前回のあらすじ
- 生活の見直しがなされ、コンクリジャングルに嫌気がさす
- 新居探しを開始
- 姿勢のコツの一つは膝のクッション
9/21(土)
次の家の候補地を探す。静かさ、緑の多さを重視して地図、航空写真と睨めっこしながら通勤の便利さで絞りこんだら、だいたい場所が決まった。
実際に足を運んで観察する。緑の量、車はうるさいのか、雰囲気はどうか。
4時間ほど歩き回った結果、ここなら長く住んでも大丈夫だろう、という結論に達した。緑がモサモサしていて季節の変化が多そう。利便性も悪すぎない程度にスーパーなどがあった。
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地域の選び方、家の間取りについて、十年三箇所に住んでようやく判断ができるようになった気がする。いや、まだまだ判断力はないのだろう。これからも家に関する見識は増えるかもしれないし、こだわっていた部分がどうでも良くなるかもしれない。
家が怖いのはその環境が当たり前になること。住んでいて慣れていくと自明の前提になり、住環境が意識の裏側から影響を及ぼしていても気づけないことがある。例えば騒音とか床の色とか家から駅への景観、雰囲気なども。時間が経つと住環境も少しずつ変化する。茹でガエルになるのがいちばん怖い。もちろん今回の家選びも、やむを得ない場合には脱出できるようにいろいろな計らいをして選んでいる。
9/22(日)
内見の日。仲介業者氏と現地で落ち合い、四件ほど見てまわった。比較的新しくて省エネ云々がアピールされている部屋とやや古いが窓からの景色が抜群に良い部屋が候補。悩ましかったが後者にした。景観に文句があって引っ越すのだから妥協をしてはならない。覚悟を決めて申し込みまで進めておく。
🦀🦀🦀
もろもろ事務手続きが終わったら移動し、学生時代の馴染みの店で遅めの昼食とした。大事な判断をしたのでどっと疲れが出てくる。
9/23(月)
朝になると妻氏が「ほんとうにあの部屋でよかったのか」と不安がっていた。正直なところ住んでみないとわからない。しかし我々はちゃんと譲れない条件を定義して、現物を見て判断したのだからベストを尽くしたはずである。
不安要素があるとしたら、鍵を持ってきた別の仲介業者のおっさんが「自分は言いましたからね」と言って予防線を引くような話し方をしていたところ。あまり性格が良さそうな人じゃなかったのでそこは気になっていた。
🛻🛻🛻
午後に仲介業者の担当者氏から電話がかかってきた。
「昨日の内見のあと、別の人が内見をして申し込んだ。その人は現金で決済をしたので物件が取られた」とのこと。
めったにないことらしい。担当者氏も粘ってくれたそうだが、現金太郎には勝ち目がない。担当者氏は「我々が申し込みをしそうだったから、向こうの業者が現金太郎を急かしたのでは?と邪推してしまう事件」とも言っていた。そうかもしれない。向こうの業者のおっさん挙動不審だったし。
「同じ建物の別の部屋なら手配できそう」と言ってくれたので、その部屋でリベンジすることにした。担当者氏のコネで当日中に鍵が用意されるらしい。
🛻🛻🛻
夕方、再び物件へ。取られた部屋よりもやや広くてお値段も高い物件だが想像以上に良かった。眺望はほとんど同じだしリビングが広々としている。今度は角部屋なので側面からの採光もとれる。条件は良くなっていた。
というわけで再び申し込みへ。今回は現金太郎に抑えられぬよう資金調達も確定させておいた。これで不動産争奪バトルは終了。契約へ進むことになった。
🛻🛻🛻
風呂に入ったとき自分の汗の匂いが気になった。ストレスの蓄積と腸内環境悪化のサインだ。
妻氏も同様に汗の匂いが変わっていたそうなので大量の野菜でスープを作ることにした。九月はほんとうに大変だった。へとへとに疲れた。こういうときこそたくさん野菜を食べねばならない。
9/24(火)
なんとなく🐢を飼うことを検討する。引っ越し後に。
モルモットをもう七年も飼っているが、なかなか手間がかかる。毎日掃除しないといけないし、牧草を大量に補充しないと食べ物がなくなって文句を言われる。野菜も毎日新鮮なものが必要。高齢になった現在では一晩家を空けられないし割と困っている。そろそろ寿命が近いので次をどうするか、という問題が世話をするたびによぎる。次世代モルモットを飼うかどうかはまだ決めきれていない。
スナネズミはほとんど世話がいらない。餌を溜め込む習性があるし、掃除は週に一回やれば良い。てきとうに放置していても生きていてくれる。温度管理もそれほどシビアではない。
🐢は変温動物である。外で飼うと冬は冬眠してくれるそうだ。餌も毎日ではないしてきとうに飼育をするには実に都合が良い。その辺の用水路や川で生きている生物なので日本の気候に合うことは明らかだ。舶来ものの生物とは耐性が違う。
注意しないといけないのは大きさ。種類によっては巨大化するらしい。日本固有種のイシガメだとさほど大きくならないようなのでこいつが狙い目なのではなかろうか。
9/25(水)
これまで京都市の中心部で暮らしてきた。どの物件にも共通するのが狭さ。家賃を積んで広めの物件を選んでも、共用部が狭かったり駐輪場がなかったりする。
建物だけでなく道も狭い。狭いのに車や自転車、歩行者が行き交う。コロナ禍が明けて以降、観光客も増えていて移動のストレスが多い地域になりつつある。
十年前は何も考えずに便利だと思って選んだ地域だが、少しずつ環境が悪化してきた。生活の型ができてきて、家の近くに必要なのはスーパーとコンビニ、ドラッグストアだけだと分かった。心置きなく脱出できる。
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🐢を飼うのにその辺の川で捕まえるのはどうだろうか。法律や条例を調べたところ採っても問題ないことは確認できた。であれば手網を持ってガサガサやるだけである。ペットショップにもいるだろうけど、どうせならその辺にいるやつがいい。何なら餌も近所で捕まえるのとかどうだろうか。外来生物たちを🐢の餌食にするのだ。
9/26(木)
妻氏が誕生日にビリヤニを作ってくれと言ってきた。我が家の誕生日は消え物を送るのが習わしになっているが、ついにただの料理を要求されるようになった。いつも作っているものだが?
ビリヤニは平日に調理しかねるのでスパイス焼飯を作ってふるまった。こんなもんでいいのかしら。魚もあったのでマサラししゃもを副菜とした。なにこの献立。
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さいきん同僚たちとカメラの話をしている。フルサイズを買うならどれにするとか、このレンズ良さそうじゃん云々。
影響されて調べていたらライカが欲しくなってしまった。レンジファインダーという一眼レフとは異なる方式が魅力的。ふつうのカメラは画面=ファインダーに映っている絵がそのまま保存されるが、レンジファインダーの場合は、画面の中の四角形の領域が切り取られて保存される。まさに風景を切り取るカメラなのだ。風景ばかり撮っていてGRを愛用する私には思想が合いそうな気がした。
しかしライカは高い。かつては家が建つと言われた値段のカメラなので当然手がでない。最新のライカはレンズと本体で二百万円ほどするらしい。意味がわからない世界だ。じゃあ中古はどうなのか。調べてみたら60年前のライカM3が20万円だった。ライカは中古でもほとんど価値が下がらないらしい。
でもそのうち使ってみたい。フィルムカメラでも良いから。
9/27(金)
良い姿勢は関節をバネみたいにゆらゆらさせて頭を支える。
先日、膝を緩めることで腰と首の負荷を軽減するコツに気づいた。同様に、背中のS字カーブもバネになっていて頭の重さをいなすのに使われている。膝と背骨を全部使うと楽な姿勢が取れる。
スマホ首、猫背の問題は頭が前に突き出ていて背骨が伸び切っていること。たいてい膝も伸びてしまうと思う。足からの衝撃がそのまま首や腰に集まるので予後が悪い。私も先日腰を爆発させるまで、頭が突き出ているのに気づけなかった。猫背を(ほぼ)治して五年以上経っているが、いまだに頭が前に出がちである。
自分の姿勢を見るには写真を撮ってもらうのがいい。できるだけ油断しているときに撮ってもらうこと。
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新居(仮)の間取りを決めるのにGoogleスライドが便利だった。家具の大きさを測ってcm単位の四角形に縮小しながら配置していくとどこにものが入るかシミュレーションできる。最初はPhotoshopなどを使っていたが、こういう作業にはパワポ系が向いているようだった。
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マンションの指標に「向き」「駅徒歩(直結)」「天井高」とかいろいろキーワードがある。どの指標も客観的に決まるものなので価値を決めるのに便利なのだろう。
問題は価値と居住性、快適性がイコールではないこと。上にも書いたように、中心街は共用部や道路がしょぼくて移動で苦労する。散歩コースもコンクリジャングルで景観は悪い。人によっては灰色の空間でも気にせず快適に暮らせるかもしれないが、我々には無理だった。つまり不動産の客観的価値とは別のところで快適性が決まってくる。主観的な価値観、その人のこだわりと言っても良い。結局のところ人間が暮らしていくのだから「なんか嫌やなあ」「ここつまらんなあ」という感覚を大事にしたほうが良い。客観的価値はたしかに重要ではあるけれども、快適性を潰してまで取るものではない。どこにバランスを取るのかもその人次第ではあるけれども、我々としては金にならない部分の快適性を重視する判断となった。
妻氏はこの考えを聞いて「結婚と同じや」と言っていた。「世間で人気の人と結婚するのではなく、自分が良いと思った人と結婚すべき」というよくある話につながる。
今後も何かと「価値につながらないところへの嗅覚」が大事になってくるだろう。
間違ってはならないのは、客観的価値を捨てるのではないこと。逆張りをしたいわけではない。世間で大事にされる価値は尊重しつつ少しだけ距離を置く。世間の平均的な答えと自分の最適解の間には少なからず距離があり、その距離が何であるかを認識するために「常識」と自分のこだわりの分析を怠ってはならないのだ。
リンク集
ニホンイシガメを飼ってみよう!飼い方・特徴・飼育環境を実体験から紹介 - LIFE LIST - 好きな街・住みたい街・私の街
イシガメ飼育例。なぜかHOMESのメディアに載っている。
行きつけの川に🐢を探しに行きます
???
生物多様性の管理は府県の仕事らしい
このネタシリーズになってほしい
Q. コーヒー系Youtuberは何かとコーヒーを飲むが彼らは不眠症にならないのか?
A. 不眠症になるし高血圧にもなる
ガサガサのお勉強をします
料理が失敗するときのあの雰囲気がよく伝わる動画
翌日の動画で成功していてえらい