『作家の仕事部屋』を読んだ
フランスの小説家に「どうやって、どこで、どんな環境で書いているのか」「書く前の儀式みたいなものはあるのか」とインタビューする本。20人くらいインタビューされていて、みんな方法がバラバラでおもしろかったので私も書いてみる。
書き方
私の書きものはアウトライナーへのメモ書きから始まる。あらゆる思いつき、観察の記録はアウトラインに記録されている。スマホのない時代であれば手帳を使っていたのかもしれない。散歩をしていて思いついたらサッと走り書きをする。文章として完全でなくてもよい。
こうやって一日中メモ書きをしたら夜に編集と清書をする。メモ書きを別のエディタにコピペし、絵文字で段落を区切りながら清書をする。これが日記になる。日記はごく少数の友人に公開しており、ある程度ちゃんとした文章を目指して書いている。文字数は二千文字から五千文字くらい。
さいきんは日記を書いたあとに週報用の下書きも作っている。日記から一日のまとめと、週報に載せられる話を抜粋する。日記と週報では読者層が異なるので、週報向けのテキストはいちから書き起こしている。読者が違うと自明にしてよい知識が違うので、書き方から変わってくるのである。
短く書きたい
さいきんの悩みは週報が長いことである。毎回五千文字を超えている。文章のリズムと語彙レベルによって読むスピードは変わるので一概に何文字がいいとかは言えないのだが、一般的にはウェブ媒体は三千文字が上限だと言われている。たまにnoteとかで「一万文字かけて解説!」という記事があるが読者に負荷がかかるのでやめたほうがいい。短くまとまるならそれがいちばんなのだ。そう言いつつ私は毎週五千文字書いているので批判する資格はないのだが。
短くするために、週報ではなく公開用日記に分割するプランもあった。しかし、平日の私は頭がぱーになっている日があり、そういう日の日記には多くの混乱が見られる。混乱も含めて近況共有になるのかもしれないが、私は混乱したものを世にお出ししたくはない。よって、平日にちゃんとした推敲をするのは不可能で、土日に混乱を減じたものを書かざるを得ないのである。
あるいは単に話題を減らせればいいのかもしれないが、毎日何かしら思ったり思いついたりするもので、それを残したいという欲がある限りトピックの数を減らすのは難しい。短い文章を目指しても、トピックが多いと膨れてしまうものなのだ。
作業環境
アウトラインはスマホ、タブレット、PCといろいろなデバイスから書いている。さいきんはスマホでメモすることが多い。
清書はiPhoneを大きな画面に映して、Bluetoothのキーボードを使って書く。いろいろと環境には悩み、一時期は手書きにまで行ったのだが、今のところいちばんうまく書けるのがiPhoneである。キーボードであることは必須ではなく、別にフリックでもいい。よくわからないのだが、画面が狭ければ狭いほど集中して文章が書けるのである。PCだと気が散ってダメ。
あと周りに音があるのもダメ。聞いていると書けないし、書いていると聞けない。
この方法の一般性
- 毎日書くこと
- 寝かせて清書をすること
あたりまでは一般性がある方法だと思う。何を使ってどこで、どんなエディタで書くのか、については人によって異なるものだろう。各位が模索するところである。
まとめ
- 一日中メモを書いて、それをiPhoneで清書している
- 一日の終わりに清書をして寝かせる
- 頭がまともなときに推敲をして公開する
- 文章は短くて密度が高いことが重要
- 作業環境は各自で模索せよ