しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報 2023/09/17 容れ物を替えると商売になる、おかずコミット、人類の宿痾

9/9(土)広島風お好み焼

歯医者で定期検診。合格だが磨けてないところもあった。右利きだと右下内側の歯が磨きにくいらしい。両利きになればいいのか?

フッ素の喪(30分)が開けたらベローチェでヤケクソピクルスホットドッグを食べた。

ヤケクソ量のピクルス

🪿🪿🪿

夜はお好み焼きを作った。広島風である。
ポイントは粉と水を目分量で合わせること。広島で生まれ育った者なら、目で見て適切なとろみがわかるはずである。袋に書かれた比率で混ぜると余ったり硬すぎたりするので、目で調整するのがいちばん。

ホットプレートがあるとかんたん

「広島焼」という呼称の問題がある。私はもう慣れたが、関西に出てきて「広島焼」と言われたときには少しイラッとしたしびっくりした。広島→広島人みたいな連想が働くのかもしれない*1

9/10(日)狩猟民族のナイフ、所属感情の問題

プーパーピーナイフ

先日買ったピーリングナイフが大活躍している。果物は剥きやすいし、にんじんをちょっと削ってモルモットに与えるのにも使える。ナイフは大きければよいものかと思っていたのだが、逆に小さいほうが便利なこともあるらしい。このナイフは刃渡り6cmである。

「小さいナイフなら銃刀法に違反せずに携帯できて便利なのでは?」と思った。しかし調べてみるとどんなサイズの刃物でも職質を受けたら逮捕される可能性があるらしい。軽犯罪法でしょっぴかれた人、裁判をしている人の記事が出てくる。日本だと合理的な理由があってもナイフを持っているだけで逮捕される。そういう安全観なのは知ってるけども不便そうである。

『嫁はフランス人 2 p.100』

🧶🧶🧶

よくインターネットでは意見🅰️と🅱️に分かれて運動会をしている。二元論である。
なんでそうなるのか不思議だったのだが「所属感情」という仮説を思いついた。「ぜったい🅰️に決まっている!」とポストすると🅰️を支持する人たちからいいねがついて所属感情が満たされるのだ。

これまでインターネット上の人間たちを批評するのに「コミュニティ」という言葉が使われてきたが「所属感情」と言ったほうが直接的でわかりやすいと思う。「コミュニティ」には「所属感情」以外の要素もあるかもしれないけど。

9/11(月)容れ物を替えると商売になる

巨大な味噌を注文した。我が家では750gの味噌が二週間でなくなる。昼も夜も味噌汁を食べているせいだ。

3月末に味噌のパックを10個くらい買ったのだがもうなくなってしまった。注文せねばならない。

www.tamanahamiso.co.jp

今回は3kgの樽にした。存在感があっていいと思う。

🦷🦷🦷

ほんの少しの加工をし、ものを詰め替えると商売になる。

  • ペット用牧草: 北米から輸入した牧草を袋に詰め、パッケージにモルモットかうさぎを描く
  • 刻みネギ: 地域のネギを切ってプラ容器に詰める
  • オリーブ専用土: 軽めの土をpH調整して混ぜて袋に詰める
  • 知識: 読んできたものに少しだけ思索を加えて本にする

DPZにOPP袋にものを詰めると商品になる、という記事があったがあれと同じ。ほとんど加工をせずに容器を変えるだけで、商品でなかったものが商品になってしまうのだ。詰め替えによって付加価値が生じている。

dailyportalz.jp

ものをいじらない商売には他にも輸送がある。香辛料をインドからヨーロッパへ運ぶと付加価値で大聖堂が建つ。現代の輸送コストは安くなっているが、それでも輸送だけで食っている人は多いと思う。

さらに考えを進めると「お金を詰め替える」「お金を動かす」という形態に行き着く。お金というか株式をパッケージにまとめて詰め替えたらETFができる。お金を動かしているだけの商売といえばFXだろうか。

 

「情報の詰め替え」は上述のとおり本である。知識人がやっていること。テキストサイトやブログもあるかもしれない。「情報の輸送」はもともとは活字だったが、今ではインターネットである。非常にコストが安くなっている。輸送するための情報、元ネタは誰かが生産している。ニュースであれば記者の労働である。誰かが人生の経験を言語化したものもありうる。

 

「詰め替え」は消費者の用途に応じたパッケージングを目的としている。消費者自身で労働をせずにそのまま使えるようにする。そういう細かいところからもお金をとる状況になっているということだ。

めんだこの原価は0円よオホホ

9/12(火)おかずコミット

会議をしたら私の仕事が4つも5つも増えていく。たすけてくれ〜。

👾👾👾

チームで雑談をしていたら「Pull Requestを読みやすくするには、どのコミットがハンバーグなのか示すようにしたらいい」というアイデアが出てきた。書いた人はどれがメインのおかずで、どれが添え物のパセリか知っているので説明しちゃえばいいのである。

実際のコードレビューで試したらとても便利だった。変更意図が一発でわかるので、大事なところのレビューに集中しやすい。

 

ところでパセリは添え物としてよく捨てられるが、あれはいかんと思う。私はパセリみたいな変な味の草を好む。捨てずにむしゃむしゃ食べる。茎も残さない。パセリがかわいそうなのでぜひ食べてやってほしい。

今週のモルモット

9/13(水)いいカメラで記録する、『おしゃべりな脳の研究』

同僚がiPhone 15を買うか悩んでいたので「お子さんの生育過程を残すのにできる限りいいカメラを使ったほうがいいですよ」と悪魔の囁きをした*2

しょうもない理屈ではあるのだが、意味はある。成長中の子供の様子はその場限りのもので、時間が経つと失われてしまう。思い出として写真や動画が残るのだ。その解像度は大事だ、と言える。

ペットも同じだ。たいていのペットは人間より短命である。犬猫であっても20年経ったら死んでしまう。死んだら骨と写真とビデオしか残らない。だからペットの死のためにカメラをよくしておく、という理屈は成り立つ。

 

もちろんスマートフォンである必要はない。巨大なレンズのカメラとかコンデジがあるなら、そちらを使ったほうが美麗な画像が残ると思う。だが、なぜか我々はスマートフォンで撮影してしまうのだ。私もGR3を持ってるのに、もるちゃんを撮影するときはいつもiPhoneである。不思議なことだ。

🙀🙀🙀

『おしゃべりな脳の研究』を読み終わった。

「内言」や「聴声」などの頭の中で聞こえる声についての研究をまとめた本。

「内言」とは自分自身と対話するときに使われる頭の中の声のこと。私には内言もないのでよくわからないが、おそらく自分の声で聞こえるのだと思う。

「聴声(hearing voice)」とは頭の中で何者かが自分に話しかけてくる現象である。ふつう幻聴と呼ばれるものだが、幻聴ではなく聴声と呼ぶ人たちがいる。統合失調症というラベルを押しつけられるのではなく、聴声とうまくつきあっていこう、という運動が諸外国で起きており、hearing voice movementと呼ばれている。

聴声の原因は幼少期のトラウマである可能性が高いようだ。「声」とうまくつきあうためにも自己との対話、トラウマに傷つき分離してしまった自分のなかの他者を認める必要がある。このあたり、とても精神分析的である。

 

聴声者の話はおもしろいのだが、本書は死ぬほどつまらない。というかまともに読める本ではない。

一番問題があるのは著者で、小説家でもあるらしいのだが書き方が下手で何を言っているのかわからないところが多かった。読書メーターの感想でも読みにくいと言われており、ひどい本であることがわかる。翻訳書だが出版社はみすず書房。ちょっとみすず書房の評価が下がった。

9/14(木)頭を空っぽにしたい、土井先生は油に弱い

鍼へ行くとストレスを指摘された。自覚はなかったのだが、たしかに疲れている。それに仕事が忙しくてやる気を70%くらい出してしまっている。ふだんは30%くらい。お仕事は締切がだんだん近づいてきていて、締切前に夏休みの宿題パニックをしたくないので徐々に本気を出しているのだ。でも、私は晴耕雨読タイプの人間なので別にがんばりたくはない。毎日確実に30%の力を出して気づいたらなんかできてた、みたいなやり方が好みなのだ。70%出してたら翌々日には5%になるかもしれない。人間無理せんほうがええ。

 

ストレスの解消法はシンプルだ。鍼の先生によると運動と睡眠のどちらかしかないそうだ。頭を空っぽにすればいいのである。運動をすれば血が脳から抜けていくので自然と空っぽになる。血流もよくなって最高。しかし運動は面倒なのでなかなか定着しない。寝るほうが簡単かと思いきや、どの時間を削るか、という話になりこちらも難しい。

 

頭を空っぽにするなら酒はどうだろうか?アルコールで頭がぱっぱらになってくれる。いいのでは?

当然副作用のほうが多いと思われる。基本的にエタノールは毒物である。

フレンチパラドクスといって、ワインを飲むフランス人は肉食なのに心臓病になりにくいという統計的事実がある。なぜそうなるのかというと、ワインのポリフェノールが健康に効いているのでは、という仮説で説明される。もっともらしくワインを飲む口実になるが、ポリフェノールを食べたいのであればブドウをたくさん食べればよろしい。他にも渋柿やお茶にも入っている。

やっぱり運動とお茶しかないのか。

👒👒👒

疲れて土井善晴動画を観たら癒しになった。土井先生はすぐ誘惑に負けて油をドバドバ入れるのだ。

ダイエットはええからごま油入れますわ

9/15(金)人権としてのスマホ、人類の宿痾

iPhoneのページを見ていたらおもしろい契約を見つけた。

iPhone 15 Proを金利0%、36回の分割払いで購入できます。24ヶ月目に新しいiPhoneにアップグレードすると、残りの分割払いが不要に。

36回払いなのに24ヶ月目にiPhoneを買い換えたら残りの12ヶ月ぶんがチャラになるのである。直観的にはお得な感じがして意味がわからない。

Legal - iPhone 36か月分割払いオファー – 利用規約 - Apple

もちろん無料だとかそんなうまい話ではない。この仕組みは「公式下取りプログラムを使って12ヶ月分の料金を相殺する」だけのものである。なので2年後のiPhoneが少しでも壊れている場合は、12ヶ月分チャラオプションは発動できない。

3年ローンにすると5千円/月になってお得に見えるが、トータルで支払う金額は変わらないし、下取り金額もiPhoneの使用状況で決まる。一括で購入して下取りプログラムを使っても全く同じ状況になるのだが、見かけの支払額が違って心理的には安く見えるのだろう。

しかも2年後にiPhoneを買い換えないといけないからまた出費になる。一度この仕組みに入りこむと、永続的にiPhoneを5千円で借りるような状態(リース契約)になるのだと思う。よくできている。

🦊🦊🦊

今やスマートフォンは人権だ。我々はアプリを通してサービスを受ける。お店のポイントカード、行政サービス、買い物、なんでも。これらのアプリはある程度最新の機材しかサポートしてくれない。我々にはスマートフォンを買い替える「義務」がある。たとえ高額なローンを組むことになったとしても。

紙による手続き、紙による掲示などは最後の砦になっている。たとえ非効率だとしても公共性の高いところでは紙を残さないといけない。もしそれすらやめるのならば、法律でスマートフォンの所有を義務付け、維持できない人には補助金を配る、という話になるだろう。

🦊🦊🦊

久しく更新が滞っておりました.....実は3月の半ばくらいから、人類の宿痾、腰痛に悩まされておりました。今は快方に向かっています。重力に対して頸椎脊椎を垂直に立てている動物はあまりいないと思いますが、人間はその上、重たい頭を支えています。腰痛は進化の代償とでも言うべきでしょうか。

カタクリとニリンソウ | 断箋残墨記

インターネットを彷徨っていたら変なブログを見つけた。人類の宿痾、腰痛。まさに。脊椎を立てて人類は繁栄したがそのせいで腰痛という宿命を負ったのである。

*1:広島人を焼くと言えば原爆ですね……

*2:買うことになったらしい