しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報 2023/04/23 昆布は何に入れてもいい、『自律神経の科学』を読んだ、情報を買うプロトコルができてほしい

4/15(土)

妻氏が実家のITサポートに出かけたと思ったら夜に帰ってきた。京都駅伊勢丹で済むはずが心斎橋まで行ってきたらしい。大変だ。義母は仕事でiPadを使うのでその日のうちに交換しないといけなくなったそうな。

冷凍庫の中身を空にするべく普段は食べない料理を作った。

オーブンの焼き時間てむずかしい

こんな料理。特に名前はない。野菜と鶏肉を耐熱皿に並べチーズをのせて焼いただけである。このチーズが余り物だった。私は牛乳の臭いが得意ではなくて普段チーズは食べないのだが、パン自作の余技としてまれにピザなどを焼く。乳臭さが嫌いでもピザにはチーズが乗ってなければならない。冷凍庫を漁ると歴史が出てくるものである。

4/16(日)昆布は何に入れてもいい

片付けの疲れを癒すためにラム肉を食べることにした。タイ米と人参とラム肉を香辛料と塩で味付けした料理を作る。おそらくプロフに近いものなのだが、自己流で作っているため別物になっている気がする。

今回はタイ米を茹でるときに昆布を入れてみた。京都のインディアゲートというビリヤニ屋さんは鯛出汁でビリヤニを炊く。ここのビリヤニがなかなかうまいので、真似をして昆布で旨味の基礎を作ってみたというわけだ。

湯取り法 with 昆布

これが思いのほかうまくいった。これまでプロフもどきを作っては旨味不足で困っていたのだが、昆布を入れるだけで味がよくなった。昆布の旨味はグルタミン酸である。イノシン酸は肉に含まれていて、この時しめじも入れていたのでグアニル酸も入っていただろう。つまり旨味をコンプリートしていた。うまいわけである。

我が家では昆布を細かくちぎって使う。普通ははがきサイズの昆布をそのまま煮て、出汁がらになったものを捨てたり佃煮にしたりする。以前は昆布を溜めて定期的に佃煮を作っていたのだが、たいへんめんどくさい。いつしかその場でちぎった昆布で出汁をとり、そのまま昆布を食べるようになった。味噌汁もこのやり方で旨味をブーストしている。市販の昆布でも細かく切られたものはあるが、乾燥した昆布は手で簡単に割れるので普通の昆布をちぎればよい。ちぎる大きさはだいたい2cmくらいである。

4/17(月)

退勤したところで鍵を家に忘れていることに気づいた。なくしたのではなく持ってきていない。鞄に入れた記憶がないからだ。すぐに妻氏に連絡したら退勤してくれると言う。まだ返したいメールがあったそうだが私が家に入れないのでわざわざ退勤してくれた。

それでも私のほうが早くてタイミングが合わないので、普段と違うルートで帰宅してみた。私は(座れる限りは)市バスに乗るのが好きで、時間に余裕がある時はできるだけ市バスに乗るようにしている。

お気に入りは3系統である。左京区に住んでいた頃によく使っていた。3系統は北白川から桂までを結ぶ非常に長いルートなので、四条通りの混雑の影響を受けてよく遅れる。遅れを取り戻すために、運転手は河原町通りをすごい勢いで飛ばす。そんな荒々しい運転を気に入っている。

4/18(火)

荷物がたくさん届いた。新居で使うディスプレイやアームなど。家が少し広くなるので妻氏の漫画作業環境を改善するのだ。ふつうは引っ越しが落ち着いてから買うものだが、我々は5月末に新刊の締め切りを控えている。進捗はあまり良くない。なんでそんな時期に引っ越しをしているんだという話はあるが、天から機会が降ってきたのだから仕方がない。妻氏の漫画作業をできるだけ止めぬよう秘書?編集?ごっこをしている。

www.youtube.com

ミッドナイト念仏のYouTube配信を聴きながら夕食を食べた。知恩院で毎年4月18日に行われる奇祭である。一晩中南無阿弥陀仏をしつつ木魚を叩く。ボンボンボンボンボン。最後に参加したのは2013年。もう10年前だ。今年も木魚を叩きに行けなかったが、そのうち行きたい。

ぽくぽくぽく

4/19(水)

朝、モルモットの好物のビタミンC錠剤を与えたら、モルモット氏は間違えてビオフェルミンを食べた。なんかおかしいな?という顔をしていたが、そのままビタミンC錠剤も食べて満足される。

なんでビオフェルミンがあったのかというと、モルモットのお腹の調子が微妙だったから。そんなもんあげていいの?と言われそうだが、ビオフェルミンはただの乳酸菌なので大丈夫である。インターネットのモルモット飼い主の情報、獣医のブログなどを読んで問題ないことがわかっている。中にはガスピタンを与えている人もいた。これも乳酸菌とシンプルな構造の消泡剤が入っているだけである。

ただ、モルモットはあまり薬を食べてくれない。自発的に食べてくれることもあるが、気まぐれである。捕まえて無理やり食べさせる方法もあるが非常手段。今回は餌皿に入れて食べる食べないは任せていた。

次の日同じ方法で錠剤を食べさせられないか試したが、かしこいモルモット氏は間違えずにビタミンC錠剤だけ食べたのだった。

4/20(木)

疲れてちょっとダウンする。お灸が救ってくれた。

というか気候がおかしい。急に湿度60%気温25℃になっている。寒暖差が激しすぎてもうダメです。

引っ越し前最後の自炊の日。いつもの焼き魚の代わりにオムレツを作ったら妻氏が狂喜乱舞した。そんな喜ばんでも……。

4/21(金)

同僚と片付けの話をした。プログラマはなぜか片付けが得意な人が多い。おそらく情報の構造化と物のカテゴライズと収納が同じような頭の使い方をするのだろう。

『自律神経の科学』を読んだ

自律神経には大変興味がある。健康オタクの義務?として読んだ。

内容はまっとに自律神経の基礎知識。自律神経とはどういうものでどんな風に繋がっているのかを説明したあと、交感神経や副交感神経と身体の関係を説明する。ただ、まだ分かっていないことも多く、これを読んだからと言って、たちどころに自律神経をうまく調整できるようになるわけではない。結局のところ食事と睡眠と運動とリラックスする時間に気をつける必要はある。

個人的に興味があったのは鍼の原理を説明している箇所だった。なんと1960年くらいに、皮膚への刺激が内臓に作用することが実験で確かめられている。皮膚に圧力を加えたりさすったりするだけで内臓の動きが変わるのだ。鍼は皮膚への刺激を一点に集めたものである。刺激と内臓反応の関係を集めた経験知が鍼灸の歴史であるようだ。

これまで鍼灸を人に勧めようにも原理が説明できないので憚られるところがあった。しかし、科学的な説明が存在することを知り、とりあえずこの本を読めばいいよ、と言えるようになった。二千年続いてきた医療技術に何もないわけがないのだ。

音声入力ブームふたたび

千葉雅也氏が音声入力の便利さについて語っていた。私も年に何度か音声入力にはまって日記を音声入力で書くことがある。また、週報の清書やロジックの整理をするのに手書きを使うこともある。千葉氏の主張によると音声入力は手書きを代替する技術らしい。確かにそうかもしれないなと思って再び音声入力ブームが訪れた。VoiceInというChrome拡張を使って任意の場所で音声入力をしている。

なんで手書きや音声入力が大事なのか。これはまだ明瞭に説明はできないのだが、画面に向かってテキストをタイプしている時と紙に向かって文字を書いている時では、頭の使い方が微妙に違うのだ。コンピューターに向かっていない時のほうが自然なテキストが書ける。自然なテキストというのは論理の飛躍やリズムの不自然さがないテキストのこと。タイピングでも最終的には自然なテキストにできるのだが、手書きや音声入力を使った方が効率がよい。手書きは文字起こしをする必要があるので、音声入力が最も効率的というわけだ。

ただ、家族が近くにいる時に音声入力をするのはちょっと恥ずかしい。なるべく人がいないタイミングを狙って喋るようにしている。

情報を買うプロトコルができてほしい

RSSリーダーの購読情報を整理していたとき、情報に金を払うプロトコルがあると便利ではないかと思った。

今のインターネットではあちこちにペイウォールがある。noteしかり、ニュースサイトしかり。ペイウォールがないところには広告がベタベタと貼られている。広告はお金の代わりの通貨になっている。こうなるのも当然で、いい記事を書くには労働が必要なのだから対価を要求しなければならない。

これまでのインターネットでテキストが安価だったのは暇な人が、趣味で情報を生産していたからである。もちろん今もそういう記事は残っているものの、そうでない記事の方が多数派になりつつある。そのような記事は金を払って読むのが当たり前である。つまりインターネットは昔の雑誌に似てきている。

雑誌と違ってインターネットでは記事の単位で情報が買えなければならない。RSSリーダーにクレジットカードを登録しておいて、あるいはSNSのクライアントに登録しておいて、有料記事のリンクを踏んだら半自動的に決済を済ませて記事を読めるようになっていてほしい。そうすればライターに適切な報酬が入るし、消費者は広告を見ることなく適切なコストで情報を得られるだろう。

あちこちにペイウォールができることにはなるが、そもそも無料で質の良い情報はありえないのだから仕方がない。