しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報 2024/06/30 さまざまな爆発

6/22(土)

美容院で髪を切ってもらう。もう十年ほど同じ人に切ってもらっていて、その間に私は労働をし続け、美容師さんには子供が生まれもう小学生だったか。
今日もいつものようにテンション低く喋りながら切ってもらおうと思って訪れたらいつもと様子が違っていた。私の予約した時間のはずなのに、美容師さんはおばさん客とやや険悪めの議論をしている。おだやかな人なのに珍しい。なんでもおばさんが矛盾した染色の要求をしているらしく、それは無理だからどっちかにしろ、という説得をしているようだった。またこのおばさんは人の言うことを理解せずに、言いたいことをまくしたてるタイプ。厄介な客だった。
そのまま待たされるのかと思いきや、先に髪を洗われることになった。本来は髪を切ったあとに行われるサービスだが、助手の人が気を利かせ柔軟に判断したようだった。ちょうど汗をかいていたし状況が状況なのでそのまま洗ってもらう。助手の女性はいつもより丹念に、時間をかけて私の頭を洗った。時間稼ぎである。
20分ほど時間を稼いでもらったあと、10分椅子で待機。すると染色で放置フェーズに入った美容師さんがやってきて髪を切ってくれた。いつもよりだいぶ疲れていて、そして焦っている様子。スケジュールが押しているようだった。時折助手の女性と耳打ちをして作戦会議もしている。どうやって色を入れるか判断が難しいようだった。
最後まで顛末を見届けたかったが、素早く私の髪は切られてお会計となった。退店する頃には次の枠の客も来ておりまだ予断を許さぬ状況。おばさんは今度は助手さんにあれこれ捲し立てている。それを尻目に帰ることにした。

家に帰ってから鏡で髪の毛をチェックすると何房か切りもらしがあった。災難である。

🐈🐈🐈

美容院に行く前に5kmほど歩いてみた。梅雨入りした京都はじっとりと暑く、30分も歩くと背中は汗でべとべとになった。
歩こうと思ったのは、朝から体調が悪かったから。体調が悪いのに歩くのには訳があって、冷え性(低血圧)人は循環が悪いと身体の各所に水が溜まるからである。あちこちに溜まった水を排出する方法は筋肉を動かしてリンパ系へ送り込むか、汗をかくかのどちらかしかない。両方を一気に満たせるのが散歩なのだ。
こうして狙ったとおり、汗と尿が出てむくみをとることができた。

🐈🐈🐈

半田そうめんを箱買いしたのが届いた。やっぱりそうめんが好きでやめられないので、全国あちこちからそうめんを取り寄せては堪能している。そのうち天下一を決めたい。
今回のそうめんは古風な包装でやってきた。古風と言ってもでっかい桐箱ではない。ただの段ボール箱なのだが、その箱がやたらと厚手なのだ。Amazonやヨドバシなどのふつうのインターネット通販の箱は薄手で効率的に作られている。コストが節約されている。古風な包装というのは、コスト意識が乏しく、どこか豪勢な包装のことを言っているのだ。
そして感想をしたためるハガキ、ファックス注文用紙もついていた。商品カタログもあるし、なぜか団扇もついてきた。

なぜここまでするのか

 

コスト意識がゆるく昭和の豪勢さを残していて好感が持てた。このままそうめんで儲けていただきたい。

6/23(日)

業務で運用してるシステムのアラートが鳴り対処をした。と言っても特に問題はなく誤報だった。原因は不明だが問題ないことを確認し日常に戻る。
反応した同僚たちはだいたい外にいた。家にいて引きこもっているのは私くらいのようだ。ほんとうに土日は外にいるものなのだなあ、と感心した。我が家は用がなければ外に出ないし、用はまとめるので。

🍞🍞🍞

パンを一人で作った。

丸めは下手くそなのにパンは自分でパンになる

これまでは妻氏がパン焼き大臣だったのだが、パンの発酵に振りまわされるのが画業に障るということで、次第にパンを焼かなくなっていった。しかし市販の食パンはあんまりおいしくない。それに買ってしまった機材(ニーダー)もある。耐えかねた私は勝手にパンを作り始めた。レシピだけ教えてもらって前日から生地を仕込み、冷蔵庫で発酵させる。翌日捏ねて寝かせてぷっくり発酵させる。それをイーストごと焼き殺して完成。
思ったよりも簡単だった。と言っても、肝心の捏ねは優秀な機械がやってくれているからだが。人間がやることといえば計量し、分割し、捏ねて型に入れて焼くだけ。そう手数はかからない。待つ時間が多いだけだった。ただ、パンが発酵しすぎないように時折様子を見る必要があるので、たしかに集中して絵を描く人には向いていない。台所で本を読みながら料理をするような私にはできるというだけだった。

パンはうまいのを食べたい。小麦粉系の料理は自作するメリットが大きい。餃子の皮でも製麺でもなんでもいいが、自分で作った作りたてを食べてほしい。それほどまでに自作の粉食品はうまいのだ。

パンはほうっておくと爆発します。注意してお世話しましょう

6/24(月)

ややこしい性格の人と仕事をするには、その人の性格がなんでそうなっているのかを理解する必要がある。よく1on1指南書などで言われそうなテクニックだ。メンタリングの技術でもありそう。そういう小賢しい話は置いといて、ともあれ同僚の性格の根っこは理解しておかないと困ることがある。目的は、たぶん、周りの人の行動を予測可能にしておくこと。日常で予想外のことが起きたら困るのだ。
理解するためには観察と分析と勉強が必要だ。よく見て日記に書きながら考え、本を読んでいろいろな発達傾向の特徴を知っておく。画像記憶の人か、言語タイプか、音楽タイプか、という分析もその一つ。そうやって他者を知っておくと生活が楽になる。

まったく分析する必要がないような人もいる。気配りが上手で自制が行き届いている人。感情的になることはなく落ち着いている人。そういった人たちは相手をしていると楽ではあるのだけれども、どこかよそよそしさというか、遠さを感じることはある。分析できるような尻尾を見せてくれないというか。自制的な人は同じように相手を分析しているのだろう。対面して話すと、探り合い読み合いになってなんだか変な感じがする。しかし、深く話してみるとおもしろいので、信頼されるように時間をかけて仲良くなると良いことがあるだろう。

💦💦💦

同僚らと中華を食べに行き、始めて辣子鶏と紹興酒を味わった。

www.hotpepper.jp

辣子鶏とはこの記事の画像にあるとおり、唐辛子と花椒の中に埋もれた鶏肉を食べる料理である。たいへん辛い。なのにうまい。同僚たちは「ココイチの3辛だ」「いや5だ」とか謎にココイチ単位系を持ちだしてくる。よくわからないが辛くておいしかった。食べられない人もいて辛さ耐性の多様性があるのを知った。私にとってはあまりにおいしく、自宅で再現することを心に誓ったほどである。妻氏は辛いのがダメなので私一人で食べることになるだろう。
紹興酒ラム酒メープルシロップを合わせたような味がした。風味が良く、料理に使っても常飲してもおいしいお酒だ。これも常備することにした。何かとレシピに書かれていて気になっていたのだ。

6/25(火)

村上春樹の『騎士団長殺し』をぜんぶ読み終わった。記録によると五月の半ばから読んでいたらしい。文庫四冊もありなかなかの長編。なのに長くても退屈しなくてサクサク読めた。文章のリズムがとっても良い。
タイトルのとおり騎士団長が殺される。舞台は現代の日本の小田原だがなぜか騎士団長が出てきて殺される。騎士団長が何かはネタバレになるので語れない。騎士団長を殺すことで物語が大きく展開しさまざまな問題が片付いていく。最終的にすべての問題があるべきところに落ちついて物語が畳まれた。ハッピーエンドかどうかは解釈が分かれるところだが、読後感は良い。ちゃんとお腹に溜まって印象に小説だった。おすすめである。

🌶️🌶️🌶️

循環の悪さを感じてラジオ体操をしてみる。第一は何も見ずに、何も聞かずに再現できる。でも第一ってあんまりキツくない。もうちょっと息が上がるようなやつがいい。それが第二なのだろうか。まったく覚えてないし印象がないけれども。第二、覚えるか。

🌶️🌶️🌶️

鰯を焼いたら爆発した。このごろ鰯は旬なのかやたらとうまい。一夜干しになったものを買ってきて毎日少しずつ焼いて食べている。今日もロースターで二人分を焼いていたところ、ロースターの内部で脂が爆発して一瞬火がついた。それくらいは耐えられる機材なので火事とかにはならないのだが、煙がひどいことになった。けむらん亭は触媒で煙を焼き切ってくれる製品ではあるが、びっくりして電源を切ってしまい、煙がもわもわとリビングじゅうに広がっていった。
脂が多い魚はロースターで焼いてはいけない。反省して翌日からは小さなフライパンを使って焼くようになった。鰯くらいならば蓋をして蒸し焼きにすればよい。ある日、さらに工夫をして酒蒸しにしてみた。食べてみると上品な味がして実にうまい。ここで気づいたのだが、中華料理に似たような魚料理があったはず。清蒸だ。酒蒸しにして煮えたぎる油をかけて食べる料理。なるほどおいしかろうなあ。今度どっかで食べてみよう。あるいは自分で作る。

dancyu.jp

6/26(水)

会社の自席に置いといたカリタのコーヒーサーバーにカビが生えていた。ガラス容器でつるつるしていて、蓋にはメッシュが入っているから空気が通るのに、底に溜まった一滴の水を養分としてカビが発生したようだった。最後に使ったのは先週金曜日だったか。たった数日置いとくだけでカビるなんてさすが梅雨である。日本の気候の恐ろしさよ。冷蔵庫がないころの食べ物なんてひとたまりもないに違いない。

☕️☕️☕️

ベランダの🌶️の生育が止まっている。五月くらいに買ってきた苗を鉢に植え、水やりだけしていたら背丈が伸びなくなってしまった。一時期ばんばか花が咲いて実がついたのはいいが、先になった実ばかり大きくなって後のやつらはどれも小さいままだ。明らかに息切れしている。なんでやろな、と思ってサークルの農業チャンネルで相談していたら、追肥をしてないのに気づいた。野菜栽培では基本的なことなのだが、プランター野菜栽培ではけっこう頻繁に追肥をしないといけないらしい。それを一ヶ月くらい怠っていたのだろうか。土のなかの栄養はほとんど流れていってしまって、🌶️はスランプに陥ったのである。ごめんごめん。

とりあえず家にあったハイポネックスを薄めて散布した。あとはリキダス栄養剤とかも定期的にやっていくと🌶️だらけになるのではないか。われわれが食べるような野菜は人工的に改造された野菜工場である。特にプランターでは、たくさんの栄養をやらねばならない。そういう特殊な条件で育てていることを改めて認識した。

生育不良の🌶️

6/27(木)

超塾がなくなり自作パン消費のターンに入る。明らかにうまくてもう戻れない気持ちになった。超塾はおいしいほうで、世の中にはおいしくない食パンがいくらでもあるのに。パンとは何なのか。小麦とは。なんでこんなうまいの

🍍🍍🍍

さいきん業務でチーム外の人との調整窓口もやっている。仕様を変えてくれとか、ここバグっているよ、とかの報告を受けて資料やコードをいじる。同僚に振ってもいいはずだが、なんか自分でやってしまう。自分でできちゃうから。
そのせいで仕事が増えて首が回らなくなっているところもある。もし調整窓口の人がコードを書かないただのロードバランサであれば、こうはならないだろう。自分ではやらないことが自明なのでチケットを立ててチームの人にお願いをすることになる。しかし、自分が窓口になっていて修正する能力も持っているとなると「要望を叶えてあげたい」となって我が身を滅ぼすことになるのだ。
ある程度は自分でやらない判断をするしかない。仕事の内容と意図を説明するスキルが別途必要だが、そうしないと本当に首が回らなくなるのだと思う。

6/28(金)

休みにした。祝日砂漠に耐えられなくて。
さいきん私はたいへんな目に遭っているらしい。妻氏曰く。仕事が忙しくて午後九時くらいまで働いていることも多かった。スケジュールがキツキツなので休みにくいのだが、ついに耐えかねて無理やり休みにしたわけである。大雨の日なのでちょうどよかった。

🍝🍝🍝

賞与支給日にしてApple Vision Proの発売日だった。ちょうど有給を入れていたのもあり前日にApple Storeでの体験会を予約していた。まだ世間が注目する前だったので昼間のいい時間が取れた。大雨のなか店舗へ赴き、試着とコンテンツ体験をさせてもらう。
重さはそこそこ。 VRゴーグルと同じか軽いくらいでそこまで気にならなかった。ただ、頭への圧力は感じられる。おそらくフィッティングが完全ではないせいだが、うまくやらないと首にダメージが入ると思う。猫背の人にも向いてなくて、姿勢が悪い人はすぐに首が痛くなるだろう。というふうな、それなりの重さがあるデバイスである。
空間コンピューティングの体験は良かった。Apple Vision Proでは指と視線を使って操作をする。クリックは指をつまむ動きで、視線がポインタになる。写真やWebページを拡大する操作が難しくて、画面のある一点を注視したまま両手の指でギュッと引き伸ばすジェスチャーを入力する必要がある。日常のUIに注視という行為がないので、なかなか慣れない。また、ホーム画面のアイコンをクリックするのも視線を使う。これもやや難しかった。訓練が必要。しかしそれ以外はいたって自然なUIをしていた。直観的に思いついた操作をすると、だいたい所望の結果が得られる。さすがAppleの設計である。

体験したコンテンツは三次元映像とパノラマ写真、Webページ閲覧など。
iPhone 15 Proか何かを使うと空間ビデオという三次元の映像が撮影できるのだが、これがApple Vision Proで鑑賞できる。たしかに三次元で目の前に飛び出てきて臨場感たっぷりなのだが、どこか不気味の谷めいた不自然さはあった。とはいえ、故人やペットのメモリアルとしてはこれ以上ない媒体だと思う。身近な何者かが亡くなる前に撮りためておくと良いだろう。あるいは成長中の子の瞬間を切り取って残しておくとか。

個人的に気になっていたのはSafariでのWebページ閲覧の性能だった。画面がどんな感じに見えるのか、フォントサイズは適切なのか、読めるのか。結論から言うとまったく問題がなかった。Kindleでも何でも読めると思う。読めるということは書けることも意味する。視界の端っこにSafariを開いておいて、正面に置いたテキストエディタに文章を書く、といった使い方ができる。逆にKindleを正面に開いて横っちょに読書メモとかも。インターネットを介した読みものが趣味な人にとって、これ以上のデバイスはないだろう。この点が購入判断の決め手になった。はい。結論から言うと注文しました。

🍝🍝🍝

昨年のどこかの週報にも書いたのだが、私には「視覚の弱さを道具で補いたい」という要求が強くあるらしい。思えば青年期から一貫してこの傾向があり、学部では VRの研究室に入り就職したあとは十年くらい前から巨大ディスプレイだのメガネにつける変なディスプレイだのいろいろ試してきた。理想的な要望としては「視界のなかの任意の場所にウィンドウを置いておきたい」というものだ。おそらく短期記憶の弱さやイメージ能力の欠如と関連しているのだろうが、今のところはそういう要求が強い、としか言えない。ある種のハンディキャップなので、それを埋めるためなら投資は惜しまないし、これまでもそういうところにばかりお金を使ってきたのだった。生得的な弱点はどうしようもない現実だが、現実として受けとめるにしても諦めきれないところはあるようだ。

リンク集

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いつの間にかプロフおじさんが知人枠になっている

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不気味でよかった

sakata-tsushin.com

今週の無知。追肥の基本を知らなかった

news.denfaminicogamer.jp

チーム開発において誰がどれくらい寄与したかなんかわからない問題

www.sony-semicon.com

Apple Vision Proはセンサーの塊で、一番重要なセンサー(サンプル品)がこの値段。そう簡単に値段は下がってくれないことがわかった

note.com

オタクのJK(おそらく准教授)が南極に行く連載記事