しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報 2023/05/28 自分のポンコツさ分析、各種資本の意味について自分なりに整理する

5/20(土)ドキドキ退去

退去の日。家を借りる一連の行事でもっとも緊張するイベントである。「窓枠につけた傷で10万円請求されるのではないか」「あの壁の汚れで文句を言われないか」とやきもきする。家の使い方によっては敷金を超えて請求される可能性もある。ハラハラしながらそのときを迎えた。

やってきたのは浅黒い肌のおっさん。管理会社の社長らしいが、社長というよりも建築現場の親方みたいな風貌だった。

幸運なことに修繕は安く済むようだった。おっさん社長は我々の住んでいた家をチェックし撮影した後オーナーとLINEと電話をしてどこを修繕するか決めていた。見積もりによると、ガスコンロの横の汚れた壁やひっつき虫をつけて取れなくなった壁など最低限の範囲だけ張り替えるらしい。畳も表替えをするだけ。こうして敷金から足は出ずに少しだけお金が帰ってくる査定となった。

変なことにオーナーはいくらか負けてくれたらしい。本来はもっとお金が取れるところなのに、我々が長く住んでいたから、という理由で安くしてくれたそうだ。オーナーは先日変わったばかりなのにおかしくない?と思ったが、おっさん社長も「持ち主がそう言うなら従う」と残念がっていた。

 

我々も緊張していたのだが、管理会社の人も緊張しながら明け渡しに臨むのだと思う。賃借人がお金を払っている限りはその部屋を占有しているのであり、オーナーも管理会社も勝手に中に入ることはできない。大事な物件がどんな状態になっているかはその日を迎えないと分からないのだ。互いに用心して心配しながら臨み、ひどいことにならなくてよかった、と安堵するのが退去のイベントである。

5/21(日)関西コミティア

moko-oxygen.booth.pm

関西コミティアで新刊を売った。頒布イベントにも慣れたもので、いつものように設営をして本を売りながらぼーっとしていたら終わった。

売れ行きはぼちぼちで悪くはないが大喜びする数字ではなかった。毎回展示・広告方法に工夫はしていて、立ち止まる人が増えるなどの手応えはあったのだがそれでもめちゃくちゃ購入数が増える感じでもない。

というか同人誌販売のブースって作者の顔と本の距離が近くて立ち読みしづらいと思う。その問題があるためにコロナ禍前は見本誌コーナーが大盛況だったのだが、今はまだ整理券方式の制限された立ち読みスペースになっている。見本誌コーナーが完全に復活するまでは立ち読みをしやすいよう工夫していくしかなさそう。

 

今回初めてJR京都線に乗って大阪まで移動した。速くてびっくりした。これまでなんとなくで阪急ばかり使っていた。そういえば18きっぷで移動するとき新快速がありがたいのを思いだした。と、同時に静岡の長さが憎いのも思い出す。

5/22(月)かみなりの石

家電が進化した。テレビと洗濯機。搬入に立ち会い家具の位置調整などをしていたらヘロヘロになった。

テレビの中身がソフトウェアだらけになっていて驚く。Apple製品との音楽・映像共有もできるし、YouTubeアプリも入っているみたい。便利だとは思うものの、どうしてもこれらのソフトウェアを開発する視点に立って大変そうだなあと思ってしまう。

5/23(火)

blog.yaginome.jp

林さんがさいきん日記を書いている。日々の楽しみである。社会を小馬鹿にしたり、大げさな冗談を言うのが好み。社会をばかにしていきたい。

note.com

千葉氏の有料noteもよい記事が出ていた。実存の意味について考えられてほしい(無理だろうな)。

5/24(水)めんだこ牧場

毎日郵便ポストにマンション広告が入ってくる。買うつもりはないが、物件のスペックと値段をみて批評をして楽しんでいる。いいものは高くて掘出し物は広告されないことがわかる。

私は何十年も過ごしているうちに農業とか釣りをしたくなるかもしれないのでひとところにとどまることはできない。もしかするとマグロ漁をしたくなるかもしれない。泳げないのがネック。

5/25(木)

ウォッチしてる哲学者たちが中年期の危機について話題にしていた。登山家もphaも似たようなことを言っていた。何が起こるんだろう。怖いけど楽しみだなあ。

体力・気力が落ちる時期という説明もされる。体力ならすでにない。やばいかもしれない。

5/26(金)狙って出力してもいいのでは

妻氏のイラストも私のテキストもそうなのだが、受けを狙ったものが狙ったとおりに評価されることがある。狙った通りの結果が出るなんてつまらない。それよりも思ってもみないところが人に刺さるほうがおもしろい。趣味?として、自分の知らない自分を探したい。我々はそう考える。

と、考えていたのだが、もし狙ったものが楽に出力できるのならサービスとして狙って出していってもいいのかも、と思いなおした。そういうものを作るのは「作業」であり、製作過程はおもしろくないのだが、それを素早く出せるのならば問題ないかもしれない。

その他

  • 旧居の火災保険解約をしないといけないのだがこのままだとエターナルしてしまう。
  • そうめんを食べすぎて太ってきた気がするので控える。
  • 背中の冷え対策に綿毛布を敷いて寝ている。

『東と西の語る日本の歴史』を読んだ

bookclub.kodansha.co.jp

網野先生の初期作品。日本は古来より西と東で文化が違うよ、という事実をさまざまな証拠から説明する本。関ヶ原の合戦は東国国家が初めて西国国家を倒した事件である、という説明がおもしろかった。

文章はよいほうなのだが妙な癖が気になった。網野先生のエゴが強い時期だったのか、歴史学の風潮なのかは知らないが「〜と言わねばならない」みたいな強調が鼻につく。根拠が弱いところでこの言い回しが出てくるので自信がないところを文体でごまかしていたのかもしれない。

自分のポンコツさ分析

voguegirl.jp

山羊座は興味があるものと興味がないもの、そして、得意なことと不得意なことが本当に極端で、奇跡を起こす暴走パワーも持っている人です。自分が失敗してきた経験から他人のポンコツ性にやさしく、あなたに救われている人はたくさんいます。失敗したり、奇跡に出会ったり、あなたの人生はやっぱり特別です。

と書かれていた。そういえばけっこうポンコツなところあるよな、と思って自己分析を始める。先日も「xxってどう作ったらいいのだろう」「それ4月dd日に議論してますよ」と言われて平謝りした。私は興味がないことは一瞬で忘れてしまう。仕事なのに興味にむらがあるのはたいへんよくないのだが、どうも治る気がしない。

 

ポンコツなところを挙げてみる。

  • 同人誌販売で暗算ができない
  • 書類を書き損じたり、字が書けなくなる
  • マニュアルをよく読まずに、まあいけるやろでやってしまう
  • 圧力鍋の圧が抜けきらぬうちに蓋を開けてシチューを噴火させる
  • これで実装できそう、と思ってやってみたらバグがいっぱい

後ろ三つに共通する特徴は見積もりが甘いところだと思う。何で見積もりが甘いのかというとワーキングメモリが少ないから。頭の中で細かいところまで想像して詰めることができない。だいたいの勘定で「よしこれでいけるな」と見切りをつけてエイヤでやってしまう。勘が鋭いのでけっこううまくいくのだが、失敗すると「暴走」「ポンコツ」になる。

処世術は文字を使うこと。プログラミングは目の前にコードがあり、ワーキングメモリが揮発してもコードは消えない。動かしたら書いてあるとおりに実行される。テキストを書くのも同じ。勝手に消えない。だから書きさえすればよく考えられる。

 

では興味のなさは何なのか。興味がないというよりは、長い説明を聞いてられないところがある。途中でパケロスしまくる。簡潔でまとまりのある喋りかたじゃないと聞いていられないしがんばって聞く気にならない。興味ではなく、お喋りプロトコルの相性である。長いセンテンスを覚えられないのもワーキングメモリのなさで説明可能。

これも対処法はテキストしかない。できれば簡潔に喋る人に囲まれていたいが、人それぞれの認知様式によって得手不得手がある。相手のお喋りが冗長でも、自分でテキストにまとめ直したら深く理解することは多い。常に自分の言語に変換していかないといけないのだろう。テキストには助けられてばかりである。

cream stew volcano

各種資本の意味について自分なりに整理する

資本とは

稼ぎをもたらすものすべて。

土地

あらゆる生産に必要。農業、商業、工業、居住、その他。資本なのでお金を産む能力があり、借りるとお金を取られる。もちろん立地によって価値が変わる。

土地は動かせない。切り貼りも難しい。ある程度まとまった、決められた単位でしか売り買い、賃借ができない。

株式

会社がお金を借りる手段そのいち。株という名の会社の所有権を売ってお金をもらう。所有権に応じて会社は配当を支払う。

実は土地に似ている。会社が発行する株式の総量は土地の広さであり、会社は株式という土地の上に建っている。配当が家賃。少額から売り買いができるのが土地と違うところ。

 

株は所有権なので株主が会社に文句をつけられる。「配当をもっとよこせ」とか「やさいうまいうまいコーポレーションに改名せよ」とか。会社の対抗手段は株を買い戻すこと。株を他人に所有させているから文句をつけられる。お金に余裕ができたら土地を買い戻してしまえばよろしい。煙草会社とかはよくそうしている。

ただ、株式は公開すべき、みたいな倫理観もあるとは思う。会社は株式という土地だけでなく、社会の資源を何かしら使って維持されている。社会に対して利益を還元すべく、大きな企業は上場して分け前を配れるようにしておけ、とも主張できるだろう。もちろん法的には従う義理はないが。

債権

つまり借金。借金には複利というめちゃくちゃなシステムがある。悪魔。納得しがたいシステムなのだが、金を借りると複利にしないといけない理由は説明できる。「社会的な風潮として金を貸すと1%複利がつく」「あなたに1%で100万円貸してもいいが、単利だとほかのところに貸したほうが儲かる」という理屈。社会に複利が存在するから複利でしか貸してもらえない。

いやでももっとまともな説明はないのか。資本が資本を産むというモデルなので、「人が労働すると社会の富の総量が増える(信用創造)」ことと関係しているかもしれない。つまり人間の労働に依拠していて、社会が発展し続けることが前提になっている。だから少子化が困るのだろうな。

労働が富を産むので、人も資本である。人的資本と言う。「人財」とか言われたら吐き気を催すものだが、人は資本である。

人的資本は教育とか経験で価値が増える。わかりやすく時給や年収で数字が出てくるところはある。

いま先進国では教育コストが高くなっている。つまり人的資本の回転効率が悪くなっている。高度成長期段階だと投じた教育コストに対して労働のもたらす富が大きいのだが、社会全体がある程度教育されていると次世代で富は増えにくくなる。なのに、教育で差をつけるしかないから厳しい競争が始まり、コストが余計に高くなる。なるほど少子化するわけだ。