近況
春
一瞬暖かくなったのに油断して布団を薄くしたら夜中に冷えて体調が終わってしまった。春はこわい。安易に布団を薄くすると冷えて死ぬので、気候が安定するまでは厚着、重厚布団に倒しておくのが良いのだと思う。
冷えは漢方(中国医学)でも万病のもととされている。冷えが極まった状態が死なのだ。身体は冷やしてはいけない。
モルモット
我が家のモルモットの体重が減って心配したのだが、ケージに入れていたヒーターを取り去ったらV字回復し始めた。暑かったのかもしれない。本人(本モル)には悪いことをした。彼らは汗腺なんて高級なものがないので、温度変化への対処が大変そうである。
アイコン変えた
妻氏にtwitterコミュニティのヘッダー画像を描いてもらった。こんなやつ。
後日、妻氏はこの画像を気に入り、自分で四角く切り抜いていた。四角くて顔のアップになっているので、アイコンかなと思ってSlackのアイコンに設定したらおもしろかった。妻氏はアイコンのつもりではなく、ただ気に入って切り抜いたそうだが、意図せずアイコンになってしまった。
アイコンとして視認性が良く、バカっぽくておもしろい絵なので、各種サービスのアイコンを差し替えることにした。古いアイコンが2018年の2月に描かれたものなので、4年ぶりの更新となる。
比べてみると、アイコンがそうとうおばかになっているのがわかる。
仕事
ちょっと忙しくなってきた。メイン担当のプロジェクトでは主エンジンとして実装をしているのだが、さらに重めの調査タスクも担当することになった。幸い、大事な実装が終わって山場を超えたところだったので良かったのだが、まだまだたくさん実装すべきものがあるのは変わらない。
ソフトウェア開発は物量との勝負になるところがあり、GoogleやAWSでも、優秀な人材を物量勝負の実装に投じていると聞く。微妙なコードを書く人を投じると、負債がもりもり増えていくのでGAFAの判断は正しい。しかし、Googlerにとってはつまらない仕事に感じるところもあるだろう。実際に、そういう理由で辞めた退職エントリを読んだことはある。
私の場合は労働のモチベーションが暇つぶしなので、やることが(たくさん)あるのは喜ばしい。人間関係も問題なく、やるだけの実装タスクも嫌いではない。
ただ、気分的に休みにくくなっているのは問題だ。忙しくなると自分がボトルネックに感じられるので、まわりは気にしないとはいえ休みづらくなる。締切りが迫っているわけでもないし、誰かの仕事を止めているわけでもない。ふつうに休めるのだが、なんとなく働いてしまうのだ。
たぶん在宅勤務であることも休みにくくしている。多少の体調不良なら働けてしまうから。とはいえ週5出勤には戻りたくない。できれば2:3にできないかなあと思って経営層の動向を見守っている。
読書
読んだ
このところアウトライン・プロセッシング関連の本を読んでいる。
WorkFlowyを使い始めて一週間経ったが、すでに生活の一部になっている。Proトライアル期間が終わるので課金するつもりだ。
こういったライティング・文章生産ツールの本はたくさん出ているので、買いあさって読んでいる次第である。
メイキング・オブ・勉強の哲学
千葉雅也氏のWorkFlowyのスクリーンショットが見られてたいへん参考になった。アウトライナーでは、長文を書いても良いようである。
とりあえず書き散らかしておいて、ログとしてとっておく。あとから見返せるようにしておけばよい、という考え方もよかった。
雑記
土井善晴氏の観察から出てきた大阪文化の分析
変な献立の最終回
インターネットでおかずのクッキング最終回が話題になっていた。私も妻氏も土井善晴ファンらしきものなのでTVerで観ることになった。
最終回は一汁一菜がテーマだった。献立は一番出汁を使った筍の吸い物と、セリ菜ごはん、そしてだし巻き卵。最終回というハレの日なので純和食の一汁一菜なのだが、だし巻き卵が浮いている。
吸い物と菜飯だけなら料亭ででてきそうな献立だが、そこにだし巻き卵を投入するのが土井善晴氏らしい。だし巻き卵はハレのものというよりは、日常的な家庭料理である。しかも油をそれなりに使う*1。おかずのクッキングは家庭料理の番組なので、純和食のハレ料理ではなく、家庭料理の主役?であるだし巻き卵を入れたのだろう。あと、土井善晴氏が卵好きなのもあるし*2、卵を巻いていくパフォーマンスがおもしろいという事情もあるだろう。
真顔で料理する土井善晴氏
どこか変な献立ではあるが、いつも通り料理をして番組が終わった。土井善晴氏は最後のあいさつで「父の土井勝から番組を引き継いだ当初は、カメラに向かって微笑みかけるなんてできなかったが、今はできるようになった」みたいなことを言っていた。
昔の土井善晴氏はテレビでも態度がきつい料理人だったと聞く。たしかに今は丸くなっているのだろう。
だが、真顔で料理をする土井善晴氏はまだ見られる。彼の公式動画アプリがあり、そこでは素に近い(近そうな)土井善晴氏がいる。アプリの動画では、カメラに向かってニコリと微笑みかけることはないし、どこかテンションも低い。淡々と料理をこなしてポイントを説明して、たまに冗談を言う、そんな姿なのだ。
どこか突き放したような態度
土井善晴氏はときおり厳しいことを言う。「すぐにはできるようにならんので練習してください」「私はこれくらい油を入れますが、あなたたちは自分で判断してください」などなど。
このような態度は、視聴者の自由を尊重しているとも言えるし、悪い見方をすれば突き放しているとも言える。
練習しないと上手にならないのは事実だし、判断は自分ですべきなのも正しい。だが、テレビに出るような料理人としては、視聴者を甘やかす方向性もあるはずだ。本当は正しくなくても、断言をすることで安心させることができる。言い切ってほしい人も世の中には多いので、甘やかす態度での商売も成り立つはずなのだ。
だが、土井善晴氏はそれをしない。甘言を使わずに事実を冷淡に突きつける。視聴者に擦り寄らずに、距離をとって正しいことを言う。
家庭料理に料理の先生は入り込めない。だから、土井善晴氏はちゃんと線引きをして突き放すように言うのだと思う。日本的価値観において、「家」は世間から隔絶された空間なのもあるし、先生が家にあがって料理をするわけにもいかない現実もある。家庭料理は、生活者各自が実践するしかないのだ。先生が言えるのは、一般的な原則だけである。具体的なことはすべて各自の手に委ねられており、各自が経験を積んで身につけるほかない技術もある。だから「自分で決めてください」というのは正しく、誠実な態度ではあるのだ。
大阪人の距離感と真面目さ
土井善晴氏は気さくな態度もとる。なのに、厳しいことも言う。家庭料理の本質は各自の実践にあるとはいえ、土井先生の優しさと厳しさの同居は独特で、他の(有名な)料理人には見られない態度にみえる。
大阪出身の妻氏によると、これは大阪人らしい態度だという。大阪人には、親しくなるための雑談モードと、シビアでクールな態度をとる真面目モードがあるらしい。雑談モードでは「おもろさ」が大事にされ、真面目モードでは「しょうもないことを言わない」が大事にされるらしい*3。楽しげにボケ・ツッコミをするのは雑談モードであって、真面目な文脈で雑談モードなふるまいをすると場が白ける。どちらの場なのか察知して適切な態度をとる習性が彼らには備わっているのだ。
また、土井先生の「好きにしはったらよろしいわ」という突き放しも大阪で言うところの「あいつはそういうやつやからさ〜」や「ええんちゃう知らんけど」に通じる態度に似てるらしい。大阪では、公園や電車で知らない人に話しかけるような親しさがありつつも、距離感には常に気をつかっていると言う。
つまり土井先生は料理で大事な話をするときに真面目モードになり、シビアさを醸し出してしまうが、しかし、気さくな雑談モードも持ち合わせているので、どこか親しみやすい印象もあるのだ。
ちなみに、アプリの動画を観ていると、土井先生は油をたくさん入れがちなことがわかる。油はおいしいですからね、と言って油を追加し、バターはこれくらいが適量ですが私はもっと入れますわ、と言ってもう一欠片入れる。主婦層の視聴者が多いからなのか、健康に気をつかって適量は示すのだが、土井先生自身は油ドバドバ太郎なのである。
土井先生の腹は少し出ている。