しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報 2023/05/07 液体パイン飴、エクストリームコミティア出張、『日本語の起源』を読んだ

4/29(土)畳は清い空間

旧居でガス閉栓のための待機をしていた。まだ気温が低く床が冷たいため、畳に転がり本を読んで待つ。

そういえば新居には畳がない。引っ越しによって失われた設備だなと思った。

家に帰って妻氏と相談し畳マットを買うことになった。新居は壁も床も白くて畳よりも絨毯やラグを敷きたくなる雰囲気なのだが、それでも我々には畳が必要だと思った。気軽に寝転びたいのだ。

絨毯・ラグと違って畳には清潔感がある。敷物に毛が生えていると汚れが入り込んでしまうが、畳は容易く掃除ができる。髪の毛が落ちていたらすぐにわかる。

浄・不浄を厳格に区別してきたのが日本の文化である。畳は「清い」空間で、我々にとって直感的に綺麗だと思えるのだろう。

4/30(日)5chの叡智

ついにビスポーク靴が完成した。革でできた本格的なやつである。市販の靴が足に合わなくて作った。

足が細くて作ってもらうほかなかった

ところが、履いて帰ったら早速靴擦れを起こしてしまう。これは調整が必要なものなのだろうかと疑問に思って色々調べた。かっちりした革靴を普段使いするのは初めてで何も知識がない。

番役に立ったのは5chだった。5chにビスポーク靴専用のスレッドがあり、誂え靴沼に沈んでいるおじさまたちが集まっている。曰く「ソールが硬くてかえりがつきにくいうちは踵で靴擦れが起きやすい。しばらく履いて馴らすしかない」とのこと。実際に毎日履いてソールを柔らかくすることを意識して歩いたら全く問題がなかった。5chには叡智がある。

5/1(月)いやだ好きなだけ夜更かししたい

新居の前にはそこそこ車の通る道があって朝晩うるさい。通勤や業務の配達などに使われる道路で、平日の決まった時間だけうるさくなる。夜になるとほとんど車が通らなくなるので睡眠には差し支えないのだが、我々はうっかり2時まで起きてしまう種族である。社会が動き始める8時になると問答無用で車の音がし始めるので夜更かしをした日には堪える。内窓の入ってない小窓を本棚で塞ぐ計画はしているが、我々が社会に合わせてまともな時間に寝れば良いだけの話である。いよいよもって生活習慣を矯正しなければならないのかもしれない。

5/2(火)

1日の8割くらい寝ていた。どうやら引っ越しの疲れが出てきたらしい。家は完全に片付いていてもうやるべきことはない。前借りしていた元気の取り立てが発生したようだ。

ケーキとハーゲンダッツで癒やした。

5/3(水)ビリヤニにカレーをかけるなんて

ビリヤニ屋さんへ行くとインド系っぽい人がバイトをしていた。日本語の読み書きには慣れてないようで大サイズを頼んだら「小」と書かれていた。バイトリーダーは遠くにいたのにちゃんと注文を聞いていて訂正してくれた。

店には次から次へと観光客がやってきて店を回すのが大変そうだった。ある客は沖縄から来たと言い、また別の老人グループはカレーとビリヤニの違いはわからないがとにかくビリヤニとカレーのルーだけを注文をするという。まさかビリヤニにカレーをかけると言うのか。観光客の増えた京都はたいへんである。

5/4(木)液体パイン飴

パーカーのポケットから液体パイン飴が出てきた。焼肉屋で帰りにもらったものをポケットに入れたまま洗濯したらしい。

5/5(金)エクストリームコミティア出張

エクストリームコミティア出張をした。朝6時に起きて東京へ。コミケはサークル入場時刻が早いので前泊しないと間に合わないのだが、コミティアは11時からなので7時の新幹線で間に合うのだ。

今回のコミティアはサークル数がすごかった。4000サークルを超えているとか。関西コミティアの7倍くらいの規模である。何かを表現して売りたい人が増えているのかもしれない。

 

ただ、規模が増えると買う方も売る方たいへんだ。見本誌コーナーが復活したとはいえ、気になる本すべてに目を通すのは至難だし、売る方は宣伝や広告をがんばらないと埋もれてしまう。結局、フォロワー数に比例した売れ行きになるのだろう。

でも参加してよかった。4年か5年前の東京コミティアで買ってから続きが気になっていたという人が買ってくれた。新刊は出していたのだが、東京コミティアには参加していなかったしインターネットでも積極的に広報しているわけではない。物理イベントでしか到達しえないファンがいることを確認できた。

宅配搬入を忘れて荷物もエクストリームだった

『日本語の起源』を読んだ

www.iwanami.co.jp

日本語はタミル語およびその文明が源流だ、という主張の本。読みやすくておもしろくはあった。

音韻のみならず習俗、発掘物が対応しているのでおおよそ正しいと思われるが、言語学界隈からの受けは悪いらしい。そりゃあ言語学者にとってはおもしろくない主張だろう。何より、誰も正しい、正しくないを判定できない。古典タミル語と古典日本語の両方に通じつつ考古学や歴史に詳しい人がいないのだ。

私は支持してもよいとは思ったが、別の問題として起源を確認する研究が有意義ではないという話がある。「日本語の起源は何か?」という問いの価値が低い。大野も終章で自覚的だが、起源はたいてい一つではなくさまざまな要素が影響して今の言語を形づくっている。起源を問うのではなく、どの言語とどの言語のどの部分が似ているか、それだけを主張すればよいと思う。

ゲームの外に出る

レスバとかで顕著なのだが、レスバをする当人はその場の論争で勝ち負けを決めたらいいと思いがちだ。しかし、レスバは発生した時点ですでに決闘であり、どちらかを打ち負かすまで終わらない。

レスバに勝つ真の方法はレスバに参加しないことである。レスバっぽいものが発生したらスッと土俵の外に出ること。卑怯者と罵られようがそうする。

レスバは論理的な解を求める議論ではなく、感情的な失点を競うゲームに変化している。相手の感情を下げたら1ポイントが入るゲーム。そんなゲームはlose - loseなので参加してはいけない。

でも、巻きこまれたら勢いでゲームをしてしまうのが人間だ。「おいデュエルしろよ」「ポケモン勝負だ!」に対して「にげる」コマンドを出すのは難しい。

GWは休養で終わり

「本をたくさん読むぞ」「自作アウトライナーのコードをよくするぞ」と思っていたが、結局片づけと休養で終わってしまった。引っ越しのダメージは思ったよりも大きい。成果は四半期まとめを書いたくらいか。

non117.com

このまま7月まで連休はないし梅雨はジメジメする。しんどい季節になるので、適宜「チーズ蒸しパン有給」を発動して休み休みやっていきたい。

www.nicovideo.jp