しゅみは人間の分析です

いらんことばかり考えます

週報2022/02/20 レビューしやすいブランチ作り, 肉は煮込むと臭くなる

近況

寝つきが悪くておかしいなと思っていたら、夜に飲むジャスミン茶が原因だった。ジャスミン茶は花か何かのお茶であり、カフェインは入っていないものだと思っていたのだが、調べてみると緑茶などに香りをつけたお茶であった。緑茶がベースなので当然カフェインが入っている。どうりで眠れないわけだ。

コーヒーなら夜に飲んでも眠れるのにお茶だと全然眠れなくなる。大元の植物が異なるのでカフェインと称していても、微妙に差異があったりするのだろうか。

労働

というわけで労働の調子は悪かった。日中は眠く、あまり考えられない体調が続いていた。

レビューしやすいブランチ作り

今週もほとんど実装をしていたのだが、コードを書いていると、自分に困った癖があるのに気づいた。ブランチの目的から外れた実装をしてしまうのだ。来週着手する予定の機能を見据えて先にデータ構造を変えてしまったり、既存の設計を考え直して巨大な変更を入れたり。

最終的に必要になる機能なら実装しても良いといえば良いのだが、コミットが増えるとレビューが大変になる。レビューが長くなるとレビュワーだけでなく、自分の作業も止まって困るので、レビューしやすいブランチ作りは大事だ。ブランチは目的に対して小さくまとまっていると良い。リファクタリングをするならリファクタリングだけのブランチを切るのが理想だ。

ソフトウェアエンジニア諺として「早すぎる最適化をするな」というものがある。ときにベテランのエンジニアがこの諺を引いてしたり顔でお説教をするものだが、そういうベテランエンジニアでも早すぎる最適化をしてしまうことは多い。コードとして出てこなくても脳裏で最適化をしてしまっている。職業病なので治らない。ただ、それを理性で押しとどめて表に出さないで済んでいるだけなのだ。

結局、どうやってレビューしやすいブランチを作ればよいのだろうか。苦肉の策ではあるが、コミットの数を抑えるのが分かりやすい指標だと思う。1ブランチあたり10コミット以下が理想だろうか。もし実装が膨れ上がりそうになったら、ブランチの名前を変えて目標を小さめに切り出し、stashで書いてしまった不要なコードを隠すとよい。pushしてなければどうにでもなるはずだ。もし、チームみんなでこれができると、互いに素早くレビュー承認できるかもしれない。

読書

読んだ

人はなぜ物語を求めるのか

人が自分の人生や身の回りの出来事について、既存の「物語」に合わせて、事実を捻じ曲げて解釈してしまう問題をとりあげた本。黒子のバスケ事件の被告の人生観の変化がおもしろかった。裁判の冒頭陳述ではインターネットでよく見られる人生観を自分に適用し、そこから逆算した犯行動機を喋っていたのに対し、最終陳述では家庭問題やいじめの経験を背景に自分の感情を素朴に語れるようになっていた。この被告は裁判の途中で差し入れられた本を読んで、世間の物語の側から自分を解釈するのではなく、自分について自分で考える方法を手に入れたらしい。

ヒトの壁

養老孟司は評価の分かれる作家だが私は好んで読む。いつもなら、社会の分析と批評をするのが養老孟司だが、今回はエッセイらしい文章が多かった。養老孟司はこの本の執筆中に心筋梗塞で倒れ、愛猫が死ぬ経験をしていたそうだ。昔から死についてよく考えている作家だとは思っていたが、いよいよ死が近いようにみえた。

と、思いながらインターネットをしていたら、養老孟司の新刊の通知が二通も飛んできてびっくりした。どうやら死ぬまで書き続けるようだ。

読んでる

雑記

肉は煮こむと臭くなる

我が家では、平日の夜に具だくさんの味噌汁と焼き魚、白米を食べるのが原則になっている。土井善晴氏の言うとおり、味噌汁は毎日食べても飽きないし、野菜と肉を入れれば栄養バランスも完璧である。何より作るのが簡単なのがいい。

先日いつものように味噌汁を作ったら妙においしくなったことがあった。なぜか抜群においしい味噌汁ができることがたまにあって、いつも不思議に思うのであった。

はて何か特殊なことをしたかしら、と考えてみたところ、肉を煮込んでないことに気づいた。いつもは鶏もも肉と野菜を冷水から煮込んで味噌汁にしていた。この時はたまたま野菜だけを煮込んで最後に豚肉を入れる工程になっていた。豚肉は薄切りのものを使っていたので煮こんでいない。余熱だけで火を通した。このようにして肉を煮こまずにスープを作ったので雑味が出なくておいしかったのである。

なるほどスープ料理で肉を煮込むと臭くなるのである。そういえばポトフを大量に作ったとき、翌日のポトフが臭かったのを思い出した。香辛料を入れればマシにはなるのだがそれでも日本人にとっては臭い。西欧の肉食民族なら気にしないのかもしれないが。

日本人は煮た肉の臭さにどのように対処してきたのだろうか。肉を食べるようになったのは明治以降のはず。最初に登場したのはすき焼きである。これは煮るというよりも焼く料理なのでそれほど気にならないのかもしれない。その後出てきた肉料理といえば肉じゃが、カレー、シチューあたりだろうか。カレーは香辛料、シチューは牛乳で臭みをマスクしている。肉じゃがは酒・みりん・醤油で対処している。

おそらく和風の臭み消しの調味料が酒・みりん・醤油の照り焼きの方向性なのだろう。確かに醤油をそれなりに入れたら臭みは気にならなくなる。生姜焼きや牛丼もこの部類に入る。しかし、スープ料理として臭みを消すには醤油を大量に入れないといけないだろう。できないことはないと思うが、やはり香辛料を使った方が効率的である。

というわけで、臭み消しの調味料を使わないならば、スープの肉は煮こまないのがよい。味噌は臭み消しには使えないのだ。魚料理だと当たり前の考え方だが、肉でも同様だ。もし肉を入れるならば、フライパンやオーブンで焼いてからスープに混ぜるとよいだろう。肉の加熱はスープ調理と別工程で行うのだ。薄切り肉の場合は余熱調理で別工程が不要になるわけだ。