しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報 2024/05/26 あえてのんびりやる

5/18(土)

近所で買ってきたパンを食べて二度寝。よい午睡だった。土曜日の昼寝ほど気持ちのよいものはない。京都市民の模範的休日。

☕️☕️☕️

ちょっと用事があってApple Store京都へ。例のごとく、店員との義務雑談をする。iPadを買っていたので感想を聞かれる。
iPadのほうがPCより集中できることがあるんですよ。アプリがシングルタスク前提に作られてるからだと思うんですが」
「へーおもしろいですね!気づきをくださってありがとうございます」

という会話があった。「気づき」というキーワードを実際に使う人に出会ってびっくりした。

☕️☕️☕️

『世界は時間でできている』を読んだ。
ベルクソンの時間哲学を解釈する本。テーマは心の哲学。意識、記憶、心がどうなっているのかを考える哲学分野だ。ベルクソンは百年前の哲学者にも関わらず、時間および精神のモデルについて斬新なアイデアを提出していた。それが現代において再評価されつつある、という背景がある本。
ざっくりまとめると「生物は感覚入力に対する運動出力を遅延させることで複雑な行動を取れるように進化してきた。その遅延の幅を最大にしたものが人類である。遅延させる途中で情報を溜めていると、自然に意識や記憶が発生する」という内容だった。
著者の主張するモデルがけっこう合理的で、ソフトウェアエンジニアとしては納得のいくデータ構造だと思った。

5/19(日)

一日雨。朝から晩にかけて気圧が下がっていき、頭と腰が痛んだ。ぐーぐる調べによると気象病で腰が痛むことはあるらしい。まったく作用機序がわからなくて不思議だが、事実として腰は痛い。イブプロフェンを飲み風呂に入ってなんとかした。

🛎🛎🛎

そこそこ調理をがんばる。ミートソースパスタとビリヤニ。どちらもぶんぶんチョッパーが活躍した。ぶんぶんチョッパーは買ってから棚の肥やしになっていたが、なんとなく引っ張り出してきて使ってみたら便利だった。再評価の流れに入る。いくつかチョッパー的な台所道具は持っているのだが、千円足らずのぶんぶんチョッパーがいちばん性能がいい。繊維を潰しすぎず、ほどよい大きさに刻むのにこれ以上の道具はないかもしれない。

パスタ・製麺ビリヤニ

🛎🛎🛎

暇になって Safariのブックマーク整理をしていた。よっぽどの暇である。
Safariには古代のテキストサイトのブックマークが残っていた。 Safariをメインで使っていた時期はあまりないので、なぜ入っているのか自分でもわからない。Macを手に入れたときにSafariが起動し、Chromeのブックマークを吸い込んだのではないか。思いがけぬ形で化石が残っていて驚いた。

ブックマークを一つ一つチェックする。棚卸しだ。jQueryの書き方、2chのまとめ、雑学系サイト。そのほとんどがリンク切れあるいはドメインごと消滅しているサイトだった。接続できたサイトも八割がた廃墟。生き残っているものはほとんどいなかった。

今でも更新されていたサイトに、駄文にゅうすというものがあった。リンク集のサイトで、日記的にその日おもしろく思った記事へのリンク集が貼られている。年季の入ったサイトなので中の人はけっこうな歳じゃないだろうか。そういえばDPZも今年の一月に「今こそリンク集」という特集をやっていた。今やSNSにリンクが垂れ流されてニュース供給には事欠かないけれども、どこか多様性に欠けるところがある。話題になる記事の傾向が偏っているのだろう。その反面、リンク集は内容がいろいろだ。RSSリーダーに登録してこのサイトをウォッチすることにした。

今やテキストサイトやリンク集は古びて忘れ去られたコンテンツだが、SNS全盛の現代でも何か光るものがあった。中の人が意思と興味を持って、リンクだけを集めるのがポイントなのかもしれない。

5/20(月)

早起きして弁当を作る。支度をしながら仕事のことを考えていたらなんだか嫌な予感がした。
出社してみると予想が当たり、一日中コードレビューをすることに。同僚がワーカーホリックで、休日に労働しては大量のレビュー依頼を投げてくるのだ。いくつか放置しても良かったはずなのだが、真面目に受けとって全部見てしまった。そのせいで自分の作業がまったくできず、不満が残った。
別に今日中に見るべき、ということもないので自制して放置しないといけない。自分のペースを守る働きかたができないとまずい。

🍘🍘🍘

あまりに疲れたので中華に駆け込む。小籠包を大量に注文。

MITM(メンダコ・イン・ザ・ミドル)

5/21(火)

通勤で自転車を漕ぎながらぷりぷり怒っていた。昨日のレビューの件。土日に働いてこっちの仕事を増やすなんてズルい!という気持ちがあったのだが、自転車を漕いでいると次第に視点が変わってきた。人の労働に口を出してもしょうがないし、自分の捉え方、対応方法の変更でどうにでもなる、という予感があった。
「私はペースを乱されるのがストレスになる」という言語化が出てきた。ここ数ヶ月、チーム全体が忙しかったのもあって、レビューがあれば最優先で見るようにしていた。締め切り前の雰囲気に当てられて無理に自分をせかせかさせてたところがある。そうやって無意識に埋め込まれたせかせかモジュールが同僚の大量レビュー依頼で発動し、結果的に自分のペースが乱されて怒った。しかし真の原因は自分の中の自動化された癖だった。
このことに気づいたらとても楽になった。本来は自分のペースでだらだら進めるのが好きなのに、無理に合わせる癖を身につけていくうちに茹でガエルになっていたようだ。

🌀🌀🌀

夜に月一の社交ダンスレッスンを受ける。談笑しながら先生に見てもらいながら踊り、テーマを決めてフォームや動きを直される。今日はホールドの大事なコツを教えられて身につけることができた。正しくパートナーと組むと腹筋がガチガチに絞められる。たった1分踊っただけでへとへとになるくらい筋肉を使えるようになった。

ほんとうは自炊をしたかったのだけども、疲労と空腹により外食にした。イタリアンにする。
家に帰って消費期限が切れそうな魚の処置。これまで消費期限を無視して食べていたのだが、今回は期限切れの魚が多かったのでピチットシートを使って干物にしてみた。塩をかけて脱水シートで包むだけ。これでしばらくもつ。魚は毎日食べたいものだが、たまにうまく自炊が遂行されないことがある。そういうときは脱水シートで包めばいいようである。たぶん肉も同じことができるはず。干し肉、干物はうまいからこれでよい。

塩をしてピチットシートで包むと一夜干しになりたいへん美味である

 5/22(水)

オフィスの袖机に置いておいたルービックキューブが勝手に揃えられていた。このあたりの席では私と上司の二人しか揃えられないはず。誰が揃えたのかわからなくて不気味だった。

🍠🍠🍠

自家製麺したうどんを食べたらおいしかった。私はうどんアンチだったはずなのだが、素麺党のアイデンティティが揺らいでいる。
でも外で食べるうどん、茹でうどんや乾麺のうどんだとおいしく感じられないので、自家製麺に何か秘密があるらしい。それが何なのかはわからない。

🍠🍠🍠

もう関西に来て15年になるので故郷の方言はほとんど捨ててしまった。残っているのは「たう」だけだと思っていたのだが「はぶてる」も方言であることに気づいた。「たう」とは届くという意味。「たう?」「たわない」というふうに手が届かないことを表現する。「はぶてる」は不貞腐れるという意味。短くて言いやすいので方言とは気づかずに使い続けていた。たまに妻氏に通じてなくて、ようやく方言であるのに気づく。他にも「すねる」「いじける」「むつける(仙台方言)」などがあるらしいが、どれもピンと来ない。今後もはぶてるを使い続ける気がする。

5/23(木)

起きたら9時前。まさかの寝坊だ。でも慌てない。朝食を抜き弁当づくりを放棄したら間に合う。ごはんは会社に着いてからなんか食べる。と、呑気に構えて支度しいつもどおりチャリで出勤した。

🎁🎁🎁

気候が良いのもあって、さいきん自転車移動を気にいっている。キコキコ漕ぎながら考えごとをして、何か思いついたら停車してメモをする。頭の整理をするのに良いらしい。考えごとの整理といえば散歩でもいいが、とにかく動きながらぼーっとするのが大事だ。私の通勤手段は公共交通と自転車を使い分けられるのだが、さいきんは箱に入って移動するのが嫌になってきている。汗をかいてもいいから自由にのんびり移動したいのだと思う。そういえば『作家の仕事部屋』に出てくる小説家か誰かが「頭の上に屋根があると筆が進まない」と言っていた。たぶんそういうやつ。

5/24(金)

だんだん寝苦しくなってきた。日本の四季だ。じめじめ初夏だ。これが十月まで続く。北海道へ行きたい。
布団を間違えて浅い睡眠。腰も痛い。シクシク悲しみながら自転車で出勤した。東京から来ている同じチームの同僚がおり、お昼をいっしょに食べるなどした。

🥩🥩🥩

ねじ式』と『つげ義春日記』を読んだ。つげ義春のことはよく知らなかった。名前を聞いたことがあるくらい。興味もなかったが、日記が売られていたのでただ買って読んだ。どういう漫画を描く人なのか?と気になって漫画も読む。変な漫画だった。そして現代のエッセイ漫画の先駆けっぽい雰囲気もある。
人気がありそう、ということはわかった。私には魅力はわからず。

日記のほうは、とにかく暗かった。つげの性格である。実父が四歳くらいで亡くなっており、あとは性格の悪い母と祖父、義父に囲まれてメッキ工をしながら食い繋いだ。育ちのややこしさから自閉症、赤面症であり、対人関係はうまくいかない。人と喋らずに食える職業として漫画家をやってみたら、ガロによって人気を博す。絶頂期につげの妻、マリと結婚するも、長男誕生後は漫画が描けず、妻が子宮癌になるなど不幸が続いた。最終的につげは不安神経症を発症し病気と付き合いながらエッセイを書くことで食いつなぐ。そういう日記だった。

リンク集

www.mayado.jp

anond.hatelabo.jp

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