9/7(土)
調理用の赤外線温度計を求めてヨドバシへ。この頃凝っているコーヒー豆焙煎に使う。豆の温度や予熱したドラムの温度を計測するのに赤外線が便利なのだ。テンパリングなどにも使えるというし、料理に凝る人はだいたい持っているアイテムだとは思う。それを買うときが来た。
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ヨドバシの地下一階、スマホ売り場にはこなれてないスーツを来た新入社員らしき人たちがいる。土日は特に多く、営業研修か何かで各社から派遣されているのだと思う。もしかするとソフトバンクとかキャリアの本社から来ている人もいるかもしれない。「こういう場で他社の異性にちょっかいをかける新入社員などもいるかもしれない」とありそうなドラマについて思いを馳せた。
9/8(日)
週報を公開したら北大路らへんへ散策へ行く。緑を求めて紫明通りへ。巨大な道路の真ん中に謎の緑地があり、東から西へ向かって小さな川が流れていた。
この水は琵琶湖疏水から流れているらしい。鴨川とはサイフォンで立体交差しているのだとか。最終的に堀川まで流れているそうだ。
ゼミ生が語る「私の好きな京都」(2019年春学期) のページ
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実は最近妻氏のメンタルがやられていて、そのケアのために緑の多いところに来たという事情がある。8月中旬から少し怒りっぽくなっていて、8月末には大噴火をしていた。がんばって宥めていたら、いったん落ち着いたように見えたので草木のある静かなところで癒そうという魂胆。
ところが、ここで第二の噴火があった。たしかに自然は人を癒すのだが、同時に溜めていた悩みを噴出させる効果があるらしい。妻氏が悩みを解き放つ過程でまた私はダメージを負ったのだが、今度こそ悩みの根本問題を掘り当てることができた。
結局、部署の人間関係や組織との馬の合わなさが原因だった。「みんなバラバラに動いて互いに不信感がある」という雰囲気の部署で無能な上司に振り回され「自分一人でなんとかしなくちゃ」と思ってドツボにハマった妻氏は耐えきれなくなったのだった。
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私がまずかったのは「なんか大変そうだけどまあいいか」と油断して悩みを聞きだせていなかったこと。悩みを共有するだけで「自分一人で」から脱出できる。この部署の雰囲気、上司の態度はパワハラと呼べるほどあからさまではなかったので妻氏にとっても言語化しにくかったところがあるのだが、私に傾聴的な態度が足りなかったことは間違いない。反省し、よく話を聞くようにした。ただちゃんと話を聞くだけなのにそれが難しい。世の中にはただ話を聞いてほしい人がたくさんいるのだろうな、とも思った。
9/9(月)
『うつ病九段』を思い出す。あの本には「思考が遅くなる」とか、「緑がうつ病を治す」「うるさいところ人が多いところがダメ」などと書かれていた。
悩みが常態化すると人は感覚が鈍くなってしまうらしい。身体的な自己と精神的な自我が切り離されて離人めいた状態になる。もちろん苦しいのだが、主観的には何が問題なのか分かりにくくなる。たしかに脳の病気だ。自己を守るための病気。
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妻氏には療養をしてもらわねばならぬ、ということで静かに過ごしてもらうことにした。家事はだいたい私がやり、おいしいものを作って食べていただく。気力がなさそうなのでスナネズミのケージ清掃も代わりにやった。妻氏は自室でぼーっとMOTHER3をする。ドット絵に味があってところどころ狂っているのが魅力なのだとか。
9/10(火)
そこそこ仲の良い同僚と1on1をした。近況として噴火事件についてかいつまんで話す。
「事件をうまく解決して日常に復帰しているのが羨ましい。人間が成長するには事件が必要」というような反応をいただいた。事件が貴重な経験になるのはわかるけど、とても大変だったんですよ……。
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仕事を終えるとぐったりしていた。私も心身ともに疲れている。
家事をして焙煎をする。ストレス発散なのかもしれない。単純作業をしながらストレスを癒す生態が私にはある。コーヒー生豆をハンドピックして虫食いカビ豆を除去し、焙煎機をカセットコンロで予熱してあとはぐるぐる回すだけ。先日買った赤外線温度計で温度を確認しながら焙煎を進めた。しかし結果は18分くらいの仕上がり。前よりは短くなっているが、目標は12分くらいである。火力が足りない。今のコンロだと限界があることがわかったので、イワタニの最強カセットコンロを注文した。
9/11(水)
身体が重くて起きるのも億劫な体調。しかし妻氏のサポートをせねば、と思って朝の支度をする。弁当と朝食を並行して作る作業。
「なんか不安感があるなあ」と思いながら通勤していたら気づいた。私も妻氏と同じように「自分一人でなんとかしなくちゃ」と思っていたらしい。家事とか生活の運営、ひいては業務を。私の業務もいまやや忙しいタイミングで、日中問い合わせがポツポツ来る状況だった。
問題に気づいたらあとは簡単。「自分一人で」がダメなので仲間を作ればよい。抱え込むのをやめて業務の問題はチームメンバーと共有し、生活の運営は妻氏と協力することにした。我が家の戦力は低下している状態なので、生活のサービスレベルは落とす。家が散らかってもしょうがないものとして運営していくのだ。
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「自分一人でなんとかしよう」となってしまう人は多い。真面目で責任感のある人ほど溜め込んでしまう。大事なのはチームを作ること。家庭も仕事も「問題🆚我々」の構図にするべきなのだ。
厄介なのはチームで問題を共有するのに言語化が必要なこと。今回妻氏は部署の雰囲気の悪さを言語化するのに半年以上かかっている。「パワハラ」みたいな分かりやすい言葉が適用できる状況ならいいのだが、そうではない場合は特に難しい。だからせめて話をただ聞く人がいることが大事なのだろう。
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不足していると噂のお米を購入。ヨドバシの在庫に新米が出てきていた。
お値段は5kgで4200円くらい。たっかい。
ある同僚は実家から米がもらえるらしい。そういえば実家で米を作っている人って珍しくなくて、けっこう聞く話である。稲作してる人が多くて日本はすごい国だと思った。
9/12(木)
まだ心身の不調さはあったがゆっくり仕事をしていたら良くなってきた。
午後に上司と1on1をすると「たくさん休んでください」と労われる。また「他人事じゃない」という反応も。みんな大変だし、家族の悩みを聞くのは大事なことなのである。
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「ちゃんと話を聞く」をやっていたら、妻氏からの「上司のKさんがこんなこと言っててな」というLINEメッセージを一瞬で理解できるようになっていた。ハイコンテキストな話ができるようになったのである。これが我が家に足りなかったもの。
他の人間関係も同じで、文脈の共有がいちばん難しい。故郷の同期と疎遠になっていくのも、共有された文脈が減っていくから。もし「ちゃんと話を聞く」能力の高い友人であれば、数時間喋るだけですぐにハイコンテキストな話ができるようになるかもしれないが、この能力はそう簡単に身に付くものではないのだ。
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妻氏と私に共通するのが「人を信じすぎる」という弱点である。信じすぎない人は、上司や同僚がひどい態度をとってきたらすぐに「切って」相手を「人間扱い枠」から外してしまう。「なんか言うとるわ」枠とか「ワンちゃん」の枠に入る。自分を守るためには一定こういう思考様式が必要で、態度がひどい人を信じ続けてはいけない。その点では私の社会勉強というか、多様な人間と接する経験が足りないのかもしれない。そんな経験積まんで済むなら良いのはそうなのだが。
9/13(金)
有給にして家で休む。のんびり焙煎やコーヒー屋のブログを読んで過ごしていたら、昼過ぎに腰がピキッと痛みはじめてしまった。う、動けない。
そんなに変な姿勢を取り続けた自覚はない。心当たりはストレスだけ。ほなストレスで腰痛になるんか?
なるようだった。ストレス→筋肉のこわばり→腰痛というメカニズム。たしかに緊張すると筋肉がガチガチになる。私の場合は冷え性もひどくなる。
対策はお灸。背中にお灸をしてもらって腰から首にかけての筋肉を全体的にほぐした。これで一応動けるように。あとはもうストレッチをして暖かくするしかないのである。
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今日焙煎したのはベトナムのロブスタ種というコーヒー豆。ちょっといいコーヒー豆はだいたいアラビカ種が使われていて、缶コーヒーなどにはロブスタ種が混ぜられている。ロブスタ種は低地でも作れるので安価なのだ。今は高いけど。
味は麦茶。焙煎してカッピングしたら噂通り麦茶の味がした。苦くてボディ感のある味。単体で飲むとそんなにおいしくない。
じゃあなんでそんなものを自家焙煎するのか。エスプレッソに必須だから。伝統的なイタリアンエスプレッソにはロブスタ種が含まれていなければならない。ロブスタ種の豆が入っていることで、エスプレッソは濃厚になり油分が増え、味が良くなる。
と、言われていることだけ知っていて本物のエスプレッソを飲んでなかったので実験をしてみた。ベトナムロブスタ5gに対してパプアニューギニアのAAの豆を11gくらい。これを微粉にして抽出してみた。するとかつてない美味なエスプレッソが……。表現が難しいのだが目が覚めて鳥肌が立つような味だった。エスプレッソはコーヒーの大トロだと思う。
休みの日には、お家で新しい体験を積むのが私の療養なのかもしれない。主に料理に偏っているが、変な経験を増やして言語に変換していきたい。当分はコーヒーだと思う。
リンク集
クッキークリッカー大好きです。
食品グレードの3Dプリンティングができるそうな。
メンテしました。
工場動画ばかり見ている。