ドイツ人をみならえ
僕は初めてこの食事を経験したときにその効率性に驚いた。野菜不足の心配ゼロの食事がこんなに簡単にできるとは! 野菜不足を心配して野菜炒めを作っていた俺は何だったのか! ていうか、こいつがんがんハムとチーズ食いすぎ! ゆで卵何個食べてんだよ? あー、俺にも肉くれ、肉!
ドイツ人はあまり凝った料理をせずにハムやチーズ、ゆで卵などをパンにのせて食べる生活をするらしい。たしかに肉とパン、レタスかトマトがあれば完全栄養だ。腹持ちさえよければ昼食などはそれでよい。ちょっと腹が減ったときもパンとハムを食べれば満足できそうだ。
というわけで、干し肉を作ることにした。ハムやベーコンではないのか?ハムやベーコンはめんどくさい。もっと原始的なものでよい。また、冷凍庫で長期保存をしたい。となると、水分を抜くのが一番である。水分を抜いた肉、干し肉を作ることにした。
干し肉をつくる
用意するものはピチットシート、豚肉、塩、胡椒、好きな香辛料。
ピチットシート
ピチットシートとは浸透圧で肉や魚から水分を抜くためのシートだ。二重になったフィルムの間に水あめと昆布エキスが入っており、効率的に肉から水を抜くことができる。
ただ、けっこう値段が高い。玉置さんはペットシーツで代用できることを実証していたので、気分的に気にならない人は代用品を使ってもよいと思う。
豚肉
好きな部位のものをスーパーで買ってくる。今回は豚肩ロース氏にしたが、豚バラでもよいと思う。絶対おいしい。
また、塊肉でなくてもよい。効率的に水分を抜くためにある程度の薄さ、小ささを目指したのだが、ステーキ肉とか生姜焼き用の肉をハサミで切れば大丈夫だと思う。私も次からはステーキ肉を買う。
小さくすることは必須ではないが、薄さは脱水効率に関わるはずだ。分厚い肉はうまいものだが、冒険をしすぎると保存性や食べる前の加熱が大変になると思う。
塩・香辛料
最低限必要なのは塩分だけだと思う。塩でもいいし醤油でも。濃度は重量の1%くらい。脱水によって味が濃くなるので保守的に設計するとよい。
今回は塩、黒胡椒、ナツメグ、セージで味付けをした。豚肉といえば臭さがあるものなので、洋風料理で定番の組み合わせにしてみた。
切った肉に塩と香辛料をまぶしてよく揉み込む。この塩も脱水を助けるはずだ。
脱水
効率的な脱水を目指すので、ピチットシート半分に肉を敷き詰めて折りたたむことにした。半分だけに敷いたのは、肉の両面がシートに接するようにするためだ。*1
さらに、折りたたんだシートを巻き寿司みたいに巻いていく。シートと肉が密着していないと水が抜けないので。
これをゴムで縛って密着させ、絶対に水を抜くぞという状態にした。あとは冷蔵庫に入れて放置。
24時間後
ちゃんと脱水された。肉片に素手で触れても脂がつかない。何グラムの水が抜けたのかは計量し忘れたが、かなり肉が軽くなったと感じた。
脱水時間は24時間以上でも以下でもよいと思う。都合がつかなくて48時間放置しても水が抜けるだけなので特に困らないはず。
冷凍保存
脱水した肉をバットに並べて凍結させる。いきなりジップロックか何かに干し肉を入れてもよいのだが、そうすると肉同士がくっついてしまう。少ないながらも水分は残っているので、バット凍結を挟んだほうがよい。肉がくっついても気合いで剥がす、という人はこの工程を省略してもいい。
パンにのせて食べる
干し肉の運用の様子です。腹が減ったらパンと干し肉を取り出して、トースターで焼きます。270度で5〜7分くらい。パンは焼きすぎになりがちなので途中で取りだすこと。
感想
- とてもうまい
- びっくりするほどおいしかった
- 豚肉はなぜかサイゼリヤの羊串肉みたいな味になった
- 豚肉の味が濃くなっていてお酒のつまみにもなりそう
- 燻製するともっとおいしくなるはず
- 簡単に作れて長期保存が可能なので運用しやすい
というわけで、常備干し肉を作れました。手間がかからずおいしさレベルが高いのでおすすめです。
*1:ただしコストはかかる