状況にあわせて自分を護っていくしかありません。そういうツールとの間に、自分なりの「適正距離」を測っておくことが大事になります。うまく測ってください。
p.399

6/30(日)

ブルーバックスの『東洋医学はなぜ効くのか』を読んだ。東洋医学とは漢方とか鍼灸のこと。内科でふつうに漢方薬が処方されるように、医学の世界では東洋医学が併用されつつある。それも根拠がないことではなく、ちゃんと作用機序が明らかにされてきているらしい。東洋医学の仕組みを調べる論文がどんどん増えているのだとか。私は鍼の効果を隔週で体験しているので疑問に思ったことはないのだが、世間を説得するには科学のお墨付きが必要だ。そのための本である。

注意が必要なのは「東洋医学すべてのメカニズムが明らかにされているのではなく、一部の生薬やツボ、鍼灸の作用機序がわかってきた」ということ。「どうやら本当に効くらしい」にはなりつつあるけれども、東洋医学のすべてを信用して良いわけではない。西洋医者に信用できないものがいるのと同様に、鍼灸師にも腕の良いものと悪いものがいる。すべてを信頼するのではなく、自分の身体で実験して効果があったものだけ信用するのがよろしい。実験というと物騒だが、ツボ押しとかお灸程度ならば害なく実験できる。漢方薬はもとより医師の処方が必要なので保険医療に従っていればよろしい(ドラッグストアで買える漢方薬は有効成分の量が少ない)。

特にツボ押しはおすすめできる。ツボと言われている部位の近くの、痛気持ちいいところをゆっくりマッサージしていると止まっていた胃腸が動き出したりする。

7/1(月)

星野源、アルファと恐山の鼎談を読んだ。そんなにおもしろいコンテンツという感じはしなかったが、恐山の日記noteが紹介されていて加入した。毎日書かれる日記が好物。日記だとそんなにおもしろくなくても許せるのが不思議だ。流れていくものだからだろうか。「人が生きてるな〜」という観測をするためのものかもしれない。

🥩🥩🥩

妻氏が突然ムジーナの絵文字を連打してきた。これまでムジーナのスタンプばかり送りあっていたのだが、絵文字も使えるようになった。我が家のLINEのやりとりはムジーナだけで完結する時代に。

ジーナスタンプは便利

Tシャツもおすすめ。
ちなみにムジーナの作者のくまみねさんは、現場猫の作者でもある。

www.ttrinity.jp

7/2(火)

ダンジョン飯を最後まで読んだ。いつだったかタイムラインで「マルシルとライオスが結婚する」という情報を見て「ホントかな?」と思い調べに行った。

オタク女子コミュニティの集団幻覚だった。

🍚🍚🍚

妻氏は私が漫画を読むさまをみて「ページをめくるのが早い。絵を見ていない」と評していた。見てないことはないがあまり見ていない。九井諒子の絵が上手いことはわかるし、もし漫画が白紙のセリフだけだと読めないだろうから情報は拾っている。しかし絵を楽しんでいる度は限りなく低く、ただの読みやすい物語として消費しているようだ。だから私にとって漫画はけっこうコスパが悪い。文字が多い漫画ならいいけど。

次に読むのは『ラーメン発見伝』と決めているのだけども、Vision Proを買ってしまったので節制して電子書籍ぽちぽちを我慢している。

7/3(水)

味噌汁に煮干しやわかめ、昆布などの乾物を入れることがあるのだが、管理が面倒になって一つのタッパーに入れるようになった。煮干しを買ってきたら中身をタッパーにぶちまけておしまい。使う時はガサガサ拾って鍋にポイポイする。なかなか便利なのでおすすめだが、雑人間向けかも。私は雑人間です。

出汁ボックス

🌪️🌪️🌪️

CO2濃度計が届いた。換気扇を止めてどこまで上がるのか実験。

見事な酸欠です

すると4時間くらいで1000ppmを超えてしまった。健康的な値は400ppm〜600ppmくらいだと言われている。私は900ppmくらいで頭痛がし始めた。なぜこうなるのかというと、我が家の気密が良すぎるから。家主が内窓を余計に入れているのに建物は古くて24時間換気のための換気口がないのである。
細かく窓を開けるか、換気扇を強めてドアの下の隙間から吸気するしかない。そのために、とりあえずCO2濃度の監視をすることにした。

🌪️🌪️🌪️

久しぶりの趣味プログラミングである。プログラミングは私にとって飯を食うための手段でしかないので、あまりプライベートではコードを書かない。アウトライナーを自作するとか、窒息しないためだとか、差し迫った需要があると重い腰をあげる。
今回作るのはCO2センサーの値を読みとって監視サービス(mackerelなど)に投げるだけのスクリプト。仕組みはよく知らないがUSB経由で無限にバイナリが読めるので、それを適切に解釈するとCO2濃度や気温が取れる。取れた値をインターネットに投げ、監視サービスでアラート閾値を設定したら完成だ。かんたん。
インターネットの参考実装はPythonだったので最初はPythonを使おうとしたのだが、なぜかNAS上では動かなかったし言語があんまり好きじゃないのでGo言語に切り替えた。学生時代はPythonもよく書いていたのだが、仕事をしていくうちにRubyとGoの人になってしまった。TypeScriptも嫌いじゃないよ。

co2mini · GitHub

こうしてできたのがこんなやつ。とりあえずデータは読めるようになった。あとは投げるだけだ。

7/4(木)

たっかいおもちゃ

Apple Vision Proを受けとった。鍼むしろにされ、残業をして家事をこなしたあとにセットアップ。空間コンピューティング生活が始まった。

寝転がって電子書籍を読んだりインターネットができるのがうれしい

アプリはまだ対応しているものが少ないのだが、すでに生活が変わりつつある。際立っているのは画像がかなり綺麗に見えること。これまで触ってきたどんなディスプレイよりも画像、映像が綺麗に見える*1。そのせいで、DPZ記事とかtumblr、XはVision Proで見る、という行動変容があった。また、電子書籍の雑誌や料理本などの大型本が読みやすくなった。Vision Proでは150インチモニタ相当(てきとうだがかなりでかい)の大きさでアプリを表示できる。タブレットだと読みにくかった細かい本も読めるようになった。

重さはどうか。それなりに重いのだが、正しく装着したら気にならなくなる。今のところ二時間くらいは連続で使えている。バッテリーが二時間しかもたないので実質上限。Xやこれまでみてきたニュースによると「痛くてつけてられない」という声があるのだけども、それはちゃんとマニュアルを読んで装着してないからだと思う。ヒントアプリにちゃんと書いてあるので読みましょう。あるいは姿勢が悪くて首を痛める人もいるかもしれないが、これはどうしようもないか。姿勢はよくしましょう。Vision Pro関係なしに。

🐈🐈🐈

難点はIMEの挙動が変なこと。ハードウェアキーボードを接続して文字入力をしているとBackspaceが二回効くような動作をすることがあった。バグだと思う。

7/5(金)

CO2監視スクリプトNAS(自宅用のストレージサーバーです)で動かそうと試みたがなぜかクロスコンパイルができないので諦めた。NASは一応ちゃんとしたサーバーなのだがCPUとかOSが特殊なのであんまり触りたくない。というわけで、諦めてラズパイを買った。ラズパイは特殊なCPUだと言えないこともないが、あまりに普及しているので自作のプログラムを動かすにはピッタリの環境なのだ。

問題はラズパイの4とか5がオーバースペックなこと。一万円以上するし、メモリも無駄に4GBとか積んでいる。世の中にはデジタルサイネージとかでラズパイを使う人がいるので、メモリがそれなりにいるらしい。しかし私の用途だとそんなにいらない。自作スクリプトのバイナリサイズは2.1MBだし使用メモリは4.6MBだった。しょぼいメモリでいいので良いのないかな〜と思ってサークルのSlackで質問してみたら、ラズパイには3のModel A+というしょぼしょぼメモリバージョンがあるという。価格も五千円程度で安価。これにした。

sozorablog.com

🥧🥧🥧

『呼吸の科学』を読んでいたら「酸素摂取量で消費エネルギー量が計算できる」と書かれていた。また、先日のCO2濃度計の計測によると「妻氏は体格のわりに二酸化炭素を多めに出しているが、私一人だとぜんぜん濃度が上昇しない」ということがわかった。

私の呼吸が下手すぎることが判明。呼吸上手になりたい。

*1:画素(ppi)が細かいから

週報 2024/06/30 さまざまな爆発

6/22(土)

美容院で髪を切ってもらう。もう十年ほど同じ人に切ってもらっていて、その間に私は労働をし続け、美容師さんには子供が生まれもう小学生だったか。
今日もいつものようにテンション低く喋りながら切ってもらおうと思って訪れたらいつもと様子が違っていた。私の予約した時間のはずなのに、美容師さんはおばさん客とやや険悪めの議論をしている。おだやかな人なのに珍しい。なんでもおばさんが矛盾した染色の要求をしているらしく、それは無理だからどっちかにしろ、という説得をしているようだった。またこのおばさんは人の言うことを理解せずに、言いたいことをまくしたてるタイプ。厄介な客だった。
そのまま待たされるのかと思いきや、先に髪を洗われることになった。本来は髪を切ったあとに行われるサービスだが、助手の人が気を利かせ柔軟に判断したようだった。ちょうど汗をかいていたし状況が状況なのでそのまま洗ってもらう。助手の女性はいつもより丹念に、時間をかけて私の頭を洗った。時間稼ぎである。
20分ほど時間を稼いでもらったあと、10分椅子で待機。すると染色で放置フェーズに入った美容師さんがやってきて髪を切ってくれた。いつもよりだいぶ疲れていて、そして焦っている様子。スケジュールが押しているようだった。時折助手の女性と耳打ちをして作戦会議もしている。どうやって色を入れるか判断が難しいようだった。
最後まで顛末を見届けたかったが、素早く私の髪は切られてお会計となった。退店する頃には次の枠の客も来ておりまだ予断を許さぬ状況。おばさんは今度は助手さんにあれこれ捲し立てている。それを尻目に帰ることにした。

家に帰ってから鏡で髪の毛をチェックすると何房か切りもらしがあった。災難である。

🐈🐈🐈

美容院に行く前に5kmほど歩いてみた。梅雨入りした京都はじっとりと暑く、30分も歩くと背中は汗でべとべとになった。
歩こうと思ったのは、朝から体調が悪かったから。体調が悪いのに歩くのには訳があって、冷え性(低血圧)人は循環が悪いと身体の各所に水が溜まるからである。あちこちに溜まった水を排出する方法は筋肉を動かしてリンパ系へ送り込むか、汗をかくかのどちらかしかない。両方を一気に満たせるのが散歩なのだ。
こうして狙ったとおり、汗と尿が出てむくみをとることができた。

🐈🐈🐈

半田そうめんを箱買いしたのが届いた。やっぱりそうめんが好きでやめられないので、全国あちこちからそうめんを取り寄せては堪能している。そのうち天下一を決めたい。
今回のそうめんは古風な包装でやってきた。古風と言ってもでっかい桐箱ではない。ただの段ボール箱なのだが、その箱がやたらと厚手なのだ。Amazonやヨドバシなどのふつうのインターネット通販の箱は薄手で効率的に作られている。コストが節約されている。古風な包装というのは、コスト意識が乏しく、どこか豪勢な包装のことを言っているのだ。
そして感想をしたためるハガキ、ファックス注文用紙もついていた。商品カタログもあるし、なぜか団扇もついてきた。

なぜここまでするのか

 

コスト意識がゆるく昭和の豪勢さを残していて好感が持てた。このままそうめんで儲けていただきたい。

6/23(日)

業務で運用してるシステムのアラートが鳴り対処をした。と言っても特に問題はなく誤報だった。原因は不明だが問題ないことを確認し日常に戻る。
反応した同僚たちはだいたい外にいた。家にいて引きこもっているのは私くらいのようだ。ほんとうに土日は外にいるものなのだなあ、と感心した。我が家は用がなければ外に出ないし、用はまとめるので。

🍞🍞🍞

パンを一人で作った。

丸めは下手くそなのにパンは自分でパンになる

これまでは妻氏がパン焼き大臣だったのだが、パンの発酵に振りまわされるのが画業に障るということで、次第にパンを焼かなくなっていった。しかし市販の食パンはあんまりおいしくない。それに買ってしまった機材(ニーダー)もある。耐えかねた私は勝手にパンを作り始めた。レシピだけ教えてもらって前日から生地を仕込み、冷蔵庫で発酵させる。翌日捏ねて寝かせてぷっくり発酵させる。それをイーストごと焼き殺して完成。
思ったよりも簡単だった。と言っても、肝心の捏ねは優秀な機械がやってくれているからだが。人間がやることといえば計量し、分割し、捏ねて型に入れて焼くだけ。そう手数はかからない。待つ時間が多いだけだった。ただ、パンが発酵しすぎないように時折様子を見る必要があるので、たしかに集中して絵を描く人には向いていない。台所で本を読みながら料理をするような私にはできるというだけだった。

パンはうまいのを食べたい。小麦粉系の料理は自作するメリットが大きい。餃子の皮でも製麺でもなんでもいいが、自分で作った作りたてを食べてほしい。それほどまでに自作の粉食品はうまいのだ。

パンはほうっておくと爆発します。注意してお世話しましょう

6/24(月)

ややこしい性格の人と仕事をするには、その人の性格がなんでそうなっているのかを理解する必要がある。よく1on1指南書などで言われそうなテクニックだ。メンタリングの技術でもありそう。そういう小賢しい話は置いといて、ともあれ同僚の性格の根っこは理解しておかないと困ることがある。目的は、たぶん、周りの人の行動を予測可能にしておくこと。日常で予想外のことが起きたら困るのだ。
理解するためには観察と分析と勉強が必要だ。よく見て日記に書きながら考え、本を読んでいろいろな発達傾向の特徴を知っておく。画像記憶の人か、言語タイプか、音楽タイプか、という分析もその一つ。そうやって他者を知っておくと生活が楽になる。

まったく分析する必要がないような人もいる。気配りが上手で自制が行き届いている人。感情的になることはなく落ち着いている人。そういった人たちは相手をしていると楽ではあるのだけれども、どこかよそよそしさというか、遠さを感じることはある。分析できるような尻尾を見せてくれないというか。自制的な人は同じように相手を分析しているのだろう。対面して話すと、探り合い読み合いになってなんだか変な感じがする。しかし、深く話してみるとおもしろいので、信頼されるように時間をかけて仲良くなると良いことがあるだろう。

💦💦💦

同僚らと中華を食べに行き、始めて辣子鶏と紹興酒を味わった。

www.hotpepper.jp

辣子鶏とはこの記事の画像にあるとおり、唐辛子と花椒の中に埋もれた鶏肉を食べる料理である。たいへん辛い。なのにうまい。同僚たちは「ココイチの3辛だ」「いや5だ」とか謎にココイチ単位系を持ちだしてくる。よくわからないが辛くておいしかった。食べられない人もいて辛さ耐性の多様性があるのを知った。私にとってはあまりにおいしく、自宅で再現することを心に誓ったほどである。妻氏は辛いのがダメなので私一人で食べることになるだろう。
紹興酒ラム酒メープルシロップを合わせたような味がした。風味が良く、料理に使っても常飲してもおいしいお酒だ。これも常備することにした。何かとレシピに書かれていて気になっていたのだ。

6/25(火)

村上春樹の『騎士団長殺し』をぜんぶ読み終わった。記録によると五月の半ばから読んでいたらしい。文庫四冊もありなかなかの長編。なのに長くても退屈しなくてサクサク読めた。文章のリズムがとっても良い。
タイトルのとおり騎士団長が殺される。舞台は現代の日本の小田原だがなぜか騎士団長が出てきて殺される。騎士団長が何かはネタバレになるので語れない。騎士団長を殺すことで物語が大きく展開しさまざまな問題が片付いていく。最終的にすべての問題があるべきところに落ちついて物語が畳まれた。ハッピーエンドかどうかは解釈が分かれるところだが、読後感は良い。ちゃんとお腹に溜まって印象に小説だった。おすすめである。

🌶️🌶️🌶️

循環の悪さを感じてラジオ体操をしてみる。第一は何も見ずに、何も聞かずに再現できる。でも第一ってあんまりキツくない。もうちょっと息が上がるようなやつがいい。それが第二なのだろうか。まったく覚えてないし印象がないけれども。第二、覚えるか。

🌶️🌶️🌶️

鰯を焼いたら爆発した。このごろ鰯は旬なのかやたらとうまい。一夜干しになったものを買ってきて毎日少しずつ焼いて食べている。今日もロースターで二人分を焼いていたところ、ロースターの内部で脂が爆発して一瞬火がついた。それくらいは耐えられる機材なので火事とかにはならないのだが、煙がひどいことになった。けむらん亭は触媒で煙を焼き切ってくれる製品ではあるが、びっくりして電源を切ってしまい、煙がもわもわとリビングじゅうに広がっていった。
脂が多い魚はロースターで焼いてはいけない。反省して翌日からは小さなフライパンを使って焼くようになった。鰯くらいならば蓋をして蒸し焼きにすればよい。ある日、さらに工夫をして酒蒸しにしてみた。食べてみると上品な味がして実にうまい。ここで気づいたのだが、中華料理に似たような魚料理があったはず。清蒸だ。酒蒸しにして煮えたぎる油をかけて食べる料理。なるほどおいしかろうなあ。今度どっかで食べてみよう。あるいは自分で作る。

dancyu.jp

6/26(水)

会社の自席に置いといたカリタのコーヒーサーバーにカビが生えていた。ガラス容器でつるつるしていて、蓋にはメッシュが入っているから空気が通るのに、底に溜まった一滴の水を養分としてカビが発生したようだった。最後に使ったのは先週金曜日だったか。たった数日置いとくだけでカビるなんてさすが梅雨である。日本の気候の恐ろしさよ。冷蔵庫がないころの食べ物なんてひとたまりもないに違いない。

☕️☕️☕️

ベランダの🌶️の生育が止まっている。五月くらいに買ってきた苗を鉢に植え、水やりだけしていたら背丈が伸びなくなってしまった。一時期ばんばか花が咲いて実がついたのはいいが、先になった実ばかり大きくなって後のやつらはどれも小さいままだ。明らかに息切れしている。なんでやろな、と思ってサークルの農業チャンネルで相談していたら、追肥をしてないのに気づいた。野菜栽培では基本的なことなのだが、プランター野菜栽培ではけっこう頻繁に追肥をしないといけないらしい。それを一ヶ月くらい怠っていたのだろうか。土のなかの栄養はほとんど流れていってしまって、🌶️はスランプに陥ったのである。ごめんごめん。

とりあえず家にあったハイポネックスを薄めて散布した。あとはリキダス栄養剤とかも定期的にやっていくと🌶️だらけになるのではないか。われわれが食べるような野菜は人工的に改造された野菜工場である。特にプランターでは、たくさんの栄養をやらねばならない。そういう特殊な条件で育てていることを改めて認識した。

生育不良の🌶️

6/27(木)

超塾がなくなり自作パン消費のターンに入る。明らかにうまくてもう戻れない気持ちになった。超塾はおいしいほうで、世の中にはおいしくない食パンがいくらでもあるのに。パンとは何なのか。小麦とは。なんでこんなうまいの

🍍🍍🍍

さいきん業務でチーム外の人との調整窓口もやっている。仕様を変えてくれとか、ここバグっているよ、とかの報告を受けて資料やコードをいじる。同僚に振ってもいいはずだが、なんか自分でやってしまう。自分でできちゃうから。
そのせいで仕事が増えて首が回らなくなっているところもある。もし調整窓口の人がコードを書かないただのロードバランサであれば、こうはならないだろう。自分ではやらないことが自明なのでチケットを立ててチームの人にお願いをすることになる。しかし、自分が窓口になっていて修正する能力も持っているとなると「要望を叶えてあげたい」となって我が身を滅ぼすことになるのだ。
ある程度は自分でやらない判断をするしかない。仕事の内容と意図を説明するスキルが別途必要だが、そうしないと本当に首が回らなくなるのだと思う。

6/28(金)

休みにした。祝日砂漠に耐えられなくて。
さいきん私はたいへんな目に遭っているらしい。妻氏曰く。仕事が忙しくて午後九時くらいまで働いていることも多かった。スケジュールがキツキツなので休みにくいのだが、ついに耐えかねて無理やり休みにしたわけである。大雨の日なのでちょうどよかった。

🍝🍝🍝

賞与支給日にしてApple Vision Proの発売日だった。ちょうど有給を入れていたのもあり前日にApple Storeでの体験会を予約していた。まだ世間が注目する前だったので昼間のいい時間が取れた。大雨のなか店舗へ赴き、試着とコンテンツ体験をさせてもらう。
重さはそこそこ。 VRゴーグルと同じか軽いくらいでそこまで気にならなかった。ただ、頭への圧力は感じられる。おそらくフィッティングが完全ではないせいだが、うまくやらないと首にダメージが入ると思う。猫背の人にも向いてなくて、姿勢が悪い人はすぐに首が痛くなるだろう。というふうな、それなりの重さがあるデバイスである。
空間コンピューティングの体験は良かった。Apple Vision Proでは指と視線を使って操作をする。クリックは指をつまむ動きで、視線がポインタになる。写真やWebページを拡大する操作が難しくて、画面のある一点を注視したまま両手の指でギュッと引き伸ばすジェスチャーを入力する必要がある。日常のUIに注視という行為がないので、なかなか慣れない。また、ホーム画面のアイコンをクリックするのも視線を使う。これもやや難しかった。訓練が必要。しかしそれ以外はいたって自然なUIをしていた。直観的に思いついた操作をすると、だいたい所望の結果が得られる。さすがAppleの設計である。

体験したコンテンツは三次元映像とパノラマ写真、Webページ閲覧など。
iPhone 15 Proか何かを使うと空間ビデオという三次元の映像が撮影できるのだが、これがApple Vision Proで鑑賞できる。たしかに三次元で目の前に飛び出てきて臨場感たっぷりなのだが、どこか不気味の谷めいた不自然さはあった。とはいえ、故人やペットのメモリアルとしてはこれ以上ない媒体だと思う。身近な何者かが亡くなる前に撮りためておくと良いだろう。あるいは成長中の子の瞬間を切り取って残しておくとか。

個人的に気になっていたのはSafariでのWebページ閲覧の性能だった。画面がどんな感じに見えるのか、フォントサイズは適切なのか、読めるのか。結論から言うとまったく問題がなかった。Kindleでも何でも読めると思う。読めるということは書けることも意味する。視界の端っこにSafariを開いておいて、正面に置いたテキストエディタに文章を書く、といった使い方ができる。逆にKindleを正面に開いて横っちょに読書メモとかも。インターネットを介した読みものが趣味な人にとって、これ以上のデバイスはないだろう。この点が購入判断の決め手になった。はい。結論から言うと注文しました。

🍝🍝🍝

昨年のどこかの週報にも書いたのだが、私には「視覚の弱さを道具で補いたい」という要求が強くあるらしい。思えば青年期から一貫してこの傾向があり、学部では VRの研究室に入り就職したあとは十年くらい前から巨大ディスプレイだのメガネにつける変なディスプレイだのいろいろ試してきた。理想的な要望としては「視界のなかの任意の場所にウィンドウを置いておきたい」というものだ。おそらく短期記憶の弱さやイメージ能力の欠如と関連しているのだろうが、今のところはそういう要求が強い、としか言えない。ある種のハンディキャップなので、それを埋めるためなら投資は惜しまないし、これまでもそういうところにばかりお金を使ってきたのだった。生得的な弱点はどうしようもない現実だが、現実として受けとめるにしても諦めきれないところはあるようだ。

リンク集

dailyportalz.jp

いつの間にかプロフおじさんが知人枠になっている

dailyportalz.jp

不気味でよかった

sakata-tsushin.com

今週の無知。追肥の基本を知らなかった

news.denfaminicogamer.jp

チーム開発において誰がどれくらい寄与したかなんかわからない問題

www.sony-semicon.com

Apple Vision Proはセンサーの塊で、一番重要なセンサー(サンプル品)がこの値段。そう簡単に値段は下がってくれないことがわかった

note.com

オタクのJK(おそらく准教授)が南極に行く連載記事