しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報 2023/07/30 足上げ冷え性対策、脂質カット、王子様の不在

7/22(土)パッケージングの技術、ガスパチョ

この頃土曜日は疲れ気味。平日に働きすぎているのだと思う。
休もうにも妙に大事な会議が入っていてどこにも隙がない。労働者としては仕事の内容を無視して勝手に休めばいいのだが、弊社の属人性は高いので難しい。どうしても気にしてしまう。なかなか隙がないので、凪が見えたら「ここや!」と有給をねじ込み無理やり休むくらいがよさそう。

起きたらなぜか食欲が高く、朝からカップ麺を食べようとした。ストレスだからいいんじゃないの?とも思ったがやめた。一日ダメそうだったので昼寝やお灸をして回復をはかる。

 

千葉雅也と坂口恭平twitter(X)スペースを聞く。千葉氏が芥川賞に落選し「どうやって書くか」について悩んでいるという話題。しかし坂口氏はめちゃくちゃな人間なのであまり参考にならなさそうだった。千葉氏と精神構造が違いすぎる。

個人的に気になったのは「パッケージング」の話題。本質は「人とか商品がたくさんある中で、どうやって自分の商品を突出させるか」。千葉氏としては「高級感」を出すことが大事で坂口氏としては「人を驚かせる」「いたずら心」が大事だそうな。どうやって「存在感」を出すか?という問いは共通しているが二人のアプローチはぜんぜん違う。

「パッケージング」の問題意識があまりに参考になり、弊ブログのタイトルが変わるに至った。また妻氏主催の同人誌にもよい影響がありそう。

 

深夜、コンビニから帰ってきたらエントランスで立派なコクローチニャンを見かけた。でかかった。

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昼にガスパチョを作った。トマト、ニンニク、ズッキーニ、玉ねぎなどをブレンダーで粉砕した料理。スペインで夏に食べられる料理である。
生野菜料理なので苦手かと思いつつ作ったが意外とおいしかった。でも、キュウリやズッキーニはなくてもいいや。ハーブとネギ類、トマトだけでよろしい。青臭さはできるだけなくしたい。

できたガスパチョはパスタにかけて食べた。冷製トマトソースみたいなものなので当然調和する。これをそうめんにかけて食べる人もいるらしい。夏らしくてよろしい。

 

作ってみてわかったのは冷やし中華ガスパチョが似ていること。酸っぱくて夏の生野菜を食べるもの。暑さ対策はどこでも同じらしい。

意外とうまい

7/23(日)台所に棲む、冷凍紅茶

暑いので朝のうちにスーパーへ行く。鉾(山)が立っているせいで道が迷路になっており、行き止まりに向けて迷い込むタクシーを見かけた。この時期の道は地元民にしか攻略できない。
朝のスーパーは品揃えがよかった。すべての棚が輝いて見えた。魚も野菜もおいしそう。果物は今、桃が旬だという。剥き方を知らないのでいつもの葡萄を買った。好物のデラウェアも売られていたが、4房で1000円だった。そんなに食べられない。

 

イーブイ」を作りながら台所で読書をした。ときどき鍋の様子を見つつ、台所で本を読むのが性に合うようだった。

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千葉氏の『エレクトリック』を読む。芥川賞三島賞にノミネートされておきながら落とされるという不遇な小説である。どうしてそんなに微妙な立ち位置なのかが気になっていた。

読んでいて引っかかったのはアファンタジアにはたいへん読みにくいこと。妻氏に読ませてみてもそういう評価だった。妙に風景描写が多いのだ。千葉氏は本当にそういうふうに世界を観察して記憶しているのかもしれないが、その繊細さをテキストで表現されてもイメージ能力が乏しいものにはついていけない。

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冷凍紅茶みたいな名前のお茶(凍頂烏龍茶)を認識した。先日の中華ランチでおいしいと思ったお茶がこれだったらしい。妻氏は台湾観光の経験から知っていた。近頃よく名前を聞くとは思っていたが、味の認識ができていなかった。
たしかにおいしいお茶だと思う。夏に合うというか、日本茶に飽きた人によいというか。

日本のお茶ってなんだか重いのだよな。茶葉の味がそのままだから。微発酵のほうが複雑でおいしいのは当たり前か。

7/24(月)足上げ冷え性対策

冷えで体調が悪かった。会議だけこなして16時に退勤してしまう。
幸い鍼の日だった。身体を観察してもらったところ「ストレスと冷え」を指摘される。心当たりしかなかった。

 

私の冷えは「頭に血が集まりすぎる」のが原因らしい。現代人は考えごとや仕事でいつも頭に血が集まっている。頭は加熱されっぱなし。頭に熱が溜まり、さらに下から熱が上ってくると首や肩、喉が熱でやられるそうだ。これが首筋の凝りや喉の違和感につながる。

逆に足は冷える。熱が上のほうにとられるから。このような熱の偏りが冷えであり、現代人の持病である。

対策はシンプルで、足を暖めたらよい。伝統的に言われる「頭寒足熱」とはまさにこのこと。頭がアツアツの状態で休めるわけがない。

 

具体的な対策は「足を上げて座る」「横になる」「半身浴」「足湯」「足三里へのお灸」。「足を上げて座る」のにニーチェアはおすすめである。ハンモックとかでもよさそう。
なぜ「足を上げて座る」といいのかというと、心臓が楽をできるからだと思う。立って(座って)いると、心臓は重力に逆らって血を吸い上げないといけない。横になっていると重力を無視して効率的に血を行き渡らせられる。

私は身長の割に心臓が弱く、いつも血の吸い上げには苦労している。血圧はいつ測っても110/70を切っている。
心臓が強い人にこういう苦労はないのだと思う。いつも元気潑剌としており声の大きいような人は心臓が強いのだろう。彼らは冷えに苦労しないしいつも元気で体力もある。ただし、高血圧で死にやすいのではないか。この辺はトレードオフなのでどっちがいいとかではない。

挿絵: 夏の京都

7/25(火)頭寒足熱、心身のズレ、エレクトリック

これまで足を出して寝ていたのだが間違いらしい。明らかに「頭寒足熱」に違反している。

なんでこうしていたのかというと「寝るときは深部体温を下げるために手足から熱を放出する」という事実を睡眠本から学んだから。たしかにそういう事実はあるし、寝入るまでは手足を冷やしたほうがいいのだが、本格的に寝るときは足を冷やさないほうがよい。
妻氏は経験的にそれを知っていて「当たり前じゃん」とのことだった。

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家に帰ってきて仕事の続き*1をしようとしたら身体が動かなかった。
会社にいるときは「ウオ〜〜〜」と仕事ができてたのに、家に帰った途端にふにゃふにゃになっている。たぶんオフィスだと一定の緊張感があるので若干の無理をして仕事ができていたのだと思う。
家に帰ると身体は勝手にリラックスモードになり、無理をしなくなる。そこへ精神が「続きやるぞ!!!」と言って無理やり動かそうとしたからダメになったのだ。

ということを認識したらゆるゆる仕事ができるようになった。
これが酷くなったバージョンが鬱なのだと思う。心身のズレの恐ろしさを学んだ。

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『エレクトリック』を読み終わった。千葉氏の高校生のころ、実家の体験、同性愛の目覚め、ヒステリックな母、不安定な父の事業、などの生活が描かれている。全体的に不穏。
おっさんたちが「インターネットですべてが変わる!」と連呼してるのは、本当にそう言っていたのだろうな。その結果として、地方都市のDTP業者(千葉の父の事業)は滅びるわけだが。

www.shinchosha.co.jp

7/26 (水)ぜんぶ書く、脂質カット

同僚から「ふわねこさんは難しいことを言いすぎ」問題を指摘される。n回目mヶ月ぶり。わかってはいるのだが、他人にどう伝えたらよく伝わるのかがわからない。多少テキストの量が増えてもいいから、思ったことを全部投げつければよいのだろうか。テキストの量が多いと読むのが大変だから、という理由で業務での長文は書かないのだが、諦めて読者に負担を強いたほうがいいのかもしれない。複雑であろうと考えてしまったものは伝える必要がある。

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我が家で「減量するぞ」ムーブメントが発生。このごろ妻氏も私も体重が微増傾向である。まだ問題ない範囲だが、増えないうちに手を打つのがよろしい。
方法は脂質削減。自炊で使う肉を脂質の少ないものにする。その他の炭水化物、野菜などはいつも通り食べる。ただし魚は好きなだけ食べる。魚油は人体に必須だし脂質の鎖が短いので代謝しやすい。
我が家は昼も夜も味噌汁である。弁当も一汁一菜になっている。メニューは変えずに肉を変えれば済むので簡単だ。

 

経験的にこの方法がいちばん効くのを知っている。コロナ禍で太って食生活を変えたときも、脂質カットがいちばん効いた。
なぜなら脂質はgあたりのカロリーが多く、脳のエネルギーになりにくいから。
それに現代社会では何を買っても脂質がたくさん入っている。自炊で脂質をカットしても食生活のなかで勝手に入ってくるものなので、あえて自分で摂る必要がない。

7/27 (木)王子様の不在、納涼記事

妻氏との会話で「ダメな男を捕まえ続けてしまう女性の悲哀」が話題になる。妻氏は安野モヨコ岡崎京子内田春菊の漫画をよく読む。これらの漫画ではバブル期以降の「王子様を探し続ける女性」の悲劇が描かれているそうだ。

でも「王子様」はいないのである。「何か」を与えてくれる人は現れない。
結局のところ、自分自身が「王子様」になって自分自身に「何か」を与えるしかない、という。願いを叶えてくれる他者は存在しない。

ここまで一般化するとジェンダーと関係がない原則になる。一人で生まれてきて一人で死ぬ、みたいな話。

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昼の暑さで思ったことをもとに納涼記事を書いた。

non117.com

熱電変換の機材が安くなると、無料の電気を求めて熱を奪いまくる輩が現れる。政府が規制しても無駄だ。闇ルートで機材を手に入れてしまう。こうして鴨川にペンギンが跋扈する。

7/28 (金)脳をみる脳

社交ダンスの先生に「おっさんには身体がない」と言ったら通じた。我が家独自の用語でこの言葉の意味がわかる人は少ない。この先生はすごいな、と思った。

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養老孟司の『唯脳論』に「脳は脳をみている」という主張が書かれていた。意識とは脳の二階である、という話。

まず脳に一階がある。脳の一階には全身の神経がマッピングされた脳領野がある。例えば🐭ちゃんであれば、ひげの付け根の神経の並びがそのまま🐭ブレインにマッピングされている。神経が格子状になっているならば🐭プレインにも格子状の並びが存在する。このように、脳にはそのまま全身の神経と対応する「写し絵」が存在する。有名なのはペンフィールドの脳地図だろう。こんな気持ち悪いやつ。

ワイルダー・グレイヴス・ペンフィールド - 脳科学辞典

脳の二階とは「脳の一階をマッピングした脳領野」のことである。一階の、身体の「写し絵」の「写し絵」。養老孟司によると、ヒトの脳は発達しすぎて場所が余っているから「二階」が発生したのではないか、とのこと。

言語は脳の二階でみられる「写し絵」をそのまま記号化したものである。その人にとって身体がどう現れているか、身体の情報をもとにどんな処理をしたか、が記号として出てくる。だから言葉の意味は人によって微妙に異なるのだろう。

二階の「写し絵」つまり意識をそのまま記号にすると、文字を読むことで二階の情報を一階に入れることができる。つまりもともとの脳に対する「三階」が作られる。同様に文字を介すると無限に高層化ができてしまう。これが人類の智慧の源泉であろう。

 

この仮説が正しいかどうかは知らない*2。おそらく養老孟司もこの手の仮説に強く拘らない。私も同様に「いろいろ説明できておもしろいね」と言ってよりよい仮説が出てきたら乗り換えてこの仮説は捨てる。

www.chikumashobo.co.jp

*1:出社したあと在宅勤務する制度がある

*2:脳をみる脳領野、高次脳機能が存在するのは事実