しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報 2023/10/15 乳酸菌循環型社会、よい文章は明快さとリズム、猫背の軸

10/7(土)二度寝禁止、危険な歩道

三連休なのに七時起床。

このところ二度寝をしないポリシーで生きているので、目が開いたタイミングが起きる時間である。カーテンの隙間から漏れ入る光で勝手に起きるのに、これまではあえて二度寝をしていた。

二度寝をしないのは自律神経を気遣ってのこと。身体のタイミングに従うほうが調子がよいことに気づき、もう二週間くらいそうしている。特に支障はなく、続けていたら〇時すぎに寝る健康優良児になってしまった。

でも、眠くないわけではない。日中眠くなったら素直に昼寝をするし、何もできずにぼーっとしていることもある。この日は二回昼寝をした。

七時に起きると一日が長い。夜更かしをしても同じ時間活動できるはずなのに、早起きをすると時間がたくさんあるように感じられる。私にとって夜の活動は効率が悪いのかもしれない。

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夕食はモスバーガーになった。

持ち帰り袋を受けとって店を出たときのこと、目の前の歩道をLUUPが走っていった。

LUUPが走っているのは珍しくもないものだが、驚いたことにこのLUUPは完全に法律を守って走っていた。ちゃんと歩道走行モードになっていて、運転手もヘルメットをつけていた。完璧である。

 

特例特定小型原付は歩道では専用のモードにならないといけない。LEDランプをつけて6km/h上限で走行すること。10km/hでも15km/hでも違法である。しかし守っていない人が多い。知らないか無視しているかだろう。

キックボードの評判は悪いが、そもそも自転車も歩道を爆走している。法律上は徐行すべきとされていて、キックボードの例から察するに徐行とは6km/hである。自転車も歩道では6km/h上限で走行すべきなのだ。だが、現実には歩行者の間を縫うように暴走する輩ばかり。老若男女関係なくそうである。できればルールを守って欲しいのだが我が国の法意識では無理なのだろうなあ。

10/8(日)乳酸菌循環型社会、よい文章は明快さとリズム

ザワークラウトを作った。我が家では、ザワークラウトはなくてはならない整腸剤である。

一年以上作っているうちにキャベツを刻むのが面倒になり、本家本元ドイツ製のスライサーを買うに至った。このスライサーでキャベツをすりおろし、塩とスパイスで揉んだら瓶に詰めるだけである。数日間発酵させたら酸っぱくておいしいのができるので、毎朝これを食べる。すると、生活から腸の悩みがなくなるわけである。

キャベツが豆腐みたいにくずれていく

今回はピクルス液もいれた。このピクルス液はもともとザワークラウトの汁をスターターにしたものなので、ザワークラウトで育った乳酸菌がピクルスで成長し、里帰りしてきた形になる。厳密には生まれ故郷のキャベツとは違うところだが、まあ些細なことだ。

こうして二十一世紀のSDGs的な乳酸菌循環型社会が実現された。こうやって継代培養していったら我が国固有の変な菌ができちゃうのだろうか。

🎮🎮🎮

高島俊男のエッセイを読み始めた。高島先生は我が家でもっとも尊敬されている作家で、文章が上手でキャラがいい。惜しくも数年前に亡くなられたが著作は多く、繰り返し読んでもおもしろい。

この日読んでいた『広辞苑の神話』に

  • 「よい文章とは何よりもリズムと明快さである」
  • 「文章のうまさと内容のおもしろさは一如であり、文章がうまいのに内容がおもしろいということはない」

と書かれていた。まったくそのとおりである。

 

例外があるとしたら自然科学とか専門知識の本。「正しい」とされる科学の知識を、酷い文章に耐えながら読むときくらいのものである。もちろん、専門書の文章が上手であるに越したことはない。賢い人は明快に整理し、上手な文章で表現できるものである。これは「専門家であっても大衆にわかりやすく説明できるべきだ」という俗説に近いものだが、学問に知識の積みあげが必要なことと、明快でわかりやすい文章になることは別の問題である。学部一年生向けのわかりやすい文章も、大学院生向けのわかりやすい文章も両方存在する。

 

脱線した。「明快さとリズムが大事」という原則から言えるのは「下手な文章の本はさっさと捨てたらいい」ということである。自分が対象読者の基準を超えていて、それでも文章が下手ならばその本は読まなくていい。

「毎日ねころんで本をよみちらす。これが、ここ十数年来のわが生活である。
・・・通常毎日十冊以上はよむ。そのかわり、一つの本をおしまいまで通してよむことはめったにない。まあ五十冊に一冊くらいかな?それとも百冊に一冊くらいか。とにかく、ごくすくない。たいがいは途中でやめる。はやいのは一ページか二ページでほうり出す。毎日十冊以上ときいてびっくりするにはおよびません。あわせて一冊分にもならないのだから。」

高島俊男著『座右の名文』まえがきより

 

海を持っている。 - 和田浦海岸

 

10/9(月)ハトスポット、イーブイシチュー

月曜日だが祝日。やったあ。

ところが起きてみると首肩の調子が悪い。背中がカチコチである。元気とは言えない。

なんでそうなるのか心当たりがある。連休なのに家に引きこもり、カタカタパソコンオタクをしているからである。そうでなければ安楽椅子で読書をしている。土日の歩数はひどいと二千歩くらい。蟄居太郎は休めば休むほど身体がダメになるのである。諦めて散歩をすることにした。

🦢🦢🦢

買い物のついでに近くにあったお寺に寄ってみた。ここは鳩だらけなことで(私の中で)有名なスポットだ。

かがむと寄ってくる

この日も鳩がたくさんいて賑やか。しばし時間を忘れて鳩を眺める。

りっぱな鳩胸

それぞれ好き勝手に動いていてみていて飽きない。

🦢🦢🦢

夜はイーブイスープの残りものに手羽元を入れてみた。肉の表面を焼いたあとに小麦粉をまぶしてからスープに入れるとシチューになる。おいしかった。

イーブイシチュー(美味)

10/10(火)汝自らを知れ、西洋東洋二元論の歴史

今週のしいたけ占いに「山羊座は北風みたいな優しさと南国みたいなゆるさを併せもつ」というようなことが書かれていた。

妻氏には昔から「慈悲がない」「魚の釣り方だけ教えて魚をあげない人だ」と言われてきている。変えられない性分らしく「いや魚が欲しいんだけど」と言われてもめったに魚はあげない。人助けをするときは「見た感じヤバそうだから今回は魚あげるわ」「私がやったほうが最適だから釣ってあげる」「釣り方を丁寧に教えるから、日々の魚釣りは自分でがんばってね」という調子。

慈悲深さとは何かという問題で、どちらも正解だとは思うが、たまには大乗仏教みたいな衆庶を全員救ってやるよ、みたいな気概を見せられたら、と思わなくもない。

基本的に私は上座部仏教的な求道者である。それも頑固な。

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労働の日。会議と会議と面談があり、そのあとコードを書いていた。へろへろになる。
夕食後に悪くなったキウイを食べたらオエっとなったが、そのまま飲みこんでしまった。

 

風呂で谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を読んでいた。「近頃(昭和初期)の電燈は明るすぎる。西欧文明は便利だが東洋の文化にあうものではない」という主張の文章だった。偉大な作家であるだけに圧倒的文章力だったが、内容はどうかと思うところも多かった。「東洋には東洋のよさがある」的な思考は開国以来伝統的なものなのだろう。大事なのは、西洋にも東洋にも偏らずにどっちつかずの態度を取り続けることだと思う。

うっとりモルモット

10/11(水)問いを投げて考えてもらう、『お言葉ですが…4 広辞苑の神話』

睡眠が悪かった。新居の冬は初めてで布団の加減がよくわからない。どうも湿気が溜まりやすい部屋なような気がする。真冬にはいいことだが、秋には寒いのに暑くて困るのであった。

起きたらポンコツなまま一日を過ごす。コーヒーを抽出中のまま出勤するなどのミスがあった。

🦡🦡🦡

仕事で「一人で考えずに、人を集めて質問をすると勝手に検討が詰められて仕事が進む」という現象を経験した。PM(プロジェクトマネージャー)とかやっている人には当たり前の感覚だろうけど、体験したらおもしろかった。

投げる質問、問いの質が重要ではあるが、そこさえクリアしておけば「質問をする→情報を整理する→次の問いを立てる」を繰り返すだけで知的生産になりそうである。

🦡🦡🦡

お言葉ですが…4 広辞苑の神話』を読んだ。

上述の通り文章が上手でおもしろい本。エッセイなのだがエッセイというよりはラジオみたいな本だった。

90年代の高島先生は文春の雑誌か何かに連載をしており「この日本語が変だ」「この表現は何かおかしいぞ」みたいなことを書いては読者からクソリプをもらっていた。届いたお便りのうち、取り上げるに値するものだけ高島先生がレスをする。ラジオだとふつおたのコーナーになるのかしら。

 

クソリプと表現したように、しょうもないお便りも多かったようである。当時から現代SNS地獄の芽はあったのだ。

10/12(木)猫背の軸

深夜、妻氏にどつかれて起きたと思ったらいびきがあるとのこと。いびき人間はどつくと止まるらしい。

いびきなんて初めてだ。太ると肉が気道を圧迫するという話は聞いたことあるが、別に体型の変化はない。風邪をひいているということもない。なぜなのか。

思案した挙句思いついたのは「猫背になっている」説。唯一の心当たりが背中の凝りである。背が丸まっていて、気道が狭くなっているのではないか。

猫背は数年前に治したはずなのだが、まだ肩首が痛くなることがある。背筋は伸びるようになり、立ち姿もまともなのになぜ背中が丸まるのか。職業病だとは思う。一日中PCに向かっていると集中するたびに肩が内側に入りこんでしまう。

と、なると肩を開けば良さそうである。なるほど姿勢指導を受けてたしかに背筋は伸びるようになったが、横方向の猫背は治っていなかったのだろう。猫背には縦=背骨軸の問題と、横=肩甲骨軸の問題があるのだ。

 

水平方向の猫背に注意を向けたらすぐに肩こりがよくなった。息もしやすくなり、次の晩はいびきを指摘されることもなくなった。めでたしめでたし。

🥔🥔🥔

お仕事は一日中コーディング。ややこしいところを任されていて夜までぶっ続けで設計と実装をしていた。それなりにまともな形になってひと安心。

10/13(金)冬到来、カフカ本と蛇足

頭が回らなくて定時ダッシュをした。そのまま鍼へ行ったところ冷えと疲れを指摘される。

もう冷えの季節が始まったのだ。これから半年間、身体を冷やさぬよう注意する生活が始まる。

観念して着る毛布とレッグウォーマーを出してきた。

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『絶望名人カフカの人生論』という本を読んだ。

書店でタイトルに惹かれて買ったのだが、中身は微妙だった。

たしかにカフカの日記、書簡はおもしろいのだが、附属の編訳者コメントがつまらない。それに説教くさい。「常識的」なコメントをつけてカフカの悲鳴を紹介するとはひどい仕打ちである。

それを言うと遺稿が公開されて世界中で読まれる事態がカフカへの冒涜だが、おもしろいのだからどうしようもない。

ともあれ、しょうもない本ではなく、カフカの書簡集や小説のほうを読もうと思った。

5th vaccineにより絵師お休み